ゲラード・アートセン著 『ディスクロージャーの前に──憶測の霧を晴らす』

今日、「UFO」という言葉をグーグルで検索すると、地球外の現象についてインターネット上で見つかることに終わりはないように思える。その大部分は恐ろしいものか空想的なものである。地球外の存在が私たちの惑星を訪れる真の意味と目的を解明し識別するには、どこから始めたらよいのか。ゲラード・アートセンは、『ディスクロージャーの前に──憶測の霧を晴らす( UFO研究とエクソポリティクスを学ぶ人々のための入門書)』という新しい簡潔な本を書いた。この本は、人の目を欺くような、いまだに広まっている偽情報の霧を見通し、地球外の存在の根底にある真理を読者自身が識別するのを助けてくれる。アートセンが説明しているように、そうした真理は、人類が共有する知恵の伝統と最新の科学の洞察に裏付けられている。

地球外からの訪問者を十分に理解するためには、実質的に現代のUFO研究の時代の端緒となった 1950年代初期の一連のコンタクトから始めることが必須であると、『ディスクロージャーの前に』は助言している。ジョージ・アダムスキーやウィルバート・スミスのような初期コンタクティーは、肯定的なコンタクト体験しか伝えていない。スペースピープル(宇宙人)によって伝達するよう依頼された明快なメッセージは、アートセンによると、「第二次世界大戦の惨禍のわずか数年後であり、人類が核戦争の新たな脅威に直面していた時期であったので……人類を勇気づけるものでした」。「人類の一体性の表現として」、すべての人の基本的な必要を確実に満たしながら、人類が国際協力を通して平和な未来を創造するように彼らは助言した。アートセンが言うには、こうした証言は「信頼できる出発点となっています。とりわけ、彼らの説明はすべて、多くの顕著な一致点を示しており……当時の世界各地のコンタクティーだけでなく、その後の数十年間に似たような体験を報告した多くの人々による裏付けもあります」。

アートセンが言うには、証拠があるという主張を信頼すべきかどうかを見極めるためには、その主張は「厳密に主観的な体験を越えて一定レベルの真理やリアリティ(現実)を反映していなければなりません。……時代、活動分野、さらには社会階層の違う人々による幾つかの、あるいは少なくとも一つの観点から裏付けられているかどうかも確認する必要があります」。これが特に UFO研究との関連で必要とされるのは、公のコンタクトがなされた後でなければ、有形の証拠は明らかにならないからだと彼は書いている。数十年にわたった偽情報キャンペーンにより、各国政府やその機関によるいわゆるディスクロージャー(情報開示)についても疑問視した方がよい、彼らは地政学的意図のために国民の支持を当てにしているからだと、アートセンは警告している。ひいては、「秘密実験室で働いたことがあったかもしれないし、なかったかもしれない『政府の内部関係者』や『内部告発者』を通して私たちに届く……情報を受け入れることについても十分注意すべきです」と彼は述べている。「これは、その情報が国民の恐怖や混乱をあおったり助長したりするために意図的に植え付けられたかどうかを、決して確信することはできないという単純な事実のためです」

アートセンの以前の著書と同様に、『ディスクロージャーの前に』は、私たちが点と点とを結んで全体像をつかむのに役立つと同時に、「……『真理』とは知覚の問題だ」ということを私たちに思い起こさせてくれる。知覚は、その人の意識の進化段階に依存する。彼はこう書いている。「もし体験に普遍的な価値があれば、その人が人間の努力のどの分野で活動的であろうとも、それは認知され、様々な角度から確認されるでしょう」。彼はそれを「分野横断的な裏付け」と呼んでいる。「この場合は科学と宗教であり、それぞれのリアリティは天文学者カール・セーガンの有名な発言、「私たちは星と同じ物質でできています。私たちは、宇宙が自らを知る一つの方法なのです」を引用している。また、深い洞察に基づいて、「わたしと父とは一つである」という、すべてのいのちの源との同一化を表現したイエスの発言とも関連付けている。アートセンはさらに、ジョージ・アダムスキーがこれと同じ真理を1958年に表明していたことにも言及している。「〔人間は〕自分が万物と一体であることを理解しなければなりません。また現在の肉体中で振動している原子が、物質の創造に際して幾度も利用されており、そのためにその原子が最低の段階の物から大昔に空間へ吸収し返された巨大な惑星の地殻に至るまで、あらゆる物質界の形成に参加したことがあるということを知る必要があります」

アートセンが指摘しているように、人類の霊的進歩と意識の進化は、初期コンタクティーの間で繰り返し取り上げられたテーマである。コンタクティーたちはよく、人類の科学知識は社会的、人間的な発達を上回っているという訪問者たちの懸念を伝えていた。アートセンはこう説明している。「宇宙からの訪問者たちは、意識の進化──ひいては、私たちの道徳的発達──は、技術的進歩に遅れずについていくべきだということをしきりに私たちに伝えたがっています。この方向における最初の一歩は、現在の危機の原因を根絶するために、人類が同胞の人間を包み込むほどに意識を拡大させることです。私たちの分離主義の究極の表現としての競争と貪欲に基づく現在の社会構造は、そうした危機を重大な局面に至らせようとしています」

地球外からの訪問者によるコンタクトの背後にある主要な目的は、人間は宇宙の至るところにいることを実証し、人類の認識を拡大させることであったのは明白である一方、一部のコンタクティーは、地球外の存在が人類史のこの特定の時期に訪れていることの別の、もっと顕著な理由についてほのめかしてきた。アートセンはチリのコンタクティー、エンリケ・バリオスの次の言葉を引用している。彼は1985年にこう言われた。「君たちは地球の進化の決定的な瞬間に近づいているんだよ。団結して『水がめ座の時代』と呼ばれるものをもたらすか、あるいは、自分自身を破壊してしまう、そのどちらかの時点にね」。このメッセージと同じ考えは、イタリアのコンタクティー、ジョルジョ・ディビトント、ジョージ・アダムスキー、ベンジャミン・クレームの言葉にも見られる。クレームは次のように確認した。「われわれが UFOと呼ぶもの(高位の惑星からの宇宙人の乗り物)は、キリスト・マイトレーヤのために霊的な場をつくり、この時のために人類に準備をさせるために、非常に確実な役割を持っているのです。事実、大戦以来、この惑星を保存するのに主要な役割を果たしてきました」

アートセンは、コンタクティーであったウィルバート・スミスの次の言葉を引用している。これはおそらく、訪問者たちが自ら、彼らがここにいる理由を私たちに教えてくれる日を約束したものである。「やがて特定の出来事が起こり、別のところから来た人々を受け入れる用意ができたとき、彼らは相互理解と信頼という共通の基盤に立って私たちと自由に会うでしょう。私たちは彼らから学び、至るところにいるすべての人が心の奥深くで望んでいる黄金時代をもたらすことができるでしょう」

 Before Disclosure(ディスクロージャーの前に)』のPDF版(英語)がゲラード・アートセンのウェブサイト、www.bgapublications.nl. から無料でダウンロードできる。

印刷版も入手可能である(ISBN 978-90-815495-6-17)。