2018年3月号目次

 

-覚者より
和合へ向けた変化
ベンジャミン・クレーム筆記

視点
地球との関係をいかに回復するか
デビッド・コーテン

「無為」を体験する
フィリス・パワー

S.O.P. (Save Our Planet)-われわれの感星を救え!
「真に大きな取引」:ニューヨーク市は石油会社に責任を課す

海洋へのプラスチックの大量投棄を防止する世界的キャンペーン
バハ・カマル
海洋が気候変動やその影署を防ぐのに役立つ五つの方法

民衆の声
世界の女性大行進2018年:何百万もの人々が街路に繰り出す

時代の徴
世界中の光の現象
スリランカのイエス画に流れる水滴

植物はコミュニケーションを行い、助け合う
サビナ・クレシ

崩壊寸前にあるガザ地区の健康医療部門
サランガ・ヤクビチヤーゲ

フランシスコ教皇とベンジャミン・クレームの意見が一致する

新しいリズム-選集
The new rhytem-a compilatlon

編集長への手紙
何と脅威に満ちた世界! 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

 

 

和合へ向けた変化

 人間がやがて彼らの現在の状況をつぶさに考察するとき、人類にとってすべてが良いものではないことを認めるに違いない。政治、経済、社会、環境は問題に満ちており、すべての国家の資源を極限にまで試す。現在、経済的に支配的なように見える国家でさえも問題を抱えており、彼らの富が暗に意味する気楽さを阻む。諸国家に、ある程度の均衡と福利を達成するのを阻ませるものは何か? なぜ、古い、富める、経験豊かな国々でさえ突然、混乱と闘争におちいるのか? なぜ、非常に多くに痛みや苦闘があるのか? 何が、より大きな和合の感覚と表現を阻むのか?
 これらの疑問に対する答えは多く、多様であるが、一つの包括的な要素は、それらの答えが求められているこの時代であり、地球の歴史における今のこの時である。
 この時代は、世界の歴史の中で例のない時である。起こっている変化は途方もないものであり、人間の理解を超えるものであり、われわれが今知っている生活を全くそして永久に変えるだろう。
 これらの変化はすべての界において、あるものはゆっくりと、地殻の構造の中にすら起こっている。またある変化はますます勢いをつけて起こっており、それに正しく反応するための人間の能力に戦いを挑む。
 このような状況において、役に立たないものは、地位と権力のグラマーの中にどっぷりと浸かっている後ろ向きの政治家の陳腐なアイディアである。今日、リーダーたちの先を行くのは民衆であり、彼らの理解と必要を大きな声に出している。次から次へと続く諸国家において、民衆の声はより焦点が絞られて明確になっている。何千万の人々が今や教育があり、彼らの必要──平和、仕事、将来への希望──について確信を持つ。ますます大きくなる和合への感覚もまた彼らの期待と要求を告げ始めている。彼らは自分たちが世界の中で孤立していないことを、至るところに同じ問題と必要を抱える多くの兄弟姉妹たちがいることを知っている。
 このようにして、マイトレーヤの臨在と教えに気づかなくても、彼らはマイトレーヤのエネルギーと影響に反応しつつあり、将来の枠組みを築きつつある。
2011年8月 14日(2011年9月号)

新しいリズム――選集

The new rhythm ── a compilation

「新しいリズム」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

現在、世界中、至るところに、わたしがここに居ることを感じている者たちがたくさん存在する。様々な出来事を研究した上でその結論を出す者たち、また日毎に勢いを増している変化を見て、世界に顕あらわされている徴しるしを読み取る者たちが大勢いる。しかし、まだまだ多くの者たちは、わたしがあなた方の中に存在するこの現実に対して盲目である。この状態を改めることをあなた方にお願いする。あなたの兄弟たちに教えてあげなさい──わたしの到来についての真理を、ずっと昔にわたしが去ったことについての真理を、そしてわたしが今、もたらす約束を。
(『いのちの水を運ぶ者』第56信、p.163~164)

「漆黒の闇は黎明れいめいを告げる徴しるしである」という古くからの格言がある。今日、人間にとってそのごとくである。大混乱と恐怖、当惑と苦悩の直中ただなかに、決意と紛争の終結が、人間を未来の約束へと目覚めさせる光の輝きが見える。すべてが法のもとに働き、そして新しい平衡の状態がわたしたちによって創られつつある。外観にもかかわらず、新しいリズムがその威力を示し、この不協和の世界に均衡をもたらすだろう。
(『覚者は語る』―マイトレーヤは出現を早める―p.587)

この善意と呼ばれるエネルギーは、世界の状態を変えるのに最も強力な要素の一つです。人類が普通に現すことのできる愛と呼ぶエネルギーのうちの最高の姿なのです。神の第一の相、すなわち意志によって、善をなす意志によって、それが動的になると、途方もないダイナミックなエネルギーになり、世界を変えるのです。至るところに住む一般の男女の善意が世界を変える、彼らが、その指導者たちを新しい時代に導いていくのです。自分を世界の善意のダイナミックな一構成単位だと見るとよい。他の人々と共に働きなさい。グループに加わり、このような線に沿って活躍している人々と共にやりなさい。新しい世界は人間自身によってつくられねばならない。世界をつくり変える仕事に参加しなさい。
(『世界教師マイトレーヤと覚者方かくしゃがたの降臨こうりん』p.150)

あなたがたがわたしを見るまでの時間は残り少ない。この残り少ない時間を最も有効に使い、あなたの兄弟たちにわたしの臨在の事実を告げなさい。あなたがたが出来ることで、これよりも貴重な役割はないのである。希望は高まる、我が友よ。希望はあなたがたの直中にある。世界に新しい光が明ける、そして人類は喜びを知るであろう。
(『いのちの水を運ぶ者』第112信、p.330~331)

コミュニケーションが、人間に、速められた進化に必要な手段を提供し、至るところに動乱と変容の徴しるしがある。未来の青写真は降くだりつつあり、人類種族の敏感なマインド(識心)はこの新しいビジョンに反応している。世界の歴史の中で、今存在するような機会が人類に提供された時はかつてなかった。過去の混乱から秩序がつくられる。無知の暗闇の中に新しい光が輝く。初めて人間は同胞と共に神の法の規則(ルール)を確立し、本源との正しい関係に入る。
(『覚者は語る』―未来―p.119)

わたしがあなたがたの中に存在するゆえに、多くの変化が起きている。多くの出来事が展開する。注意深く見なさい、我が友よ、そして徴候を読み取りなさい。わたしの天使群は拡大する。わたしの軍隊は力を増す。わたしの勇者たちは準備が整い、わたしの将軍たちは馬の手綱たづなを取る。このようにして、我が兄弟姉妹たちよ、準備万端が整う。わたしの計画は遂行されつつある。わたしの愛は、人の心に新しい相の火をともし、新しい光の曙が訪れる。わたしの約束はこれである──もうすぐあなたがた自身で、変化する世界を、あなたがたの目の前で変わる世界を見るであろう。古きものは新しいものに道を開ける、そして人は真理の門口に立つ。
(『いのちの水を運ぶ者』第117信、p.343~344)

[マイトレーヤは]至るところにいる人間の正義への願いを活気づけ、彼らの意志を集中させるだろう。このようにして、マイトレーヤは、より良い形態の確立を求めるすべての者を団結させ、それを通して人間の神性が表されるだろう。そしてその民衆の中から、これまで地上で聞かれたことのないような叫びが湧き上がるだろう──正義と真理、自由と平和を求める叫びである。……あなた方の生活に入りつつあるこの新しいリズムを感じることができないか。人間を行動へと活気づける新しい衝動を、誰が無視できようか。すべてがつくり直されるだろう。そして間もなく暗闇は照らし出す光に道を譲るだろう。
(『覚者は語る』―未来は招く―p.57)

わたしの臨在を疑う者は多い。これは当然である、人間は盲目であるから。しかし、まもなく否定する者はいなくなるであろう。わたしの努力によって、人はまもなく知るであろう、車輪は回り、新しい時、新しい世界が始まるのだということを。この仕事を、あなたがたも分かち合ってほしい。あなたがたすべてに祝福を与える。
(『いのちの水を運ぶ者』第9信、p.44)

もちろん、すべての時代の終わりにはいつも良いものがあります。その時代の業績、何百万の人間の志向、分かち合う用意、救助機関、国際連合や、舞台の背後にあって人と人とを結び付け国際主義と協力の感覚を提供する種々の国際的団体のような組織は維持され、大きくなるでしょう。それらは新しい状況の中でのみ成長することができます。しかし、邪魔をする者たち、競争と市場のフォースと貪欲に基づいた狭い国家主義的な機構は「新しいものの猛襲」の前に、新しい時代のアイディアに対抗するのは不可能なことを知るでしょう。
(『マイトレーヤの使命第Ⅲ巻』p.296)

今、加速的テンポで起こっている変化の中に、何らかの力(フォース)が世界の運命を導いているという証がますます増大している。いま大規模に目撃されている歴史的な変容、自由と参加を求める志向の怒濤どとうのような盛り上がりが単なる偶然の一致であり、内的な原因はないと信じることができる者はほとんどいない。これらの重大な変化の速度だけを見ても、そうではないと否定する者はいないだろう。それは、何百万の民衆が自分たちの運命の日が来たことを認識し、権力は国民にあり、これからは国民の利益のために行使されなければならないという認識を増しつつあることを指し示している。
(『覚者は語る』─運命の日─p.257)

世界における本当の変化は、意識の本当の転換は、政治経済前線で行われている。政治的、経済的変化を通してこそ、すべての人間に内在する霊性の反映を可能ならしめる制度が再建されるだろう。精神生活の道はすべての人間が歩むことのできる広く多様なものであることを、マイトレーヤが示されるだろう。人間生活のあらゆる努力のなかに、あらゆる分野のなかに、神についての認識と知識が感じられ、表現されるだろう。すべての者が一瞬一瞬のこの体験についての彼らの認識を、分かち合われた体験の結果として生み出される多彩な模様の中に、貢献することができる。
(『マイトレーヤの使命第Ⅰ巻』p.121)

人間が初めて、大衆的な規模で、人間本来の霊的特性を表現するようになる時代が始まろうとしています。全世界で数えきれない多くの人々が人生の真の目的に目覚めるでしょう。人生に対するより深い、より健全な真理に基づいた姿勢が生まれるでしょう。そして人々は自分たちが魂であることを、魂が肉体を持って転生している存在であることを悟り始めます。魂が肉体に転生している目的を知り始めます。ますます多くの人々が自分たちの霊的進化に意識的に参加していくようになります。そしてこれまで一度も見られたことのないような自由と正義を確立していきます。自由と正義が、したがって平和が確立されることによって、人間の真の霊的本質が発揮されます。単に宗教的な体験のみならず、生活のあらゆる分野で、この霊的意識がますます表現されるようになるでしょう。政治、経済、教育、芸術、科学のすべての分野で、人間の内的な認識が、霊的なものとのアイデンティティー(同一認)が表現されていくでしょう。それによって人間が自分たちの環境に対して無限の力を発揮することができるような科学が発見されるでしょう。人類が新しい周期に入るにつれて、これらのすべてが私たちを待っています。
(『マイトレーヤの使命第Ⅲ巻』p.16)

あなたがたは、いつになったら加勢するのか、我が友よ、兄弟姉妹よ、いかに小さくとも、いかに弱くとも、一人一人が重きをなすのである。わたしがここに居ることを海外に広めなさい、そしてあなたの働きにわたしの愛の力を加えなさい。あなたがたを通して、わたしを働かせてほしい。あなたがたによって創られる希望の池がこの世を高揚し、支えるであろう。共に働こうではないか、我が友よ、共に古きを新しき衣装に創り直そうではないか。
(『いのちの水を運ぶ者』第122信、p.358~359)

歴史は、進化がゆっくりと進むことを明かしている。しかしながら、この来るべき新時代に、人間はこれまで最も傑出した先祖たちによって成し遂げられた進化の速度を、はるかに超えるだろう。社会生活と組織の中に起こる深遠な変化が、これまで汲み上げられたことのなかったエネルギーを放出させるだろう。そして世界に変容の旋風を解き放つだろう。……創造的変化が来るべき未来の時の基調であり、より良い方向へのあらゆる可能性をそれ自体に集めるだろう。創造的変化が生命の基礎であり、周期の起源であることを人間は発見するだろう。宇宙の流れと調和して、人間は時間が存在しなくなる文明を建設するだろう。そこでは「同じ日が二度と繰り返されることなく」、人生の技と霊として存在する技が手に手をとって歩く。
(『覚者は語る』─来るべき時─p.185)

マイトレーヤは非常に明確に言われました。「何事もひとりでに起こらないのである。人間は行動し、自分の意志を実行しなければならない」(第31信)。グル(師)の足下にただ座って、グルが、教師が、神がすべてをしてくださると考えるのではいけません。神は代理人を通してのみ働くことができます。あなたが神の代理人とならねばなりません。あなたがそうするとき、何か非常に特別なことが起こります。あなたは、自分がそれと同じように感じる人々の、調和について、正義について、正しい関係について同じ理想を持つ人々の、世界中の大きな集団の一員であることを発見します。十分に大勢の人々がそう感じ、そして行動するとき、物事は変化します。
(『マイトレーヤの使命第Ⅱ巻』p.192~193)

国民の声はすでに耳を傾けられ始め、この代表政治の形態がイデオロギーを通して大衆をコントロールするやり方に取って代わるだろう。すべてが非常に急速に動いているので事態は政治家の手に負えない。新しい政治の時代が始まった。認識が人々を自らの基本的人権に目覚めさせ、自由とそして自らに対する、またお互いに対する責任に目覚めさせている。
(マイトレーヤの側近、『マイトレーヤの使命第Ⅱ巻』p.120)

しかしながら、民衆は目覚めつつある。異なったドラム(太鼓)が新しいリズムを打っており、人々は応える。ほとんどすべての国において、人々は新しい光を、活気づかせる思考を、希望の高まりを感知しつつある。自由と正義と平和がよりいっそう近くに、より現実的に、かつてないほどより達成可能に感じられるようになり始めている。世界的なコミュニケーションの手段が人々に自分たちをひとつの人類として見る新しい感覚を与えつつある。この新しい認識は完全でも完璧でもないことは確かだが、しかしわたしたちは、その方向への新しい、そして望ましい傾向の始まりをはっきりと見る。これはまさにわたしたちのハートを喜ばせ、新しい時代のエネルギーへの正しい反応の前兆である。
(『覚者は語る(Ⅱ)』─民衆は目覚める─p.128)

マイトレーヤの到来は世界の変化を意味します。この惑星、生態系の必要についての理解の変化、すべての人々が十分に養われるような経済システムの変化、あらゆる場所の人々の間の関係の変化です。人類は一つであるということを真に理解することが、この深遠な変容の絶対的な必要性を示すでしょう。それは新しい世界をつくることです。
(『人類の目覚め』p.137~138)

多くの者が変化の必要を受け入れ、分かち合いと正義が人間の進歩にとって基本であることを受け入れている。この認識そのものが、あなたがたの世界を変えるであろう。しかし、人間が神であることを忘れ、すべての人の裡に聖なる存在が宿ることを忘れ、そしてこの真理を否定する者が、大勢いる。このことに関して、あなたはどこに位置するかを公に表明し、あなたの光を世に示しなさい。わたしは、真理の光が裡に明るく輝いている者たち、すべてを必要とする。わたしはあなたがたを召集する。あなたがたをわたしの側かたわらに招き寄せる。わたしと共に来なさい、我が友よ、そして未来への光の道を炎のごとく輝かそう。
(『いのちの水を運ぶ者』第115信、p.338)

 

編集長への手紙

手紙説明
シェア・インターナショナル誌には、『編集長への手紙』の保留分が非常に多数あり、それらは何年にもわたって処理され、ベンジャミン・クレームの師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたが、いまだ掲載されていない。他の手紙は新しいものである。覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、その体験が希望、鼓舞、慰めを提供することで「それ自体が語る」ということがあり得る。

何と驚異に満ちた世界!

次の3通は同じ人物からのものです。

編集長殿
(1)2017年12月の初めに、私はアムステルダム中心部の古い建物の中での、ある講座を受講していて、休憩の時にコーヒーを入れる手伝いをするために階下へ向かいました。あらゆる種類の講座に参加していた人たちでいっぱいでしたが、廊下には犬を連れた女性が一人いる以外は、ほとんど人影がありませんでした。長く急なひと続きの階段を下り始めた時、ヒールが何かに引っかかったに違いありませんでした。転び始めた勢いのせいで、手すりから手が放れてしまいました。すると、高い飛び込み台から飛び込むような形で、頭を下にして放り出されるように落ちたのです。落ちていきながら、「助かるためにどうしたら良いのか?」というようなことがたくさん頭をよぎりました。車椅子になってしまうことすら思い浮かび、それに長くお世話になりたくはないと即座に心に決めました。その後空白がありましたが、目を開けてみると、階段の最後の段から少し離れた石の床に横たわっていて、まるで『回復体位』でそこに寝かされたように、横向きで膝を曲げて、手は頭の下にありました。私のハンドバッグは壁の近くに置かれていました。私が階段を見上げていると、「やろうと計画していることを終えるための時間は、あとどのくらい残っているのか?」という思いが心に浮かんだのです。駈ける馬のように心臓がどきどきし、私を取り巻く愛を感じて、涙をこらえられませんでした。一人の男性が私に近づいてきて、彼は小さな『ドンという音』を聞きつけてきたのです。「ボーッとしていたんですね?」と言って、さらに「救助されたに違いありませんね、そうでなかったらここにいるわけがありませんよ」と言われました。ショックから立ち直ると、私の自転車は鍵をかけて置いていくことにして、家に帰りました。アムステル川にかかる『スキニー・ブリッジ』(古くからある有名なアムステルダムの名所)に差し掛かった時、たった今体験したことすべてを深く考えながら、涙で曇った目で街を見つめました。その後数日間は身震いが続きました。ところで私には打ち身ができましたが、どこにも骨折はなかったのです。

(2)2017年12月の初めに、アムステルダムのインフォメーションセンターでの伝導瞑想を終えて、自転車で家に帰っていました。スリナム人のような風貌の、優しい感じの男性が自転車で近づいてきて、私の隣に来ました。私たちは自転車をこぎながら、友人同士のようなおしゃべりをしました。何度か彼が私の後ろになって、他のサイクリストたちが私たちを通り越していけるようにしていました。私が別の道へと曲がらなければならない地点に来た時、彼がしっかりと言い含めるように、「マダム、どうかくれぐれも用心してください」と言ったのです。彼はそのまま行ってしまいましたが、10メートルくらい離れた場所で振り返り、手を振ってくれました。

(3)2018年1月18日にオランダにハリケーンが上陸しました。外出しないようにメディアを通して人々に警報が出されていました。気象警報にもかかわらず、私はどうしてもスケッチブックを買いに行きたくなり、思い切って出かけることにしました。(アムステルダムの)ホテル・オークラがある道路に入ると、巨大な樫の老木が強風で曲がっているのが見えて、「どうか倒れないで!」と思いました。ホテルを通り過ぎていきながらも、吹き飛ばされないように壁にへばりついていなければなりませんでした。角に自動ドアのオフィスがあったので、嵐から避難するためにそこへ入りました。やはりそこへ逃げてきたばかりの男性が入って座るように言ってくれました。ちょうどその時、大きな衝突音が聞こえてきて、巨大な樫の木の一本がバリっと音を立てて倒れたのです──私はその下を歩いてきたところでした! ちょうど入って来た男性の車の上にぶつかり、彼はほんのちょっと前に駐車したばかりでした。嵐が少し収まった時、私はついに店に到着しましたが、まだ震えていて、欲しかったスケッチブックが売り切れだと分かっただけでした。
匿名希望オランダ、アムステルダム

次の2通は同じ人物からのものです。

見えないドア

編集長殿
ずっと昔に起きた二つの出来事について、マイトレーヤとイエス覚者に関係しているかもしれませんので、お伝えしたいと思います。
(1)2002年6月29日に私はボルドーにいて、商業街路にあるカフェのテラスに座っていました。静かに座って飲み物を少しずつ飲んでいた時、大変生き生きとした、45歳から55歳くらいでほっそりと背の高く、貧しい身なりの男性が近づいて来て、私の友人にタバコを巻くための紙を買うお金を求めてきました。驚いたことに、友人は断りました。彼が去ろうとした時、私が財布の奥に見つけた小銭を渡しました。彼は、私が恥ずかしくなるような熱意を込めて、何度もお礼を言ってくれました。そのようなふるまいは私たちには理解できませんでした。彼は去っていきました。おそらく30分ほど経ってから、彼がまるで魔法を使ったかのように、再び現れました。一つの世界から別の世界へと行き来できる、見えないドアを通り抜けて、テラスの前で彼が歩きながら現れたのを目撃したとしか、どうしても思えませんでした。何かが違っていました。彼の深いブルーの瞳が見えました。彼はもう一度私にお礼を言い、またもや気恥ずかしいほど敬意を込めてお礼を言ってくれたのです。彼は私に幾つか質問をして、それから去っていきました。

幸せの贈り物
(2)2002年9月のある金曜日に、家に帰るバスの中で、60代くらいの西インド諸島の女性が、彼女の夫と一緒に私の隣にやって来て腰を下ろしました。彼女はすぐに宗教についての会話を私と始めました。プロテスタントの転向者であり、信徒として、彼女は私がなぜ仏教支持者なのかを知りたいと言いました。彼女はしっかりとした信を持っており、それは様々な物の見方の中に、妥協をしないという形で表れているようでした。突然話し合いが楽しい雰囲気に変容して、私は彼らのそばにいると気分が良かったことを認めます。時々彼女が説明中に過激で熱のこもったようになると、私は笑い出し、彼女も笑いました。私は彼女に良い1日を祈って別れました。その後の週は、いつも金曜日に彼女が夫と共にバスに乗っていたのを、遠目に見かけました。翌週の金曜日、彼女はまた私の隣に座り、再び会話が始まりました。けれども何か違った感じでした。私は、彼女から発散される波動に、もっと敏感になっていたように思えました。私たちは再び話をし、その時には不思議なことに、霊的な物事と関連した私の関心について口に出すことはありませんでしたが、彼女が一人で話している中で、私の示した質問に的確に答えてくれたので、自然と私はとても満たされた気持ちになりました。私は計り知れない『贈り物』を受け取ったと確かに感じていました。
YDMフランス、パリ
【ベンジャミン・クレームの師は、最初の物乞いがマイトレーヤで、二番目の夫婦はマイトレーヤとイエス覚者であったことを確認した】

 

読者質問

Q あなたは原因と結果の法則(カルマの法則)について話されますが、日々の中で私たちはどのようにカルマの法則の中で生きているのですか。

A これはすべての出来事を正確に健全に支配する重要で単純な法則です。すべての思考が私たちの人生に起こるすべてのものを生み出します。私たちは、それに意識的である限り、それに責任があります。ですから生活のあらゆる側面での無害の必要性が分かります。それが進化ということです。それは無害を達成することです。イエスが、彼を捕えに来た男の耳を剣で切り落とした信奉者について言った言葉の背後にはこのことがあります。イエスはこう言いました。「剣を収めなさい。剣だけで生きる者は剣で滅びる」。これは文字通り真実です。

Q 「(頬を打たれたら)他の頬も向けよ」と言うことでイエスが意味したことは何だと思われますか。

A イエスが「他の頬も向けよ」と言ったのはそのとおりを意味したのです! 彼は全くその意味で言ったのです。害なしに生きる唯一の方法は、もし害が与えられたら、(「目には目を」式に)害を返すのではなく、他の頬を向けよ、とイエスは言いました。そうすることであなたはいのちの法則に従うのです。誰がイエスにそう言ったのでしょう? 彼はどうやってそれを知ったのでしょう? 彼がそれほど大きな影響力のある発言をする力と権威を与えたのは誰でしょうか? 興味深いことに、それはマイトレーヤでした。

Q あなたは植物王国と他の王国との境にいる植物について言及しました。私にはその意味が全く分かりません。

A ご存じのとおり、それぞれの王国はその下の王国から出てきます。動物王国は植物王国から進化します。今、他の植物とは違う奇妙な植物が存在します。それらは通常のやり方では生長しません。それらは、自分で生命を維持し、昆虫を食べることで栄養を得ています。そのようなことは、あらゆる王国の境界で起こります。鉱物王国の境界にも、他の石や岩とは異なる石が存在します。
それらは死んだり静的な状態にはありません。放射しています。その放射が鉱物王国を次の王国、植物王国に移行させます。「放射」は植物王国によって使われる自己顕示の卓越した方法です。これによって花は、色と香りを放射します。これはすべて放射の実例です。動物を食べる植物は次の王国(動物王国)の到来の徴です。そして動物王国から人間王国が生まれます。私たちは動物ではありませんが、肉体は動物に負っています。何百万年もかけて動物段階から洗練されて動物人間に発展しました。その被造物が十分な洗練の段階に達したとき、半動物・半人間の地点に達したとき、マインドのエネルギーが人間にもたらされ、人間の進化がその時点から進行しました。その情報は覚者方によって与えられました。覚者方は様々な王国の進化の歴史を保管し、書いておられます。
その歴史は1,850万年前に始まりました。ですから人類は1,850万年の進化の旅路を経ており、肉体を洗練させて、ネアンデルタール人や原人まで発展しました。しかしそれと同時に、真の人間が世界の至るところに生きていました。私たちはその一部です。今では人間王国は進化し、進化の規模の上でさらに高い地点に達しており、純粋に人間進化の地点を超えて「超人」(覚者方)に達している人々もいます。ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を読んだことがあれば、人間の進化について、覚者方が通過し超人となった五つの惑星的イニシエーションについてのアイディアを得ることができるでしょう。彼らは神々となりました。マイトレーヤのメッセージを聞けば、彼は「あなた方は神々である」と言っていることに気づくでしょう。すべての人間は潜在的には神です。覚者方はそのレベルの神性を達成しています。

Q アメリカには死刑制度を持っている州があります。霊的ハイアラキーは死刑を正義の一部と考えているのですか。

A アメリカ人にとって正義とは司法制度のことです。それは復讐についてです。そのために何百人もの人が毎年死にます。それは人命に関わる犯罪を犯した人を政府が「殺した」のだといってよいでしょう。彼らは人々を殺したので、法律、つまり「正義」が、彼らを殺すことを要求し、それで何百人もが「合法的に」毎年アメリカで殺されています。それによって正義が行われるためにです。しかしそれは古いやり方です。ユダヤ教の神エホバは「目には目を、歯には歯を」と要求しました。彼らは正義をそのようなものと見たのです。それは過去のやり方です。イエスは神性の新しい見方をもたらしました。それはすべての見方であり、復讐を求めません。彼の神は赦しの神であり、新しい神、補充する神です。

Q 大祈願の2節に、伝導瞑想グループのメンバーが変えたいと思っているものがあります。「キリストよ、地上に戻られ給え」という一節について、私たちは異なった背景があるため、変えたいと思っています。例えば、「覚者マイトレーヤよ、戻られ給え」や「覚者マイトレーヤよ、地上に戻られ給え」などです。これについてどう思われますか。(大祈願に関する最近の質問に答えてこの質問を再掲します)

A これは重要なことです。多くのグループが大祈願を用いており、すべての伝導瞑想グループは世界中で用いています。これは、仏陀、キリスト、シャンバラのエネルギーをハイアラキーから喚起することを人類に許すために世界に与えられた祈り――またはマントラムまたは祈願文――です。私たちが理解して使用する言語としてハイアラキーによって与えられました。私の助言は、一つの言葉も変えられるべきではないということです。なぜならそれは発声するだけでハイアラキーからのエネルギーを喚起できるようなマントラム的形式で書かれているからです。それを変えると、マントラムの祈願的効果を減らすことになります。マイトレーヤがこのマントラムを用いない日は一日もありません。彼はこの形では用いません。地上で知られているいかなるものよりも古い、古代語による七つの聖なる神秘的フレーズを用います。ですから私の助言は、そのままにしておきなさいということです。それはハイアラキーによって創られたものであり、私たちがそれを改善することはできません。
「キリストよ、地上に戻られ給え」と言うとき、それはキリストのみを意味するのではありません。キリストであるマイトレーヤと共に世界に戻って来られた覚者方のハイアラキーについて言及しています。ハイアラキー全体ではありませんが、人類の進化に関わる約3分の2の覚者方です。