同胞愛(2)――選集
Brotherhood, Part 2
本稿には『同胞愛』というテーマに関する引用文の選集・第2部を発表する。これはマイトレーヤの教え(『いのちの水を運ぶ者』、および『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師のことば(『覚者は語る』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
我が友よ、子供たちよ、人類には、まことにすばらしい未来があることを示すために、わたしはここに居る。いつの日か、人は、虹色にかざられ、神の栄光に輝きながら、己の神性を顕して立つであろう。わたしはこれを約束する。わたしは素朴な男である。そしてあなたがたに素朴に歎願する。わたしを信じて、従いてきなさい。愛に基づき、分かち合いに基づき、同胞愛に基づく未来へ、あなたがたを連れていこう。
(『いのちの水を運ぶ者』4信、p.30-31)
マイトレーヤが世界の前に現れるとき、新しい状況が展開するだろう。古い確信は速やかに消え、新しいものへの希望の沸き立ちに置き換えられる。人間の冒険の感覚が若い人々を魅了し、そして彼らを奉仕の人生へと準備させるだろう。かくして、マイトレーヤは人間の中を動き回りながら、新しい律法の創造を鼓舞する。同胞愛という人間の長い夢は徐々に現実となるだろう。そしてこの経験に高揚され、鼓舞されて、人間は彼らの最高の期待さえをも超すだろう。
(『覚者は語る』―未来は保障されている―p.456)
マイトレーヤは、人類が生まれ変わり、分かち合い、協力と善意に基づいた文明を築き、そして必然的に人類同胞愛の理想を現実世界に具現するために必要なステップを、人類に示されるであろう。もうすぐ、われわれはこの偉大なる方に出会うだろう。この方の霊的な力、深遠なる知恵、見解の広さ、計り知れない抱擁力と愛、人間の問題を把握し、人間のジレンマ――政治的・経済的――に解決の方法を示される尋常ならぬ能力、これらを見るとき、人はそのお方を知るだろう。
この方は自己を完成され、われわれ一人ひとりの裡に宿る聖なる本質を明らかに具現しておられる、まさに聖なるお方である。また人間でもある。そしてわれわれの兄弟として、師として、友として、人類がより良く幸せな世界を創造するのを鼓舞するために、やって来られたのである。この方に応えることのできる人々に対して、実在を、神をいつも身近に感じていることのできる境地に至る道を示される。喜びと愛はその境地の表れである。
(『世界大師と覚者方の降臨』p.34-35)
わたしの使命は、すべての人間の裡に愛の原理を呼び起こすことであり、用意のできている者たちに、さらに高位の真理を示すことである。方法は単純である。すべてのための正義と自由を通して、その愛は表される。人間の同胞愛の顕現を通して、すべてのものの本源を識ることができる。速やかにこのことに気づき、人生の目的を理解し、あなたの兄弟たちに道を示すように。そのようにして、あなたがたは世界の変換の仕事に参加できるのである。
(『いのちの水を運ぶ者』41信、p.129)
世界は二つのグループに分かれています―― 一つは、世界の保守反動的勢力を構成する古い貪欲で利己的な国粋主義的制度にしがみつくグループ、もう一つは、新しく流入するアクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーに心を開き、同胞愛と協力の道を求めるグループ、それは、われわれは一つの人類であるという事実から生ずる相互依存性の認識です。
(『協力の術』p.26)
今、再生の時に入るにつれて、人間は正しい前進をなすための基本的原則を理解すべきである。人類同胞愛、それ自体が一つの事実であり、それがますます新しい形態の特性を決めなければならない。同胞愛の事実に目覚めた者はすべて、未来への道の中央にいることに気づくだろう。同胞愛に関するものはすべて、霊ハイアラキーの活気づけるエネルギーがその大義に注がれていくことを知るだろう。平和は同胞愛の理念の上に築かれ、戦争の潰瘍は永久に世界から除去されるだろう。
協力が新しい関係の鍵である。協力が支配するとき、過去の不公正や不平等は終わるだろう。……分かち合いと協力を通して、同胞愛は栄え、新しい栄光の未来が人間に開かれるだろう。
(『覚者は語る』―未来―p.120)
わたしの教えへの鍵は、あなたがたが知っているように、分かち合いの原則にある。人間が為すすべてのこと、人間が為すであろうすべてのことは、単純な基本的な真理に基づく――すなわち、わたしたちが神と呼ぶ方から、すべての人間のための摂理が流れ出づるということである。これを事実として受け入れなさい、我が友よ、そしてあなたの霊性を顕しなさい。
あなたがたすべての裡に、そのような神が宿る、そして人間がひとつになってこそ、人間を通してその神を顕すことができる。これが太初から、あなたがたのために予定されていた道である。人間がこれに気づくとき、人類同胞愛の真理を知るであろう。わたしの任務は進み確実にわたしの顔と声は知られていく。
(『いのちの水を運ぶ者』69信、p.200)
あなた方の兄たちである覚者たちは協力をよく知っている。わたしたちが行うことすべてにおいて、協力は中心的な役割を果たす。「同胞愛」が示顕されている関係の中では、競争という潰瘍は未知のものである。それ以外ではあり得ない。人間が協力の術を学ぶことがわたしたちの真剣な願いである。この目標を目指して、わたしたちはメントール(良き助言者)として働き、模範を通して教えよう。協力は非常に解放的なものなのに、人間がその歓びを学ぶのにかくも遅れたのは本当に驚くべきことではないか。
(『覚者は語る』―協力の術―p.531)
あなたがたがわたしを見るとき、わたしがある知識を教えにきたことを知るだろう。その知識を部分的にあなたがたは知っている。至る所に住むすべての人間が同胞愛の真理を聞いた。愛と正義とがいのちの基本であることを知っている。
(『いのちの水を運ぶ者』103信、p.301-302)
マイトレーヤの任務は、人間の苦難が不必要なことであることを、その治療法は今すでに人間の手の中にあることを示すことだろう。恐怖心からの解放への唯一の障害物は恐怖心そのものであることを、正義と信頼に基づく新しい世界がその創造を待っていることを、マイトレーヤは示されるだろう。
人間はこれを見るとき、マイトレーヤの大義を支持し、世界を再興する変化を始動させるだろう。共通の同胞愛のもとに共に集い、人間は彼らの生得の権利である自由と正義を要求するだろう。そのようになるだろう。そのようにして過去の制度は、人間の真の神性の表現を許す新しい形態に道を譲るだろう。
(『覚者は語る』―変化への恐れ―p.199)
だから、我が友よ、この転換の時に、古き機構を放棄しなければならない。そしてただ同胞愛の中で、すべての人は分かち合わねばならない。わたしの姿をあなたがたの目にもっと近づけるように計画が進められている。同様にして、わたしの言を多くの者たちの耳に届けるための手段も取られた。このようにして、わたしはわたしの使命の道に足を踏み入れる。あなたがたがわたしを見るとき、我が友よ、一人の兄を、友を、見るだろう。神の道を知る者を、その道をずっと昔に踏破した者を見るであろう。わたしの務めは、あなたがたをあの単純な道へ連れていき、あなたがたの裡にある神性を解き放つことである。
(『いのちの水を運ぶ者』118信、p.347)
人間の創造的な努力を待つ可能性は大きく、そして光が見え出して彼らの目から目隠しが落ちるとき、彼らの達成は大きいだろう。
この認識は、人が再び意識を内面に向けて、すべての人間が直観的に切望する和合と同胞愛を心(ハート)の中に見つけるときに目覚めるだろう。そうすると、新しい希望と霊感の開花が訪れるだろう。それは上昇へ(魂に向けて――訳注)の旅の新たなる開始とより良き世界の創造につながるだろう。簡素さと正直な努力が、今日人間生活のすべての面を汚す現在の腐敗に取って代るだろう。人々はマイトレーヤと彼のグループの覚者たちを熱心に見習おうとし、そうして彼らの機構や規範を浄化するだろう。
(―運命の歯車の回転―シェア・インターナショナル、
2007年7月号「覚者より」)
もしマイトレーヤが人間に愛することを教えることができれば、人間の同胞愛をも確立したことになるでしょう。なぜなら、兄弟姉妹の同胞愛の確立を阻止しているのは、愛の表現の欠如です。愛は難しい、ということを私たちは皆知っています。愛することは難しい。人によってはとても簡単にできる人もいます。しかし、簡単に愛せる人々でも、たとえそれが彼らの特性であっても、その愛に少しでも抵抗があると、少し強情になられると、その愛は流れなくなります。愛を抵抗なく受けてもらえるとき、愛するのは容易です。しかし誰かを愛して、その人があなたの好まないことを何かするときにも愛し続けるのは難しいことです。つまり私たちにあるのは、反応的な愛なのです。それは一種の愛には違いありませんが。これは覚者の愛とは非常に異なります。もし私たちに覚者の愛があれば、私たちは覚者になっているでしょう。私たちが覚者ではないのは、完全な、絶対的な、無条件の愛を示現し得ないからです。覚者の特性は愛することであり、そしてマイトレーヤの特性は愛の主として愛することです。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』p.41-42)
新しい時代の始まりに近づくにつれて、人間の思考は空へ、そして未来の惑星間の旅の可能性へと向けられる……まさにそのような時に、新しい教師がやって来られた。彼の任務はこれらの視界を人間のためにさらに大きく広げることであり、すべてが関連し合っていることを示し、われわれが兄弟としてひとつの家族の中に住み、各人が総体の福祉に貢献することを示すことである。このようにして人間は星々にまで及ぶ広大なシステムの中の重要な一単位なる自分自身に、意識の、そして愛しい生命の小さな一点なる自分自身に気づくようになるだろう。そうして人間は己の偉大さを知り、光とエネルギーと知識の関連し合う点(ポイント)の果てしなき機構の中の自分の役割を知るようになるだろう。
最初のステップは、すべてがひとつであることを、多様な形態の土台にあるのは唯一聖なるいのちのハートの鼓動であることを受け入れることである。
(『覚者は語る』―聖なる科学―p.145-146)
私たちは地球的規模でこの惑星に対する責任に目覚め始めています。……生きて、呼吸し、進化している偉大な宇宙的存在の表現体としてのこの惑星を、私たちが徐々に殺していることに気づき始めています。そして好むと好まざるとにかかわらず、地球を略奪し、空気や川、海を汚染し続けることはできないことに気づき始めています。ますます多くのグループが政府にこの間題を突きつけています。そしてようやく多くの政府はその代表者たちと多少なりとも定期的に会い、この間題を討議し、それについてどうすべきかを検討しています。これは新しい成熟です。人類は一体であり、ひとつの人類の兄弟姉妹であるという感覚の増大です。ある計画、ある役割を果たすためにこの惑星にいるということの認識です。それはいまだほとんどの人には感じられていません。しかし、個々のグループが長い間政府の注目を引こうとしてきた問題をやっと人類が真剣に受け止めているということは、人類が自分たちの弱さと一体性を認め始めたことの徴です。私たちは成長しつつあるのです。
(『協力の術』p.73)
同胞愛の喜びを知りなさい。分かち合いの原則があなたがたをそこへ導く。この大義を貫き、奉仕の喜びを知りなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』133信、p.392)
人類は今や全く新しい体験の瀬戸際に立っており、すべての惑星的な決定や行動がより良いもののためであり、人生を豊かに、神聖なものにし、同胞愛の絆を強めるものとして見られるであろう。それまで同胞愛の絆を彼らは無視して、ほとんど忘れていたのである。喜んで、人間は今や共通の善のために共に働くだろう。過去の憎しみと不信感はきっぱりと彼らの背後に置かれるだろう。そのようにして新しい親族関係が「善意」と「尊敬」として現れ、活性化させる酵母のように彼らの目覚めた人生に浸みわたるだろう。そのようにして、ますます強力に愛と歓びが至るところにいる男女の心(ハート)を抱擁し、軽やかにするだろう。
(―人間が振り返ってみるとき―\\\\\nシェア・インターナショナル、2008年6月号「覚者より」)
あなたがたを聖なる嗣業にお連れしよう。あなたがたが夢想だにし得ない、奇しき御業をお見せしよう。あなたがたの目から無知という目かくしを取り払おう。わたしは、この地上から憎しみの呪いと分裂の罪悪を永遠に追放する。あなたがたをいのちの本源に、あなたがたの存在の発祥の場に、連れて還ろう。我が友よ、神であるものを、あなたがたの中に解き放たせよう。わたしの覚者たちもあなたがたに仕え、真なる同胞愛と正義と調和のうちに共に生きることを教えるだろう。忘れるでない、我が友よ、あなたがたはひとつであることを。すべての者の御父が、あなたがたを聖なるイメージに似せて創られたのであることを。あなたがたを通して父の聖なる愛と真の光が輝いていることを。
(『いのちの水を運ぶ者』51信、p.152-153)