現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2008年 6月 人間が振り返ってみるとき

人間が振り返ってみるとき

今から数年後に振り返ってみるとき、人は、明らかな最も自然な行動、すなわち世界の資源の分かち合いを実施するのに、なぜあんなに長いあいだ躊躇していたのか不思議がるだろう。新しい安定感と緊張の欠如、国際的な協力の容易さを心から体験してみて、人は自分たちがいかに自明のことに対して盲目であり、自分たち自身の最大の利益に対してあれほど頑迷で破壊的であり得たのか不思議がるだろう。
人類は今や全く新しい体験の瀬戸際に立っており、すべての惑星的な決定や行動がより良いもののためであり、人生を豊かに、神聖なものにし、同胞愛の絆を強めるものとして見られるであろう。それまで同胞愛の絆を彼らは無視して、ほとんど忘れていたのである。喜んで、人間は今や共通の善のために共に働くだろう。過去の憎しみと不信感はきっぱりと彼らの背後に置かれるだろう。そのようにして新しい親族関係が「善意」と「尊敬」として現れ、活性化させる酵母のように彼らの目覚めた人生に浸み渡るだろう。そのようにして、ますます強力に愛と歓びが至るところにいる男女の心(ハート)を抱擁し、軽やかにするだろう。

錬金術

人間の生活の中にこの魔術的な変容を起こさせる微妙な“錬金術”〔訳注:卑金属を黄金に変える方法〕とは何であろうか。錬金術ではなく、人間自身の心(ハート)の中に宿るところの神性であり、それがマイトレーヤの愛の奇跡によって喚起され、前面に引き出されるのである。マイトレーヤは言われる、“分かち合いは神聖である。分かち合いへの最初のステップがあなた方の神性への最初のステップである。”人間自身の中に、あの神性の全貌が横たわるのである。分かち合いは人間が本質的に神であり、本源なる神の創造的「意思」を表現する能力を備えているということを現すのである。
ゆっくりとしかし確実に、あの「創造的目的」が人間を通して顕現するだろう、そして彼らの行動と決断を方向づけるだろう。古い無法状態は活気を失い、遠い過去の色褪せた記憶のように消えていくだろう。そのようになるだろう。

輝かしい未来

あなた方の兄たちであるわたしたちには人間の前方に広がる輝かしい未来の輪郭がますますはっきりと見える。今日の最も創造力に富む洗練されたマインドを持つ人々を驚嘆させるだろう科学の青写真が見える。また人間がいまだかつて見たことのない美と創造的パワーを備える芸術が見える。
とりわけ、規模において人間の歴史に前例のないこの創造力の放出は、人類が通っている大いなる内的変化――「いのちの法則」のうちで生きることを学ぶこと――の必然的結果であることを、わたしたちは認知する。人間がこのことを人生の事実として意識的に知り、理解するとき、彼らは「平和と正義」「自由と正しい関係」に直接つながるステップを喜んでとるだろう。その最初のステップは分かち合いと呼ばれる。
愛の大主マイトレーヤと彼のグループの覚者たちの助けと案内があるとき、人間は分かち合いと正しい関係は同じであることを、同じ衝動であることを見損ないようがない。すなわち現在われわれの分離の底に横たわる和合へ駆りたてる力を人間が示現し、神としての人間の本当の特性を明らかにするのである。