現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2012年 10月 ベンジャミン・クレームによる新刊

ベンジャミン・クレームによる新刊

『多様性の中の和合──新しい時代の政治形態』

われわれには、未来に対する新しい希望のビジョンが必要である。本書はそのようなビジョンを提供する。つまり調和と和合に満ち、一方で各個人の特質やアプローチが歓迎され必要とされる未来の世界。それはビジョンではあるが、説得力のある、人を引き付けてやまない論理性を持って、独特の表現で語られている。
本書は、あらゆる男女や子供の未来についてである。それは地球自体の未来にも関わる。人類は今、岐路に立っており、大きな決断をしなければならないと、クレームは語る。その大きな決断とは、われわれが前進し、すべての者が自由で、社会的正義が支配する輝かしい新しい文明を築くか、あるいは現在のように分裂と競争に満ちたあり方を続け、惑星地球のあらゆる生命の最後を見るのかについての決断である。
クレームは、地球の霊ハイアラキーのために、すべての人類の安寧のための大計画について言及している。われわれすべてにとっての前進の道は、われわれの本質的な多様性を犠牲にすることなく、同様に本質的な和合を認識することであることを、諸国家の果たす様々な役割を示しながら明らかにしている。
「私たちの人生の目的は、それに気づいていようがいまいが、和合の確立であり、すでに存在している和合を表現することです」と、クレームは『多様性の中の和合』で述べている。「なぜなら、顕現している宇宙のあらゆる原子は他のすべての原子と相互に関係しているからです」
「すべての人間が和合を求めている」と彼は続けて述べている。「それゆえ、人々はグループに参加したり、グループを形成するのである。同時に、すべての人間が自分の個人性を、転生しているすべての魂のユニークな特質を表現したがる。自然で有機的で、偏見や硬直性のない種類の和合のみが、この地球という惑星をその住人にとって非常に興味深いものにする豊かな多様性のために適切な枠組みを形成するのである」
「……最大の和合の中の最大の多様性、別の言い方をすれば、最大の多様性と共にある最大の和合が人類の求める理想であり、この世界の発展についてのロゴスの計画と一致したものです」
個人的レベルでも国家的レベルでも、われわれの多様性は、七つの偉大なエネルギーの流れによって条件付けられている。それは秘教の伝統の中で光線として知られており、地球上のあらゆる生物に影響を与えている。国際情勢に言及しながらクレームはこう述べている。「その精神をわれわれは必要とする──最大の種類と多様性、すべての異なった国々が異なった光線構造ゆえに、それぞれの特質を全体に寄与することである。光線構造が特質を与える。したがってすべての国が、その国の魂の光線とパーソナリティーの光線の組み合わせゆえに、彼らが持つ特異でユニークなものをすべて、そしてそれが世界につくり出す特質を共通のプールに寄与することができるのである。すべてが必要とされ、すべてが世界において果たすべき定められた役割を持つのである。アクエリアス(宝瓶宮)の時代が進むにつれて、そして覚者方が長い間世界に出て行くにつれて、ますます多くの国が彼らの光線の特質を、彼らの個々の才能を顕示し、そしてそれを全体の利益のために提供するだろう。そうあるべきである。今日はそうではない。しかし、そのようになるだろう」
『多様性の中の和合』は、お一人の知恵の覚者による十個の記事を織り交ぜながら、ベンジャミン・クレームによる講話や解説、そして質疑応答から構成されている。これらはもともと『シェア・インターナショナル』誌に掲載されたものである。トピックとして、「ハイアラキーの三つの実験──米国、英国、ロシア」、「統治形態の多様性」、「分かち合い──平和への唯一の道」、「民衆の目覚め」、「惑星の救済」、そして「人類の選択と変化の速度」が含まれている。
このベンジャミン・クレームの新刊は、今日われわれが直面している政治、経済、環境の危機を洞察する豊かな材料を提供している。そして、最も重要なことは、われわれの内的な和合を顕現させることによってこの危機を乗り越える方法を指摘していることである。和合は人類すべてにとって、前進への唯一の道である。



ベンジャミン・クレーム著/石川道子訳『多様性の中の和合──新しい時代の政治形態』(シェア・ジャパン出版、2012年5月発行、定価:本体1500円+税)

英語版(Unity in Diversity: The Way Ahead for Humanity)は2012年6月発行。ISBN978-90-7184-98-8、ペーパーバック、167頁、価格:US$ 14, £9, ユーロ12