現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2007年 7月 地雷の危機を掘り起こす

地雷の危機を掘り起こす

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ジェイソン・フランシスによるシモーナ・ベルトラミさんへのインタビュー

地雷禁止のための国際キャンペーン(ICBL)は1992年に、対人地雷が世界中で地域社会に与えた恐るべき被害を目撃した六つの非政府組織によって設立された。設立団体となったのは、ハンディキャップ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、メディコ・インターナショナル、地雷助言団体、人権のための物理学者協会、ベトナム退役米兵協会である。現在、スイスに拠点を置くICBLは90カ国以上に1,400以上のグループのネットワークを持ち、対人地雷の利用を禁止するために地域的、国家的、国際的に働いている。1997年、キャンペーンと当時のコーディネーターであったジョディ・ウィリアムスはノーベル平和賞を受賞した。
ICBLの広報事務長シモーナ・ベルトラミさんに、ジェイソン・フランシスがシェア・インターナショナル誌を代表してインタビューした。
シェア・インターナショナル(以下SI):地雷の被害が最も深刻なのはどの国、地域ですか。
シモーナ・ベルトラミ:対人地雷(APMs)は、世界中でいまだにおよそ78カ国と、独立国家として認知されていない8つの地域に蔓延しており、年間平均15,000人から20,000人の犠牲者を出しています。アフガニスタンやカンボジアなどアジアに最も深刻な被害を受けている国々があり、ミャンマーは現在も政府によって積極的に地雷が設置されている唯一の国です。他に被害が大きいのはイラク、アンゴラ、ボスニア、ヘルツェゴビナなどの国々です。
SI:地雷の人的被害とはどのようなものですか。
ベルトラミ:事故で死ぬ犠牲者もおり、生き延びた幸運な人々も、手足を失ったり、失明したりなどの一生続く被害を受けています。多くの事故は生存者に医療援助を提供するインフラを持たず、彼らを社会に再統合できない国々で起こっています。事故はしばしば病院や整形外科医院から遠く離れた地方で起こるため、生存者はしばしば原始的な義足や車いすのような器具で間に合わせることに任されます。この理由で、多くの生存者は肉体的心理的苦痛、貧困、社会的排斥に直面します。
地雷事故は個人の人生だけでなく、より広い地域社会にも破滅的な影響を与えます。若い世代が不具になり、心理的にトラウマを持ち、生産的な人生を送ることができないことの経済的・開発的影響は巨大なものです。地面に地雷が埋まっていること-野原や村や牧草地や道路や井戸の近く-は戦後復興と経済回復、人や商品の移動、正常な農業などの活動回復を妨げます。紛争後も地雷の存在は、地雷を埋めた敵に対する憎しみを悪化させ、平和の建設の障害になります。
地雷事故の心理的な影響も過小評価できません。地雷は、全くランダムに見えない方法で恐ろしい傷害を与えるため、それを敵軍の士気に影響すると言われています。さらに、いくつかの事例では、地雷は市民の間に恐怖とパニックを広げる明確な意図を持って使われています。地雷の生存者を援助するプログラムの一つの要素として、心理的援助が不可欠なのはこのためです。
SI:ICBLは地雷に関する問題にどう取り組んでいるのですか。
ベルトラミ:ICBLは幅広い専門知識、ノウハウ、関心分野を含んでいます。ICBLは政治的レベルでも活発であり、地雷禁止条約(MBT)の普遍的な順守を提唱しています。それによって対人地雷が二度と利用されないようにするためです。すでに加盟している国々には条項の完全実施に向けてロビー活動を行い、地雷撤去、被害者援助、備蓄廃棄を行わせています。国際的なレベルでも行っています。4人の献身的なスタッフと、国内で地元の組織やキャンペーンを通じてです。ICBLメンバーの多くは、地雷活動の実践的な分野、地雷撤去、被害者援助、地雷危機管理教育に携わっています。ですから私たちは、ロビー活動や提唱活動などの政治活動と、すでに埋められた地雷の影響を緩和するための実地の具体的活動を組み合わせているのです。
SI:訓練を受けた軍人が地雷撤去や地元での訓練に参加しているのですか。そして対人地雷を埋めた政府は撤去と被害者の支援に責任を持っていますか。
ベルトラミ:地雷撤去の形態は国によって違います。脱地雷化に軍だけが関与する場合もあります。他の場合には、国際あるいは国内NGOが主に関わっています。国際NGOは、地元のスタッフを訓練して、外部の援助が去った後にも独自に地雷問題に対処できるようにしています。地雷問題の国家の「所有権」をつくることが非常に重要であり、実際行動でも政治レベルでも、意思決定のレベルでもそれが言えます。
残念なことに、地雷利用の結果に対する国の製造者や利用者としての責任を定めた条項は存在しません。地雷撤去は被害を受けた国の責任であり、国際社会がそれを援助します。地雷禁止条約には、加盟国すべてが被害を受けた国々に支援することを要求しています。
SI:地雷禁止条約の目標は何ですか。
ベルトラミ:地雷禁止協定はユニークな国際法の枠組みであり、歴史上初めて、従来世界中で広く用いられてきた兵器を禁止したものです。それは、地雷の使用によって人道的、社会経済的、開発的に永続的で破滅的な被害を受けた何十もの国々の怒りと関心から生まれました。この協定は、対人地雷の使用を禁止しようという野心的な目標を達成するための、市民社会、政府、国際機関(赤十字その他)の前例のない協力的なプロセスの結果です。
条約は対人地雷(APMs)の将来の拡散を、すべての生産、利用、輸送、備蓄を禁じることによって防ごうとしています。既存の地雷についても、既知のすべての地雷原を除去し、備蓄を破壊することで、これ以上の犠牲者を出さないよう取り組んでいます。これが真の行動であり、ただの願望的思考でないようにするために、条約はこれらの活動に明確な期限を定めています。
1997年12月にカナダのオタワで条約が調印されてから10年が経とうとしていますが、大きな進展が見られました。条約はこれらの兵器に世界的な刻印を押し、APMsの世界的貿易の事実上の停止、武器使用の顕著な低下、地雷を設置する政府の数の劇的な減少を導きました。
世界の政府の8割近くが、これらの兵器の人間に与える影響が、その限られた時代遅れの軍事的効果を大幅に上回っていることを認めました。42カ国--その中には中国、インド、パキスタン、ロシア、アメリカや中東の大半の国々など、世界的、地域的な強国も含まれています--はいまだに足を洗おうとしない一方で、世界の大部分は着実に地雷とそれがもたらす苦しみから自由な世界に向かって進んでいます。
しかしながら、懸念材料もまだ多くあります。ミャンマー、ロシア、ネパールは2006年にAPMsを使用したことを確認しました。ネパールは2006年5月に毛沢東主義者との和平交渉の中で使用を中止しました。さらに、イスラエルは2006年夏の紛争の間に南レバノンに新しい地雷を設置し、同年12月にパキスタンはアフガニスタンとの国境付近に軍事侵入を阻止するために地雷を設置すると威嚇しました。中国、インド、パキスタンを含む十数カ国がいまだにこれらの兵器を生産する権利を留保しており、アメリカは、APMsと同等の新しい兵器システムの生産を考えており、議会はこれに反対しています。
加盟国が条約を実施するかどうかにも懸念があります。条約で定めた撤去期限に間に合わないように見える国が多くあります。加えて、生存者の援助も多くの国で欠けています。2004年11月に行われた条約の初の検証会議では、24の加盟国は社会経済的再統合を含む、緊急で長期的な地雷生存者への援助の提供が特に必要であることを認めました。
これらの理由から、私たちは、MBTは成功だったが、いまだに「進展中の成功」であると言うのです。
SI:クラスター爆弾やその他の爆弾の問題に対処する取り組みは行われているのですか。
ベルトラミ:レバノンにおける最近の紛争は、国際メディアと世論の注目を、地雷撤去活動を行っている人々が長年知っていたことに向けました。それは、クラスター爆弾は市民に受け入れ難い害をもたらすということです。それは使用された時にも、不発に終わった時にもです。そして、もしそれが拡散すれば、APMsよりもさらに大規模に人道的被害をもたらすでしょう。このことが、2003年からクラスター軍需連合(ICBLも加入している国際組織)の傘下で行われてきた、これらの兵器を禁止する取り組みにより大きな刺激を与えました。従来型兵器に関する会議の枠組み内でこの問題に取り組むことが失敗した後、ノルウェー政府はクラスター爆弾に関する条約交渉の新たな外交的プロセスを主導しました。最初のステップは、2007年2月にオスロで開かれた国際会議で、46の政府が交渉し、2008年の終わりまでにクラスター爆弾を禁止する条約を採択しました。1カ月後、クラスター爆弾の被害を受けたコロンビアもまたこのプロセスへの支援を表明しました。
1997年の地雷禁止条約で用いられた「オタワ・プロセス」がいかに規範を示したかをここに見ることができます。最初に、政府と市民社会の協力を含む代替的な外交プロセスが成果を上げることを示しました。そして、地雷の現在と将来の影響に取り組むための枠組み(禁止の方法、撤去、備蓄の廃棄、危機管理教育、被害者援助計画)が確立され、それは他の兵器の場合にも応用できます。
SI:非政府武装組織による地雷や他の爆弾の使用による脅威と、それがいかにこのような無差別兵器の使用を禁止する合意に至ったのかについて教えていただけますか。
ベルトラミ:非政府武装組織は対人地雷を使用し続け、少なくとも10カ国で爆弾を準備していますが、2005年の13カ国からは減りました。地雷禁止が真に普遍的なものとなり、再び地雷が埋められないようにし、新たな犠牲者をなくし、脱地雷化に向けた懸命な努力が無にならないためにも、武装組織の協力は不可欠です。
非政府組織はMBTに参加することができないので(それは政府に限定されています)、禁止のための他の方法が見いだされなければなりません。考えられるのは、敵対勢力との二者間協定、停戦協定や和平協定の中に地雷に関する条項を含めること、対人地雷の使用と製造を禁止することを一方的に宣言するよう説得することです。ICBLのメンバーの一人である「ジュネーヴ・コール」は、合意協定(Deed of Commitment)という特別な方法を考案しました。武装組織はそれに調印して、地雷の使用と製造を中止し、備蓄を破壊し、地雷廃絶運動に協力する活動に加わることができます。
SI:ICBLが関与している教育的活動について教えてください。
ベルトラミ:ICBLのメンバーには、地雷危機管理教育プログラムに携わっているものがあり、被害地域で人々に、地雷やクラスター爆弾を見つけた時に何をすべきかを教えています。これは、しばしば危険地帯で遊ぶ子供たちにとって特に重要です。またICBLは、まだ条約に加盟していない国々を含めた一般大衆に情報を伝えるキャンペーンも行っています。政策決定者に政治的圧力を加えること、すべての加盟国が、条約の目標を達成するまで対人地雷を政策の優先事項とし続けることを狙うものです。
「民衆の条約」と「戦争に反対する若者たち条約」は、人々が地雷とそれが引き起こす苦しみから解放された世界の大義への支援を示すために簡単に使える二つの手段です。キャンペーンの新しい世代を生み出す上で、若者へのアプローチは決定的に重要です。地雷問題を忘却させるわけにはいきません。過去10年間に長い道のりを歩んできましたが、私たちの使命が達成されたと宣言できるにはまだまだやるべきことがあります。私たちは若者の力を必要としています。明日の権力を担い、彼らの決定に影響を与えるキャンペーンを行う若者たちが、地雷とその悲惨な効果を撲滅するための活動の必要性に気づくことが必要です。
さらなる情報は:www.icbl.org

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