意識の成長──選集
The growth of consciousness──a compilation
「意識の成長」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』と『シェア・インターナショナル』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
あらゆる側面で、重大なる変化の兆しが現れつつあり、その潜在的力は、ほとんど触れることができるほどに期待の風潮をつくり出している。至るところに新しいアイディアが出始めており、新しいパターンが創られつつあり、生きることに対する新しい、より健全なアプローチが唱道されている。そのことすべてが偉大なる前進への人間の心意気を指しており、そのこと自体が意識的な認識の増大に対する反応である。人間は日ごとに心的発達を遂げている。
あらゆる外観にかかわらず、多くの醜悪さや残酷さにもかかわらず、人間の内的な神性は徐々に輝き出始めており、いのちの内的な側面で働くわたしたちの心に歓びを与える。
間もなく、人々は、新しい時が到来しつつあるのを、新しい時代の始まりを、新しい本質的な転換が人間の意識に起こっていることを知るだろう。その方向を指し示す徴は多く、人間が偉大なる冒険の門口に立つことを保証する顕現は多い。その冒険は人間を神ご自身の足下に導くだろう。
(『覚者は語る』―豊かなるいのち―p.275)
世界中至る所に、わたしのメッセージに対する反応が見られる。人間の生活の基本である分かち合いの原則が、指導者たちの心を引きつける。そのように目覚めた者たちのグループがますます大きくなり、新しい時代の基本線を打ち出す。わたしの仕事に対するこのような反応を見てうれしい。
我が友よ、あなたがたも生活の中で分かち合いを具現することができる。この聖なる原則がぜひとも支配すべきである。あなたがたの子供たちに、幼き者たちに、分かち合うことを教え、善を啓発しなさい。わたしの任務は、すべての人を啓発し、無知を真の知識に変え、目で見えるすべてのものの背後に唯一なる実在があることを教えることである。そのようにして人間を神のもとに連れていく。
(『いのちの水を運ぶ者』第127信、p.381~382)
世界が分かち合いと正義と平和を通してますます和合していくにつれて、人間の構成の特質や地球上における人生の目標が認識されるようになり、ますます多くの人々がもっと知りたいという欲求にかられるでしょう――自分が誰かについて、人生の目的について、そして自分の進化の段階について。人々は進化について話すでしょう。それが地球上における最も重要な要素となるでしょう。人類の意識の進化、そして自然界におけるすべての王国の発展が、至るところにいる男女の思考と目的を支配するでしょう。
(『光の勢力は集合する』p.180)
人間は坩堝であり、その中に新しい「存在(Being)」が創造されつつある。燃えるような体験の熱の中で、人間は徐々に神のなされ方を学んでいる。最初の歩みは遅々とした、苦しいものであるかもしれないが、やがてそのペースは早まるだろう。次々に明かされていく啓示が人間の意識を拡大し、やがて創造性と知識の最高潮につながるだろう。人間は「神の子」として顕れるだろう。
(『覚者は語る』―偉大なる母―p.555)
人類を取り巻く問題を、わたしはよく知っている。多くの変革が必要なことも、よく知っている。しかし同時に、人間の裡に、知ろうとする願いを、意識を高め、くもりを突き破って見極めようとする願いも見える。この知ろうとする衝動こそが、人間の最大の才能である。人が神への道を知るとき、この才能が創造的に壮麗に開花するであろう。
(『いのちの水を運ぶ者』第9信、p.43)
その意識の成長が、その特性を一層精妙にすることを通してより高い振動率へより高度の波動へと向かうその進化の行為が、進化そのものを構成しているのです。これがそうあるところのもの(What is)と、そうあるかもしれないところのもの(What might be)についての知識を徐々に拡大することにつながります。それは創造的です。これが魂の性質の本質です。創造性そのものです。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』p.485~486)
世界全体を通じて、人類の意識は深遠な変化を起こしているという理解が広がっている。このことは多くの中に反映されており、特に、意識の特性そのものを探究し、意識とマインド(識心)と頭脳の間の連結を調べ、これらの三つが単独で、または一致して、物質や自然界に及ぼす影響を研究するために注がれる努力の中に、少なからず反映されている。
自然界とその裡に働くフォース(エネルギー)についての古い、機械的な見方は急速に消えつつあり、すべての顕現の基礎にある和合について新しい認識が目覚めつつある。すべてがエネルギーであり、エネルギーと物質は一つのリアリティー(実相)の異なった状態であり、想念によって影響され得るという概念が広範囲に受け入れられつつあり、人々の人生観を変えつつある。人々はますます急速に啓発されており、間もなくこの事実を実演するための方法とテクノロジーが発見されるだろう。これは将来の人類の進化にとって深い意義がある。
われわれが新しい時代に入るにつれて、外的世界と主観的(内的)世界を探究し、(神の)創造におけるこの二つの様相の間の関係を理解することに新しい緊急性が感じられている。世界中の多くの科学者が、すべてが相互に関連し合っていることについての彼らの直観を実際に証明する必要に促されて、彼らの探究をそちらの方向に曲げつつある。超人格なるエゴ、または魂(の存在)を受け入れるという姿勢が徐々に地盤を広げつつあり、それは人間の現実観の新しい統合につながりつつある。究極的に、そのような調査すべての共通の基盤は、意識が魂の属性であり、マインド(識心)と頭脳はその回路、つまり魂の顕現のための器であり、それらの間をつなぐリンク(輪)には何の切れ目も分離もないという認識の中に、存在するだろう。
(『覚者は語る』―意識の成長―p.330~331)
人間の道程は長い、なぜなら人間は最高の本源から出でたのであるから。すべての人間の裡に神が宿る。その神はあなたの真我である。わたしの任務は、その聖なる存在をあなたの裡に解き放ち、神の大計画を完了させることである。
(『いのちの水を運ぶ者』第54信、p.162)
進化について語るとき、私たちは実際には意識の進化、意識的認識の進化について語っています。それがいのちです。実在(Being)と実相(Reality)のより高度でより広い通路への漸進的な覚醒です。それはすべてのレベルにおけるいのちのことです。意識の成長は、初めて私たちが原初の湿地へと転生した時からすぐに始まりました。それはいつだったのか。1,850万年前でした。
私たちの努力の主要な障害は何か。主要な障害はカルマです。進化の道における進歩の一歩一歩が、したがって、意識の拡大の一つ一つが、カルマの解消を通して起こります。私たちを引き止めるものはカルマです。カルマは私たちの進化の道に無気力の重しを置きますから、カルマを解消するにつれて進化の速度はもちろん速まります。カルマとの関連で、奉仕のダイナミックスが私たちを進化へと解放します。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』p.419~420)
わたしの計画は、人類を真なる価値に、その真なる可能性に目覚めさせ、すべての人の裡に聖なる神の子が宿ることを示すことである。もしわたしに従うならば、イニシエーションの過程を一歩一歩案内しよう。わたしはその封印を守護するものである。この過程を通して、己の裡に宿る神を顕すのである。
(『いのちの水を運ぶ者』第24信、p.85~86)
人間は啓示を拝受する時点に立っており、間もなくそれが、一致しない様々な声や態度を押し流すだろう。人間は自分たちの存在の意味と目的をより一層はっきりと知り、その知識が彼らの認識の中にもたらされた手段を知るだろう。間もなく、非常に間もなく、人間はあたかも一夜にして、と思えるほど、急速に成長するだろう。
この新しい知識は多くの者たちをこらしめ、驚かすだろう、しかし彼らの理解について完全な調整をもたらすように、彼らを刺激し、啓発するだろう。これが人生の意味と目的と彼らが呼ぶところのことについて、新しい価値を与えるだろう。より一層の真剣さとより大きな歓びが人間の信念と行動に浸透するだろう。そして徐々に彼らを全く新しい啓示に熱中させるだろう。
(『シェア・インターナショナル』2015年6月号、「覚者より」──最高位からの贈りもの)
要は、愛や廉潔さや誠実さなどを培うことによってこそ、イニシエーションの各段階に必要な統御を達成できるのです。人生とは私たちに正しい人間関係の必要性を教えるものです。これらを達成できると、美徳は自然に表され、イニシエーションが可能となります。イニシエーションとは実は意識の拡大についてであり、それは正しい人生活動の結果から生まれるものです。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』p.389)
いつの時代にも、人は自分の無知や恐怖に打ち勝つために、何となく感知する光を求めてきた。何か暗い恐ろしい破局に脅かされるとき、それが現実であろうが想像であろうが、人は本能的に自分の裡に心を向けて、魂の光を喚起し、そこからの導きを求める。そのような行為は自然なことである。なぜなら男も女も子供も、すべの人間の意識の奥深くに自分が魂であることについての認識が横たわるからである。進化の旅路を進んでいくにつれて、その確信は深まり、魂とその反映との間の意識的な連結は強まり、魂の光により容易に接触がつけられ、知ることができる。かくして理解の光が増大する。
人類は今や、意識の光がますます大規模に顕現する時代の瀬戸際に立つ。その光は、この地球上における人生の意味と目的についての認識の増大というかたちで人間の活動のあらゆる分野に表現される。今、多くの者はさらに高位の刺激が彼らを自分自身について、そして彼らの環境について少しずつ理解させていることに気づいている。
(『覚者は語る』―光の時代― p.377)
人間の神へ向かっての発達は、意識の発達です。エネルギーの総計であるところの、より高度なレベルに反応し、これらのエネルギーを支配する法則に応じることのできる敏感な道具(器)を創造することです。そのようにして、我々は聖なる存在となっていきます──徐々に神であるところのエネルギーに調和して、それに気付くようになり、やがてそのエネルギーを輝かせるのです。
(『伝導瞑想──21世紀のヨガ』p.47~48)
あなたがたがわたしを見るとき、素朴なる神の男があなたがたの中に居ることを知るであろう。他の人間と変わらないような男であるが、長い長い間、ある特定の道を歩み、その道をよく知る者であり、それ故にあなたがたを導くことができる者である。その道は、我が友よ、わたしがあなたがたのために持っている宝である。この可能性に、あなたがたの心を目覚めさせ、目標に到達しなさい。道は単純であり、道は確かである。わたしの教えが、あなたがたをそこへ導くであろう。
(『いのちの水を運ぶ者』第93信、p.275)
今までの進化上の進歩は個人性を育てることでありました。その個人性は克服される前に、まずつくり上げなければなりません。強力な、自己に仕える、高度に統合された個人はやがて世界奉仕者に道を譲らなければなりません。宝瓶宮の時代の意識の本質はグループの概念です。……
この意識の変化への鍵は愛であり、愛を通しての奉仕です。奉仕するにつれて、あなたはより非自己集中的になり、やがて、あなたが仕えるところのもの、つまり人類と、そして森羅万象そのものと自分を完全に同認するようになります。
(『マイトレーヤの使命 第1巻』p.181)
すべての歴史の中で、現在のような時はかつてなかった。人間の進化に足跡を残したすべての周期の中で、今と同じような変化への可能性があったことは一度もない。であるから、今のこの時はユニークである。非常に劇的かつ広大な意識の変化の前兆であり、変わっていく人間を描写するためには新しい定義と語彙が生まれなければならない。
この深遠な出来事における主要な要素は、人間の兄たち、すなわち、キリストであり世界教師であるマイトレーヤに率いられた智恵の大師(覚者)たちの影響であろう。彼らの大いなる接近が人間の生活や思考や行動に及ぼす影響はいくら誇張してもし過ぎることはない。
人間は潜在的な「神」であるということを、あなた方は何度も聞いた。それは空虚な言葉ではなく、人間の特性および存在についての確かな真理である。その真理が立証され、すべての者に見えるように表現されるのは、時間の問題にすぎない。
(『シェア・インターナショナル』2009年6月号、「覚者より」──顕現しつつある人間の神性)
あなたがたの周りすべてに、神はその栄光を輝かせる──あなたがたの裡に、周りに、この祝福された真理は輝く。我が友よ、至るところに居る人間がこの真理を見、聖なる本源の栄光に輝いて立つ日が、やってくる。だから、他の行き方を探すことはない。径は切り開かれ、登りのステップは刻まれ、道標は建てられ、案内人は手近に居る、辿りつくところは神性そのものである。これを知りながら、これ以下を受けて満足する者がいるだろうか、我が友よ。
(『いのちの水を運ぶ者』第84信、p.247~248)