現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2012年 6月 ジェネレーション・ウェイキング・アップ 若者を行動へと奮い立たせる

ジェネレーション・ウェイキング・アップ 若者を行動へと奮い立たせる


ジェイソン・フランシスによる
ジョシュア・ゴーマン氏へのインタビュー

このグループのウェブサイトによると、「ジェネレーション・ウェイキング・アップは、繁栄した公正で持続可能な世界をつくり出すよう若者世代に火を点ける世界的な運動である」。ジョシュア・ゴーマン氏は、サンフランシスコに拠点を置くこのNGOの創始者であり、コーディネーターである。ゴーマン氏はまた、グローバル・ユース・アクション・ネットワークの理事会でも力を尽くし、世界中の若者主導のプロジェクトを支援している。彼は最近、『ジェネレーション・ウェイキング・アップ:どのようにして新しい若者世代は大人になり、私たちの世界を変えていくのか(Generation Waking Up: How A New Generation Of Young People Is Coming Of Age And Changing Our World)』という本を執筆している。ジェイソン・フランシスが『シェア・インターナショナル』誌のためにジョシュア・ゴーマン氏にインタビューした。

シェア・インターナショナル(以下SI):ジェネレーション・ウェイキング・アップを始めるよう何があなたを鼓舞したのですか。

ジョシュア・ゴーマン:それは実際、私の個人的な経歴に関係しています。成人に達したとき、私は問題を抱えた若者でした。十代、特に高校時代に私は世界の状況に目覚め始めました。私自身の家族や地域の苦悩に直面し始め、私が気づいたことに精神的な衝撃を受け、内的なレベルで深く困惑しました。そのことが私を霊的な旅へと送り出しましたが、一人の若者として私はそれが起こっていることに気づいてはいませんでした。心理的そして霊的に正気ではなかっただけでした。なぜなら、その意味を全く理解できなかったからです。それを説明してくれる話や宗教的もしくは霊的な伝統が私にはありませんでした。そのため、私は数年を無駄に過ごし、意気消沈し、探求し、問い続けていました。それは十代を通して続き、二十代前半になって、幾つかの頼りになる情報源や人々の影響を受け始めました。
その頃に私はハワイに移り、そこで農夫になり、農業に従事し始めました。毎日、日の出から日没まで働き、身体を使って頭を空にすることで、非常に強力な自然回帰の経験をしたのです。身体にもっとしっかりと根差すようになるにつれて、多くの否定的な心理的パターンが粉々になり始めました。ただ自然の中にいることは癒される過程です。私は様々な霊的伝統と信仰グループから学び、実践し始めました。私の内的な生命に、そして私たちが神とか霊とか神秘と呼ぶものにつながりました。それが私を生き返らせ始めました。やがて歴史やこのグローバルな時代における現瞬間の全体像について書かれた多くの良い本を読むようになりました。
歴史において世界的な危機から脱するこの瞬間に生を得た今日の若い世代として、私たちがどのような存在なのかがはっきりと分かりました。その頃突然、歴史上のこの瞬間を単に危機でなく、誕生、目覚めの過程、変容の過程として、そして一つの段階から脱して、成長し、成熟と意識の新しいレベルに足を踏み入れるよう強いられる過程と考える人たちや洞察力のある人たちの影響を受け始めました。
ある日、強力な幻想的体験をしました。若者と社会運動が湧き上がり、私たちの地域と社会を癒し、変えるというビジョンをマインドの目で見ました。人類が嵐に耐え、新しい世界へと前進する道を見いだすのを見たのです。それが起こったとき、一人の若者としての私の内にジェネレーション・ウェイキング・アップが一つのビジョンとして誕生しました。私はそのビジョンに身を委ね、世界に、つまり私が育ったワシントンDCに戻り、他の若い活動家や変革者たちと力を合わせました。突然、ジェネレーション・ウェイキング・アップが一つの組織として花開いたのです。

ウェイキング・アップ(目覚め)

SI:ジェネレーション・ウェイキング・アップの計画とそれらの計画の結果として行われている活動の幾つかについて述べていただけませんか。

ゴーマン:私たちの最初の計画は、私たちが最重要計画と呼んでいるものです。長い名前で言えば、ジェネレーション・ウェイキング・アップ・エクスペリエンスです。そのニックネームは「ウェイク・アップ」です。ウェイク・アップは、短いビデオ、小さなグループ過程、ゲーム、個人的に日記をつけて回想する時間を含む3時間のマルチメディア・ワークショップです。このワークショップで、若者は幾つかの質問について考える旅を体験します。一つの世代として私たちはどのような存在なのか。私たちはどこにいるのか。つまり、私たちが一つの世代として受け継いでいる世界の状況はどのようなものか。変わらなければならないのは何か。私たちが直面しているすべての難問の根本原因について考え、制度全体を変えるために、私たちは実際にどのようして根本原因を変え始めることができるかについて考えるのです。最後に、私たちは今何をしているか、どのように行動すべきか、私たちの個人的な役割は何かについて考えます。また、一つの世代として、若者のグループとしてどのような行動を取るべきかについても考えます。
ウェイク・アップは点火装置です。それは、アクティブになり、より大きな運動の一員になるよう若者たちを刺激します。この教育的なワークショップから、私たちがいま見ている行動が小規模に始まることがよくあります。私たちの環境の状況に関するビデオを見たために、環境問題に目覚める人たちがいます。家に帰ってからリサイクルを始め、より健康な食料を買って食べ、地元の店で買い、より意識のある消費者になる人たちもいれば、自分の価値観や生活において自分にとって何が重要かを考えたためにもっと完全で深い生活を突然送るようになる人たちもいます。
私たちのウェブサイトを見て、私たちが支援している運動の一つを見つけ出す人たちもいます。社会正義の分野では、移民、地域社会での経済的な平等、資源の公正な利用権利を確かなものにすること、そして必要を満たすことに関して私たちが行っている運動があります。私たちはまた、奨学金の危機に関する活動も行っており、カレッジや大学の学費を手頃なものにし、もっと多くの貸し付けと経済的な援助が利用できるようにしています。
若者たちの中には自分たちの計画や組織を立ち上げる人たちもいます。私たちのリーダーたちの何人かが「解決策の夏」と呼ばれるものに参加する一つの活動計画があります。彼らが一つのチームをつくり、地元地域の20人から40人の若いリーダーたちを募集するのです。その夏を通して約2カ月間、彼らの多くが一緒に暮らすのですが、最も重要なことは現地の計画に一緒に取り組むことです。地域社会の庭園造りを始める人たちもいれば、地域の子供や若者と現地の教育プロジェクトを始める人もいました。また、地域のソーラーパネル構想を開始し、人々が家庭や地域でのエネルギー使用を削減するのを手助けした人たちもいました。相違の線を越えた地域社会を築くことが、私たちが行っていることの大きな部分です。私たちの世代は様々ですが、私たちは今も隔離された社会で暮らしています。私たちは多くの地域社会の建設を行っていますが、通常はそこから、協調と地域的な解決策が現われます。
高校やカレッジのレベルで私たちは若い人たちを支援し、「スライブ・ハブ(繁栄の中枢)」と呼ばれる地域のグループを始めています。1人から3人の学生リーダーがスライブ・ハブを始め、次にこうした地域のグループが小さな調整チームを作り、リーダーシップを取るチームが、グルーブが自らを管理して行動を起こすのを手伝います。
私たちはまた、幾つかの大きな運動とも手を結んでいます。例えば「350.org」が1日の世界的な行動を企画し、あらゆる人たちにその日に参加し、クリーンなエネルギー問題解決に共に取り組むよう招待します。私たちは彼らを支持しています。アメリカにおいて選挙資金改革を行い、私たちの民主主義のもつれをほぐすことで、それが効果的な方法で機能できるようにするために働いている人たちの大きな後押しがあります。私たちは、この問題に関与している私たちのネットワークを支持し、手助けしています。私たちは、関心を高め、政治指導者たちに手紙を書き、彼らに請願書を送り、電話をかけています。そして、メッセージをできるだけ遠くまで、そして広範囲に広めるためにフェイスブックなどのソーシャルメディアを使っています。

リーダーシップの分かち合い

SI:個人の努力よりもグループという概念はどのように若い人たちに力を与え、また個人レベルでは達成できないように思えることが、世界の同じ考えを持った人々と一緒になったときには全く可能なものになるのでしょうか。

ゴーマン:それは新世紀世代、つまりこの若い世代の最も面白いところです。私たちはとても協調的で、新しい協調的な技術がそれを可能にしています。分かち合いを推進し、協調の精神を培うこの技術の使用に関する文化があります。私たちの誰も、完全な解決策や、プロジェクトに必要なことに関する完璧なアイディアは持っていませんが、ある技能、アイディア、関係、もしくは接点を持った人が突然現われることがあります。そして、違った手段を持つ別の人が現れて、彼らがそれらを一つにまとめることで、突然、素晴らしいプロジェクトになります。目的を分かち合った友情が、私たちが続けていくよう実際に鼓舞するのです。個人的にこのようなプロジェクトに関与するとき、それが私たちを希望、意味、目的で満たします。私たちはそれが起こるのを至るところで見ています。そして、私たちがもっともっと分かち合おうとしているのはこういうことです。つまり、世界中の若者や若者のグループがどのようにして団結し、学校や地域を変容させ、私たちの最も切迫した難問に対処する解決策やプロジェクトを生み出しているかということです。

SI:若い人たちが関与している問題すべてにおいて、それらすべてを下支えしている共通点や根本的な人生観があるのでしょうか。それらは社会や私たちの制度が今日対処しているようには思えないものです。

ゴーマン:現代社会に姿を現している一つの根本的な世界観があります――分離という世界観です。それは個人主義と科学的な物質主義的還元主義をもたらします。それは生命を物質的な性質のものに引き下げ、その真の価値とより深い性質を尊重しません。この分離という世界観において、誰もが自分のことだけを考え、環境や地域、そして自分自身、自分の魂、自分自身の内的な霊とさえ関わり合いを持ちません。神、つまりより偉大な神秘とは関わらないのです。私たちは、私たちの社会全体に――社会的に、そして政治的に――表れているものの結果を見ています。
その世界観を変え、すべての生命とすべての人々との内的なつながりを認識する存在の仕方へと帰ることが根本的に必要です。自然界とのつながり、お互いとのつながり、深い人間的な性質とのつながり、生命のより偉大な驚異と神秘とのつながりです。もし私たちがその存在の仕方を私たちの文化や社会に回復させるならば、私たちは再び完全に調和したものになります。それは私たちを一つの全体の種族にし、私たちが一つの全体の惑星に住むことを可能にします。それは実際、私たちが目指している目覚めの核心にあるものです。多くのグループが目覚めつつあり、行動を起こし、多くの方法でこのビジョンの達成に向けて努力しています。私たちが価値を置く一つのことは、変化が内外両方のレベルで起こらなければならないということです。それは、個人、グループ、私たちの制度すべてを含む系統立った変化でなければなりません。それが私たちが計画していることの大きな部分です。

SI:グローバル・ユース・アクション・ネットワークについて、そしてそれとジェネレーション・ウェイキング・アップとの関係について話していただけませんか。

ゴーマン:ジェネレーション・ウェイキング・アップは、多くの若者組織や若者のネットワークを含むさらに大きな学生運動の一部です。グローバル・ユース・アクション・ネットワークは、世界中でつながっている若者と若者組織からなるもっと大きなネットワークの一つです。若者たちはHIV/エイズ問題や水の利権問題に取り組んでいます。彼らは若い声がもっと聞かれるようになり、国連での行程に含まれるよう働きかけています。グローバル・ユース・アクション・ネットワークは、資金や運動に関する情報を分かち合い、私たちの集団的なパワーを一つにまとめ、私たちの誰もが組織や個人だけでできる以上に大きな影響を及ぼすことができる方法でそれを集中させています。ジェネレーション・ウェイキング・アップはグローバル・ユース・アクション・ネットワークの一部です。私たちは彼らの行っていることを称賛しています。私たちのウェブサイトには、偉大な仕事を計画している他の多くの若者組織が載っています。

将来のビジョン

SI:若い世代の価値観と彼らが喜んで払う犠牲を考えると、今日姿を現しつつある将来の文明はどのようなものになると考えていますか。

ゴーマン:私は、「確かに、これが新しい世界だ」と言うのがどの地点かを私たちの誰かが正確に知っているふりはしたくありません。それは一つの過程、展開しつつある話ですが、新しい世界は現れつつあると私は考えています。私たちは社会のすべての活動分野を見なければなりません。地域がより一層地元に根差し、溌剌となろうとしています。それは、地域が地元レベルで、地球の向こう側から運ばれてきたものではなく、地元の食料や資材で生活することを意味します。
建設と消費において今よりも遥かに環境に配慮し、持続可能なものになるでしょう。私たちの技術と建物と都市は「清浄」で持続可能なものになるでしょう。構想の上の世界は新しい改革で爆発しつつあります。輸送とエネルギーのシステムは、私たちの惑星と地域にとってクリーンで幸せなものになるでしょう。教育制度は創造性と知識のバランスがとれたものになるでしょう。メディアがさらに普及するでしょう。メディアが均等に行き渡った時代に生きており、流されて分かち合われるべき情報のための経路が非常に多くあります。人々の間を流れるコミュニケーション経路はますます大きくなるでしょうが、ブログ、オンライン・テレビ、ラジオ番組が急増し続けるでしょう。あらゆる人がメディアの制作者と消費者になるでしょう。
政治的には、私たちは民主主義における新しい時代に傾きつつあります。かなりデジタル化した民主主義とより大きな参加型の文化を私たちは見ようとしています。それは、地方レベルでは私たちが共に決定に関与するものですが、国家や世界レベルにおいてさえ、何百万もの人々が私たちが直面している大きな問題に関する彼らの声を分かち合うことができる方法が生まれるでしょう。
私たちの相違が受け入れられるだけではなく称賛され、民族的な分割や判断がもはや機能しなくなる多様化したマルチカルチャー的な地域社会と社会が現れようとしています。国家間に平和が見られるようになるでしょう。私たちが根本的に一つの惑星の部分であり、一緒に一つの人類を形成しているということを私たちすべてが認識する時代へと向っています。そのため、私たちは一つになり、ますます調和と協調をもって協力するようになるでしょう。それはあるレベルの世界的な統治を意味します。しかも、トップだけではなく、世界的なレベルに至る地方や地域レベルでの健全なレベルでの統治です。
霊的そして宗教的には、それは私たちの個人的な生命が自らの高位我、神つまり偉大なる神秘とつながる世界を意味します。私たちすべてがリアリティの性質に関する私たちの様々なストーリーを称え尊重するようになるでしょうが、根本的に私たちすべてが黄金律――生命は良いものであり、価値があり、私たちすべてがお互いを愛し、親切にすべきという黄金律――についての認識を分かち合うようになるでしょう。そういう時代が訪れようとしています。

全員が総力を挙げて

SI:何か付け加えたいことはありませんか。

ゴーマン:私たちの仕事は若い世代を高揚させ、力を与えることですが、究極的には一つの世代だけで私たちの世界を変えることはできないことは分かっています。すべての世代が一緒に働かなければなりません。若い人たち、年配の人たち、高齢者たちすべてが協調して働くことが必要です。今日の若い人たちには特別な役割があります。というのは、私たちには、この新しい世界を生み出す上で重要な役割を果たす道具、知識、技能があるからです。しかし究極的には、私たちすべてが必要です。年配の方たちがこの話を聞いて、ときどき次のように問います。「では、私の役割は何ですか。ただじっと座っていて、若い人たちがすべてを変えるのを眺めているだけですか」と。そんなことは必要ではありませんし、好ましいことでもありません。全員が総力を挙げることが必要なのです。

さらなる情報をお求めの方は:
www.generationwakingup.org
YouTube: generationwakingup


惑星の至るところにおいてユニークで強力な世代は、いま成人に達した世代です。私たちは多くの名前で呼ばれています――Gen Y(ジェネレーションY)、ジェネレーションWE(私たち)、デジタル世代、新世紀世代。しかし、結局のところ、私たちはラベルを付けられることを拒否します。おおよそ1978 年から2000 年の間に生まれた私たちは、私たちの世界がこれまでに見た中で最も大きな、最も教育の行き届いた、文化的に多様で、世界に目覚め、テクノロジーの知識があり、社会的な関心を抱いている世代です。
私たちが受け継いだ世界に目覚めたとき、歴史上最も危機的な瞬間に生まれてきたことに気づきます。危機の集中――貧困、不平等、経済的な不安定、物質主義、気候の混乱、生態系の崩壊――は人類文明全体の脅威になっています。こうした広範な難問の中にあって、私たちの世代の記録的な人数の若者が無関心と絶望に満たされ、意味と目的と方向性を欠いた人生を送っています。
まさにそれと同時に、意識と社会変革の盛り上がりが、私たちの世代の中に現れつつあります。若い人たちは常に社会変革のための大きな運動の最前線にありましたが、今日以上にそうであったことはこれまでありません。私たちの学校から地域へと、権力の中枢機関へと、私たちは目覚め、立ち上がり、かつてなかったような行動を取っています。文化と世代を超えて、私たちはすべての問題、取り組み、社会領域を含む惑星規模の「運動の中の運動」を形成しつつあります。それが私たちの世界をつくり変えつつあります。
私たちの世代の使命は明白です。すべての人々のために機能する繁栄した公正で持続可能な世界をつくり出すために、私たちは社会全体を変容させる大胆で系統立った行動を取らなければなりません。ジェネレーション・ウェイキング・アップはこの使命への一つの反応であり、この運動を高める上で必要なすべての人々をまとめるために私たちの世代によって生み出された運動です。
今がその時です。それを起こしましょう。
出典:GenerationWakingUp.org