ベンジャミン・クレーム講演録「究極の選択」
2006年5月13日 東京日比谷公会堂にて
最初に、聴衆の皆様に対する私の姿勢、私の期待について説明したいと思います。
私の話は多くの人々にとってかなり難しい話です。難しいと思わない人もいますが、多くの人にとっては、彼らの背景や教育、経験などの違いから、私が使う用語のみならず、このアイディア(観念)そのものを受け入れ、信じることが難しいのです。もし私の話がとても受け入れ難いと思われても、私は気を悪くしたり、失望したりすることは決してありませんので、ご安心ください。この情報(そう、情報なのです)をただ伝えることで、私の仕事は終わるのです。このように大勢の聴衆のいる場においては、私の話すことに鼓舞され、活気づけられる人々も多いだろうし、あるいはばかげた話だと思う人も多いかもしれません。
ですから、私は皆様にこの話を信じてほしいと思っていないことを理解してください。
せいぜい私がお願いすることは、私の話を心(マインド)を開いて聞いてください、ということです。もちろん私たちは皆、自分は心(マインド)が開いていると想像します。現実には全く違います。私たちのアイディア(観念)、仮説、偏見などはすべて私たちの育ち、すなわち、まさにゆりかご時代から条件付けられてきたものの結果です。講演者の話を聞くとき、もし私たちがそのアイディアに同意するならばそれを受け入れます。しかしそれに同意しないと思うならば、たとえそのアイディアを以前に聞いたことがなくても、それを拒絶します。新しいことが不愉快と思えるかたちで現在に影響するならば、その新しいことを拒絶するというその姿勢ゆえに、人類が今の意識の状態に到達するまでに非常に長い時がかかったのです。
ですから、皆様が私の話すことに対して、できる限りオープンマインドであることを望みますが、それが真実なのかそうでないかについてはあなた方の判断にお任せします。もし真実でないならば、これ以上言うべきことはなにもありません。
しかし真実ならば、人類はいま岐路に立っており、どう進めばよいか、何が起ころうとしているのか、生命の終わりかもしれないし、素晴らしい人生の始まりかもしれないし、全く不確かな時点に立っていることは明らかではないでしょうか。私たちは途方もない決断をしなければなりません。もし真実ならば、これらのアイディアは、進化のこの時点において人類が対処しなければならない最も大切なことに違いありません。皆様がこの話を真実と受け入れるにしろ、そうでないにしろ、もしあなた方が今夜帰途につくとき、未来への希望を、子供たちのそしてそのまた子供たちの未来について希望を新たにされるならば、私はとても満足です。もし私の話すことがあなた方を行動へと鼓舞し、この地球とその住民の救済に、再建に参加する行動につながるならば、私は本当にうれしいです。
もし私が正しいならば、今日、人類は危険な状態にあるのみならず、今後の人生を完全に変えてしまうような大いなる決断を下さなければならない状況にいるのです。人類がいまのこの時の必要に、現在与えられた機会にいかに正しく反応するか否かによって、私たちの未来のすべてが決まります。
人類の長い歴史の中で、このように生か死の条件づけられた状態にあったときはかつてありません。長い歴史を通じて、人類は多くのチャレンジや危険に直面してきました。そしていつもそれに適応し、変化し、そして再び繁栄してきました。今日、私たちはこの地球という惑星上のいのちを変容させて、この世界がかつて経験したことのないような文明を築き上げていく機会を持っています。人間がその神性に確信を持ち、そしてその神性を通して一日一日の恵みに確信を持って歩むことができる世界、戦争もなく、欠乏することもない文明、人間がお互い同士に兄弟姉妹として挨拶を交わし、すべてのものの必要を管理する世界、今日のとは全く異なる世界です。
お尋ねしますが、今日の世界はどこが間違っていると思いますか。現在あなたの大嫌いなことは何ですか。現在と未来についてのあなたの恐怖は何ですか。あなたは毎朝、天気はどうであれ、素晴らしい一日を期待しながら喜びに満ちて目覚めますか、あるいは朝目覚めたとき、またどこかで戦争が起こっていないことに、大きな災害とか、人類すべてを脅かすような恐ろしい国際状況になっていないことにほっとするのですか。
もし私たちにその意志さえあれば、現在の状況を改善し、素晴らしい未来に変えることができるのです。それは私たちの手のうちにあるのです。恐怖のうちに生きる必要はないのです。貪欲の法則に従う必要はありません。今日の状況を、世界の汚染や何千万の人々が飢えている状況を受け入れる必要はありません。私たちがこれらのすべてをつくり出したのです。今日の世界の状況に対して、私たちすべてに責任があるのです。
では、なぜ私たちはそうするのでしょうか? なぜそれに甘んじているのでしょうか?
なぜなら私たちは変化を恐れるからです。ほとんどの人は貪欲を好みませんが、貪欲の法則に従います。ほとんどの人が、自分の国土であろうと他国においてであろうと、戦争を好みません。戦争はどこで起こっていても、私たちに影響を与えます。利己主義や貪欲がどこにあろうとも、私たちすべてに影響を及ぼします。何百万の人々が飢え、実際に飢え死にしているならば、それがどこであろうが、私たちすべてに影響を与えます。私たちは実際、この貪欲や利己主義や憎しみや葛藤や飢餓から自分たちを分離させることはできません。
私たちはこれらすべてを変えることができます。恐怖心と自己満足感のみが、ひどい惰性的な自己満足感のみが、私たち自身をそれから引き離し、それに甘んじることを可能にするのです。
私たちは誰か。本当に誰なのか。私たちの本当の、本質的な特性は何か。もしそれを知るならば、私たちは世界を今のように商業至上主義と貪欲と競争に舵を取らせて運営し続けるでしょうか。
私たちは、知ろうが知るまいが、信じようが信じまいが、魂であり、聖なる魂が転生している存在であり、肉体、感情体、メンタル体という装具を通して魂が人生において己自体を表現しようとしている存在なのです。宗教的な人々は私たちが魂であるということを教えられています。しかし魂はいつも漠然とした抽象的なものとして、私たちの認識や意識を超えたあの高いところに存在する何かとして提示されます。宗教的な教えはせいぜい存在の倫理観を提供しますが、抽象的です。
私たちは一人一人が重要であるということを認識するようにならなければなりません。人は目的があってここにいます。若かろうが年を取っていようが、どこの国にいようが、どんな背景や伝統であろうが、すべての人間が、同じ目的のためにここにいるのです。
魂は霊的なスピリチュアルな存在であり、神聖な存在であり、物資界において魂自体の界に見るところのものを創るために転生します。人間は物質の中に埋め込まれた 霊 であり、私たちの仕事は物質を霊的なものにすることです。これが肉体人間に転生している魂の基本的な目的です。パーソナリティーではなく、魂が、肉体、感情体、メンタル体というパーソナリティーの器に転生してくるのです。その器が魂に物質の中に己自身をあらわし、物質を霊に変えていく仕事を可能にさせます。
それなのになぜ私たちは、霊的な側面をほとんど見ず、物質的なものばかり見るのか。なぜなら私たちは自分たちを物質に縛りつける綱を、鎖をつくる過程に従事しているからです。物質はあります。私たちは物質の中につかりこんでいますが、しかし物質ではありません。物質の中に埋没している魂にとって大きな問題は、すべての魂が物質の中につかりこんでおり、同じように行動しているということを見ることです。光から出て、形態の必要のない霊的な光であり、大いなる霊的な光を放射している存在が物質の中に埋没することがどんなことか想像できますか。物質の中にある魂がどんな体験をするのか、物質を刺激して光を見せようとする苦闘が、本来の光であるための苦闘が想像できますか。
私たちは光が覆い隠されている暗黒の時代から抜け出てきつつあります。非常に長い間光が隠されてしまった場合、物事は変わらなければなりません。危機点に到達し、変化は必然になります。世界に商業至上主義が発展していくにつれ、それの結果、競争が蔓延していくと、もちろん私たちは危機点に到達します。
人類は実際、幾つもの前線で戦っていますが、しかし自分たち自身に対して戦っているのです。生態面においては、私たちの住むこの惑星そのものが破壊され、変容されています。
地球は熱しており、氷河が溶けはじめています。もちろんその問題がどれほど深刻なのか、どのくらい熱くなっているのかについて、世界で大きな議論が闘わされています。京都議定書はそのことについてでした。先見の明ある科学者たちの呼び掛けに応えて、諸国家の中には惑星の温暖化を真剣に捉えている政府もあります。しかし迫りつつある大破局の決定的な緊急性を見ることのできるものはほとんどありません。
しかもこれは、わずか一つの危険にすぎません。資源の誤用によって、この惑星を熱し、汚染してきました。惑星のすべての面、土壌、大気、海洋のすべてが汚染されています。それが今や世界における第一の殺人者であります。世界に蔓延する毒性、あらゆる種類の汚染が人類に大きな影響を与えています。なぜならそれらが人類の免疫組織を破壊しており、通常ならば免疫性をもっていたはずのあらゆる種類の病気に対して、抵抗力を失っています。ですからますます多くの人々が今日、他のいかなる原因よりも汚染によって引き起こされる病気で死んでいます。しかし人類は、汚染の原因についてまだ半分しか気付いていません。
私たちは汚染に対処していると思っています。それはそうですが、汚染の本当の現状がいかに並々ならない危険なものかを知りません。そしてすべてをコントロールできると思っています。それは、真の状況に対する私たちの全くの無知の悲しむべき反映であります。
世界におけるもっとも危険な汚染、毒性は廃棄ガスやその他によるものでもなく、炭酸ガスの放出によるものでもありません。それらはもちろん非常に悪いです。しかし私たちが、全く気付いていない最悪の汚染は、核放射能によるものです。ますます多くの原子力発電所が建設されています。無知ゆえに、私たちはこの化け物をコントロールできると思っています。広島や長崎を破壊し、チェルノブイリで爆発したあの同じ核放射能が今日、地球の大気と土壌と水に充満しています。
世界中でますます若い人々の中にアルツハイマー病が増大しています。これの主な原因は核放射能です。あらゆる種類の癌の増大もまた核放射能によるものです。私たちは核エネルギーでいっぱいの世界に住んでいます。しかるに、例を挙げますと、フランスはさらに58基の原子力発電所を建設する計画を立てています。
カルマの法則の許す範囲内で、日夜止むことなく、放射能をぬぐい取る作業を続けてくれている宇宙の兄弟たちのたゆみなき働きがなければ、この地球はもはや住むことのできないものになっていることでしょう。カルマの法則の制約がありますから、それの許す範囲内で、この惑星の大気に充満している核放射能を中和してくださっているのですが、すべてを行うことはできません。
なぜ私たちはそれをするのか。現在使われている粗雑な計測器では核放射能の基礎的な固体物質のみしか測ることができないことに私たちは気付かないのです。物資界には七つの亜界があります。その低位三つの亜界である固体、液体、ガス体を測定することはできますが、さらにその上位に四つの亜界があるのです。私たちはそれが存在することを知らないので、それらを測定することはできません。そしてまさにこれらの四つの上位の、より精妙なレベルの物資界において人類に最大の損傷が起こされています。
それなのに、なぜ私たちはそれをするのか。相も変わらない貪欲と利己主義と競争の政策、つまり商業至上主義の政策です。貪欲に駆り立てられて、既得権益占有集団はますます多くの原子炉を建設することを提唱します。なぜなら、彼らは原子炉から多大な金を儲けるからです。
いったい希望はあるのか。今日の私の話は希望のメッセージのはずです。皆さんは頭をかきながら、「一体この人は何を言っているのか、これは一つも希望を与えてくれない。恐ろしくなる」と思っているかもしれません。これは希望のメッセージです。しかし、きちっとした情報を得た希望でなければなりません。
何事もひとりでは起きません。変化はひとりでに起こるのではありません。何が起こっているのかを知らなければなりません。情報を得て、そしてそれを変えるためのステップを取らなければなりません。原子エネルギーの完全に安全な使用法があります。危険な廃棄物を出さない常温で、海洋や河川や雨など惑星全体に豊富に存在する水の同位元素を利用してできる核融合による方法です。常温核融合のプロセスがあることを科学者たちが知らないわけではありません。それをどのようにして行うかを確実には知らないのですが、それを探求するために時間もお金も使っていません。世界中どの国でも、どの街でも、どの村でも簡単に核融合のプロセスを用いて電力を安くつくることができるのに、あえて危険な核分裂による方法に巨額な金を使うのです。お金にならないので、彼らはやらないのです。
われわれは何をすべきか。人類は立ち上がらなければなりません。その声を聞こえさせ、健全な政策を要求しなければなりません。政府がやってくれるまでただ待つならば、永遠に待っているでしょう。政府は競争と貪欲のプロセスに関与しており、海外からの競争に対して、国の経済をどうにかバランスさせようとしています。どの国の政府も同じことをして、他国からの競争の脅威のまえに国家の経済を破綻させないようにと試みています。それは不可能です。これは過去のやり方なのです。死につつあるプロセスであり、もしそのまま進むならば、人類を死滅の危険にさらします。
ですから私たち次第です。しかし人類はひとりではありません。ひとりで放っておかれたことはありません。いつも舞台の背後にあって、何が起こっているかを明確に見て、その苦境を切り抜けるために人類を助け導いてくださる方々がおられます。彼らはすべての問題をご覧になります。何千万の人々が飢えている世界を、食糧の不足のない、実際一人当たりにつき余剰の食糧のある豊かな世界で、何千万の人々が飢えているのをご覧になります。ほとんど何もなく、一日わずか百円くらいしかない生活をしている何千万の人々をご覧になります。世界の五分の一の人口が一日百円で生活しなければなりません。彼らは商業至上主義の増大、巨大な化け物がいのちの中核を蝕んでいくのをご覧になります。その結果、人類の大多数が苦しんでいるのをご覧になります。彼らは助けたいのですが、カルマの法則によって制約されるので、できることは限られています。彼らはとても助けたいのですが、人類が自分たち自身を助けはじめるのを待たなければなりません。
だから人類は目覚めなければならないのです。人類自身がつくった危険に直面するために目覚めなければなりません。そして再生の可能性に目覚め、自分自身を魂として見はじめ、世界をより良く変えていくことです。始めなければなりません。いまは世界の歴史の中で、まさにユニークな時です。人類は多くの危険を通ってきました、そしていつもそれに適応し、変化してきました。そしてまさに今回も適応し、お互いに対する見方、関係の仕方を変えるでしょう。人類は行動を変え、機構を変え、戦争や、核放射能などのない生き方を可能にするような経済、政治、社会機構を持つようになるでしょう。
私たちは新しい時代、新しい宇宙の周期に入っているということを多くの方はご存じでしょう。アクエリアス(宝瓶宮)の時代と呼びます。それは天文学的事実です。太陽、そしてこの太陽系全体が25,000年から26,000年かかって天空の黄道帯を一周するにつれて、各星団とエネルギー的に整列状態に入ります。太陽がその整列状態にあるとき、何々という星団の時代と言います。
過去2,150年のあいだ、その整列はパイシス(双魚宮)星団とでした。ですから私たちはパイシス(双魚宮)の時代にいたのです。太陽はパイシス(双魚宮)の影響圈から移動し、アクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーの影響圏内に入ってきています。ですからアクエリアス(宝瓶宮)の時代に入ってきています。太陽がパイシス(双魚宮)との整列から移動しはじめたのは1625年であり、パイシス(双魚宮)のエネルギーが後退しはじめました。アクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーが1675年にこの惑星に届きはじめました。私たちはエネルギーの宇宙に住んでいます。それを受け入れなければなりません。それはリアリティー(現実)なのです。
これらのエネルギーが流入してくると、どうなるのか。人々はそのエネルギーに反応します。それが影響です。エネルギーは特定の偉大なるアイディア(観念)を包含しており、これらのアイディア(観念)が人類に働きかけ、人間の生活のコースを変えるのです。これらのエネルギーが私たちの生活に影響を与えます。今日世界にあるものすべて、政治、経済、宗教、科学、教育、文化の機構は2,150年ほどのパイシス(双魚宮)の時代の、パイシス(双魚宮)のエネルギーの影響の結果です。それが今日のあらゆる欠陥と危険を備えた世界をつくりました。それは過去2,000年以上にわたって築き上げられた機構であり、もはや機能しません。それらの仕事は終わりました。エネルギーは後退しつつあるのに、制度機構はまだあります。しかし、もはやエネルギーが、いのちがありません。それは結晶化し、死んでいます。しかし政府は、今日死んだ材料で生命を創ろうとして、これらの同じ方法を、同じアイディア(観念)、同じ政策を使っています。どこを見ても、政府が試みることは必然的に失敗します。なぜなら、いまの時代にはもはや機能しない古い方法を使っているからです。パイシス(双魚宮)のエネルギーとは全く違った方法で働くアクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーを使わなければなりません。私たちは、パイシス(双魚宮)のエネルギーを扱った結果である完全に無秩序な分割した世界を見ているのです。アクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーは統合のエネルギーであり、人類を融合させ、過去の2,000年のあらゆる害を正し、人類をひとつのグループに融合させていきます。
今日戦争を起こすのは誰ですか。政府ですか、国民ですか。もちろん政府です。経済制度の中であらゆる金融的危害をつくるのは誰ですか、政府ですか、国民ですか。それも政府です。国民は未来の、統合し融合した人類の関係を、すべての人間がすべての人に責任を持つそんな関係を切望します。お互いに戦ったり、殺しあったり、最高の位につくために、最大限の給料を得るために互いを踏みつけたりなどということのない、正しい人間関係が欲しいのです。しかし世界をコントロールするものとして、倫理の代わりに商業至上主義が台頭したのです。
私たちは全く指導する資格のない人々に導かれています。彼らは、すべて過去のものであるイデオロギーから、貪欲と競争への執着から導いています。それはもはや機能しません。もしこれ以上それを続けるならば、私たちは自分たち自身を破壊するでしょう。自己破壊につながります。
しかし、希望はあるのです。これは希望のメッセージです。ほとんどの人間に知られずして、私たちの生活の背後に信じ難いほど進化された方々の一団が立っておられます。彼らは通常、智恵の大師方とか愛の大主、または覚者方と呼ばれています。彼らは私たちと同じように人生体験を通して、苦悩し、失望し、あらゆる体験を経て、徐々に向上し、いのちのリアリティー(実相)について知り、究極的に解放され大悟された方々です。彼らはだいたいにおいて、ヒマラヤ山脈やアンデス山脈、ロッキー山脈、アトラス、ゴビ砂漠など、世界の辺鄙な高山脈や砂漠に何千年も住んでおられて、人類を見守り、導き、保護してこられました。彼らは彼ら自身の進化の周期の最終段階に到達し、再び地上の日常世界に集団として戻ることが要求されるのです。
この日常世界への帰還のプロセスは、すでに始まっていることを申し上げたいと思います。
人類の進化に関連する覚者方は全部で63名おられます。人類の進化は重要な進化ですが、唯一の進化ではありません。彼らは遅かれ早かれ、世界に戻らなければならないことを長い間知っていましたが、問題はそれがいつかということでした。彼らが日常世界に戻ることに備えて人類の準備がいつできるのかということでした。なぜならそれは、人類の進化に途方もない刺激を提供するからです。1945年6月、第二次世界大戦の終わる頃に、私たちから見れば完全な方々のそのグループのリーダーである主マイトレーヤが異例の発表をされました。もし人類が自分たちの自由意志でその生活を浄化する過程を始めるならば、変化しはじめ、大きな戦争を過去のものとなし、分かち合いの原理が経済情勢を支配しはじめ、そして覚者方が愛の最低限の表現といわれる善意が顕現して、正しい人間関係がつながるようになるならば、つまり私たちがその方向へ動きはじめたら、マイトレーヤ御自身が覚者方の大きな集団を引き連れてお戻りになると言われました。これは世界史上初めてのことです。覚者方の3分の2がやがて、マイトレーヤと共に世界に出て来られるでしょう。
このプロセスは1975年に始まり、5人の覚者方がニューヨーク、ロンドン、ジュネーブ、ダージリン、東京にそれぞれお入りになられました。その後、1977年7月19日にすべての覚者方のリーダーであるマイトレーヤ御自身が世界に出て来られました。マイトレーはロンドンにお入りになり、そこのアジア系移民のコミュニティの中に拠点地をおかれ、そこをベースにされました。ですから、マイトレーヤは世界に出ておられるのです。覚者方のうち14名が現在世界に出ておられます。もっともよく知られた覚者はイエス覚者であり、ナザレのイエスであった方と同じ人物であり、今や非常に高位の覚者となられて、すでに何年もの間ローマに住んでおられます。
覚者方は休むことなく絶えず世界にエネルギーを注いでおられます。世界にはたくさんの恐ろしいひどいことが起こっていますが、しかし同時に多くの変化もまた起こっています。
マイトレーヤは幾つもの戦争の勃発を未然に止められました。人生のすべての分野で、社会的に高い地位にある男女と会いました。世界中で何千人もの普通一般の人々に、通常、マイトレーヤとしてではなく、老若男女あるいは子供の姿をとったファミリアと呼ばれる現われ方で姿を現しています。彼はどんな姿形にでも現われることができます。シェア・インターナショナル誌をお読みになる方は「編集長への手紙」の欄を読めば、マイトレーヤや他の覚者方が人々に姿を現して様々な体験を与えられるやり方の効果が分かります。
マイトレーヤはまず、アメリカのテレビ、それから日本のテレビに出演することによって、外的な公の仕事を始められるでしょう。しかしマイトレーヤという名前を使わずに、単に一人の男として現われるでしょう。そして、私が話したような今日の問題について話をし、もし私たちがその意志さえあれば、世界を変容させるのは比較的簡単であることを示すでしょう。最も重要なことは、私たちが最初に取り組まなければならないことは、世界の飢えている何千万の人々を助け、そして生態問題、放射能の問題と地球の温暖化、汚染の問題に取り組むことであることを示すでしょう。
マイトレーヤの言われることに十分大勢の人々が反応するときに、彼らは政府にマイトレーヤのいうことを聞くように、彼に世界に向けて話をするように呼びかけるでしょう。そうすると、私たちのこれまでの長い転生の中でも最も重要な日、大宣言の日がやって来るでしょう。マイトレーヤは世界に向かって、実際、御自分が誰かを、なぜやって来たのかを、そして私たちが変わらなければならないことを話すでしょう。
人類がいかに年を重ねているか、いかに高い霊的レベルから今日の物質優先と金の妄想に取り付かれたレベルにまで深く堕ちてきたかを示すでしょう。彼は人類に未来のビジョンを、途方もない科学の発達を見せてくださるでしょう。それは世界に平和と正義が達成されれば、人間に提供されるのです。私たちはまず平和と正義を創造しなければなりません。
ですから、それが私たちの選択です。今日のあり方を続けて、自己破壊するのか、あるいは世界を再建し、マイトレーヤと覚者方のインスピレーション(鼓舞)と導きの下で、世界を変容させるか、誰も食糧や住居や仕事を欠くことなく、平和に生きることのできる世界を創るか。豊かな世界で何百万の人間が飢えているというこの辱めほどわたしを動かすものはない、とマイトレーヤは言われます。それはマイトレーヤにとっては冒涜なのです。
これはどのように行われるのか。彼はただやって来て、すべての人々に話しかけるのではありません。衛星中継で連結された世界のテレビネットワークを通して全世界に向けて話をするように要請されるでしょう。マイトレーヤは全知遍在であり、世界中のすべての大人と思念伝達(テレパシー)の連結をつくるでしょう。すべての人間が彼の言葉をそれぞれの母国語で世界中同時に聞くでしょう。あなた方は日本語で、フランス人はフランス語で、ロシア人はロシア語で、中国人は中国語で、英国人は英語でというように。彼はあなた方の母国語で語りかけますが、実際には話されないでしょう。しかし彼の思いがあなたのマインドに入り、あなたの頭の中で、あなたの頭脳がそれらを日本語の声に変えるでしょう。
同時に、彼のエネルギーがすべての人間のハートを通して流れるでしょう。彼は愛の主です。この愛のエネルギーはすべての人々のハートを通して流れ、それが彼のメッセージに対して直観的な心からの反応を呼び起こすでしょう。そして肉体のレベルにおいては、何千もの奇跡的治癒が地球上全体を通して起こるでしょう。この三つの方法で、あなた方はこの方こそ愛の主であり、光のハイアラキーのリーダーであり長である方であることを知るでしょう。マイトレーヤは教師として来られ、次の2,500年の間、私たちと共におられ導き、保護し、教えてくださるでしょう。