現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2014年 6月号 アフガニスタンの少女と女性のための希望の光

アフガニスタンの少女と女性のための希望の光

ジェイソン・フランシスによるラジア・ジャン氏へのインタビュー

ラジアの希望の光財団は、地域共同体を基盤とする教育を通してアフガニスタンの少女や若い女性の生活を改善することを目的としている非営利組織である。この組織の仕事はアフガニスタンのデー・スブズ村に集中している。希望の光財団の創設者であるラジア・ジャン氏は、アメリカに長年居住していたアフガニスタン人である。ジャン氏はマサチューセッツ州、ダクスバリで仕立て屋として20年以上も働き、異宗教間評議会やヘイトを許さない会のメンバーである。ジャン氏は2008年にカブールに戻った。ジェイソン・フランシスがシェア・インターナショナルのために、ラジア・ジャン氏にインタビューした。

シェア・インターナショナル(以下SI):あなたは何をきっかけとして、アフガニスタンの少女や女性の教育を援助しようと思ったのですか。

ラジア・ジャン: 私はアフガニスタン人であり、幸いにも教育を受けることができました。私は9.11のすぐ後にアフガニスタンに戻りました。私は女性が人間としてではなく、物や二級市民として扱われているのを見ました。女性たちは虐げられ、非人間的な扱いを受けていました。何年か(アメリカとアフガニスタンの間を)行き来している間、 アフガニスタンでどこに行っても、少女たちは非人間的な扱いを受けており、常に暴行を受けていました。とにかくどこからでも始めること、彼女たちに自己尊重と教育を与えることは、私にとって非常に重要でした。そして、変化は素晴らしいものでした。

SI: アフガニスタンでは、現在どのくらいの少女が学校に通っていますか。

ジャン:9.11以後、その数は驚くべきものです。現在、アフガニスタンで800万人の少女が学校に通っています。アフガニスタンの新学期は4月に始まります。問題は確かにあります。どこの公立学校でも女性の教育は理想的ではありませんが、女性はある程度の教育を受けています。過去30年間と比較すると、女性の教育は改善されています。

ザブーリ教育センター

SI:アフガニスタンのデー・スブズ村にあるザブーリ教育センターについて話していただけますか。

ジャン:これは私たちが2008年に建設した学校です。実際には、ロータリー・クラブの援助を得て建設されたものです(ロータリー・クラブは、ビジネスや専門家の共同体のリーダーを育成するだけでなく、人道的なサービスを提供し、高度な倫理基準を促進し、世界中に善意と平和を創造することを目的とする国際ロータリーの支部である)。私は過去25年間、ロータリー・クラブのメンバーでした。私たちはかなりの募金を集め、この学校を建設しました。学校はカブールから車で1時間かかり、七つの村がある地域にあります。七つのすべての村の少女が、幼稚園から高校までのこの学校に通っています。2015年には卒業した生徒が通う関連施設をつくり、教職課程やコンピュータや看護を学ぶ2年間の訓練を生徒に提供できるようにしたいと考えています。

SI:ザブーリ教育センターには何人の少女たちがいますか?  生徒たちの年齢の幅はどのくらいでしょうか。


ジャン:現在、約460人の生徒がいます。生徒たちの年齢は、3歳半から23歳までです。

SI:学校を運営する上での主な支出は何ですか。

ジャン:スタッフへの給与が主な支出です。全スタッフが、アフガニスタンの教師の平均給与よりも多い給与を得ています。なぜなら、スタッフはこれらの地域全体から来る必要があるからです。私たちは、教師を週に6日、カブールから学校に送迎しています。

SI:あなたはアフガニスタンで男性が女性をどのように扱うかについて話されました。具体的には、男性の家族メンバーは家族の中で女性の教育をどのように考えているのでしょうか。

ジャン:最初の年が一番大変で、107人の生徒がいました。今年は7年目であり、状況は変わりました。時間と共に、親たちは自分たち自身が受けていない教育を娘たちが受けることの恩恵を感じています。親たちは読み書きができませんが、娘がコンピュータやインターネットを使用でき、世界の出来事を話すのを見ています。私は、親たちの間や地域共同体で変化が起こっていると思っています。

前進する

SI:このように男性に支配されている社会で少女や女性が教育を受けた場合、彼女たちが直面する障害は依然としてありますか。

ジャン:私たちにとって、結婚は大きな障害です。なぜなら少女たちは、10歳か11歳という非常に若い年齢で婚約するからです。以前は家族が娘を結婚させて遠ざけ、遠くに送りましたが、私たちの生徒は学校に通っており、両親に結婚を待ってもらえるように頼みます。ほとんどの場合、義理の親や父母や兄は同意します。彼らは娘に学年を完了させないかも知れませんが、生徒たちはさらに1年か2年の教育を完了する機会を確かに得るのです。もちろん、女性は学校に行くべきではないと思う人はまだ多いです。学校に行っている人にとっては、家族の考え方が変わり、以前ほどの困難はなくなってきました。
私たちはまだ大いに心配しています。少女が学校に行くことを好まない人たちが私たちの学校に危害を加える可能性があるため、困難な毎日です。これは別の学校で起こったことですが、カブールの公立学校で教室が毒ガスの攻撃を受け、水に毒が入れられました。彼らは少女たちの顔に酸を投げつけ、少女たちを殺すことさえします。ですから、私たちは毎日心配しなければならないのです。しかし、もちろん私たちは前に進み、少女たちに何事も起こらないことを望まなければなりません。

自分自身の生活で声を上げる

SI:少女が教育を受けたとき、生活はどのように変わりますか。

ジャン:少女の生活は大きく変わります。教育により少女は、そうでなければ持たなかった声を持つことになります。例を挙げてみましょう。教育を受けていない11歳から14歳位の少女が父親や兄から「お前は結婚し、他の家に行かなければならない」と言われたとすると、その少女は何も言わずに送られてしまうでしょう。しかし、少女に教育があれば、70歳の男性と結婚させることはできないでしょう。少女はできる限り抵抗するでしょう。私の学校には、結婚させられないように成功した少女たちがいます。教育を受け道を見つけることは、これらの少女たちにとって非常に重要なことです。そして彼女たちがある程度の教育を受けていれば、子供たちにも必ず教育を受けさせることでしょう。


SI:アフガニスタンの2014年4月の選挙で、女性はどの程度活動的でしたか。


ジャン: 女性は非常に活動的でした。小さな村でさえ、女性たちは投票に出かけました。女性たちはタリバンが戻って来ることを本当に恐れています。ただ単にタリバンを求めていないのです。今では多くの女性リーダーがいます。副大統領候補の一人は女性であり、アフガニスタンで過去7年間、唯一の女性知事を務めました。女性たちはこの選挙の年に非常に活動的でした。また女性たちは、国会で女性の問題や権利について発言していました。状況は変化しています。女性たちはより自信を持つようになり、前に出たいと考え、過去30年間で直面して来たことに直面したくないと考えています。

SI:他に何か追加されることはありますか。


ジャン: 私が人々に理解してもらいたいのは、すべての発展途上国で教育が非常に大切だということですが、私はアフガニスタンに集中しています。私はこの機会を得て幸運だと思っています。私がいなくなっても、学校がずっとそこに残って欲しいです。そのために私には助けが必要なのです。私たちにはホームページがあり(下記を参照)、財務状態、どのようにお金を使ったか、お金がどこに行くのかなど、基金に関してすべてのことを説明しています。私たちがなぜ多くの助けを得ているか、人々に知らせることは非常に重要です。私たちはすべてを誠実に行っており、すべてのお金がアフガニスタンの少女と若い女性の未来のために使われます。

詳しくは以下を参照:
www.raziasrayofhope.org