現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2012年 12月 不朽の知恵の教えの根本教義

不朽の知恵の教えの根本教義

世界教師の出現は孤立した出来事ではない。現在起きている出来事を説明しようとするにあたって、ここで不朽の知恵の教えの根本教義について概説する。秘教は、人間と下位の自然王国の両方における進化過程の哲学であると言ってもよいであろう。それは、単に一つの技法でも、あるいは科学でも、宗教でもなく、しかしそれらすべての何かを伴うものである。それは幾多の時代の蓄積された知恵の科学であるが、日々の私たちの生活へのその応用においてアカデミックというよりもむしろダイナミックである。
●世界教師の出現は孤立した出来事ではなく、進化過程の一部である。
●一つの計画があり、それはその計画の管理者
──知恵の覚者方──によって導かれ刺激される惑星の発達の道筋である。
●それぞれの王国はそれに先立つ王国から進化してきた。人類にとっての次のステップは、その潜在能力つまり内在する神性のさらなる開花である。
●われわれは、集団で、より広いリアリティを漸進的に包含していくより高い意識レベルへと進歩する。
●人間は本来、媒体を通して様々なレベルにそれ自身を表現する霊つまり「モナッド」であり、魂つまり高位我は私たちが彼とか彼女として知っている人間を通して機能するということを、秘教は自明のこととして仮定する。この‘日常の’人間つまりパーソナリティーにはメンタル的な器官、情緒アストラル的なメカニズム、肉体(エーテル体を含む)がある。
●再生誕の過程を通して、生涯から生涯へとわれわれは特定の目標に向かって前進する。われわれは、再生誕という結果を引き寄せる因を発動させている限り再生誕を続けることになる。この過程は原因結果の法則、つまりカルマの法則によって支配されている。
●ハイアラキーは自然界の一つの事実である。生命の鎖が存在し、最も進化していない生命形態からキリストのような非常に進化した存在まで、そしてさらにそれを超えて延びている。こうした啓発された方々、つまり知恵の覚者方は内的な体験つまり意識の拡大を経験してきたのであり、多くの生涯を送る中で自分自身に対して、そしてすべての意識レベルに対する支配力を獲得してきた。彼らは今、人類の導き手と守護者として人類に奉仕している。
●神聖な啓示は、自然界のすべてのものがそうであるように、周期的である。一つの時代つまり一つの文明の終わりに、一人の教師が新しい時代へと導くために常に現れる。これまでにも多くのアバターがおり、クリシュナ、仏陀、キリストはこうした偉大な教師方のごく一部でしかない。
●すべての生命は歴史の様々な時代の進行の影響を受け、それぞれの時代が特定のエネルギーに条件づけられる。われわれは今、パイシスの時代からアクエリアスの時代へと進みつつあり、この時代は統合の新しいエネルギーによって条件づけられている。これが新しい課題と可能性を提供している。
●世界教師と覚者方は今、われわれを新時代へと導き、統合の新しいエネルギーを解き放ち、それを方向づけるためにやって来ている。それらにわれわれが反応することによって、新しい文化と文明が創造されることになるであろう。
●「『霊的』という言葉は、いわゆる宗教的な事柄を指すものではなく、何らかの形の発達──肉体的、情緒的、知的、直観的、社会的な発達──に向けて人間を駆り立てるすべての活動が、もしそれがその人を現在の状態よりも前進させるならば、本質的に霊的な性質のものである」(『新しい時代の教育』アリス・ベイリー著:AABライブラリー刊)
不朽の知恵の教えは常に、世界のイニシエートたちに知られていた。近代において、その教えはジュワルクール覚者によって一般の人々にも入手できるようにされてきた。つまり、19世紀にH.P.ブラヴァツキーの著作と20世紀のアリス・ベイリーの著書を通してである。

パイシスからアクエリアスへ

昨今の世界での出来事を起点として、深遠な、そして取り返すことのできない変化が近年起きてきたことは明らかである。これらの変化は経済もしくは政治的な用語で説明することもできるが、「結局のところ、歴史とは、これらのエネルギー、つまり放射……が人類に対して、その進化的な発達における様々な多くの段階において働きかけたときに及ぼした影響を記録したものである」(『国家の運命』アリス・ベイリー著:AABライブラリー刊)。人類は様々なときに多かれ少なかれこれらのエネルギーに反応することで、その時の文明と文化を形成する。
西洋が周期や時代の経過という考え方を真剣に考慮に入れたことはこれまでなかった。しかしながら、魚座の宮が初期のキリスト教と関連していたのは偶然の一致ではない。パレスチナにおいて二千年前にパイシスの時代がキリストによって幕開けされた。それ以前は雄牛への崇拝──牡牛座の時代──に関係していた。それぞれの時代には非常に明確な特徴があり、特定の努力の道筋に沿って進み、特有の文明と、内的なフォースの影響の外的な表現でしかない形態と顕現を生み出してきた。われわれは今、新時代、アクエリアスの時代へと進みつつある。それは統合のエネルギーに支配され条件づけられる。現在の混乱と大変動の原因の一部は、徐々に撤退しつつある古いエネルギーと今その衝撃を感じさせつつある新しい統合するエネルギーとの「衝突」である。世界に現在見られる極端な分極化した状況は主に、新しいフォース(エネルギー)の活力の下で古いものが崩壊しつつあるためである。
(この記事が最初に公開されたのは『シェア・インターナショナル誌』1982年6月号)