ぎりぎりの脱出
編集長殿
2006年9月15日に車で仕事に向かっていた時、到底避けられない衝突から、奇跡的と思えるところで難を逃れたのです。私は交差点で信号が変わるのを待っていました。対向車線の信号が青に変わったのが見え、わずかに下り坂の道を私の方へ向かって車がスピードを上げて近づき始めていました。先頭の車はトラックでした。こうした信号機のしくみの常で、私の側の信号が青に変わるのは、もう少し経ってからだと分かっていました。こちら側の信号が変わったらすぐに発進しようと、信号機をじっと見ていたので、対向車にはほとんど注意を払っていませんでした。
突然30mも離れていないところから、一台の車が私の側の車線にまっすぐ向かってきたのです。その車は明らかに、近づいてくるトラックの背後からやって来て(その時には私の間近に接近していて、さらにスピードを上げていました)、不可能な走行方法と思われるやり方でトラックを追い越そうとしているとしか見えませんでした。とっさの反応で、私はハンドルを左に切りましたが、車は動かなかったので、無駄なことでした。どうすることもできず、車が私の方へ加速してやって来るのを眺めていましたが、その車がどうやって対向車のトラックと私の間の、急速に狭まっていった隙間を無理矢理通り抜けられたのか全く分かりませんでした。
どう見てもあまりに小さなスペースしかないようだったのに、どうして衝突せずにいられたのか訳が分かりませんでした。後になって思い返すと、私たちの車(私の車とトラック)が何とか互いにうまく『通り抜けた』という不思議な感覚があったのを思い出しました。出来事全体は一秒間ほどのことに思えました。
J.C.
オランダ、アムステルダム
【ベンジャミン・クレームの師は、師ご自身が両方の車を約10cmほど狭くして、衝突を回避したことを確認した】