現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2013年 5月号 いのちの学校

いのちの学校

アンドリア・ビストリッヒによるマリオン・スピールマン氏へのインタビュー

マリオン・スピールマン氏は1990年に、オーストリアのシュタイアーマルク州(シュティリア州とも呼ばれている)で、思考の新しい文化と自然の法則に調和した霊性を広める「いのちの学校」を設立した。彼女はいのちの学校と並行して、さらに多くのプロジェクトと関わりを持った。中でも彼女は12月21日の「世界未来の日」のアイディアを起こした。マリオン・スピールマン氏は過去7年間、「文化を通しての平和」大使を務め、異なる科学団体や文化団体の間の、国内や国際または学際的な交流を促進することに努めてきた。アンドリア・ビストリッヒがシェア・インターナショナルのためにスピールマン氏にインタビューした。

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シェア・インターナショナル(以下SI):いのちの学校について詳しく説明していただけますか。


マリオン・スピールマン:私たちは皆、日常生活が最良の教師であることを知っています。いのちの学校では、プロジェクトの中で意識的に共同作業できる可能性をつくり出したいと思っています。今日、未来の世代は直接的な地域社会との協力関係を通して自然とつながり、そのようにして自然といのちの法則の間のつながりを経験する真の人間関係と状況の例やロールモデルを欠いています。いのちの学校は、新しい教育や教育方法の可能性のモデルとなることが期待されています。いのちの学校では、私たちは人格の自由な発達、良好な有機栄養、そして観察と知覚の能力に重点を置いています。私たちが今いる水瓶座の時代の主なテーマは地域共同体です。いのちの学校ではこの点を強調したいと思っています。地域共同体での作業において、文化と哲学の無視と商業化という自分たちがつくり出した周りの環境、錯覚の世界に気づいたとき、私たちは公共の生活において、文化的、道徳的な地域共同体が重要な役割を果たすことを再発見することになります。

SI:あなたはなぜいのちの学校を設立されたのですか。

スピールマン:正義、持続可能性、社会問題などのテーマに、私は以前から強い関心を持ってきました。現代社会ではハートから考えることはうやむやにされ、私たちはその代わりに物質主義や競争の下で生き、そのため錯覚の中に生きています。ある時点でこの傾向に対抗するために何かをつくり出し、そしてその代わりに人間同士の中で、そして自然に対して、和合と一体性を強調する必要があるという思いが私自身の中に成長したのです。

SI:あなたはいつこのアイディアを実行することができましたか。

スピールマン:それは1990年頃のことでした。私の当時のパートナーと私は多くの人のサポートを受け、オーストリア、シュティリア州ワイズの西部に小さな土地を購入しました。そこは最初、単一栽培の痩せた土地でしたが、土地改良を施し、建物を注意深く改装し、何千本もの木を植え、素晴らしい自然保護地域にしました。
当初から、浄化プラント、太陽電池、光電池、赤外線暖房、有機物質などの最新テクノロジーを導入しました。すべて、二酸化炭素排出削減が目的です。私たちは、資源の節約、生物多様性、大気や水質や土壌の改良に重点を置きました。1995年にはこの村落地域で環境や気象の保護に興味を持つ人が誰もいなかったので、 私たちはこれらの分野全体で奮闘する必要がありました。

SI:あなたは自然に関して、どのような価値を認めていますか。

スピールマン:私にとって自然とは天国と地球の間のリンクであり、真実、和合、愛への道における最高の教師です。私たちが自然とつながっていると感じれば、自分自身の本性に、私たちの本源に近づきます。そして、それこそが新しい意識の源でもあるのです。

SI:どんな人があなたの学校に来ることができますか。どのようなテーマがありますか。

スピールマン:いのちの学校は、若い人だけでなく大人にとっても訓練場のようなものです。文化間の接触やネットワークが、個人や様々な団体、学校、持続可能な企業や大学の間でつくられます。その中でも特に、ウィーン農業環境教育大学との間に。私たちの最も重要なテーマは、思考の新しい文化を開発しながらハートや人格を形成することです。私たちはそのためにセミナーを開催しています。例えば、「心霊エネルギーの開発」「ハートの開発と心霊エネルギー」「ただシンプルに人間であること」「私たちの教師としての自然」などです。多くの人はハートから考えることをせずに、自然との必要なつながりを失ってしまいました。善や美を求めるハートは自然をすべてのいのちの基盤として、私たちがいのちと呼ぶフォースの調和的な働きとして認識します。自分自身と近くなるため、そして錯覚に捕われないため、私たちは日々の作業を通して利己主義から利他主義への、「私から私たちへ」の橋を築くことを学びます。

SI:この意識の授業はどのように構成されていますか。

スピールマン: 私たちが使う方法は、グループワークや、自然の法則や、人間と自然の相関性の探索の他に、熟考、方法論において地域に誠実に関わること、そしてプロジェクトの現実的な計画や実現です。学習者たちは思考し行動し、そして彼らの創造性を独立して意識的に適用することが求められます。
私の考えでは、地域の仕事で最も大切な特性は、感謝の心、協力、謙虚さ、親しみやすさ、忍耐、正確さ、そして規律と自覚、正直さ、理解と同情です。合意と和合に向けてのあらゆる方法が物事を可能にします。一致団結した仕事がなければ不可能だった物事を可能にするのです! 私たちは、いのちの学校の開発の自然な動きの浮き沈みの中で、このことを繰り返し経験します。衝突と危機の時は、あらゆる個人だけでなく地域共同体にとっても成熟の過程として役立ちます。

SI:あなたは以前、いのちの学校は特に若い人に役立つものでなければならないと言われました。若い人に向けた特別なプログラムはありますか。

スピールマン:私たちは生徒たちに、自己評価を行う訓練インターンシップを提供しています。ここでは未来は開かれた形成可能なプロセスと考えられ、生徒たちは未来を見据えながら人間と自然の間のつながりについて考えることができます。生徒たちは、生態学的、経済的、社会的、人道的な要因の間のつながりを日常の生活に統合するために、それを認識するように援助されます。若い人たちはまた、持続可能な開発モデルの価値に触れるようにも援助されます。それらは、正義、公平、平等、協力、そして新しい思考方法の開発です。

SI:あなたは他の計画や施設とも協力していますか。

スピールマン:私たちは自然や気候や環境の保護のため、公共福祉経済の開発のため、オーストリアでの民主的な銀行設立のため、地域の計画と、社会施設と、ウィーンのジェイン・ゴーダル協会と、ザルツブルグのユング図書館と、そして特にウィーン農業環境教育大学と協力しています。
いのちの学校の持つ文化間のつながりは、様々な文化間、国家間、世代間にネットを広げる目的に役立っています。その中でも特に私たちは、エジプトのセケム農場へのグループ教育旅行を企画しています。私たちはスポンサーと共に、セケム開発基金が関わる学校や教育プロジェクトやマイクロ・クレジットをサポートしています。私たちがサポートした以前のプロジェクトがまだ続いています。それらは、スリランカでは虐待された児童のための学校とホーム、ペルーのサマナ・ワシでは私の良い友人で同僚である著述家で形而上学者であるアントン・ポンセ・デ・レオン氏が運営する「価値観の学校」などです。私はまたハンブルクの世界未来評議会と、ペルー、リマの伝統医学調査センター(Centro de Investigacion Medicina Tradicional [CIMT])を活発にサポートしています。ペルーでのこれらの友好関係を通して、私はまた先住民の地域共同体とも接触しており、彼らからは人間であることの単純さや謙虚さを何度も学んでいます。

SI:あなたは世界未来評議会について話されましたが、それによってあなたは誰と関わったのですか。 あなたの未来に対する希望は何ですか。

スピールマン:昨年私たちは、12月21日の世界未来の日(未来についての肯定的な展望の伝統的な価値への世界規模での回帰に焦点を当てる)を世界的に導入するため、ユネスコに申請を出しました。2012年12月21日、ボリビアのエヴォ・モラレス大統領とダビッド・チョケワンカ・セスペデス外務大臣は他の多くの人と共に、統合、友愛、協力の新しい時代の開始を印しました。
私は個人的には、責任を取ること、正義をさらに広めること、私たちの世界のハートを癒すことの必要性への地球的な目覚めが起こることを望んでいます。このことは、私たち一人一人が自分自身のハートに取り組んだときにのみ可能です。私たちは共同することによって、より多くの善を成すことができます。恣意的に世界を変えることはできませんが、私たちが決定し、思考し、行動することによって、世界に強力に影響を与えることができることを意識すべきです。

詳しくは次を参照:www.schule-des-lebens.at