気象の変化 (Climate change) ―― 選集
『気象の変化(Climate change)』というテーマに関する引用文の選集を発表する。これはマイトレーヤの教え(『いのちの水を運ぶ者』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
マイトレーヤの大宣言後に起こる重要なことの一つは、環境を浄化し、この地球を再び存続可能なものにするために、人類の注目がしっかりと向けられることです。世界の飢餓に苦しむ何百万の人々の必要が満たされるや否や、分かち合いの過程が実行されるや否や、すべての人間の注目は生態系の維持に向けられるでしょう。
マイトレーヤ御自身が言われました――地球の環境を救うことが、老若男女すべての人間の第一の優先事項にならなければならない、と。 例えば、極地を覆う氷冠への地球温暖化の影響は現在誰の目にも明らかです。森林再生の大計画はわれわれの注目を待っています。これを達成するためにはもちろん時間を必要としますが、それは今でも始めることができます。
(『人類の目覚め』p.108-109)
もし人類が地球温暖化の影響からこの惑星を救おうとするならば、計画されている炭素排出量制限よりもはるかに多くのことをなさなければならない。しかも、一般に必要な期間として受け入れられているよりもずっと短期間に行わなければならない。人々がこの危険を認知するのに時間がかかった。今でさえ、多くの者たちは問題を真剣に受けとめることを拒否する。そのような態度がこの地球という惑星の未来を危険にさらすことは疑いない。取り返しのつかないダメージがなされる前に均衡を確立するために人間に残された時間は、最大に見積もっても、10年か15年しかない。
この目標を達成するために、人間は現在の生活様式を劇的に変えて、より簡素な生活の仕方や仕事の仕方を採用しなければならない。後に続く世代に対する何の配慮もなく、徐々にそして必然的に衰退してきた環境を見ようともせず、どうにでもなれという態度で、この惑星を意のままに荒らし、略奪してきた日々は過ぎた。
長年の間、毎年、毎年、大昔の原始林の巨大な領域から、純粋に商業的利益のためにいのちを与える樹木が切り払われてきた。商業至上主義が人間の喉元をさらに締めつけていくにつれ、それはまさに人類にとっての凶兆である。商業至上主義は人間にとって原子爆弾よりも危険であると、マイトレーヤは言われる。そして今日、世界を支配する経済破局にその破壊的な力を示している。
(「覚者より」―商業市場主義の呪い―
シェア・インターナショナル、2009年5月号)
マイトレーヤの教えの基礎は正しい関係です
――人と人、人と神との間、人とその環境、惑星との間の正しい関係です。人間と自然と神は一つであり、惑星(とその中のすべての王国)の適切な保護は全体の福利のために欠くことができないことを、われわれは理解するようになるでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』p.138)
私たちは天気に大きな影響を与えています。私たちの破壊的な思考は世界の気候パターンを司っているエレメンタル・フォースに影響します。私たちの思考が(今日大部分においてそうであるように)不均衡であるならば、これらのエレメンタルも均衡を崩します。その結果が、地震、嵐、竜巻、大洪水など、世界の多くの地域を荒廃させている天災なのです。これは私たち自身の行動の結果です。私たちはそれを神の行為だと言いますが、神の行為ではなく人類の行為であり、間違った思考と行動によって、エレメンタル・フォースの均衡を乱しているからです。私たちが次第に均衡を取り戻すにつれて、これらのフォースも均衡を取り戻し、気候も通常のパターンに戻るでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』p.396)
われわれは環境を破壊するのではなく尊重しなければならない。われわれは家の屋根に登りたいとき梯子を必要とする。そこにたどり着いたら、それを投げ捨てて、放棄してしまうべきではない。なぜなら、後からついてくる者たちはそれを必要とするのだから。われわれの後に続く世代にとって、環境は梯子と同じである。
(『いのちの法則』p.65)
地球温暖化とその結果がもたらす気候変動によって提起される危険を真剣に受けとめはじめた人々がやっと現われたと言ってよかろう。その危険の実体と度合いについて、そしてその中で、それが存在することについての合意ができた問題に対処する最善の方法について、かなり意見の相違があることは確かである。しかしながら、破壊の進行を止め、環境を安定させるためには人間は途方もない仕事に取り組まねばならないということを、少なくとも認めつつある人々がいるということは疑いない。最も認識のある、関心を持つ人々でさえ、この間題の大きさとその複雑さの度合いがどれほどのものかについて、ほとんど知らないということもまた事実である。……
人間は地球を荒らし、汚染し、そして自分自身の住む環境をひどく破壊した。いま人間は自分たちが傷つけたところのものを救済することを最優先と見なし、自分たちの病んだ惑星を健康に戻さなければならない。惑星に対する要求を簡素化し、簡素さの美を学び、分かち合いの歓びを学ばなければならない。
人間はほとんど選択肢を持たない――その仕事の緊急性は即刻の行動を要求する。すでになされたダメージ(損傷)の本当の規模を認識する者はまさにほとんどいない。問われなければならない問題は、地球という惑星を救済することができるか、それはどんな方法によってできるのか、いうことである。
答えは大きく鳴り響く「然り」であり、その方法には大多数の人間による現在の生活様式の変容が含まれる。
(「覚者より」―地球は産みの苦しみの中にある―
シェア・インターナショナル、2007年11月号)
人類は機械的に考えがちですが、世界は一つの単位であり、有機的な生き物です。その存在のすべての原子は他の原子と結びついています。ですから私たちは違ったやり方で、分離的でなく有機的に考えるようにならなければなりません。原因と結果の法則の下で正しく生きる唯一の道は、有機的に理解し、この地球という惑星の有機的な空間の中で生きることです。
(シェア・インターナショナル、2009年7月号 p.48)
わたしは、新しい姿で、人間に、彼らの前にある選択の対象を提示し、未来の可能性を描写し、神の法を明かす。そのようなわたしを、もうすぐあなたがたは見るだろう。我が友よ、神の法は、あなたがたの生活を包むものである。神の計画なしには、人は無に等しい。
これをいつも心に留めて、均衡を保ちなさい。人間の偉大さと、すべての者との一体感と、そして人間の聖なる目的を、常に心に留めておきなさい。
(『のちの水を運ぶ者』No.119、p.356-357)
地球温暖化だけでなく、地球の構造の中に起こっている完全な変化にも対処しなければならないことを学ぶのは非常に重要です。この間題の両面に取り組んでいる科学者は数多くおり、石油の調達者は、何も心配いらないという主張を喜んで採用します。確実な知識を持つ唯一の人々である覚者方によれば、世界の気温上昇の80%は人間によって起こされた地球温暖化が原因です。20%はマイトレーヤがもたらした太陽と地球の関係の変化が原因ですが、それは部分的には、私たちの注目をこの惑星生命の危機の緊急性に向けさせることを意図したものでした。
(『光の勢力は集合する』p.120-121)
今日の人間の問題は、人間自らが作り出したものである。これは常にそうであり、神の計画に内在するものではない。天与の自由意志を誤用し、人間は自分たち、および、動植物界の将来を危難にさらしている。多くの者が、今日、これに気がつきはじめ、破局をさけるために出来る限りの手段を取りつつある。これは良いことである。
しかし勢いを増しつつ人類に直面してきているこの危険を、すべての人間が知るわけではない。人間の真の役割と目的に適った世界を再建するために残された時は短い。
わたしの役割は、あなたがたに道を示し、可能性を描くことのみである。新しい世界は、人間自身によって作りあげられねばならない。
(『いのちの水を運ぶ者』No.12、p.52-53)
マイトレーヤが関心を持っておられる最も重要な活動は、この豊かな世界で飢えのために死んでいく何百万もの人々を救うことです。この恥辱ほど彼の心を動かすものはないと彼は言っておられます。「分離という罪悪はこの世から追放されなければならない。これがわたしの目的であると断言する」。ですからマイトレーヤの最初の目的は、人類に、私たちがひとつであり、同じであることを示すことです。どこに住んでいようが、肌の色が何であろうが、背景や信条が何であろうが、すべての人にとって必要なものは同じです。同じくらい重要で緊急なのは、私たちの資源の誤用によって破壊されているこの惑星を救うことです。今日の政府は、科学者からの警告が出されてから長い年月が経って、ようやく地球温曖化が現実であることを認識しています。地球温暖化は今ではある程度理解されていますが、それについての人間の責任はまだすべての国家によって認識されていません。私たちが認識しなければならない最も重要なことの一つは、地球温暖化の少なくとも80%は人間の責任であり、これが続けば私たちの日常生活は劇的な影響を受けるということです。対処法を正確に知っておられるのはマイトレーヤと覚者方だけですが、私たちはすでに第一歩(CO2の排出量の削減など)を知っています。しかし、行動の切迫性をおそらく政府は完全に理解してはいません。マイトレーヤは、この行動がいかに緊急を要するかを強調されるでしょう。地球上の森林伐採――中南米で1年間にベルギーと同じ大きさの原始林が伐採されています――は、世界に不可欠な酸素の供給に巨大な影響を与えています。マイトレーヤが強調される第一の行動は、世界の資源を分かち合うことの必要性です。これはその他の、国内外のあらゆる問題を解決するための道を開く信頼感を生み出すでしょう。
(『人類の目覚め』p.106-108)
人間は自分たちが住むこの惑星に対する責任を自覚せねばならない。人間は、強くはあるがしかし敏感な有機体の世話人なのであり、それを害から守らなければならない。これを行っていると主張できる者は今日ほとんどいない。それどころか、人間は自然界の豊かな寛大さを濫用し、その上を土足で踏み荒らす。多くの者がこの間題に目覚めつつあることは本当だが、それがすべての者の関心事として理解されて、世界的規模で取り組まれるようになるまで、方向を転換させる上での進歩はほとんどないだろう。
もし人間がこの差し迫った困難を無視すれば、それが人類にとってどれほど危険かを、マイトレーヤが心に留めていることは確かである。マイトレーヤはすべての人間がこの惑星の復興のために働くことを促されるだろう。そしてより簡素な、より幸せな人生への道を指し示されるだろう。
再びこの惑星が健康を取り戻すとき、それは、気遣いと愛をもって接する者すべてにその恵みを与え続けるだろう。下位王国(動植鉱物界)のエレメンタル(精霊)は彼らの任務を良くわきまえている。人間の無秩序の思考の影響から解放されるとき、これらの勤勉なビルダーたち(建造者)は、調和のうちに、新しい、より良い世界を創造することができる。
(『覚者は語る』―偉大なる母―p.554-555)
……すべての者が変化の必要性を、この世界の変換の必要性を、分かち合いと協力と信頼の必要性を、感じているわけではない。わたしの単純なる法が、愛の法が守られるとき、これらすべてのことは結果として起こるであろう。だから、我が友よ、わたしはただ愛と信頼について語る。
多くの者は、今日、これらが価値あることなのを知るが、その中心的な位置を真に認識していない。我が友よ、すべてのいのちは神の愛の上に存在可能である。この単純な真理をわたしは教える。これをあなたのものとなしなさい。これをあなたの人生の中心となし、わたしと共に前進しなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』No.77、p.225-226)
囲み記事1:
世界の生態系のバランス
パトリシア・ピッチョンによる
覚者とのインタビュー(ベンジャミン・クレームを通して)から抜粋
(シェア・インターナショナル、1993年9月号)
質問:今、主要な危険は何ですか。
覚者:大気、海洋、土壌の汚染である。これが人類にとって第一番の危険であり、何百万の人間の不健康と数え切れないほど多くの人間の早死につながっている。世界人口の毒物中毒化が世界中で徐々に起こっている。人間の生体組織のとてつもない弾力性のお蔭で、現在のようなレベルでも、人類は生存可能なのである。
第二は、世界の森林の破壊である。砂漠化の結果はよく立証されている。これは重要な影響を及ぼす。砂漠化は汚染の問題をさらに大きくしている。なぜなら、一本の木が失われるごとに大気への酸素が失われるのである。
第三の危険は大気の温暖化、いわゆる温室効果である。これは短期的・長期的に生活の質に(気候も含めて)影響を与える。主な要素は世界における砂漠の増大である。気候の変化が起こるにつれてそれは森林に影響を及ぼし、非常に短期間に人口の大きな部分が一つの地域から他の地域に移動することが必要になるだろう。
質問:この温室効果を制限するための主なステップは何ですか。
覚者:これは本当に世界的な問題であることを認識し、個々に対処するのではなく、例外なくすべての人間に影響を及ぼすものとして対処しなければならない。したがって、人類に対するこの脅威の重要性を国連総会が認知することが要求される。
質問:リオ・サミット(1992年6月にブラジルで行われた「環境と閲発に関する国際連合会議」)はその方向への第一歩でしたか。
覚者:そうである。ただし、これらの問題に実際的な方法で対処し始めることができたであろう決議を支持することを幾つかの大国は拒否し、協力しなかったということを除いてのことである。さらにこれらの国々の幾つかは、最大の反則国である。第二の緊急なステップは、地球の資源の浪費を徹底的に減少することである。ということは、われわれが知っている現在の経済制度の完全な変換を意味する。
このことは、世界の国々が全体として資源の正しい分配を受け入れ、したがって分かち合いの原理を実施するときにのみ可能であろう。そうすれば、すべての者の真の必要は――より簡素なライフスタイルを営むことによってではあるが――この惑星の生育力をさらに減少させることなしに満たされることが分かるだろう。これ自体が世界の人口の減少につながり、世界の生態系の基盤を維持可能にすることができる。
質問:これらのことはマイトレーヤの出現なしに起こりそうですか。
覚者:現実的に言って、否である。現在の段階では、人類はあまりにも利己的であり、あまりにも分裂し、その視野は狭すぎるために、これらの変化を受け入れることはできない。しかし、生態系の脅威が国々にとってより現実的なものとなるにつれてその見解の風潮は変わりつつある。今日問題なのは、強力な受益階層と人類一般の自己満足感が変化を実施するための政治的意志を阻んでいることである。現在のやり方を放任すれば、当然起こる戦慄するような事態に人類の注目を向けさせる教育的なプログラムが必要とされる。
その教育は強力な声を必要とし、マイトレーヤのみが、世界教師として受け入れられ尊敬されるようになった後、十分な権威と説得力を持つということを認めなければならない。マイトレーヤの指導の下に、諸国はまず応急処置を行い(そうして息つく余裕を提供する)、それから地球という惑星の現在の病んだ状態を癒す仕事を始めるだろう。より簡素なより健全なライフスタイルが、この治療にとっての鍵である。現在の浪費的な、資源の間違った使用が点検されずに続行されるのを許してはならない。
人類が本当にこれに気づくとき、資源の消費を減少するための必要な手段が取られ、そしてそれが地球の再生と安定につながる。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』p.202-203)
囲み記事2:
惑星の救済
――覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
人類が彼らの住まいである惑星の生態圏の不均衡がいかに深刻であるかに気づくとき、その状況の改善のために極めて緊急に必要とされるステップを取らなければならない。もし十分な決意で対応することに失敗するならば、人類はこの惑星を徐々に、しかし必然的な破壊に陥れることになる。そうすると、どんな遺産を子孫に引き渡すことになるのか。この自己破壊を蔓延させないためには、すべての者が共に行動し、必要な犠牲を払わなければならない。これは惑星の保全に対する態度変更、および今日、人間にとって必要と見なされているところのものについての完全な変更を必要とする。
ある人々にとっては、必要とされる変化を承認することは容易でないだろう。しかし、そのような変化によってのみ、この惑星のいのちは保証され得る。すでに地球上の欠くことのできない森林の蓄えに深い食い込みが起こっている。森林の乱伐は酸素の減少と炭酸ガスの上昇を生じさせた。これは今や危機的段階にあり、即刻、行動する必要がある。
気づき
地球温暖化の現実は今や大勢の人々の心(マインド)に目覚めつつある、しかし、圧倒的な証拠にもかかわらず、人間の行動が原因であることを否定する者たちがまだいる。
わたしたち、あなた方の兄たちは、人間の行動が地球温暖化の80%に責任があるということを、完全な確信をもって言うことができる。
マイトレーヤがこの緊急の問題に人間の注目を向けさせるのは長い先のことではないだろう。彼は人間に選択肢を突き付けるだろう――一つには、いま行動することによる有益な結果か、そしてもう一つは、何もしないことから、あるいはあまりにも少ない行動の結果としての破壊か。かくして、決断は人間のみが行う。
結集
人間がこれを理解するとき、彼らはまさにこの大義の下に結集するだろう。彼らの子供たちの未来が、現在の行動に依存していることを知るだろう。そしてマイトレーヤと彼のグループから、彼らが取るべき必要なステップを引き出すだろう。マイトレーヤは、より簡素な生活を、惑星の状況の現実により見合った生活を提唱するだろう。これが必要であることを十分に多くの人々が確信するとき、簡素化への運動が惑星全体を通じてますます大きく広まるだろう。何千万の人間が変化の必要に鼓舞されて、それは極めて異常な速さで進むだろう。このようにして、地球という惑星が直面する最も深刻な危険は、いくらか押し止められるだろう。これが多くの人々を勇気づけて、彼らはさらなる変化への用意を進めるだろう。必要な変化のジレンマに直面して、人間は分かち合いの原則を受け入れることの必然性に気づくことになるだろう。分かち合いのみが、これらの変化を実際的で可能なものにするだろう。分かち合いを通してのみ、この惑星の賜物はうまく利用される。分かち合いを通してのみ、この賜物は正しく管理されるだろう。このようにしてのみ、惑星自体はその環境およびその住民と調和して生きることができる。
(『覚者は語る』―惑星の救済―
シェア・インターナショナル、2007年5月号)
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