ベンジャミン・クレームの新著 『生きる術』
ベンジャミン・クレームの新著『生きる術』の中で、彼は生きるという体験を絵画や音楽のような芸術(アート)の一形態と見なしている。高度な表現を達成するためには、知識を得ることと特定の根本的な原則に従うことの両方が必要である。生きる術(アート)においては、原因と結果の大法則とそれに関連した再生誕の法則を理解することによって、無害な生き方を着実に実践できるようになり、そうした無害な生き方が個人の幸福や、正しい人間関係、進化の旅路を歩むすベての人間にとっての正しい道につながっていく。
第二部「相対立する二極」と第三部「イリュージョン(錯覚)」では、自分の内面や外的生活の中で終わりのないように思える戦いが行われるのは、人間が進化計画の中で独特な位置--霊と物質が出合う点--にいるからだと述ベられている。人間がイリュージョンの霧を脱し、この二つの様相を自分の中で一つの完全な全体へと融合する手段は、ますます無執着になり客観的な自己認識を発達させつつ、いのちそのものを生きることである。
『生きる術』からの抜粋
「徐々に人は生きる術を学び、一瞬一瞬に新しい経験を持ち込む。もはや未来を恐れ、お互いを恐れて生きることはなくなるだろう。何千万の人間が飢えることも、兄弟同胞のために労働の重荷を背負うことも、もはやなくなるだろう」
(ベンジャミン・クレームの師である覚者による記事
「生きる術」より)
「生きることについてのこの本質的に新しい概念は、この惑星におけるわれわれの存在の基本的な法則である偉大な“原因と結果の法則”(東洋でいう“カルマの法則”)とそれに関連する“再生誕の法則”という、私たちの惑星生活の基本的な法則に関連する。われわれの人生のあらゆる面において無害であるために、したがってまた正しい人間関係をつくるために、これらの二つの法則について正しく理解しそれに従うことは不可欠である。さらに正しい人間関係それ自体が人間の幸福にとって不可欠である。直感を通して、裡に宿る人間の魂を外的に表現することによって、これがついに達成される。偉大なる新しいエネルギーが人間に入手できるようになり、あらゆる種類のアート、とりわけ生きることの術(アート)の素晴らしい開花が起こる時代に、われわれは入りつつあるのである」
「私たちは極端に混乱した時代にいます--政治的、経済的、社会的に世界は混乱しています。そのことに皆が気づいています。ますます多くの大衆がそれに気づき、この間違った機構(しくみ)、間違った法律、間違った慣習--言い換えれば、条件づけという屑物に悩まされ、そこからの脱出を求めています。それが今日の混乱を生み出しています」
「教育において、私たちは読み書きを教わります。もちろんそれは非常に大切なことです。一般に歴史、地理、算数、数学を少々教わります。ある程度は、科学について具体的な知識を学び、必要な技能を学びます。しかしそれがすベてです。私たちはいかに生きるかを、生きる術(アート)を教わりません。それを学ぶことのできる学校はありません」
「私たちは途方もない時代、二つの大きな時代の移行期に生きています。以前には変わることはないと思われたものが、もはや不変ではありません。確かだと思われた知識はもはや確かではありません。私たちが見るものすベては過去であり、そして未来についてのヒントであり、私たちはその中間にあって引き裂かれています」
「私たちが平和と調和のうちに一緒に暮らし、すベての人に提供されている惑星の資源を分かち合い、その結果として、至るところに調和、正義、自由を生み出すことが進化の大計画であるということを知るならば、すベての人の生活が法則に従って前進していくということを確信することができます。私たちの生活は良好で、実り多く、創造的で、言葉のあらゆる意味で素晴らしいものになるでしょう」
英語版はShare International Foundation(米国)より2006年に発行、ISBN 90-71484-37-8、215頁。日本語版はシェア・ジャパン出版より2006年5月に発行、352頁。
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