現在位置: ホーム シェア・インターナショナル記事 2012年 7月 なぜ「グリーン・グローバル・マーシャルプラン」を避けて通れないのか

なぜ「グリーン・グローバル・マーシャルプラン」を避けて通れないのか

リュック・ギロリー


2012年4月21日~26日、カタールのドーハで第13回国連貿易開発会議(UNCTAD)が開催された。UNCTADは、貿易と開発、資金、技術、投資、持続可能な開発などの関連した分野を統合的に扱うための国連の中心的役割を担うと、1964年の最初の委託権限(マンデート)に規定されている。4年に1回開催される総会では、加盟国が現在の貿易と開発の問題を評価し、世界的な政策を組み立て、今後4年間のUNCTADのマンデートと優先事項を改正する。前回の第12回会議は、ガーナのアクラで開催された。
開発に関してより強固な世界的合意を形成するための、率直で建設的な話し合いの場を提供することがこの組織の目的である。その活動の三本柱は、政策分析、合意形成、技術協力である。
UNCTADは市民社会との協力を促進する草分け的な組織であり、その目的の達成のため、グループが意見を述べ、自分たちの考え、主張、提案、解決策を発表することができるフォーラムを定期的に提供している。
フランスのシェア・インターナショナル誌の協働者であるル・ギジェルが、本誌のフランス語版であるパタジェ・アンテルナショナルを代表して、ドーハの会議に出席し、以下の文書を第13回UNCTAD市民社会フォーラムで配布した。
この時代の挑戦に取り組むためには、経済と環境に関する新たな国際合意が必要とされている。私たちは岐路に立っている。重要な点は、景気調整政策によって破綻した市場原理と金融主導の経済に、世界を順応させるのではなく、新たな社会的環境的合意に目覚め、再設計された世界経済、金融、通貨構造に、世界を順応させることである。
持続性、調和、荒廃した環境と損なわれた人間社会の再建、これらを実現するため、発展途上国では、新しい経済基盤が、地域密着型の開発や活気のある国内市場と経済の構築に向けて人々と社会に活力を与えるであろう。一方で、先進国は必然的に自分たちの製品やエネルギー消費の削減が必要となるであろう。
地上のすべての人々のための食糧確保と経済的正義、すべての国家間における世界資源の公正な分かち合い、適切で低利の金融、安定した分かりやすい国際的通貨制度など、持続可能な未来はこれらを伴う包括的な開発に対する新しい全体的なアプローチの創設を要求している。
経済を生命と切り離して考えることは不可能である。生命は神聖なものである。私たちは共通の霊的遺産を分かち合っている。それゆえ、私たちは自分たちが実際どんな存在か、私たちの奥底にある霊的特質とは何か、霊的経済をどうしたらつくり出すことができるのかということを考慮せずに経済的関係を構築することはできない。
言い換えるなら、公正で公平な国際経済システムを構築するためには、私たちはまず初めに生命の目的と進化における人類の役割について理解する必要がある。さもなければ、私たちは盲目か、よくても現在のすべての種類のイデオロギーに突き動かされてしまう。
意識の変革は現代世界に浸透してきている。変化に対する必要性はすべてのレベルに表れており、これを新しい経済システムに反映させなければならない。とりわけ、相互に関連する地球規模のプランの組み合わせを私たちは必要としている。:
・緊急飢餓救済プログラムにより、世界の飢えている人々への食糧供給を行う。
・現在の商品市場ルールに代えて、国際的レベルで共通の食糧資源管理体制の確立により長期的な食糧の安定供給を保障する。
・世界の共有物のプールを設立する。
・安定を実現し、国家、特に発展途上国に対して低利の資金を提供するための、新たな国際的な貿易および準備通貨を創出する。
・世界経済を持続させるため、金融世界とその役割を規制する大規模な改革を実施する。
・資源を発展途上国に移行するためのグローバルでグリーンなマーシャルプランの制度を開始する。私たちは国家間の競争と支配的世界資源の利用に終止符を打たなくてはならない。
母なる自然が私たちの家であるこの地球に与えた制限に関して、包括的な開発のみが全体的で市民中心のものとなることができる。私たちはこれに気づき、持続可能な方法ですべての人々のための幸福をつくり出すか、もしくは自分たちの文明を破壊し、ことによると惑星の生命自体さえも破壊するかのどちらかである。
(第13回国連貿易開発会議、ドーハ)