新しい政治──選集

The new politics - a compilation

 

「新しい政治」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第 巻および第 巻と『シェア・インターナショナル』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 

わたしが、現在非常に必要とするのは、わたしのビジョンを分かち合う者たちが、行動する責任を引き受けてくれることである。人間の窮乏を知り、そのビジョンを見ていながら、時の緊迫性を知らない者たちが世界に大勢いる。兄弟たちの窮乏を知り、非常に多くの者たちの苦しみに同情の思いを持ち、そしてそれらすべてを変える意志を持つ者たちに、わたしは頼る。わたしが召集する者たちの仲間に、あなたがたも入るように。そして共に新しい、より良い世界を招じ入れることができるように。

(『いのちの水を運ぶ者』第46信、p. 141〜142)

 

マイトレーヤと覚者たちの一団のインスピレーション(鼓舞)と導きのもとで、人間は、正しい決断を行う能力、大計画との関係の中で正しく行動する能力が増大することを知るだろう。これが必然的に同胞愛についての感覚の増大につながり、人間は共に行動することによってのみ前進があるという理解につながるだろう。妨げとなるものは政治的意志のみである。至るところで、国民は同胞愛の時代を迎え入れるために人生のやり方を調整する用意があり、リーダーシップとマイトレーヤの助言のみを待つ。そうして、人々は自分たち自身のために正しい関係を確立し、世界を管理するにあたって参加者としての役割を受け入れるだろう。

(『覚者は語る』—同胞愛の夢—p.284)

 

今、我々は本質的に霊的危機に直面しているのだが、それは政治や経済の分野を通して表面化している。であるから、マイトレーヤは政治と経済の領域内で働く決意をされ、そして分かち合いの原理を強調され、それが人間の未来のすべての進歩への鍵であると言われた──「分かち合うとき、あなたは兄弟のなかに神を認める」。「人間は分かち合うか死滅するか」。分かち合いは聖なる原理である。すべての機構はその内的神性を反映しなければならないことを認めるまで、我々は進化の旅路において一歩も先へ進めないだろう。我々がそれを認識するや否や、全く新しい状況への扉を開く。

(『マイトレーヤの使命 第㈵巻』p.120)

 

分かち合うことが神聖なることを、愛することが神の特性であることを、共に働くことが人の運命であることを、彼らに教えなさい。未来の光を見ることのできる唯一の壇上に立ちなさい。我が友よ、共にその壇上に立ちて、道を示しなさい。

(『いのちの水を運ぶ者』第19信、p.74)

 

世界の民衆は自由、正義、平和についてのビジョンをつかまえた、そしてそれを放さないだろう。指導者たちではなく、彼ら民衆が未来の輪郭を描き、彼らの必要に合わせてそれを形づくるだろう。そのようになるだろう。世界にあるこの新しいフォース──民衆の声──は急速にその力と結合力を増しており、今後の世界の出来事に主要な役割を果たすだろう。

(『覚者は語る(㈼)』—マイトレーヤのお導き—

p.62〜63)

 

人間が内的創造的観点から人生に対処するとき、時間はわれわれの心を支配する力を失い、われわれはその圧制から解放されるだろう。このすべては、宇宙における人間の位置について新しい評価を行い、われわれの存在の根源とのよりいっそう真の和合を確立することを必要とする。……新しい世界秩序──政治的、経済的──が、このより真なるビジョンの重要な必要条件である。なぜなら、必要とされる人類の一体性は融和と正義が広まるときにのみ達成されるからである。これが実際に意味することは、すべての次元とすべての分野において人間を歩み寄らせ、そして一体としての観念を創るような機構──政治的、経済的、社会的──の創造である。人間がこれに気づくとき、必要な変化を実施する手段を講じ、正しい人間関係の確立のために道を整えるであろう。

(『覚者は語る』—新しい時代の時間の概念—p.17〜18)

 

国際連合は世界平和を維持する機関としての本領をゆっくりと発揮しつつあります。現在、国連は世界の警察としての役割を引き受けることを嫌っており、至るところの政府は必要とされる犠牲を払うのを躊躇しています。しかし、世界平和が分かち合いと正義の実施を通して保障されるようになるまでは、国連はそのような責任を引き受けなければなりません。国連の将来の役割は、世界政府になることではなく、世界議会になることです。そこで問題は議論され、平和のうちに解決されるでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.100)

 

世界は何にもまして、世界中至るところにいる何百万もの善意の人々によって変えられるでしょう。マイトレーヤの呼びかけに最初に反応するのは善意の人々でしょう。彼はその善意を強化するでしょう。マイトレーヤは彼らの人生に対する態度が正しいことを確認し、非常に強化するので、地上のいかなる政府も対抗することができない強力な世界的世論を築き上げるでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.180)

 

今日、リーダーたちの先を行くのは民衆であり、彼らの理解と必要を大きな声に出している。次から次へと続く諸国家において、民衆の声はより焦点が絞られて明確になっている。何千万の人々が今や教育があり、彼らの必要──平和、仕事、将来への希望──について確信を持つ。ますます大きくなる和合への感覚もまた彼らの期待と要求を告げ始めている。彼らは自分たちが世界の中で孤立していないことを、至るところに同じ問題と必要を抱える多くの兄弟姉妹たちがいることを知っている。このようにして、マイトレーヤの臨在と教えに気づかなくても、彼らはマイトレーヤのエネルギーと影響に反応しつつあり、将来の枠組みを築きつつある。

(『覚者は語る(㈼)』—和合へ向けた変化—p.213)

 

前進するために、人は古きものに対して死なねばならない。いつの時代もそうであった。だから、我が友よ、この転換の時に、古き機構を放棄しなければならない。そしてただ同胞愛の中で、すべての人は分かち合わねばならない。

(『いのちの水を運ぶ者』第118信、p.354)

 

我が友よ、わたしの民は至る所にあって、新しい世界のために準備している。彼らの任務は大きく、荷は重く、彼らの機会は知ることができない。前方の道を見、真理の光を人の前に掲げ、分かち合い、愛し、いつくしみ、信頼することを教えている者が、現在、大勢いる。多くの者がこの神の様相に目覚め、世界の再構成を呼びかけている。わたしの力が彼らの背後にある。わたしの愛が彼らを鼓舞する。わたしの意志が彼らを導く。このようにして、わたしはあなたがたを新しい時代に導く。

(『いのちの水を運ぶ者』第137信、p.413)

 

ジュワル・クール覚者は、すべての弟子はまず真っ先に勇気を持たなければならないと言われます。私たちが勇気を持つまでは世界は決してイリュージョンを取り除くことはないでしょう。真の弟子の義務の一つは、世界に存在する権威に対して、それが科学、宗教、政治あるいはいかなるレベルのことであろうとも、自分たちが反対だと思うこと、それらについてより明確に見通せることについては、公に声を上げることである、とジュワル・クール覚者は言います。もし彼らが間違っていると思うならば、弟子にとってそれを指摘することは義務であります。もし弟子たちがただふくれて、そのテーマについて見解を持たず、それ以上に良い、より明確な、より当を得た、より真実なことを提供できない振りをするならば、それは名ばかりの弟子であります。真の弟子とは恐怖心を知らない弟子です。それがすべての弟子たちにとって第一に重要なことです。

(『生きる術』p.237〜238)

 

世界に起こっている変化のすべてが人々の心に新たな認識をもたらす。彼らは、もうたくさんだ、自分たちは自由であり、人生を楽しむ権利を持つと決意したのである。もはや彼らは政治家や宗教家や商業主義によって条件づけられることを欲しない。この新しいエネルギーの影響を体験しているのは若い世代である。このエネルギーが人々を拘束してきた古い機構を変える強さを彼らに与える。今日現実主義の声はイデオロギーや思想や理論の枠から解放されている若い人々の間に見いだされる。彼らは人生について現実的であり、その時々に応じて対処する。

(『マイトレーヤの使命 第㈼巻』p.119)

 

私たちは今、政治的教化と全体主義の終わりを目撃しています。国民の自由や自己発展や、自己決定の必要は、地方政府への参加を通して地域のレベルで実現されるべきです。国民が彼らの生活の出来事について国家的規模で影響を与える唯一の方法は、地方政府に影響を与えることです。国民が実際に参加できるレベルの政府が必要なのです。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.105)

 

この世界を再建する仕事を、わたしと分かち合ってくれるすべての人々を必要とする。わたしの役割は、あなたがたに方法を示すことである。あなたがたの役割は、行動し、わたしの計画を実施することである。わたしはあなたがたを信頼することができることを、頼むことができることを知っている。わたしの愛がすべての者を包む。

(『いのちの水を運ぶ者』第76信、p.224)

 

彼の大義に何百万という人間が結集し、分かち合いと理解を通しての平和と正義を要求するにつれて、人々は熱狂し、新しい希望と同胞愛と正しい関係への願望によって活気づけられるだろう。彼らはこれまでにかつてないスケールの変化を要求するだろう。政府と権力の座にある者たちはその要求に応えることを強いられ、そして、変化に抵抗する殿堂は今や力を得た世論の声の猛襲の前に少しずつ崩れ去るだろう。かくして、論理と啓示と、そして彼の愛によって生じる信頼によって、マイトレーヤはすべての人間の心(ハート)に、たとえ知られずとも、存在している善意を活用するだろう。

(『覚者は語る(㈼)』—マイトレーヤは進み出る—

p.96〜97)

 

来るべき時代に我々は意識の転換を行い、「霊的」という定義の中に我々の存在のすべての面を含めなければならない。我々の機構のすべてが、人類の内的一体性に基づき、そしてその現実を反映するものでなければならない。魂として我々は一つである。分離した個々の魂は存在しない。そのような内的神性が表現されることを可能にするような政治、経済、社会のシステムを、我々はつくらねばならない。

(『マイトレーヤの使命 第㈵巻』p.119)

 

 

囲み記事:

新しい機構の創造

──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記

人間が新しい時代のスタートラインで構えている今、現在の不適当な機構がどのような形に発展していくかを考えてみることは大切である。より大きな社会正義に、そしてやがて人類同胞愛へと、望まれる方向へ変化していくのを確実にするために、これらの条件が達成される方法について詳しく検討することが必要であろう。国家的または国際的レベルの平和と協力を求める人間の要求に、今日の機構はもはや応じることができないことは明らかである。むしろその逆である。人類が現在のやり方をそのまま続ければ、絶滅は必然である。幸いなことに、これを見通すことができ、変えるために働いている者たちが存在する。個人の必要に対しては最大限の自由と寛容さを与えると同時に、個人が同胞を食い物にするような権利を否定する、そのような機構が必要である。才能のある個人の企業精神を保存するかたわら、共同体生活としての権利が保証されねばならない。自分の生活に影響を及ぼすすべてのことに参加したいと欲する人間の自然な願望をうまく活用する機構を求めねばならない。これがより大きな社会的結合をもたらし、責任を分かち合うという感覚を生むだろう。現在の政党制度はこのような参加を助長するのには明らかに不適切であり、他の形態の代表制に道を開けなければならない。これは民主主義の西側にも共産主義の東側にも同じことが言える。ますます多くの男女が、地域社会レベルの決議に関与するようになる過程を心に描きなさい。何千万人もの人間の中に眠る未開発の可能性を呼び起こすことによって、社会生活の変容は急速に、規則正しく、責任ある方法で行われるだろう。参加することが基調である。なぜならそのような参加を通してのみ、各人が共同体(コミュニティー)の共通の目標との一体性を感じ、それのために心から働くことができるのである。このようにして社会的責任、集団的責任が培われていく。現在の、断絶した不公正な社会から生まれた不健全な反社会的行動は、太陽の光に照らされた霞のように消えていくだろう。ある国々にはそのようなプロセスがすでに存在することは確かであるが、それは比較的同質の社会構造を持つ田舎の共同体に主に限られている。今後の仕事は、すべての人間が未来の社会の創造に声を添えることができる条件を、世界的規模で創造することである。このようにしてのみ、現在の分裂は解決されるだろう。これは見かけほどむずかしいことではない。その鍵は人間の手のうちにあるのだから。その鍵とは、いつも言うとおり、分かち合いの原則である。この原則が実施されるや否や、異なった社会的・国家的集団の間の協力を阻む障害は取り除かれ、このようにしてより協調的な形態と道が整えられ、それを通して人類は自分自身を表現することができるだろう。何千万の人間にとって初めて入手できる余暇が、それまで彼らに否定されていた地域社会や国家の出来事や組織に、より密接に関与する機会を提供するだろう。参加する暇が持てるようになると、現在、彼らを取り巻く問題──派閥的憎しみや分裂、不正義や貧困、犯罪や戦争などの問題──に対する解答を彼らの裡に見いだすだろう。はじめは、この起こらねばならない変化をすべての人間が喜んで迎え入れるわけではないだろう。しかし、正義と分かち合われた責任の中に智恵を認めることのできる者の数は増していくだろう。それが国家的国際的和合と平和を保証する唯一のことなのだから。地域社会で活動し、社会に対するビジョンを人々に印象づけようとしている者が大勢おり、多くの価値ある仕事がなされている。しかし、人類は未来の扉を開き、新しいより充実した人生を保証する鍵を待つ──その鍵は分かち合いという聖なる原則である。

(1983年1月号)

(ベンジャミン・クレーム著『覚者は語る』p.50〜52)(ベンジャミン・クレーム著『覚者は語る』p.50〜52)