アメリカ合衆国で2004年の選挙が近づい たとき、ベンジャミン・クレームは当時 の反応について論じているので、その選挙前に 書かれた編集長からの手紙をここに再掲載す る。なぜなら詳細と登場人物は変わったが、残 念なことにそのメッセージはこれまで以上に関 連性があるからである。 今、アメリカ合衆国は再び、政治、社会、経 済、司法分野において重大な意思決定に直面し ているが、それは諸国家社会の中での合衆国の 立場に影響を及ぼすものであるから、本誌はこ の機会に、分断したアメリカ国民に正気を取り 戻し、これ以上の極端な分離主義的で破壊的な 行動を慎むようにお願いしたい。 以下に再掲載されたベンジャミン・クレーム の師である覚者の記事からも分かるとおり、ア メリカでの政治的決定が国際社会に反響を及ぼ
すのは必至である。この事実は今でも真実であ り、予想される結果はいくら強調してもし過ぎ ることはない。 2004年10月にベンジャミン・クレームの師は、 「正気さを求める」という記事を書かれたが、そ の中で諸国家の相互依存性を指摘された。 「アメリカ合衆国の市民には重大な決定を下 す時が迫っている。今年の11月の彼らの決定に 何百万というアメリカ国民だけではなく、その 他の多くの国民の未来の幸福がかかっている」。 覚者はこの呼びかけを次のように締めくくって いる。「偉大なる祝福されたアメリカ合衆国の 市民であるあなた方に対するわたしたちの懇請 は、あなた方が投票するとき、注意深く考えな さい、そしてあなた方の本来の特性である心 (ハート)から行動しなさい。あなたの一票を平 和と正義と『法』の支配のために投じなさい」
編集長ベンジャミン・クレームから
読者への手紙(本誌2004年11月号)
読者の中には本誌が11月号のアメリカ大統領選挙に関してあまりに関心を寄せ過ぎ、スペースを割き過ぎていると憂慮される向きもあるようである。政治に、特にアメリカの政治は両政党ともに腐敗していることは万人の知るところであり、両者に選択の余地などないと思われるのに、そのアメリカの政治に関心を寄せることは、霊的な基礎を持つ本 誌のなすべきことではないと考えるようである。だ が、決してそうではない。 世界を数年間にわたって揺るがしてきた出来事 に対するそのような反応に、私は当惑していると告白せざるを得ない。シェア・インターナショナル 誌はハイアラキーの事実、その帰還、そしてその 現在および将来の諸計画と関心について知らせる ために存在する。来るべきアメリカの選挙に関し て言えば、これに関する懸念は私の師である覚者 によって、最近の本誌の記事の中にいみじくも表 明されている。今月号の記事を以下に引用したい。 これ以上にはっきりとした、上にはっきりとした、曖昧さのない表現はないだろう。シェア・インターナショナル誌がどうして正直に、真実を伝えるのを遠慮する必要があるだろうか。
「アメリカの市民が11月に投票に行くとき、彼らは歴史のコースを変える機会を得るだろう……運命の日が近づくにつれて……あなた方の兄たちであるわたしたちは、まさにこの世界の未来が脅威にさらされているのを傍らに立って眺めていることはできない……この選挙は人事における大きな転換点である」 ベンジャミン・クレーム
2004年11月と12月にベンジャミン・クレームの師である覚者が書かれた次の二つの記事は、さらなる助言と洞察を示すものである。
アメリカの選択──覚者より(2004年11月号)ベンジャミン・クレーム筆記
アメリカ市民が11月に投票所へ行くとき、彼らは歴史のコースを変える機会を得るだろう。彼らの決定に近未来の様式と機構が大きくかかっている。もし彼らが賢明な選択をするならば、この混乱した世界に平和と正義の確立を願う者たち、平和と正義は信頼の結果であることを知る者たち、そしてその信頼を創造するために彼らの国の膨大な種々の資源を分かち合う用意のある者たち、これらすべての者の福祉を助長する決意を持つ大統領を選ぶだろう。
もう一つの選択は考えることさえあまりにも恐ろしい──ますます昂じていく戦争、テロ、反テロのプログラム=アメリカ人の慣習的な自由をますます束縛する支配=そして誇り高いアメリカ合衆国に対する諸国家間の“パーリア” (*)的悪評と知 りつつそのような選択をする者がいるのだろうか。
運命の日が近づくにつれて、世界の多くの人々 の思いはアメリカの悩める国民に向けられる。いまや非常に多くの者たちがアメリカを蔑さげすみ、憎む。 彼らは、不法に強奪した権力の残酷で粗野な擁護者からアメリカの国民が救出されることを祈る。 彼らは、平和を愛するアメリカ人すべてに対して、 現政権の戦争挑発行為に反対する声を高め、そしてそれに沿った票を投じるように呼びかける。
もちろん、アメリカのみが世界の不公平性、す なわちわれわれの直中にある基礎的な潰瘍 かいよう 、われ われの困難のすべての源に対して責任があるのではない。苦闘する貧しい者たちを全く斟酌(しんしゃく)せず、 横柄な扱いをするすべての先進開発国とその責任 を分かち持つ。アメリカはこの緊張、そしてテロ行 為の主要な原因に目覚めなければならない。
そこに西欧世界の過失がある。これらの“成功 した”国々はその富と支配力を主に歴史に負うて おり、また世界経済を強引な“市場のフォース” を通して彼ら自身に有利なように操 あやつる彼らの能力に負うのである。
世界の哀れな極貧の者たちは、いまや自分たち の分け前を要求する。もしわれわれがこの単純な 正義への当然の権利に対処し改善しなければ、世界に平和はないだろう。テロリズムは高じて、戦 争に発展し、それは地球上の人間の未来を脅かすだろう。
あなた方の兄たちであるわたしたちは、まさにこの世界の未来が脅威にさらされているのを傍らに立って眺めていることはできない。アメリカは世界に提供できる多くの良いものを持つ偉大なる国である。アメリカは今、奉仕し、平和と正義の中に生き、そして調和と協力の中ですべての国々と一緒にこの世界をつくり直すために共に働くことを請い願うアメリカの魂に目覚めなければならない。 この選挙は人事における大きな転換点である。頼むから、あなたの票を正義と分かち合いと平和のために投じてほしい。 (*)“パーリア”=パライア、最下層民、不可触民
さまようアメリカ──覚者より(2004年12月号) ベンジャミン・クレーム筆記
アメリカ合衆国の国民が、自分たちが重大な間違いを犯したことに気づくのは時間の問題だろう。彼らは、国内においても国際的にも分割と憎しみをつくり出すことに専念する男と行政府を、多数の盗み取られた票の助けを借りてではあるが、復権させてしまった。国民は、自分たちの誇らしい様々な自由が侵害されていくのを後悔しながら見守るだろう。政府が、必要から、巨大な負債に取り組もうとするにつれて、彼らの生活水準の急速な降下を見るだろう。彼らの通貨に対する自信の喪失と、彼らの伝統的な取引のパートナーとの貿易の急激な逆転を目撃するだろう。イラクへの多難な侵略は、イラク国内および世界の他の地域で悪影響を及ぼし続けるだろう。この政府が世界中に引き起こした恐怖と憎しみに反応して、国民の傾向は、内に目を向けることであり、そしてより一層きっぱりと世界に背を向けるだろう。 この政府に対処するにあたって、大きな問題は、それが強力なイリュージョン(錯覚)のもとで働いていることである──すなわちそれは、神に鼓舞されており、神の恩寵の下でキリスト教の世界とメッセージをその昔の力と栄光に復興させるのを助けるという錯覚である。 かくしてアメリカは大きく後戻りして、世界の大多数が抱く本当の関心事──環境汚染と差し迫る惨事のストレスの中で苦しむ惑星の要求──から、己自身を孤立させた。世界は静止していないことをアメリカは発見するだろう。アメリカの協力があろうがなかろうが、諸国家は、われわれを取り囲む多くの生態系問題や社会問題に取り組むためにできる限りのことをなしていくだろう。それらの問題は本当に緊急に対処されなければならないのである。アメリカは自分たちが取り残され、無視されることを発見するだろう。そうなってのみ、アメリカは“先導”するための用意ができるだろう。 この政府は、今でさえも、その勝利を味わいながら、次の行動の賛否をはかりにかけている。意に反してイラクにおける出来事に不意打ちをくらって、政府はさらなる暴力を考慮する前にしばし小休止しなければならない。しかし、脅しだけで、弱いものをいじめ、征服することを期待して、その虚勢と美辞麗句は疑いもなく続くだろう。他方、多数の国々に大きな変化が起こっており、それは世界の力のバランスの深遠な変化につながる。中国とインド、南アメリカとロシアは彼らの足どりと経済的な潜在力を見いだしている。アフリカは、やっと強力な政府や機関の関心と善意を受けはじめており、より良い時が来るのを期待することができる。 かようにして、世界はアメリカの力と富の支配から離れていき、そしてその運命を成就するために他の行路の計画を立てている。 もしアメリカがその一方的な行動をとる権利を主張し続けるならば、国際的な計画やプロジェクトにおいて無視され、放っておかれ、その経済はさらに衰え、その国民は政府の行動に自信と信頼を失うだろう。友だちもなく、衰えていく力の前に、政府は変わることを強いられるだろう、そして以前の友好国との対話を再開するだろう。 マイトレーヤの出現はこの変容の過程を速め、そしてそれの歓迎すべき完了を保証するだろう。
役割の入れ替わり
編集長殿
2003年11月9日にロサンゼルスのグループが、 地元の書店でパネルディスカッションを行いま した。4人のパネリストが再臨の話の一部に ついて、その背景、政治、経済や奇跡につい て話すのですが、このディスカッションにはか なりの聴衆が集って、特に講演の後の質疑応 答の部は人気がありました。
講演が始まる数分前に一人の魅力的な黒人 男性が入ってくるのに気がつきましたが、彼は 世界の様々な宗教がモチーフになったとても おかしなTシャツを着ていました。ほとんどの 人たちが後ろの席に座ってしまうので、誰かが 前の列に座ってくれたらと思っていたのです が、その男性は前から2列目に座り、そこか らだとパネリストからその笑いを誘うTシャツ がよく見えました。彼の左側にはもう一人若 い頃のマーロン・ブランドに似た魅力的な男 性が座り、寒い日だったのに半ズボン姿でし た。
政治についての講演をしている時に、講演 者にとってブッシュ政権について厳しい言葉 を言うのがためらわれるところへ差しかかりま した。パネリストの一人が躊躇していると黒人 の男性が「言っちゃえよ!」と言いました。 すると半ズボンの男性が不意に声を上げて 「ファシスト」と言いました。
パネリストは、この頃ではとても多くの人々が考えていることを声に出してくれたことに対して彼にお礼を言いました。
スコット・チャンピオン
米国、カリフォルニア州ロサンゼルス
【ベンジャミン・クレームの師は、『半ズボンの男性』がマイトレーヤで『面白いTシャツを着た男性』がイエス覚者であったことを確認した】
ベンジャミン・クレーム、 本誌2001年1月号
合衆国には強力なファシスト・タイプの分子がおり、事態を見守って機会をうかがっています。変化が一定のところまで来たときにその機会は訪れるでしょうが、ますます多くのより教養ある一般の人々が彼らの予想しなかった側につくようになるでしょう。変化の側につくでしょう。事態の中で、アメリカの魂の特質、愛と智恵の第二光線の魂がマイトレーヤによって呼び起こされ、第二次大戦後のマーシャル・プランのような影響をもたらすでしょう。マーシャル・プランは、他に比類のない、現代アメリカ最大の業績です。不幸にもそれはヨーロッパで当座の仕事を終えた時にストップし、CIA(中央情報局)計画に変わりました。それは現状を維持し、左翼に傾いた国々を不安定化し、合衆国の優位を保とうとするものでした。それはいまだに強力な機関ですが、それもまた終わりの時が来るでしょう。
マイトレーヤがもっと受け入れられるようになり、世界の世論が活気づけられるとき、変化に抵抗する人々は少数派になるでしょう。何百万もの善意のアメリカ人は変化と正義のためにマイトレーヤの側に立つでしょう。世界の飢えたる人々を救うために新たなマーシャル・プランのような活動が生み出されるでしょう。以前には決して結集されなかったような巨大で劇的な援助活動が国連機関を通して組織化され、配分されるでしょう。これは世界の世論とアメリカの世論に非常に深遠な影響を与えるでしょう。変化に反対する者たちはますます制限され、彼らの本拠地に押し戻されるでしょう。それはそれほど長く多数派の決定に抵抗することはできないでしょう。
(『大いなる接近』に収録された、伝導瞑想ネットワーク研修会での基調講話の後の質疑応答より)