2025年4月号目次

 

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
グラマー (幻惑)

今月号の内容概説

視点
ガザ戦争の清算で国際法は復活するか
ラムジー・バルード

常温核融合-神話と事実
ジーン・マニング

生命エネルギーの謎を解く (第一部)
ジェイソン・フランシスによるエリック・レスコヴィッツ氏へのインタビュー

ヴァレリエ・セギャン著
『魂との出会い』
クロード・シャボッシュによる書評

気候問題、 いよいよゲーム開始!

パラリーガルが女性の土地の権利回復を支援

時代の徴
世界中の徴

ソーラーママが世界を照らす-ベアフット・カレッジの活動
エリッサ・グラーフ

物質主義に対する魂の勝利―選集
The triumph of the soul over materialism-a compilation

『自由への道-経済と良き社会』
フィリス・クレームによる書評

沖縄の環境を破壊する米軍基地

読者質問欄
ベンジャミン・クレーム

グラマー(幻惑)

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類につきまとうすべての問題の中で、グラマー(幻惑)の問題ほど大きいものはない。これはあらゆる困難や危機の基礎をつくっており、人類の大多数をその奴隷となす。あらゆる分離、分裂の根源にあり、あらゆる次元の苦痛や苦難の源である。その根は人類の大昔の過去にあり、非常に少数を除いたすべてが、その支配下にある。

 グラマーは、本質的に人間の触感的感覚的装置──感情体またはアストラル体──の中に、そして人間が自分自身をその行為と同一認することに源を発している。感覚や感情──欲望的性質──との間違った同一認(アイデンティフィケーション)を通して、人間はイリュージョン(錯覚)と非現実の濃い霧で自分自身を取り囲み、その中で迷っている。これがグラマー(幻惑)を構成し、大多数はその中で一生を過ごす。グラマー(幻惑)は感情情緒の界におけるイリュージョン(錯覚)であり、個人にとってそして人類種族にとって、進歩への最大の障害となる。それは、不注意な人間の歩む途上に多くの間違った概念を据え、最も高邁なる理想主義者もその影響から逃れ得ない(いや、むしろ硬化した冷笑家よりも彼らの方がグラマー〔幻惑〕の影響を受けやすい)。

 グラマー(幻惑)と取り組むためには、そのからくりを認識しなければならない。そのからくりによって、その中心的な異説──われわれが分離した存在であるという教え──がつくられ維持されている。分離感を強化するものはすべてグラマー(幻惑)の行為の結果であり、その異説を崩そうとする者はすべてその駆除のために働く。グラマー(幻惑)は、人間の欲望はリアル(実相)でありそれには本質的な妥当性と目的があるという考えの中に宿る。しかるに本当は、それがすべての不幸の原因であり、砂漠の蜃気楼のように実体のないものであり、一時的なものである。
 
 悪気のない志向者は、業績を上げたいという欲望で自分の行為を曇らせる。理想主義者は、自分の理想が正しく思考する人間にとって唯一の理想であると見なす。国家の誇りというばかげた考えが、国家をその国民の利益に反した行為へ導くのを、われわれはしばしば目撃する。これらのグラマー(幻惑)の行為は欲望──権力への、野心の達成への欲望──の産物である。科学の光が特定の大昔からのグラマー(幻惑)をこの世から取り除いてくれたが、その代わり他のグラマー(幻惑)をつくり出した──所有欲のグラマー(幻惑)が世界の半分をその奴隷にし、他方、あとの半分は飢え、悲惨と窮乏の中で死ぬ。

 やがて人類はこの段階を通り抜け、リアリティー(実相)についてのより正しい概念を確立するだろう。今日、人類種族を取り巻く無数のグラマー(幻惑)は、いつの日か、新しい時代が進行していくにつれて、人間の魂が顕現していき、その光の中で溶解するだろう。しかし、現在は新しいタイプのエネルギーが人間の生活に影響を及ぼしており、困惑と混乱の条件をつくり出している。現在のこの時期の高まった緊張が恐怖と破壊というグラマー(幻惑)を助長し、あらゆる種類の暴力に爆発している。

 人類をこの大昔からの束縛──その幾分かは物質そのものの特性に固有のものでもあるのだが──から解放するには、何がなされねばならないか。人間は、間違った同一認と自分自身ででっち上げた想念の圧制から、いかにして自分自身を解放することができるか。その答えは意識の焦点を自己から集団(グループ)に移行させることであり、魂とのより正しい同一認であり、そしてすべての魂との正しい関係である。魂の光は、マインド(識心)を仲介として、グラマー(幻惑)の偉大なる解消剤として働く。そしてずっと以前に、仏陀が欲望を征服するために教えられたように、二つの相対する極の間の「高貴なる中道」である。魂の光の中で、本質的和合は見られ、アストラル(感情)体の波は静まり、そして志向者はイニシエーションの門口に立つのである。 

(シェア・インターナショナル誌1984年4月号)

今月号の内容概説

 エネルギー、エーテル、宇宙エネルギー ──今日の世界はエネルギーという概念に慣れ親しんでいる。「すべてはエネルギーである。宇宙全体にエネルギー以外のものは存在しない」と聞いても、驚く人はいない。現代科学と秘教の知見は、共通の土台を見いだし始めている。ただし今のところ、共通の用語は使われていない。物質から霊のいのちへの復活を象徴するイースター祭が近づくなか、この4月号を通して流れているのは、濃密物質や物質主義とは対極をなすエネルギーや生命または魂というテーマである。

 先見の明のある市民は、間もなく突破口が開かれることを期待している。「過去のものである『古い』核分裂エネルギーの技術よ、さようなら」。そして次の見出しはこうなるだろう。「常温核融合プロセスによって生成される、安全で、無限で、安価な新しい核エネルギーが完成した」。こうしたニュースの見出しを予見して、先駆的な科学サークルで進展する常温核融合の研究についての記事を掲載した。さらに、それと組み合わせて、霊的エネルギー──魂のエネルギー、生命エネルギー、プラーナ、生体エネルギー ──を扱う記事やインタビューも掲載した。

 今月号の選集は、ベンジャミン・クレームの師が「グラマー」に関する記事で示された洞察と呼応している。覚者はその記事で、人類が自らの本質を誤解していることについて述べておられる。「感覚や感情──欲望的性質──との間違った同一認(アイデンティフィケーション)を通して、人間はイリュージョン(錯覚)と非現実の濃い霧で自分自身を取り囲み、その中で迷っている。……分離感を強化するものはすべてグラマー(幻惑)の行為の結果であり、その異説を崩そうとする者はすべてその駆除のために働く」。この記事が現代に関連していることは明らかである。「……国家の誇りという馬鹿げた考えが、国家をその国民の利益に反した行為へ導くのを、われわれはしばしば目撃する。これらのグラマーの行為は欲望──権力への、野心の達成への欲望──の産物である。科学の光が特定の大昔からのグラマーをこの世から取り除いてくれたが、その代わり他のグラマーをつくり出した──所有欲のグラマーが世界の半分をその奴隷にし、他方、あとの半分は飢え、悲惨と窮乏の中で死ぬ」

 1992年のインタビューで、ベンジャミン・クレームが核融合の分野での実験的研究について言及したことは興味深い。クレームとインタビュアーはまた、軍隊が最大の汚染者であることについても話し合った。まさしくこの話題に関する大堤直人の記事をご覧いただきたい。

 多くの前向きな取り組みがあらゆる分野で行われている。例えば、生物種を保護するための環境プロジェクト、他者を助け、光をもたらし、土地の権利を取り戻すための社会的な努力などである。地球とそこに住む人々を健全な状態に戻そうとして、多くのことが行われている。今月号では、実践的な善意の行動に焦点を当てた記事をいくつか掲載している。

 「物質主義に対する魂の勝利」というタイトルの選集も同じ問題に取り組んでおり、個人と人類全体から分離と物質主義のグラマーを取り除くために、パーソナリティーや形態生命に対する魂の勝利が緊急に必要であると主張している。人類が前進するためには、魂の光がやがて、しかし着実かつ迅速に勝利しなければならない。ベンジャミン・クレームはマイトレーヤの言葉を引用し、これを達成する方法についてのさらなる教えと説明を提供している。「『真我と接触する方法は、心(マインド)の正直さ、生気(スピリット)の誠実さ、そして無執着という三つのものを実践することである』。このようにして徐々に、自分が実際に誰であるかを、つまり神であることを認識するようになります。人々はそれを神や、父、主、絶対者と呼びます。これらはすべて、唯一の同じものを表す異なった言葉です。私たちは『それ』なのです」

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けてきた。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したい。

「シーイング・ビヨンド(Seeing Beyond)」のインタビューからの抜粋
「インターネット・ラジオ・サンタクルーズ」、カリフォルニア州、1992年11月 第二部

第一部は、和合と多様性に関するボニー・パイパー氏からの質問で終わった。ベンジャミン・クレームは、多様性の中の和合が進化の大計画にとって本質的なものであると述べ、多様性(「いのちの本質」)を次のようにたとえた。「多面的な宝石や、さまざまな織り合わさった糸でできた豪華なカーペットやタペストリーのようなものです。そうした糸はすべてそれ自体が素晴らしく、本来の独自性を表現しているとき、一緒になって完全な調和を生み出します」

ボニー・パイパー:別のたとえで言えば、さまざまな味を楽しめる素晴らしいグルメ料理でしょうか。
ベンジャミン・クレーム:そうですね、たくさんの料理をただ並べただけでなく、一つの食事になるように組み合わされたものであれば。

パイパー:なるほど。今おっしゃったことを念頭に置きながら、国連の役割の変化について感じておられることを少しお聞かせください。
クレーム:主(ロード)マイトレーヤによれば、国連はますます力を増していくでしょう。国連は未来の時代において最も強力な声になるでしょう。現在、世界の問題に関して非常に強力な立場を取り始めており、必要であれば、各国の内政に干渉することさえあります。

パイパー:今おっしゃった国連に関する話を聞いて、多くの人がさまざまな不安を抱くかもしれません。ワンワールド主義者、共産主義者、左翼がかった人など、あなたの言われる国連の大きな力でそうしたことを実現させたいと願う人々が、何かを失うのではないか、危険な状況なのではないかという、途方もない不安を抱くのではないでしょうか。
クレーム:いいえ、そのようなことはありません。国連は世界で最も強力な勢力になるでしょう。代理機関になるでしょう。それが大事なところです。政府になるのではなく、あらゆる国際問題を解決する代理機関になるでしょう。

パイパー:つまり、国連は何らかの形で私たちに力を与えてくれるということですか。
クレーム:国連は各国に力を与え、各国は独自に行動できるようになるでしょう。現在、小国は大国に支配される可能性があります。将来はそうはいきません。国連は、世界中の自由と正義を守るために、新たな世界秩序の番犬とならなければなりません。地域紛争を鎮め、一部の集団の不正を防ぐために必要とされる武力の提供にすべての国が同意するでしょう。