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2026年9月号目次

 

編集部より

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
「正気さを求める」 「地球は産みの苦しみの中にある」 「人間の役割」

視点
環境的人種差別 : ある特定の生活様式
グラハム・ピーブルズ

『AI後の世界を生きるための 「逆ケンタウロス」の指針』
コリイ・ドクトロウ著 シェア・ギルモアによる書評

世界的な問題、世界的な解決策 -選集
Global problems, global solutions - a compilation

トランスオクシアナからの絵葉書
平和、文化、持続可能な開発のマルコポーロ・ドライブ
ジェフリー・サックス、 ソニア・サックス

『ありふれた狂気』-批評
核兵器が今なお最大の脅威であることを再認識させる新作短編映画
エリッサ・グラーフ

オックスファム ・ アメリカ -
毎日2万5,000人が飢餓で命を落とす世界で献身的に活動を続ける
アビー・マックスマン氏へのインタビュー 第二部
マクネア ・ エザード

「過去の宝と未来の驚異」
ベンジャミン・クレーム

S.O.P.
石油大手が戦争と気候危機の最中に930億ドルの利益を計上 他

世界情勢
アルバニアで 「フラミンゴ革命」 の抗議が続く 他

ローマ宣言

アート・ユリアーンスの記事の要約 / ハイアラキーの計画 (抜粋)
アート・ユリアーンス

教皇が語る人工知能(AI)第二部
シェア・ギルモア

スティーブン・グリア博士の「別段の指示がない限り (UNOD)」 書簡
ダグ・グリフィン

「君たち民衆は人生を自由で美しいものにする力を持っている」
チャーリー・チャップリン

読者質問欄

編集部より

 8月中旬の今、私たちはこれからの数カ月を見据え、この先何が起こるかを想像する必要がある。そこで、もしシェア・インターナショナル誌に掲載されたアイディアや助言、インスピレーションが、何らかの形で地球上のすべての人々に届くとしたら、何が起こるかを想像してみよう。例えば、知恵の覚者によって書かれた「正気さを求める」という記事を読めば、アメリカ人たちは、自国の市民や世界中の何百万人もの幸福が自分たちの選択にかかっていることに気づくようになるだろう──とりわけ、11月の投票所での選択が重要であるが、それだけにとどまらない。記事の言葉を借りれば、彼らは、「平和と正しい関係を大切にする」人々の仲間入りをすることになる。期待されるのは、彼らがこの常識的な導きに応じずにはいられなくなることである。この導きが促しているのは、戦争から距離を置き、紛争や侵略に対して団結し、声を大にして公然と反対の姿勢を示すことであり、また、経済的正義こそが信頼、ひいては平和が花開く条件を生み出すということを認識することである。

 そうであると仮定すれば、この記事の著者が示す明晰さと知恵に興味をそそられた人々(私たちが想像している何十億人もの読者)はすぐに、ベンジャミン・クレームの師によるもう一つの記事──「地球は産みの苦しみの中にある」──に目を向けるだろう。覚者はその中で、あらゆる種類の汚染問題に早急に注意を払うよう求め、「病んだ惑星」の健康を取り戻すよう私たちに訴えかけている。汚染とは目に見える破壊だけにとどまらない。最悪の形態は核放射能による汚染である、と覚者は指摘している。それは「人間と低位王国(動植物界)にとって最も有害で危険なものである。これらすべてのレベルにおいて、汚染の問題は克服されねばならない。これは現在の政治、経済、社会の完全な再建によってのみ達成することができる」。同じ著者はさらにこう問いかけている。「地球という惑星を救済することができるか、それはどんな方法によってできるのか」と。覚者は即座にこう答える。「答えは大きく鳴り響く『然り』であり、その方法には大多数の人間による現在の生活様式の変容が含まれる」

 「なるほど」と、ほとんど84億人に達する架空の読者の一人は思うかもしれない。「これは全く異なる状況を描いているようだ。私たちには、これまで気づかなかった管理責任や義務、関係性があるようだ。しかし、それが気に入った──私たちは皆、『いのち』と呼ばれるこの素晴らしい体験の一部だということを意味するのだから。しかし、もしそれが真実なら、自分自身や私たち全員が、この惑星に降りかかっているあらゆる事柄に対して責任を負うことになる。このような方向性とここで示された具体的な情報が持つ意義と重要性は理解できる」

 こうして読者は、新たな感銘を受けながら、9月号で特集されたベンジャミン・クレームの師による三つ目の記事──「人間の役割」──に目を向け、次の一節を読むだろう。「地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである」

 私たちが想定している読者と、その読者と共にある数十億人が、自分の直観や内なる願望は愚かなものではなく、あらゆる生命と一つであるという感覚を裏付けるものであり、実践できる奉仕の展望を開くということに大きな喜びを感じてくださることを願っている。

 本誌が願っているのは、人々の知性に働きかけ、心に触れて心を深く動かすことで、あらゆる生命との関わり方が今後ずっと変容するようなきっかけを作ることである。「早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう」

 想像してみてほしい。いつか、人類の半数をはるかに超える人々が、未来への計画と道筋を提示するキリスト・マイトレーヤの愛と英知と意志を体験することで変容を遂げる様子を。あらゆる生命の相互のつながりや、地球という惑星の生き生きとした性質についてのとてつもない感覚によって、私たちがどのような世界を創り出すことができるかを考えてみてほしい。

 本誌の真の目的と、私たちが思い描く素晴らしい成果を考えれば、世界史におけるこの節目に、なぜこの三つの記事が選ばれたのかは明らかだろう。私たちは読者の皆様の心情に寄り添いつつ、自然界が直面する苦境や必要性に焦点を当てるとともに、戦争に対する憤りや恐怖、断固たる反対を表明している。専門家や歴史家、一般市民の誰もが同意している──戦争を止め、寡頭支配者や暴走する政治家の力を抑え、無慈悲で残酷な商売を行う者たちに対して不買運動を行い、法の支配を堅持し、人権法や国際裁判所への敬意を取り戻し、気候変動の緊急性を認識し、地球と私たちの未来を救うために直ちに行動を起こすべきだ、ということに。

 議論のためにも、世界のためにも、私たちが直面する課題に対して大胆かつ想像力豊かに取り組んでいこう。そうした課題は、乗り越えられないほど困難で、数多く、複雑に絡み合っているように見えるかもしれない。どのように取り組めばよいのか。朗報は、課題がすべて密接に関連し合っているからこそ、一つの根本的な解決策を普遍的に適用すれば、それが鍵になり得るということである。

 覚者方やマイトレーヤは皆、まさにそのとおりであると示唆している。もし私たちが彼らの見解を受け入れるならば、自らの内にある神性へと向かう大胆な一歩を踏み出すための入口に立つことができる。それは、同胞の人間だけでなく、このかけがえのない惑星のあらゆる王国とも共有している神性である。まずは、知者たち──覚者方──が提示する知恵を受け入れることから始めることができる。

 ベンジャミン・クレームの師は、「平和への探求」(2010年7・8月)と題された記事の中でこう述べている。「わたしたちの観点から見れば、これらの問題は現実であり、緊急なものであり、そしてたった一つの状況から生じる。それは人類の肩に重いくびきのようにのしかかる分離主義であり、すべての一致した行動を妨げる」。さらに、覚者はこう続けている。「これらの問題を解決する方法は一つしかない。それはこれまで試みられたことのなかったことであり、しかもそれは、あっという間に数え切れない人々の苦しい運命を和らげ、ついに、やっと苦悩する世界に本当の永続的な平和をもたらすであろう。人々は自分たちが分離していないことを、分離したことは一度もなく、そして分離することは決してないということを認識しなければならない。彼らは、われわれすべてを包む神聖で継ぎ目のない総体の部分であり、それに対してわれわれは、それぞれのやり方で『神』という名前をつける。『神』は平和であり、正義と分かち合いと信頼であることを、そして彼らの恐れは彼らの兄弟たちに対する恐れでもあることを、人々は認識しなければならない。マイトレーヤの任務は人間にこの真理を示すことであり、彼らの切望の中核にすべての者が望む平和が存在し、顕現するのを待っているということを思い出させることである」

 「正気さを求める」は、2003年の米国によるイラク侵攻の直後に書かれた。今日では、残念ながら、「イラク」を単に「イラン」に置き換えるだけで通用してしまう。

『ありふれた狂気』──批評

核兵器が今なお最大の脅威であることを
再認識させる新作短編映画

エリッサ・グラーフ

 「終末時計」の針は午前0時まであと85秒を指している──これは人類が世界規模の大惨事に最も接近した瞬間である。「原子力科学者会報」は、この危機が世界的な協力体制の崩壊によって引き起こされており、核戦争や気候変動、AIといった制御不能な存亡の脅威に対して人類がますます無防備な状態に置かれていると指摘している。

 核戦争は人類最大の脅威であり続けているにもかかわらず、公の議論の場ではほとんど取り上げられてこなかった。この危機は現在、核兵器システムへのAIの導入が進むことで、さらに深刻化している。これに対処するため、バチカンは7月に「人工知能と核戦争に関する世界ノーベル賞受賞者会議」を主催した。30名を超える受賞者たちが「ローマ宣言」(45頁を参照)を起草し、人間による厳格な監視と世界的な軍縮を要求した。

ダニエル・エルズバーグ氏、1971年、ボストン連邦庁舎にて(Photograph: public domain, Wikimedia Commons)

 新しい短編映画『ありふれた狂気』は、この危機に再び関心を集中させている。この映画には、内部告発者であり長年の反核活動家であるダニエル・エルズバーグ氏が登場する。彼は1960年代初頭にランド研究所に在籍していた際、アメリカの核戦争計画の立案を支援していた。エルズバーグ氏の任務は、アイゼンハワー政権によって残された最後の計画──単純にソビエト連邦と中国に対して先制攻撃を行い、6億人を死亡させると推定されていたもの──を改善することであった。そのような攻撃に続いて、核の火災旋風が大量の煤を成層圏へと送り込み、日光を遮って、1年以内に世界人口の98%を死亡させる世界的な核の冬を引き起こすことは、何十年も前から知られている。想像を絶する結果にもかかわらず、アメリカ、ロシア、中国のような大国は、見込みにすらなるべきではない壊滅的な戦争を積極的に準備していると彼は語る。

 エルズバーグ氏は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が、アメリカの兵器庫の中で、核戦争を開始するかどうかについての迅速な一瞬の決断を大統領に迫る唯一の兵器であると説明している。こうした固定式サイロは敵による先制攻撃に対して非常に脆弱であるため、「使うか失うか」という危険なシナリオが生み出される。アメリカは現在、400基のICBMを即時発射可能な警戒状態を維持しており、これは指令を受信してから数分以内に発射できることを意味している。一度発射されると、こうしたミサイルは回収できず、およそ半時間でロシアおよび中国にある目標を不可避的に攻撃することになる。エルズバーグ氏は、陸上配備型ICBMの完全な廃絶が、偶発的な核戦争のリスクを大幅に減少させるため、世界をより安全にすることに大きく貢献するであろうと示唆している。

 この映画は、髪の毛が逆立つような実生活での一触即発の事態を二つ共有している。一つは1979年のもので、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の司令センターが、ロシアによって一連の先制攻撃ミサイルが発射されたように見せるシミュレーションテープを誤って表示した事件である。1983年のもう一つの大惨事寸前の事態は、自国が実際に5発のアメリカのミサイルによる攻撃下にあるのかどうかを確認する術を持たなかったロシアの大佐、スタニスラフ・ペトロフ氏によって回避された。リスクを取って、彼は上官たちにそれが誤報であると告げて嘘をついた。「この午前3時の10分間の警告という状況をつくり出しているのはICBMだけである──人間がそのような状況に対して合理的に、あるいは妥当に対処できるといった考えは、もちろん、ばかげている」と彼は語る。

 エルズバーグ氏は、核兵器の継続的な拡散の背景にある産業やロビー団体に対峙するためには、大衆による大規模な取り組みが必要であると助言している。彼は問う。「現在のICBMであるミニットマンⅢを完全に排除すべき時に、なぜ私たちは今後30年間にわたって25兆ドル、今後の10年間で1,000億ドルを費やして、ミニットマンⅢの代替品を生産しようと考えているのだろうか。……主として、影響力のルートを持つことがノースロップ・グラマン社や、そのライバルであるボーイング社、ロッキード社にとって利益になるからである──こうした企業は事実上、影響力を買った。率直に言えば、議員を買収した。そこからの収益を、35の州にわたる雇用と票の中に注意深く分配してきた。つまり、票であり、議員への選挙献金であり、最高レベルの軍関係者とこうした企業との間の天下り人事なのである」

 最近公開された声明の中で、「エルダーズ」の一員でありモンゴルの元首相であるツァヒアギーン・エルベグドルジ氏は、この問題において市民の圧力が過去に変革をもたらしたように、今回も再び変革を起こし得ると指摘している。「私たち全員には、声を上げ、関与し、意思決定者に対してさらなる自重を要求する責任がある。一人ひとりの声が、変革を促す圧力となるのである」

(globalnobelassembly.org; www.anordinaryinsanity.com; theelders.org)

『ありふれた狂気』はYouTubeで無料視聴可能である。

リンク先:https://www.anordinaryinsanity.com/

エリッサ・グラーフは、ドイツを拠点とするシェア・インターナショナルの協働者である。

オックスファム・アメリカ──

毎日2万5,000人が飢餓で命を落とす世界で献身的に活動を続ける

アビー・マックスマン氏へのインタビュー ──第二部

マクネア・エザード

 アビー・マックスマン氏は、「オックスファム・アメリカ」の理事長兼CEO(最高責任者)である。これまで70カ国以上で活動し、南アフリカのアパルトヘイト時代から、サハラ以南アフリカにおけるHIV/エイズやエボラ出血熱の流行、エチオピアの慢性的な食料不安に至るまで、地球規模の極めて重要な課題に取り組んできた。ルワンダではジェノサイド後の救援・復興活動に携わり、ハイチやエチオピアでは大規模な人道支援活動を主導した。また、ジェンダーや気候正義の推進、不平等との闘い、そしてオックスファム・アメリカの野心的な「2030年戦略」の実行において中心的な役割を果たしてきた。

 彼女は本誌のためにマクネア・エザードによるインタビューを受けた。

シェア・インターナショナル(SI):ガザ以外で、飢餓や貧困の観点から見て、現在世界で最も深刻な「ホットスポット(危機的状況にある地域)」はどこだと思われますか。

アビー・マックスマン:そうしたホットスポットのいくつかは、紛争や気候変動、その他の要因が複合的に絡み合っている地域です。コンゴ民主共和国(DRC)で発生し、現在拡大している壊滅的なエボラ出血熱の流行も、私たちが注視し、パートナーと協力して対応に当たっている危機の一つです。水・衛生や地域保健などへの取り組みは、人命を救い、地域社会との信頼関係を築き、感染拡大を食い止めるために極めて重要です。ワクチンがない現状において、これらは危機に対処するための最良の手段の一つと言えます。

 1年前、私は現地を訪れていました。それは、トランプ大統領がコンゴ民主共和国とルワンダの外相をオーバル・オフィス(大統領執務室)に招き、和平協定に署名させた1週間後のことでした。素晴らしいことですし、私たちはそれを全面的に支持しています。現地では、その外相とお会いする機会もありました。平和こそが、人々の発展と自立への道であることは誰もが知っています。人々は平和を望んでおり、援助に依存したいなどとは誰も思っていません。一方で、オーバル・オフィスで和平文書への署名が行われたにもかかわらず、人々が助けを必要としている時に援助が打ち切られるという事態も起きました。これでは、政権が望んでいると主張する将来の展望を損なうことになりかねません。私たちは、真に持続する和平協定を心から歓迎したいと願っています。しかし、それを実現するためには、人々とその発展、そして人々の尊厳と安全に対して投資を行う必要があります。現在、エボラ出血熱の流行においてその結果が表れており、人命が失われています。コンゴ民主共和国東部では、人道支援活動の70%が一夜にして撤退し、混乱を招きました。米国などによる支援削減がエボラ対策の遅れや停滞を招き、死者を出す事態に至っています。

 スーダンでの紛争については、今も耳にすることでしょう。国境を接する南スーダンでも、紛争、気候変動による衝撃、経済的不安定さ、そして避難民の発生といった要因が重なり合い、食料を十分に得られない家族にとって、苦難が極限に達するような状況が生まれています。南スーダンやソマリアにおいて、こうしたリスクを目の当たりにしています。

 人々の気持ちが沈んでしまうのも無理はありません。「なぜ問題を解決できないのか」と思われるでしょう。人道支援そのものは、貧困や不平等を恒久的に解決する手段として設計されたものではないことは承知しています。しかし、人命を救い、人々の未来に投資し、自立と再建を助けるという「原則に基づいた人道支援活動」は、開発のプロセスの一部を成すものです。実際、数年前までは何十年にもわたって進展が見られていました。私たちは現場に立ち続け、対応するために全力を尽くさなければなりません。そして指導者たちに対し、こうした人々の命が私たちにとって重要であること、そして彼らには状況を変える力があることを認識するよう、働きかけていく必要があります。

SI:「こうした状況下で、国連はどこで何をしているのか」と問うことは、ある種の無知の表れなのでしょうか。

マックスマン:決して無知などではありません。それは支援の「エコシステム(協調体制)」における極めて重要な要素です。国連は加盟国からの拠出金で運営されていますが、米国政府はさまざまな組織への資金提供を打ち切っており、その対象には国連も含まれます。米国は国連への拠出を約束してはいますが、そこには自国の政治的アジェンダを支持させるための条件が付けられています。

 私たちは何十年にもわたり、危機に瀕した国や支援を必要とする国々において、人道支援、平和構築、開発活動を調整するための重要かつ基本的な仕組みを築き上げてきました。しかし今、支援や開発、そしてさまざまなサポートを届けてきたその「エコシステム」が根底から覆されています。支援体制が混乱の中で解体されたため、誰もが体制の立て直しを余儀なくされています。オックスファムとしても、資金調達や活動内容、そして日々の業務に多大な圧力がかかっています。誰に支援を行い、誰に行わないかという、極めて困難な選択を迫られています。

SI:オックスファムは、経済的・人種的正義、公正な税制の推進、寡頭支配(オリガルキー)の実態に関する啓発、気候危機、女性の権利、ジェンダーの正義など、多岐にわたる課題に取り組んでいますね。なぜオックスファムにとって、これらの分野に注力することが重要なのでしょうか。

マックスマン:私たちは80年以上の歴史を持つ組織であり、証拠・調査・学習に基づいた活動を行うことに誇りを持っています。現在の戦略を立ち上げるまでは、主に貧困と飢餓の問題に焦点を当てていました。そうした課題は今も残っていますが、新たに「不平等」という課題を明確に加えました。私たちは、貧困と不正義を終わらせるために不平等と闘っています。これらは切り離せない問題だからです。拡大する不平等や所得格差、ジェンダーや気候正義の問題は、すべて互いに深く絡み合っています。

 私たちは権利や尊厳、人道的な影響を重視しており、不平等を拡大させる政策や税制の問題と、それらがもたらす結果との間に直接的な相関関係があることを理解しています。長年にわたり、超富裕層による政治の私物化を目の当たりにしてきました。富裕層には減税を行う一方で、貧困層や社会的に疎外された人々が必要とする基本的な社会支援の基盤を奪うような決定がなされています。そのため、私たちは不平等や貧困に取り組むための「システム(構造)へのアプローチ」を取ると同時に、現場の人々への直接的な支援も行っています。原因と結果の両方に対処するというこの二重のアプローチこそが、私たちの活動の根幹をなすものです。調査に基づく証拠を提示し、報告書を発表することで、世界の政策決定者や各国政府に働きかけています。

 私たちにとって、米国政府は重要な存在です。しかし、世界75カ国で行っている活動の一環として、グローバルノース(先進国)やグローバルサウス(新興国・途上国)の政府に対しても働きかけを行い、政策や税制の公正化を促しています。超富裕層が一般の労働者よりも少ない税金を支払うべきだと考える人は、誰一人としていません。国民に基本的なサービスを提供するための政府の資金を確保することは、繁栄と発展、そしてより平等な世界を実現するために不可欠なことです。

SI:ガザやアフリカの情勢、そして世界中に広がる飢餓や貧困など、世界が直面している数々の困難を前にして、人類には飢餓や貧困の問題を解決する力があると信じていますか。

マックスマン:私は楽観主義者です。この仕事を40年近く続けてきたのは、根拠のない盲信からではありません。実際にこの活動が人々の助けになるのを目の当たりにしてきたからです。過酷な時代や言葉にできないほどの悲劇を生き抜く女性たち、家族、地域社会の強さを目の当たりにしてきました。彼らは寛容であり、他の人々を自分たちの家族として受け入れています。互いに助け合いながら生き延び、生活を再建し、力強く生きていこうとしています。

 変化は可能だと私は信じています。地域レベルから世界規模にいたる私たちの活動が、確かな変化をもたらすと確信しています。正しいと信じるもののために闘い、私たちが共有する人間性に投資し、より良い生活を送るに値する地域社会に投資していく責任が、私たちにはあるのです。

 私たちは、より良い世界を築きたいと願っています。それは可能である、と私は信じ、確信しています。トランプ政権が行っていること――例えば米国国際開発庁(USAID)の解体や長年の関係の破壊――に同意できない人々が大勢いることも知っています。しかし、私たちは潮流を変えるような大きな抵抗のうねりを起こせると考えています。意気消沈している暇はありません。活動を続ける必要があります。現場に足を運び、声を上げ、自分たちが持つあらゆる力や資源、影響力を行使する必要があります。

SI:オックスファムでの活動やこれまでの経験を通じて、あなた自身は何を得ていますか。

マックスマン:この素晴らしい組織を率いることができ、深く恵まれていると感じています。日々、現代の最も複雑な課題に向き合い、人々の助けになろうとすることに、大きなやりがいを感じています。コンゴ民主共和国(DRC)東部にいたとき、フランシーヌという24歳の女性に出会いました。彼女は本当に素晴らしい女性でした。避難民キャンプから強制的に立ち退かされたばかりでした。彼女の人生は、避難、移動、そして紛争の連続でした。彼女は、安全とは言えない村に戻って来ていました。村は略奪され、近隣住民が殺害されていました。彼女は支援に頼りたくはありませんでした。家族を養うために売春をする以外に選択肢がないと感じていた他の若い女性たちと同じ運命をたどることは避けたかったのです。彼女が望んだのは、ただ自分の人生を歩み始め、小さな商売を始めることでした。そうすれば、村の人々に食料や生活必需品を売ることができるからです。彼女は、尊厳と安全のある生活を築きたいと願っていました。私には到底耐えられないような困難を乗り越え、それでも日々立ち上がり、自分自身や家族、地域社会のために、より良い状況を築こうと努力している人々がいます。世界で最も豊かな国に暮らし、善いことや正しいことを行う力を持っている以上、私にはそれを実行する責務があると感じています。正しい行いには大きな意味があるからです。これは、私に与えられた、非常にやりがいのある機会です。

マクネア・エザードは、米国デンバーを拠点とするシェア・インターナショナルの通信員である。

アビー・マックスマン氏
(Photograph: Oxfam America)

読者質問欄

Q 愛と意識の本質についてお話しいただけますか。

A 私が話しているのは、愛の顕現についてです。愛は、単に心地よい感情を呼び起こすものではありません。私たちは胸に手を当ててこう言います。「私は愛に満ちている。ああ、妻や子供たち、祖父母、地域の人たちを本当に愛している。でも、イスラム教徒のことは好きでない。イスラム教徒のことは嫌いだ。9.11の黒幕であるのは間違いない。だから嫌いだ」。そうしたものが、私たちが知っている愛です。

 愛はそうしたものとは無縁です。愛とは行動です。人類の必要に応じて行動する能力のことです。世界を愛するようにならなければなりません。自分を愛することは簡単です。妻や子供を愛することも簡単です。自分の地域社会を愛することも簡単です。自分の国を愛することも(アメリカでは難しくなってきていますが)、比較的簡単です。しかし、世界全体を愛すること、すべての人を一つとみなすこと、世界が与えてくれるものを受け取る権利を誰もが持っていることを認め、お互いに尊重し合うこと──それが愛です。重要なのは、行動を伴う愛です。

(1992年11月、ラジオ番組「シーイング・ビヨンド」でのインタビューより)

Q ハイアラキーの助言は、すべての原子力発電所をできるだけ早く閉鎖することです。(1)科学者は、原子力エネルギーは炭素系エネルギーよりもクリーンだと言います。(2)他に有効な選択肢がない。(3)原子力産業には多大な投資がなされており、それなしでは経済が成り立たない。

 これらの点についてコメントをいただけますか。

A (1)炭素の観点からはそうですが、破壊性の観点からはそうではありません。(2)選択肢は核融合プロセスです。それは核分裂には依存しません。それはクリーンで、冷温で、廃棄物を生まず、ジュワル・クール覚者(アリス・ベイリーを通して)によれば、電力需要を満たすためには、世界中で入手可能な水の同位元素しか必要としません。核融合プロセスにはさまざまな方式がありますが、その幾つかは石油産業の部門が自己の領域を保護するために買い上げています。(3)それは高度な工業国では当てはまりますが、世界全体ではそうではありません。私たちは核分裂に基づく原子力発電所を必要としていません。それは時代遅れであり、極めて危険です。

Q 原子力エネルギーの利用を止めるというハイアラキーの助言に世界が従うとして、短期的中期的に、世界のエネルギーの必要はどうやって満たされるのですか。

A 常温核融合プロセスによってです。

 (シェア・インターナショナル誌2011年7月号)

Q アメリカ政府が邪悪なエネルギーに受容的であるとすれば、(1)彼らはいくらかでもそのことに気づいていますか。(2)彼らはすすんでそれと一緒に働いていますか。(3)彼らは自らのグラマーの犠牲者ですか。

A (1)いいえ。(2)はい。(3)はい。

Q (1)「本当の」悪の枢軸を運営している人々はどのようなやり方で影響を受けているのですか。憑依、霊媒性などによってですか。(2)私の理解では、ヒトラーは憑依されました。今日の政治の舞台で指導者や影響力のある人物の中に憑依されている人はいますか。

A (1)霊媒性によってです。(2)同じ方法では、いません。

Q 私はあなたがイスラエルを悪の象徴と呼ぶことにショックを受けました。それはどういう意味ですか。

A 質問者がショックを受けたことに私は驚いています。イスラエルによるパレスチナ人への無情な圧制を見れば明らかです。イスラエルはその行動を、ブッシュ氏によって提唱された「テロに対する戦争」の一部として正当化しています。ブッシュ氏は、テロリストでもなく確かにアメリカに対する脅威でもなかったイラクを攻撃しました。1945年の連合国による枢軸国の敗北のあと、私たちが「悪のフォース」と呼び、光のハイアラキーに「物質性の大主方」として知られているものは、次第に彼ら自身の領域(惑星の物質面の維持)に封じ込められました。英国の統治軍とパレスチナ人に対するテロリストの行動によって1948年にイスラエル国家が樹立されたことは、ジュワル・クール覚者によれば、「あたかも悪のフォースが再び扉の中に(世界の舞台に)足場を確保したかのよう」なものでした。イスラエルは、イスラエルとアメリカのペンタゴンと東ヨーロッパの特定の国々を通して働いている悪のトライアングルの中心点をなしています。今私たちが目撃しているのは、この悪のフォースの爆発であり、これに対しては、人類が光のハイアラキー(マイトレーヤと彼の知恵の覚者方の一団)の援助を得て共に対抗し、消滅させなければなりません。

(シェア・インターナショナル誌2004年10月号)

2026年8月号

 

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
「上昇の道」
「意識の成長」
「意識の連続性」

編集部より 地球の住人の皆さんへ

『エコ文明――すべての人にとって機能する世界を築く』
ジェレミー・レント著 書評: フィリス・クレーム

サイ現象: 意識の本質を垣間見る窓
ダグ・グリフィン

意識-選集
Consciousness - a compilation

意識と物理学の出会い
ミッチ・ウィリアムズ

意識と成長
ベンジャミン・クレーム

神の大目的
アート・ユリアーンス

シャンバラのエネルギー
アート・ユリアーンス

読者質問欄

 

意識の連続性

 今日人類の中に、意識の連続性を達成し、したがって睡眠中の体験を保持できる人々が次第に増えている。これは、情報が頭脳にまで浸透してくるのを待つ時間の浪費がなく、したがってより急速な進化を伴う。それはまた、情報のより正確な受信を保証し、より正しい行動と結果につながる。

 これが人類にとって前進への道である。目覚めている状態と睡眠中の状態の間の意識の断絶は、これまで人類が大規模に向上する障害となってきた。何にも増して、それは人類をリアリティー(実在)の本質について無知なままにとどめ、したがって迷信と恐怖の中に置いた。

 人生の三分の一近くが睡眠に費やされ、その間に多くの情報・知識が提供され、そして受信される。得ることができ、知ることのできるかもしれない体験はたくさんあり、それは各人の人生を豊かにする。意識の転移が徐々に起こる機会が大規模に提供されたことはこれまでにかつてなかった。意識の連続性を達成する用意がすでに整っている大きな集団が存在し、彼らはただそれを達成する実際的なテクニックを欠くだけである。

 このテーマについてすでに提供されている情報がより広く知られ、そして入手できるようになる処置が間もなく取られるだろう。多くがすでに授けられており、人々の学習と応用を待つ。これまでに記録され、出版された数々の教えの宝箱に気づく者は、今日ほとんど存在しない。

 この達成の鍵は、意識のメンタル(識心)体への偏極である。アストラル(感情)体と肉体の正しい整列がメンタル偏極を徐々に築いていく土台を提供する。これが達成されると意識の連続性が自然に生じる。もちろんその達成の度合いは様々であり、その過程はかなり長期にまたがる。

 霊的無執着の必要性について多くのことが書かれている。この特性こそが、睡眠状態から持ち越された現象や情報を正しく解釈するための場をもっとも容易に提供する。それがなければ、意識の連続があっても、多くの歪みが生じ得る。

 霊的無執着は、非自己集中の結果として生ずる。奉仕と正しい瞑想を通して、弟子の意識の方向は、限度ある自己自身から自己でないものへ転移する。これが神聖なる無執着の状態を産み出し、欲望は静まり、裡なる真の霊人が顕現することができる。

 この顕現とともに、意識の連続が始まるための道が開かれる。肉体を離れて得た体験を安全に、正確に記録し、知ることができ、弟子の人生に新しい一章が開かれる。(進化の)道の上における弟子のレベルによって、学びの殿堂か、あるいは智恵の殿堂が、彼の知識の意識的領域となる。

 これまで、睡眠状態と目覚めた状態の間の意識の連続性について語ったが、さらに大きな意識の拡大が、生と死と呼ばれる二つの大いなる体験の領域の間の溝に橋を架けることができる弟子を待っている。

 いのちのみが存在するのである。死は、いのちのもう一つのレベルの体験を指す名前であり、人間の限られた意識を除けば、いのちは連続し途切れることがないのである。われわれが死と呼ぶ体験と、その間(生と死の間)の体験と、外的顕現への復帰を、完全に覚めた意識で思い起こすことのできる時が訪れつつある。そうすると、人間は死の恐怖をなくし、神の子としての本当のアイデンティティー(正体)を完全に認識するなかで、知識と至福の内界の収穫を刈り取るだろう。

(一九八七年十一月号)

編集部より

地球の住人の皆さんへ

 ご存じのとおり、私たちは平和と愛をもって、大切な近隣惑星である地球とあなたがたを助け、救い、支えるという使命を帯びてやって来ました。創造主である「偉大なる存在」の一部として、私たちは「宇宙の法則」が許す限り、あなたがたを支援するためにここにいます。太陽系全体も、「偉大なる存在」が創造された無数の他の部分も、その御方の慎ましい子孫です。生命がどこにあろうとも、どのような次元にあろうとも、私たちはすべての生命に対するその御方の聖なる大計画を崇拝しています。私たちは共同創造者であると同時に、そうした神性への愛と一体感を通じて、従順な子孫でもあります。政府や影響力のある人々が何を言おうとも、「宇宙の法則」に従い、あなたがたの本性は喜びと恵みであることを思い出してもらうためにここにやって来ました。

 (宇宙の兄弟姉妹たちは、私たちにこのように語りかけるかもしれません──私たち人類の何百万もの人々が、より良い前進の道、すべての人にとっての有効な解決策を見つけるために活動し、協力し合っているからです)

 私たちは、苦しみにあえぐ姉妹惑星、地球を見つめ、深く心を痛めていますが、「偉大なる法則」の範囲内で、どこででも可能な限り、慈悲と援助の使命を果たそうという決意を新たにしています。地球があなたがたとあらゆる生命形態を支えているにもかかわらず、なぜあなたがたが自らの故郷を愛していないように見えるのか、私たちは深い悲しみと驚きをもって不思議に思っています。

 今、賢明さを欠いた者たちは、近隣の惑星に侵攻し、植民地化し、破壊することさえ可能だと考えています(いつものように)。自らの狂気じみた「生活」様式――私たちには「生」というより「死」に近いように見えます――を支えるために、目につく価値あるものすべてを採掘し、搾取しようと決意しています。あなたがたの賢明な兄弟姉妹たちは、彼らを「1%」と呼んでいます。彼らの貪欲さが、あなたがたの美しい惑星を破壊しつつあります。人類の大部分は、貧困や飢餓、日々の緊張、洗脳、混乱によって気を散らされ、疲れ果てているように見えます。そのため、「持てる者たち」の権力への欲望や、情け容赦のない残虐行為、野蛮行為が横行しています。

 あなたがたの賢者たち、偉大な教師たち、覚者たち、すべての覚者たちの師である主マイトレーヤ(宇宙において知られ、愛され、敬われている方)は皆、そのような不正義と不平等が、あなたがたのシステムの、例えば、経済や金融のシステムの崩壊につながる可能性があると警告してきました。これは厳しい教訓ですが、おそらく人類を目覚めさせ、太陽系全体で尊重され理解されている価値観へと導くことになるでしょう。何十年にもわたって苦しんできた人々は、さらに苦しむことになるでしょう。大都市の路上であろうと、あなたがたが無視しようとする国々であろうと、矢面に立たされるのは、飢えに苦しみ、すべてを奪われた同胞たちです。あなたがたの携帯電話やメディア(少なくとも真実を伝えるメディア)を通じて、彼らの死を目にすることになるでしょう。

 もし土壌を劣化させ、大洋の海流を乱して農民や漁師は天候を予測できなくなり、生命の源である川を汚染し、実際に、破壊の痕跡を至るところに残していくようなことをしたら、どうやって子供たちを養っていくつもりでしょうか。

 私たち全員が一部を構成している「太陽系」、「偉大なる生命」は、あなたがたが時間や資源、才能を費やして、殺戮と破壊のためのますます巧妙で容赦のない機械を作り続ける様子を、驚きと恐怖をもって見守っています。あなたがたは、創造し、助け、支え、癒し、教育するために知性を使うのではなく、破壊し、爆撃し、殲滅するために知性を使っています。地球の覚者たちは、戦争をやめるようあなたがたに懇願しています。主マイトレーヤは、あなたがたの愛と優しさを必要とするすべての人々を助け、養い、慈しみ、支えるよう訴えています。あなたがたは、何がなされる必要があるかを知っています。それが可能であることも知っています。リーダーを賢明に選んでください。

 あなたがたの惑星と同様に、人類は荘厳な存在です──真にそうであり、そうした潜在能力を備えています。あなたがたは私たちと神性を共有しています。あなたがたの聖なる閃光は、あなたがたを助けようとやって来る時に私たちのハートの中で燃え上がる炎と全く同じものです。自分たちの民と手を携え、私たちとも手を携えて、私たちが共有している神性を存分に表現するような美しい未来の実現に向けて、共に歩みましょう。

 自分たちがどのような存在になり得るかを考えてみてください。愛の主であり、地球上のキリストでもある、偉大なる「世界教師」が描写した未来を想像してみてください。

 「再びあなたがたに語りかけ、そしてあの『新しい国』へ、『信頼と美と自由の国』へ、あなたがたを連れていくために、わたしはやってくる、ということを告げることができるのをうれしく思う」

 「わたしを受け入れ、わたしに従い、わたしに導き案内させてくれるなら、あなたがたをそこへ連れていこう。そして共に『新しい世界』を建設しよう。恐れも、不信も、分裂もなく生きることのできる世界を、大地の豊かなる資源を、共に分かち合い、わたしたちのいのちの本源と一体となる喜びを、共に知ることのできる世界を、創造しよう。このすべてをあなたがたのものとすることができる。あなたがたはただ最初の一歩を踏み出せばよい、あとはわたしが導こう」

 「わたしに手伝わせてください。道を示させてください──誰も窮乏することのない、より簡素な生活に至る道を。そこでは、同じ日が二度と繰り返されることなく、同胞愛の喜びがすべての人間を通して顕されるのである」

 「わたしの仕事は、導き、案内することである。しかし、あなたがたは喜んで従いてこなければならない。そうでなければ、わたしは何をすることもできない、わたしの両手は『法』によってしばられている。それを決めるのは人類なのだ」

(マイトレーヤのメッセージ第3信、1977年9月22日)

意識と物理学の出会い

ミッチ・ウィリアムズ

 ノルウェーの物理学者、マリア・ストロム教授は2025年11月、意識や不朽の知恵を現代の西洋科学理論と調和させようとする科学論文を発表した。科学誌「AIP Advances」に掲載された彼女の論文「基礎的場としての普遍的意識:量子物理学と非二元哲学を結ぶ理論的架け橋」は、意識は生物学的神経プロセスの副産物ではなく、実際には現実そのものの基盤であるという理論を探求するための枠組みを確立しようとするものである。

マリア・ストロム教授
(Photograph:
NordForsk/Terje Heiestad, flickr)

 ストロム教授は、ナノテクノロジー分野における先駆的な研究で広く知られる著名な研究者である。スウェーデンのウプサラ大学でナノテクノロジー分野の特別教授を務め、スウェーデン王立工学アカデミーの会員であり、研究功労金メダルを受賞している。また、査読付き科学論文を350本以上執筆し、数多くの特許を保有しており、その多くは国内外のバイオテクノロジー企業やエネルギー企業にライセンス供与されている。またここ数年、量子物理学と非二元哲学の関連性についても探求を続けている。

 ストロム教授は、アルバート・アインシュタイン、デヴィッド・ボーム、エルヴィン・シュレーディンガー、ヴェルナー・ハイゼンベルクといった著名な物理学者たちの研究を基に、シドニー・バンクス(1)によって提唱された「普遍的マインド」「普遍的意識」「普遍的思考」という「三つの原理」に基づく数学的枠組みを構築している。バンクスは、「これらの原理は形態がなく永遠であり、空間や時間、物質よりも先に存在することを強調した」。このモデルにおいて、「マインド」とは形態のない普遍的な知性であり、他のあらゆるものがそこから生じる基盤である。「意識」とは「気づきのための普遍的な能力」である。そして「思考」とは、形のない潜在的可能性を客観的な形態へと変換するメカニズム(仕組み)である。


ヴェルナー・ハイゼンベルク
(Photograph: American Institute
of Physics, Wikimedia Commons)

 「不朽の知恵の教え」を学ぶ人にとって、ストロム教授によるこれら「三つの原理」の説明は驚くほど馴染み深いものかもしれない。神智学の中核をなす原理の一つは、「遍在し、永遠で、無限かつ不変の『原理』」が存在し、それについてはあらゆる推測が不可能である。それが宇宙のあらゆる顕現した形態の背後に存在しているというものである。これは、ストロム教授による「普遍的マインド」の説明と非常によく似ている。ストロム教授は「普遍的マインド」を「すべての潜在性の源、創造の原動力であり・・・あらゆる分化と構造化が生じる形而上学的な基盤」と描写している。

 アリス・ベイリーを通してジュワル・クール覚者が記した著作においても(他のところでも)、すべての形態が「活動的知性(思考)」という媒体を通して顕現に至り、「意識」が「不可知の霊」と顕現形態との間をつなぐ役割を果たすという考えが示されている。したがって、「マインド」「意識」「思考」は、「不朽の知恵」の三つの「神聖な様相」と極めて近い関係にある。これらの様相はしばしば、「生命、意識、形態」あるいは「意志、愛/知恵、物質/活動的知性」と表現される。

 ストロム教授はさらに、「意識」とは、時空(および既知の現実すべて)が生じる「根本的な場」であり、ビッグバン以前に存在していた場であると提唱している。量子物理学では、これは量子真空と呼ばれ、あらゆる顕現の可能性を内包する形態のない基礎的状態である。彼女のモデルにおいて、「意識」は、後の物質や形態の進化の副産物として生じるのではなく、この基礎状態そのものである。

 続いて彼女は、形態のない「普遍的マインド」と「普遍的意識」が「普遍的思考」という媒体を通して、分化した状態へと移行する過程のいくつかを記述するための数学的枠組みを提示している。このような移行の結果として、時空の場が、つまり銀河や太陽系、人間といった形態が顕現へと至ることになる。

 ストロム教授はこうした過程の一つを「自己内省と創造的出現」と呼んでいる。「自己内省とは、普遍的意識が自己を自覚することによって分化し得る独特なメカニズムである。この見方によれば、分化は、普遍的マインドが自らの無限の可能性を観察するという内省的な行為から生じる──つまり、意識そのものが形態を生み出す創造的なフィードバック・ループである」。これは、ジュワル・クール覚者が述べた過程とよく似ている。「モナッド」つまり「真我」が、連続する顕現界層や複数の転生を通して、さまざまな表現形態において徐々に「真我」を自覚していく過程のことである。

 彼女が「対称性の破れ」と呼ぶ別のプロセスでは、対称的で、形態のない、未顕現の潜在力が、「思考」によってもたらされる揺らぎを通じて、分化した非対称的なものへと「破れる」。こうした揺らぎは、一つの恒星系、一つの種、あるいは一人の人間のマインドなど、ほぼあらゆる種類の形態として顕現する可能性がある。

 ストロム教授のモデルでは、量子物理学において、「波」の状態にある亜原子粒子は、決まった位置を持たない波動関数、つまり「確率場」として存在するという。それは観測されたときにのみ「崩壊」し、特定の場所において特定の瞬間に粒子となる。原理的にほぼどこにでも現れる可能性があるが、その波は特定の場所に現れやすい確率を表している。

 同様にストロム教授は、「意識」の場は純粋な可能性であり、物質として、人として、あるいは太陽系として顕現し得ると示唆している。その場は、「意識」が何らかの特定の形態で自己を表現するための媒体を提供するという。ストロム教授のアプローチにおける画期的な点は、「意識」そのものが、他のあらゆるものが生じる普遍的な可能性の場を構成していると提唱していることにある。

 これまで多くの科学者が、意識と形態との関連性を指摘してきた。量子物理学において、量子現象を観察する際に、その現象に影響を与えずに観測することは不可能であるというのは、よく知られた原理である。例えば、電子や光子といった亜原子レベルの対象は、特定の瞬間に空間内の特定の位置を占める粒子として現れるか、あるいは、さまざまな方向に広がる「波」として現れるかのいずれかである。しかし、文字どおり、両方の形を取って同時に存在することはできない。それをどのように観測するか──粒子としてか、波動としてか──という選択が、観測の瞬間にその存在を文字どおり決定づける。つまり、私たちの選択がその現実を決定するのである。このような亜原子的な現象と意識との関連性は、物理学において理論的にも実験的にも広く研究されている。

 彼女の理論的枠組みの多くは、物理学におけるこれまでの探求に基づいている。意識と量子論の関連性を確立するため、ストロム教授はデヴィッド・ボームの「内在秩序」理論などを発展させている。この理論は、宇宙は相互につながった一つの全体であり、私たちが知覚する現実は、あらゆるもの、空間、時間、そして意識が内包された、より深い「内在」次元のホログラフィックな投影として機能していると提唱するものである。彼女はまた、ヴェルナー・ハイゼンベルクの「ポテンティア」の概念を引用している。この概念は、波動状態にある量子粒子を物理的な現実ではなく「客観的な可能性」と捉え、私たちが物体を知覚または観察する際に、複数の潜在的な値を持つこれらの波動が、単一の具体的な「実在」状態へと「崩壊」するというものである。彼女はまた、電磁場や重力場といった場が現実の根本的な構成要素であり、物質や質量はエネルギーに対してある意味で二次的なものであり、エネルギーと交換可能であるというアインシュタインの見解も引用している。さらに、意識は唯一無二の分割不可能な全体であり、観察者と被観察者の間の隔たりは人工的あるいは錯覚的なものであるというエルヴィン・シュレーディンガーの視点も挙げている。

デヴィッド・ボーム(Photograph: Wikimedia Commons)

 興味深いことに、これらの現代物理学の先駆者たちの何人かは、哲学や「不朽の知恵」の側面からも多大な影響を受けていた。デヴィッド・ボームとJ・クリシュナムルティは、25年以上にわたり、意識や、思考の性質、宇宙の根本的な実相について、詳細に記録された数多くの深い対話を交わしていた。いくつかの報告によると、アインシュタインはブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン』を机上に置いていたと言われ、ハイゼンベルクにこの本を勧めた可能性すらある。シュレーディンガーは、アドヴァイタ・ヴェーダーンタなどの東洋の非二元哲学の伝統から多大な影響を受けていた。

エルヴィン・シュレーディンガー、1933年(Photograph: unknown author, Wikimedia Commons)

 興味深いことに、『ダ・ヴィンチ・コード』などのベストセラー小説の著者であるダン・ブラウン氏が、2025年に最新作『秘中の秘』を発表したのは、ある種のシンクロニシティ(共時性)である。その物語の主なテーマは、現実の根本的な場としての「普遍的意識」であり、ストロム教授の主張と全く同じである。ブラウン氏がこの小説のために行った調査の多くは、意識が現実の根本であるという同じ基本的な考え方を探求する「ノエティック科学研究所」などの情報源に基づいていた。しかし、ストロム教授こそが、その仕組みを説明するための実際の数学的枠組みを提案し、定式化した最初の人物かもしれない。とはいえ、彼女の考えについては専門家の間で懐疑的な見方がされてきた。

 ストロム教授の論文は、昨年11月の発表以来、インターネット上で大きな関心を集め、科学界でも少なからぬ論争を巻き起こしてきた。今年5月、AIP Advances誌は彼女の論文の撤回を発表し、その数学的枠組みにおける中心的な演算子の一部──例えば、「思考」を表す数学的演算子として用いられたTなど──には測定可能な量が欠けており、したがって、その枠組みを実証的に証明することも反証することもできないと述べた。したがって、この枠組みの今後の改訂版においては、科学界がこれを有効な視点として探求できるよう、数学的な「証明可能性」と実験という厳格な要件に対応する必要がある。

 彼女の数学的枠組みは形式的な科学的障壁に直面したとはいえ、現代の科学的探求を前進させ、科学と、時代を超越した非二元哲学的視点との間に存在する明らかな隔たりを埋めるという点において新たなパラダイムを提示している。その枠組みはまた、意識、生命、物理的現実の関係に対する、一般層と科学界の両方において急速に高まっている関心にも呼応しているようである。彼女はこれまで、自身が提唱したモデルの撤回について具体的なコメントを控えてきたが、この件に関してストロム教授から今後何らかの動きがあるのではないか、と私は推測している。

  1. シドニー・バンクスはスコットランドの溶接工で、1973年に、人生を変えるような霊的体験をした。そこから彼は「マインド、意識、思考の三原則」と呼ばれる一連の洞察を導き出し、それが心理学や自己啓発の分野において、世界的に影響力を持つ運動の基盤となった。

ミッチ・ウィリアムズは、作家、講演者であり、米国イリノイ州カントンを拠点とするシェア・インターナショナルの協働者である。

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けてきた。現在の危機に関連する回答の選集を掲載する。

Q エネルギーは意識の結果ですか。

A いいえ。意識はエネルギーの一つの様相です。すべてがエネルギーであり、私たちが意識と呼ぶものはエネルギーの特定の質であり、魂によって体現されているものであります。見ることができるもの、あるいは見えたかもしれないもの、あるいは見えたと想像するもの、すべてがエネルギーです。

 意識を見ることはできません。しかし、その存在の結果を見ることができます。意識は私たちの魂から来ます。私たちが魂で漲(みなぎ)っていればいるほど、私たちはより意識的です。覚者は私たちに比べると、とてつもないレベルの意識を持っています。なぜなら、彼は完全に魂の融合した存在だからです。

Q なぜ私たちには過去世の記憶がないのですか。

A 私たちは意識の連続性を持ちません。意識の連続性があれば覚えているのです。しかし、私たちは睡眠の状態から覚めたときにすら意識の連続性を持ちません。夢を二つ三つ覚えているかもれませんが、それは浅い眠りの状態での感情情緒体の活動にすぎません。深い眠りのときには全く夢を見ないのです。夢を見はじめるのは、私たちの眠りが浅くなるとき、深い眠りから出ようとしている時なのです。そして、これらの夢なら覚えているかもしれません。深い眠りの中で何が起きているのか、私たちは大ていは覚えていません。同様に、私たちは一つの生涯から死へ、そしてまた次の生涯への経験を覚えてはいないのです。究極的には、私たちは死の状態へ完全に意識的に、自分が誰で何者なのか、なぜそこにおり、何をしているかを知った状態で移行することができるようになり、同様に意識的に戻って来るようになるでしょう。進化の過程で向上していけば、これが起こるのです。進化の過程の終盤では、意識的にその過程を歩んでいる世界のイニシエートたちは、ついには意識の連続性を獲得するでしょう。彼らは進化の大計画を知っているから転生して来るのであり、大計画を実行するために転生してくるのであり、いくらかのカルマの必要はあるにしても、ただそれだけによるものではないのです。

Q アストラルまたはメンタルな投射のテクニックは、意識の連続性を成し遂げる一つの方法ですか。アストラル投射とメンタル投射の違いは何ですか。いずれも危険はありますか。他の人々を助ける手段として使うことができますか?

A アストラル投射それ自体は意識の連続性をもたらしません、その結果であるかもしれません。その場合には、投射は(アストラル界における奉仕を目的として)意識的に行われます。メンタル投射はそれ自体としては本当に存在しません。そのレベルでの意識的な投射は実際には魂の活動であり、それはまず意識の連続性を前提とします。

 このような方法で、アストラル界で非常に多くの助力が提供されています。アストラル投射は覚者か、または経験豊かな高段階のイニシェートの指導なしには、非常に危険があります。