2024年1月号目次

 

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
覚者たちの誓い

編集部より

視点
2024年、 長期的視野に立ったリーダーシップが必要である
メアリー・ロビンソン

イスラエルに対するジェノサイド訴訟
 ダイアナ・ブトゥ氏へのインタビュー

国家主義、 人種主義、 政治
アート・ユリアーンス

時代の徴
空の徴

マイトレーヤと私たちの人間性への行進
ポーリン・ウェルチ

ガザの子供の犠牲者を表す1万足の子供の靴

S.O.P. -われわれの惑星を救え!
COP28での合意と反応
緊急警告が次々と発せされる
ミミズへの賛歌

ハンナ・アーレント 全体主義体制
ドミニク・アブデルヌールによる書評

人間性を保つ
ジェイソン・フランシスによるユヴァル・ラハミーム氏へのインタビュー

編集長への手紙
私の路線に

2024年の表紙の絵
「儀式」

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

覚者たちの誓い

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 戦争の暗雲が次第に増し、平和の陽光が闇に包まれていくにつれ、人類の反応は二重である――好戦主義者たちの意志を無言で受け入れ、追従することと、彼らの計画と企てに対する積極的な活気ある抵抗である。今日、わたしたちには両方の反応が同じ割合で見られる。世界の半分が(底に横たわる原因を認知することなしに)“テロとの戦い”というグラマーにとりつかれ、またテロ行為自体にとりつかれている。後の半分はテロ行為を嘆き、そしてその発祥についての理解の欠如を嘆いている。大規模の変化のみがこの残虐な悪を終わらせる鍵であることを彼らは知っており、世界をあまりにも不公平に分割している不平等を認知し、それに対処することを諸国家の指導者たちに呼びかける。
 この後者のグループは増大して、世界の安全を非常に脅かす者たち、現在、権力の座にいる者たちの計画に対する彼らの抵抗を増さなければならない。彼らはお互いを見つけて、一緒に働かねばならない。平和を求め、正義の顕現を請い願う無言の大衆(サイレント・マジョリティー)のために働き、そして語るのだということを知る必要がある。
 平和は、正義が支配するとき、分かち合いが人間の心(ハート)を開き、人々を信頼することに目覚めさせるときにのみ、訪れるだろう。かくして、人は正義と分かち合いのために働き、声高に語らなければならない。正義と分かち合いのみが人間の苦しみを、テロ行為と戦争を終止させるだろう。あなたたちの兄であるわたしたちは、わたしたちの役割を果たす用意がある。わたしたちは「共通の利益(善)」のためのあらゆる行動を強化するだろう。わたしたちは、自分たちの力を顕す機会を待っている――過去の間違いを正すのを助け、戦争の無益さを人間に示す。わたしたちは、戦争の終止を呼びかける者たち、人事の中に健全さとバランスの回復を求める者たち、すべての者のための正義(公正)と自由の創造を求める者たちすべてを支持することを誓う。
 わたしたちにあなた方を助けさせてほしい。わたしたちの役割を果たすことができるように、助けてほしい。わたしたちは、いつものことながら、「共通の利益」のために行動することを願う、それが人類すべての最善の利益であるとわたしたちは思う。かくして、わたしたちは分かち合いを提唱する、かくしてわたしたちは正義を勧告する、かくしてわたしたちは自由と平和を分かち合いと正義の確立の頂点として見なす。
 この世界の救済のために共に働こうではないか。人類種族の利益のためにお互いの(意見の)相違を放棄しようではないか。健全な行動を勝利させて、人類に平和のための彼らの共通の必要を理解させよう、そして病める世界を復活させようではないか。
 多くの者が未来を恐れながら待つ。人間が道を見失ったのではないか、いまや平和への道を見いだすには遅すぎるのではないかと恐れる。わたしたちの勧告はそうではない。平和への道は簡単に見いだせることをわたしたちは知っている、正義と信頼の創造を必要とするのみである。分かち合いのみがその信頼を生み出すだろうということを、そしてそれが人類にテロ行為と戦争の両方を放棄させるようになることを、わたしたちは知っている。そのようになるだろう。そのようにして、人類はついに恐怖と不信のグラマーから解放されて、実際にそして歓びのうちに未来を創造する用意を整えて、マイトレーヤの「同胞愛と正義」のメッセージに応えるだろう。
(シェア・インターナショナル誌2004年1・2月号)

編集部より

「あなたの兄弟を愛しなさい。彼らの窮乏に心を留めなさい。あなたが豊かに持つものを与えなさい、そして世界に喜びを復興しなさい」
「あなたは兄弟同胞の番兵である」
「兄弟の窮乏をあなたの行動の尺度として・・・」
「人類は一つである」
「皆は一人のために、一人は皆のために」
「私たちが共に力を合わせれば、もっとずっと多くのことができます。これが相乗効果です!」
 新しいものではない。なじみのないものでもない。このページ以外にこの号には掲載されていないが、責任の分かち合いと一体性という概念は、シェア・インターナショナル誌が支持し、直接的または間接的に伝えようとするものすべてを包み込んでいる。こうした声明は、マイトレーヤによってメッセージの中で、ベンジャミン・クレームの師である覚者によって、ジュワル・クール覚者によって、マイトレーヤか覚者の一人のスポークスマンによって伝えられたものである。
 人類がこうした教訓に従って生き、行動すべき時があるとすれば、それは今である。正義と平和が世界の隅々で確立された現実となるようにするには、一致団結して、連帯して行動を起こす必要がある。あらゆる危機、人類の道徳的指針に挑みかかるような難題(ジレンマ)に対処するには、大勢になれば途方もない力を持つ普通の人々が団結し、理性と同情の声を届けなければならない。自由と平等に機会が訪れるような適切な条件を創り出すためには、「私たち」──つまり「民衆の力」──が必要である。未来が私たちのものになるかどうかは、「民衆の力」次第である。そうした集団的な行動の中にこそ、明るい未来を可能にする希望がある。人類と私たちの未来のために、平和構築の基盤となる分かち合いと正義のために、行動するという意識的な選択の中にこそ希望がある。マイトレーヤと覚者方はここにいて、同胞愛に向けたあらゆる努力を鼓舞し、活気づけ、支援しておられることを知ることにこそ希望がある。
 南アフリカは今年5月、1994年に最初の民主的な選挙が実施されてから30周年を迎える。これは、アパルトヘイトとの闘いに加担したかどで投獄されたネルソン・マンデラ氏が釈放されてから4年後のことであった。マンデラ氏は、正義を求めるパレスチナ人の闘いを「現代における最大の道徳的課題」と表現した。南アフリカの人々は、恐ろしい残虐な行為や非人道的な行為に耐えることがどういうことであるかを知っている。「真実和解委員会」のおかげで、南アフリカの人々は被害者意識と復讐の必要性から解放された。ハーグにある国連の国際司法裁判所にイスラエルを提訴したのが南アフリカであることは、他者の苦しみへの同情と共感の勝利である。南アフリカの訴状は、法の支配を高く掲げている。
 次の記事「決断の時」は、ベンジャミン・クレームの師によって書かれ、2002年5月にシェア・インターナショナル誌に掲載された。2001年9月11日のトラウマと、それに対する軍事行動を扱ったものだが、今日との類似性を見いだし、教訓を学ぶことができる。「これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない」

決断の時
 「世界は深刻な危機の状態にあり、それは主に、昨年9月11日のテロ攻撃に対するアメリカの大統領の対応によって生じた。アフガニスタンにおける戦争と最近のイスラエルの残虐行為の急増はつながっており、イラクに対して企てられている攻撃も同様である。それぞれに基本的なのは古い怨恨の清算である。そのような子供じみた行為は、世界の福利を脅かす出来事に対しての恥ずべき無責任な対処方法である。覚者たちはテロリズムに対する宥和政策を提唱しないが、しかしアフガニスタンと中東における対応の仕方はわたしたちの好みではない。それはテロの原因──貧困、フラストレーション、屈辱、絶望感──を全く考慮に入れず、単に暴力と残虐を永続させるだけである。自己憐憫と傷ついた誇りの中で道に迷い、アメリカは智恵と慎重さと均衡感をも失った。
 その間に、イスラエルは自爆行為に悩まされて、『テロに対する戦い』という言い訳を利用して、いつもの如く過剰反応する。アラファト氏に対する恥知らずな迫害と屈辱的な行為に対して、イスラエルの指導者と軍隊が誇るべきものは何もない。イスラエルの国民は、他の誰よりも、抑圧された人々の苦悩を理解すべきである。
 これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない。彼らがその富を『普遍的な善』のために分かち合うとき、テロの終息を見るだろう。そして彼らは夜、もっとぐっすりと眠れるだろう。少数者の利益のために世界を支配しようとする権力の男たちは、不当に得て振り回すその権力に酔っている。
 より賢明な声が、多くの観点から傾聴に値する声が世界に必要とされることは、ますます明らかである。その声、マイトレーヤの声は、復讐と憎悪の叫びを超えて、間もなく聞こえるだろう。間もなく世界は、われわれの直中にある彼の臨在に目覚め、そして大いなる選択が人類に提供されるだろう。かくして、これは人類の大きなテストの時である。かくしてこれは、決断の時、先例のない時である。
 人間がこのことを理解するとき、彼らはマイトレーヤの旗印のもとに集い、正義と自由を求める彼らの要求を知らしめるだろう。彼らは喜んで分かち合い、そして奉仕する意志を示すだろう。そしてそのようにして世界をつくり直すだろう。
 そのようになるだろう。そのようにして、人間は彼らの昔の誓願を新たにし、神への彼らの足跡をたどり直すだろう」(シェア・インターナショナル誌2002年5月号)

 ジュワル・クール覚者は第二次世界大戦の最中、『ハイラーキーの出現(上)』(AABライブラリー刊)の中で、潜在的な可能性や、必要とされる取り組み、未来の形態について、「新しい世界秩序に向けてのステップ」という節で概略を描いている。「新しい世界秩序は、積極的な責任感に基づいて築かれるであろう。『皆は一人のために、一人は皆のために』がルールになるであろう。国家間でこうした態度を培っていかなければならない。それはまだ存在しない」(249~251頁)
 悲劇的なことには、私たちが毎日目撃しているように(もしメディアが真実を伝えており十分に勇敢であるなら)、このような態度は依然として、政治家たちの頭からは程遠いところにある。ベンジャミン・クレームの師が以下の文章で言及している「責任の分かち合い」の感覚はどこにあるだろうか。

重要な機会
 「・・・わたしたちは人間の中に、責任の分かち合いについての新しい意識を確立することを求める。一致協力した行動の味を、彼らの中に目覚めさせることを求める。わたしたちはこの二つが顕現できるような条件をつくるように努め、そのようにして変化に導く。すべてがエネルギーである。エネルギーのみが存在する。人類という中心(センター)におけるこれらの高度のエネルギーの影響を通して、世界に新しい雰囲気を生み出すことを求める。信頼の条件をつくるために、わたしたちを助けてほしい。そして世界に新たな希望をもたらそう。愛と信頼の種を蒔き、それが希望と喜びとして花開くのを見守りなさい。
 兄弟同胞の苦しみを緩和するために、誰でも何かをすることができる。あなたがどこに位置するのかよく判断して、何をすべきかを見つけなさい。すべての犠牲的行為に対して、今あなたの支持を誓い、そこにあなたのできることを貢献しなさい。この時を、与える時となしなさい。あなたの奉仕しようとする意志に十分な表現を与えなさい。奉仕するとき、あなたは光に向かって働き、あなたの目的により正しく整合することを知りなさい。
 あなたの位置をわたしたちと共に置き、人間の夢を実現させなさい。あなたの位置をわたしたちと共に置き、わたしたちの助けと刺激とを確信しなさい。あなたの位置をわたしたちの側に占め、とうてい不可能と思われたような行為をなしなさい。・・・」
(「重要な機会」より、シェア・インターナショナル誌1984年3月号)

 この合併号(日本語版は1月号と2月号に分けて発行)では、記事や報告、インタビュー、書評の中で次のようなアイディアを前面に押し出している。変革を推進する民衆の力、より優れた指導者の必要性、地球規模の問題に対する常識的なアプローチ、偏狭な民族主義や人種差別主義の危険性、全体主義、ファシズムの厄介な拡大、そして、より良い世界へと指導者たちを導くために集団で活動しようとする民衆の決意をまさに分断し弱体化させるために、悪辣で権威主義的な同人集団がどのように権力を維持し利用しているのか、といったアイディアである。シェア・インターナショナル誌は、自然界のために行動を起こす緊急の必要性を常に念頭に置いているが、従来の科学よりも一歩踏み込み、科学に受け入れられようとしている次の大発見を明らかにする。その大発見は、健康に役立ち、新たな癒しの方法と、私たち自身や私たちを取り巻く環境を体験する新しい方法をもたらすものである。
 覚者方に関してはいつもそうであるように、強制は一切ない。私たちは自由に選ぶことができるが、覚者は次のように励まし、導いている。「兄弟同胞の苦しみを緩和するために、誰でも何かをすることができる。あなたがどこに位置するのかをよく判断して、何をすべきかを見つけなさい」
(シェア・インターナショナル誌1984年3月号)

時代の徴

ベンジャミン・クレームの師によって確認されていない「希望の徴」と「時代の徴」をここに掲載する。それらの「奇跡的な」特性を検証することはできないため、判断は読者に委ねたい。

空の徴

 一部の政府は、徐々にではあるが、UFO(未確認飛行物体)や UAP(未確認空中現象)の存在に関するさらなる情報が公の場に「漏洩〈ルビ・ろうえい〉」することを許す準備を進めているのだろうか。おそらく、いくつかの興味深い報告がメディアに届くことを許すことで、一般の人々はさらなる情報公開に備えることになっているのではないだろうか。
 ガーディアン紙の最近の記事は、その可能性は低いと主張しているが、その見出しとそれが提起する疑問は問題の核心を突いている。「たった一つが現実になるだけで、人類は永遠に変わってしまう。もし私たちがUFOについて嘘をつかれていたとしたらどうなるのか」
 シェア・インターナショナル誌の立場は、ベンジャミン・クレームとその覚者から私たちが得た情報によると、UFOは現実に存在するだけでなく、使命を持ってここに存在するというものである。ベンジャミン・クレームによれば、UFOとUFOに乗っている人々は、人類の負担を軽減し、この惑星をさらなる急速な破壊から救うという霊的な使命に携わっている。現在、私たちの中に住んでおられる世界教師マイトレーヤに率いられた私たちの惑星のハイアラキーは、この地球に正気を取り戻すための友愛的な事業において、宇宙の兄弟たちと共に精力的に働いている。

アメリカ――2023年11月28日、メリーランド州リッジの目撃者は、ポトマック川の約0.5マイル(約800メートル)上空に、脈動する光を放つ物体が浮遊しているのを目撃したと報告した。物体は「約5分間、音も立てずに浮遊した後、消えた」と目撃者は語った。
(国立UFO報告センター)
アメリカ――2023年10月4日、テキサス州ミネラルウェルズにある「ウェルカムマウンテン」と呼ばれるランドマークの近くで、空に明るい光が見え、暗くなり、その後再び非常に明るくなったことに数人の目撃者が気づいた。物体のビデオを撮った目撃者の一人は次のように報告した。「飛行物体は何の音も立てずに上空で浮遊し始めました。次に、私が最初に見た大きな物体の周りをいくつかの小さなもの[物体]が散発的に飛び始めました。そのとき、それらは物理的に全く理にかなわない方向に進み始めました。私はその形に気づくことができませんでした。最初の物体は丸い六角形から球へと形状を変えました。回転灯が付いていました。さらに多くの物体が続き、まるで流れ星のように飛んでいきましたが、元の物体に向かって上向きに戻ってきました。それから間もなく、私たちのグループは複数の飛行機を目撃しました。飛行機は、こうした物体があった方向に進もうとしていましたが、追いつくことができませんでした」
(国立UFO報告センター)

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

「私の路線に」
 2023年11月12日(日)の昼頃、フランスのパリにあるフローラル公園でのマルジョレーヌ・エコロジカルフェアの入り口に立って、未解明の現象についての写真展示のチラシを配っていました。一人の年配の男性が私の方へ歩いてくるのが見えました。彼は帽子を被り、白いシャツを覆うほど長く先のとがった白いあごひげを生やしていました。古い金属製の買い物用カートを引っ張っていて、そこに古びた緑色のチェックのバッグを載せていました。私は未解明現象についての写真展示があるという説明をしながら、チラシを彼に渡しました。彼が展示会場はどこか尋ねてきました。私は「ストラスブール・サン・ドニ駅とレピュブリック駅の間で、安物の靴で有名な通りにあります」と答えました。彼は私に「地下鉄の出口に行った方がいいよ。とにかく、展示場は私の利用する地下鉄の路線だから、9番線だね」と言いました。
 話をしていた時、お互いの目を真っ直ぐに見ながら、私はこの人物について不思議に思っていました。その瞬間、まるで私たちの周囲には何も存在していないかのようでした。私は喜びを感じ、その男性への静かな尊敬の念が私を満たし、愛の高まりに圧倒されていました。彼の外見と、彼から発散される純粋な善性との間には食い違いがありました。その後、彼が立ち去る時に「未解明現象と超自然現象、それは良いね。私の路線だよ、9番線だ」と言っていました。すり減った白いスリッパを履いた足を引きずりながら、彼が去っていくのを私は見つめていました。長いグレーのコートの前を開けて着ているハンサムな物乞いのように見える、印象的な存在感の人でした。


イザベル・ゴナンフランス、パリ

読者質問欄

この欄では、インタビューや講演の膨大な記録の中から、ベンジャミン・クレームと彼の師である覚者が40年以上にわたるたゆみない奉仕の一環として提供してきた、幅広い話題に関する質問への回答を紹介する。

Q  戦争行為を終わらせるためにあるいは制限するために、より良い状況を中東に創り出すのに貢献するにはどうすればよいか示唆していただけますか。
A  私の考えでは、まず最初の仕事は中東に存在する多くの問題を扱うための国際会議を組織することです。第一の議案はイスラエル・パレスチナ問題でなければならないと思います。パレスチナ人に故国を与えることが唯一の公正な解決です。そうでなければ持続する平和は不可能です。イスラエルは限りなくずるずると先に延ばすだろうと私は思います。和解を成立させるためにはマイトレーヤの出現を必要とするかもしれません。湾岸戦争でイラクとサダム・フセインの側についたPLOの最近の行為は、それがいかに正しくとも、彼らの大義を促進する助けになりません。PLOの指導層は失敗する機会をつかまないようにするのが不可能なようです! しかしながら、正義は彼らの側にあります。そして今や関連している国々のほとんどが、米国でさえも、ついにその正しさを認めています。
 現在存在するさまざまな独裁的な軍部による専制政治や王侯支配は、民主的な政府と合意による政治に変わらなければなりません。例えば、シリアでは最もひどい軍の独裁主義の圧政が行われており、サダム・フセインと同じように悪い、そして野心的な支配です。彼らが最も大きなライバルであるイラクに対抗する“クラブ”に加わったために、これらのことすべてが見逃されています。クウェートとサウジアラビアの統治者一族の貪欲と独裁的支配は悪名高いです。
 この地域の国民の間に富を再分配することがまず優先されるべき議題でなければなりません。そのような変容が起こるためには長い期間が、おそらく何年もかかるでしょう。しかしひとつだけは直ちに達成することができるはずです。それは複雑な洗練された大量殺戮兵器をこの地域に無責任に供給することをやめることです──私は完全な封鎖を提案します。この“市場のフォース”に基づく冷笑的な貿易は戦争の炎を煽り立てるためだけに働きます。今それはもう誰の目にも明らかであるに違いありません。
(シェア・インターナショナル誌1991年4月号)

Q  見さかいのないいじめっ子(アメリカ)をどうやって止めたらよいでしょうか。
A  国連の他のメンバーがいじめっ子に対抗して立ち上がり、釈明を求めることによってです。可能なあらゆる外交的圧力、とりわけ経済、金融の圧力を利用することです。例えば、アメリカ製品の世界的なボイコット、アメリカへのローン(アメリカ国債の買い入れという形で行われている)の引き上げと大規模なドル備蓄の売り、アメリカとの貿易を他の国々に振り替えることなどによってです。

Q  中東で最も危険な国はどこですか。
A  イスラエルです。

Q  国連の幾つかの側面を再編する必要があるのではないでしょうか。例えば、状況が暴力的に爆発する前に、摩擦と緊張を引き起こしている問題を示し、分析し、解決策を提示する早期警告型の監査制度の永続的な確立のような。より賢明で経験豊かな元国家元首や外交官、経験豊かな交渉者、特定の地域の専門家、司法知識のある人々などが国連でグループをつくり、予防的な問題収束グループを形成できるでしょうか。問題をかき立てる先制攻撃グループではなく。
A  はい。

Q  (あなたが著書の中で述べられたような)私たちの直面する問題解決のための青写真を持ったイニシエートたちはすでに地位を占め、その青写真を展開していると私は希望します。私たちは彼らを今必要としています。
A  世界は彼らを今受け入れる用意があるでしょうか? 私はそうは思いません。

Q  平和のための「ロードマップ」と呼ばれているものについて、あなたのご意見は何ですか。(1)それは実行可能ですか。(2)それは公正なものですか。
A  (1)はい、それに関する限り、実行可能です。しかし、それには双方がかなりの犠牲と妥協を必要とします。とりわけパレスチナ側にとってそうです。(2)いいえ、それがパレスチナの要求と必要を公正に満たしているとは言えず、正しいとか公正と呼ぶことはできないと思います。常に覚えておかねばならないのは、パレスチナの地にイスラエルを建設したことはパレスチナ人の権利の侵害であり、約450万の人々が今もレバノンで難民として暮らしているということです。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q  マイトレーヤと覚者方が民衆の力を推奨していることはシェア・インターナショナル誌から明らかです。しかし、彼らは、最近英国で見られたような心ない暴力や破壊行為を容赦されるのですか。
A  「心ない暴力や破壊行為」は民衆の力の表現ではなく、破壊的力の表現です。ハイアラキーは暴力や破壊を薦めたり容赦したりすることは決してありません。
(シェア・インターナショナル誌2011年10月号)