The end of corruption── a compilation
腐敗というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻、第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。
腐敗行為の終止
──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
2005年4月
ますます諸国家は、昔から続いてきた問題、すなわち腐敗行為を認知し始め、それを深刻に受け止めて対処し始めている。世界のある地域では、腐敗行為は何世紀ものあいだ生活様式になってきた。それはもちろん、多数の人々の犠牲の上に少数の者たちを利してきた。数え切れない長い間、腐り切った指導者や強力な政治家が、臣民や市民に賦課した税金の上に富を増やしてきた。現代では、西洋の大企業が大規模に“勘定をごまかしてきた”ことが発覚している一方、東側においては、すべての取引きが、誰かの手に“賄賂をつかませる”ことを必要とする習慣が当たり前になっている。
腐敗行為は特定の民族や国家に特有であり、ある社会では、大統領や総理大臣から警察やスポーツに至るまで浸透している。最近の選挙が示したように、自由と民主主義を奉じているはずの国々においてさえも、選挙の腐敗は蔓延する。そのような腐敗した政府は失敗し、その国民を裏切り、そうすることで統治する権利を放棄するのである。
そのような腐敗の直中で、信頼を生み出すことは可能だろうか。信頼なしには人間の未来はまさに荒涼たるものである。信頼なしには、より公正な資源の分かち合いはむなしい望みであろう。信頼なしには、われわれの惑星という家を維持するために必要とされる包括的な意思決定は決してできないだろう。神聖で有益な信頼なしには、人間は地球という惑星の管理人としての権利を喪失するだろう。
そのようになるであろう。かくして人間は、即刻、社会のすべての層に、地球上の生活の隅から隅まですべてに染み込んでいる腐敗の腐食的影響に真剣に取り組むべきである。
人間がこれをなすのを助けるために、マイトレーヤは様々な形で現れる腐敗行為の腐食的影響を人間に示そうと骨を折られるだろう。もし人間が本来の特質なる神になるためには、欺瞞とごまかしの古いやり方を放棄しなければならない。深刻な環境問題に取り組むために、人間は信頼のうちに共に働かねばならないことを、彼は説明されるだろう。信頼なしには、できることはほとんどないことをマイトレーヤは強調されるだろう。諸国家の指導者たちは彼ら自身があまりにも腐敗の中につかっているので、彼らは誰も信頼しない。
人間が必要な信頼を生み出すためには選択は一つしかないことをマイトレーヤは示されるだろう。この豊かな地球の産物を世界中により公平に分かち合うことであり、そして豊かさの中で死んでいる何千万の人々の飢餓と貧困を永久に終わらせることである。
指導者たちはマイトレーヤのことばに耳を傾けるだろうか。多くの場合、おそらく最初は否であろう。しかし間もなく至るところにいる民衆が耳を傾け、マイトレーヤの助言の賢明さを知るだろう。彼らはマイトレーヤの賢明なことばに全面的に同意し、彼の大義を支持するだろう。世界の世論は自分たちの声と良き指導者を見いだすだろう。その力に対して、貪欲な独裁者や腐敗した政治家の妨害しようとする声は次第に消えていくだろう。そのようになるだろう、そしてこの世界の浄化と変容が始まるだろう。
政治と経済
世界中で、特に若い人々の間に、変化を求める強い願望が表現されつつある。若い人々は新しい種類の世界を、彼らを、そして彼らの抱負を包含する新しい構造を欲する。これらの抱負は正義と分かち合いへの、そして意味ある仕事と適度に満ち足りた平和な世界で家族を養育する機会を求めるものである。あまりにも長い間、彼らは貧困と無名の中で衰え、彼らの人生の努力の中での発言権を拒否されてきた。
今後は、世界の諸政府はこれまで無言の大衆であった人々のこれらの抱負を真剣に考慮しなければならないだろう。そして、それに応じて、政府の計画を変えなければならないだろう。……
古い仕組みは崩壊しつつあり、いかなる政府もこの過程を止めることはできない。宝瓶宮(アクエリアス)の新しいエネルギーはますます強くなり、古い腐敗した退廃的な秩序をばらばらに壊している。若い人々、および心(ハート)の若い人々が、正義を求める新しい熱望の出現を最初に銘記するだろう。
(『覚者は語る 第2巻』──若い人々の抱負──より)
……私たちは真なる人間になり、分かち合い、そして例外なくすべての人間が可能性を、言葉の最も深遠な意味での霊的可能性を引き出す権利を持てる条件をつくり、物質界、アストラル界、メンタル界、霊的界層において彼らの人生をより良くする準備ができているか。人間が転生してきたまず最初の目的を顕現し、実際に生きることです。私たちがこれを行うのを妨げているのは、主に堕落した政治、経済、社会の構造のせいです。それには心(ハート)の変化が必要です──そしてそれは今起こっていると思います。さもなければ、マイトレーヤはここにおられないでしょう。……
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)
腐敗や混乱は政治家によってつくられたものであり、覚者方は、それらすべてを終わらせて、政治家は国民の下僕であり、主人ではないことを認識させるためにやって来た。
(『いのちの法則』)
国民との接触
政治家は国民に対して法律を制定するだけで何もしないままでいることはできない。より良い統治とは、現実の人間との本当の接触を含まなければならない。国民の必要に注意が払われなければならない。そのときにのみ、彼らは自己尊重という意味で教育され、それが自己認識につながる。個人の価値は保護されなければならない。現在のところ、リーダーと国民との間のコミュニケーションのメカニズムは非常に少ない。しかしながら、現場での接触は必要である。もし政治家が本当の必要に対処するならば、腐敗は減少し、牢獄の人口も減るだろう。
(『いのちの法則』)
マイトレーヤは誰にも分かち合うことを強いることはありませんが、彼は、正義をつくる合理的な経済制度を生み出す唯一の方法として分かち合いの必要性を語るでしょう。現在の経済制度を挫折させているのは、その不正義です。それは終わろうとしています。なぜなら、それを生み出した時代が終わったからです。それは少数の人々にとっては良く、多くの人々にとっては非常に害となる、腐敗し、衰退し、結晶化した形態です。もちろん、それが良いと思われる少数の人々にとっても害になっています。それは世界を毒し、分割し、脅威となっています。そのため、それは消えなければならないのです。
(『多様性の中の和合』)
世界中で今日初めて、個々の人間が、自分たちの国がいかに統治されるか、自分たちの運命がいかに形づけられるかに関して、発言権を得ることを要求しはじめている。古い習慣に疑問が出され、昔ながらの汚職腐敗に対してますます非寛容になっているのがあらゆる側に見られる。
当然ながら、大衆のこの健全な反応は、いかなる国家においても権力の中心には好まれない。それは彼らの特権と威信の独占を脅かすものであるから。しかしながら、過去の不正義を後にして、新しい世界が創り出されており、何者も変化の高潮に長い間抵抗することはできない。
(『覚者は語る 第1巻』──正義の時代──より)
経済についての話を嫌う多くのいわゆる霊的グループがあります。彼らにとって政治とは汚い言葉です。なぜなら、多くの政治家が堕落しているからです。人類は実際、大きな霊的危機を通過しつつありますが、その危機は政治と経済の分野に集中されており、これらの分野でのみ解決することができます。もしそれを解決できなければ、私たちはこの惑星上のすべての生命を破壊するでしょう。世界の資源を分かち合うことは霊的な決断であり、一つの国家に民主主義を創造することは道徳的、霊的な決断です。私たちは道徳を宗教的信仰から分離し、それが本来属するところ──霊性そのもの──に据えることが必要です。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)
司法制度
政治の腐敗やスキャンダルを覆い、真理を隠すメディアの時代は、もう日数が限られている。これからは、メディアはオープンになり、政治や司法制度の腐敗や混乱を写し出していくだろう。司法は憲法から独立することはできない。それは憲法の一部であり、適切にそれに応えていかなければならない。
「もし自分が幸せになりたければ、あなたの隣人が幸せであるようにしなさい。あなたが金持ちで隣人が貧乏ならば、隣人と分かち合いなさい」
(『いのちの法則』)
あらゆる制度が何らかの程度腐敗しているように、今日の法制度は腐敗しており、それは必然的に変化するでしょう。その結果、より大きな均衡が生まれるでしょう。今日、非常な金持ちのために一つの法律があり、それとは別に非常に貧困な人々のためにまた別の法律があります。毎日の新聞やテレビの報道を見ればそれは明らかです。ですから、この仕組みを変えるために何かがなされなければなりません。すべての国に、それをどのような名前で呼ぼうが、カースト制度が組み込まれており、影響力と権力と金を持つ人々と、これらのものを何も持たない人々に対して、法律は不平等に行使されています。マイトレーヤと覚者方の影響力はフェア・プレーと正義の感覚をもたらすでしょう。経済と政治のレベルで正義が行われるようになれば、それは必然的に社会のあらゆる分野に浸透し、法制度もその中に含まれるでしょう。
(『大いなる接近』)
このような自己満足的な思考風潮の中に浸かると、彼らは本質的に真の己から切り離されてしまい、単調な日課、つまり明けても暮れても決まりきった同じことをする生活の中に落ち込んでしまう。人生は動きである。しかし自己満足に陥った人々は、実際、止まった状態にいる。であるから、マインドは新しい体験を求め、それはしばしば腐敗や倒錯のさまざまな形態につながる。それによって社会全体が破壊され得る。
(『いのちの法則』)
長い間、腐敗と誤った統治の泥沼にはまりこんでいた国々が、いま世界中に浸透している新しいエネルギーの浄化の火をくぐり抜けている。その数はますます増えている。この変換と再生の過程を逃れることができるものは何もない。すべての領域にほとばしり入る「いのち」の火に抵抗できるものは何もない。
変化への準備として内的な緊張の集積がなければならない。古いエネルギーと勢力(フォース)が新しいエネルギーに道を譲るにつれて、そのような緊張がこの惑星全体に生じている。最近の出来事は、民衆の真の必要が過去の圧政者や腐敗に対して優勢を得ていく世界的な過程への序曲にすぎない。爆弾車や恐怖は支配しないだろう。人々は自由と正義の香りをかいだ。彼らの意志を挫くことは誰にもできない。
(『覚者は語る 第1巻』──新しいいのち──より)
宗教
この地上における悪の勢力の最大の勝利は、世界中の教会や宗教団体が霊性の概念を独占するのをわれわれが許してきたことである、とジュワル・クール覚者は書いております──つまり、宗教なるものは何であれ、霊的、精神的であり、その他はすべて霊性とは関係なく、いくら腐敗していてもかまわない。ですから、腐敗した政治や経済機構が、腐敗した社会機構、そして腐敗した宗教制度が存在するのです。寺院や教会は、他に比べればそうでもないかもしれませんが、しかし腐敗しています。私たちは霊性についての概念を拡大しなければなりません。そして霊的基礎にたつ政治、経済機構をつくらなければなりません。つまりそれは分かち合いと公正です。これらが霊的な様相です。マイトレーヤは言われます。「分かち合いは聖なることである。……あなたが分かち合うとき、あなたは兄弟の裡に神を認知する」
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)
新しい文明
新しい文明は過去の土台の上に築かれるのだが、当然のことながら、古きものの多くが現状のままでは腐敗して役に立たず、一掃されなければならない。見る目を持つ者にとっては、新しい徴候はすでに明らかである。今日どこへ目を向けても、新しい風景が姿を現しており、新しいアイディアが心を引き付け、新しい機構が仮の形を取りはじめている。流動する世界は変容しており、変化に伴う成長の苦しみをすべての者が感じている。
(『覚者は語る 第1巻』──優先順位の立て直し──より)
今日、世界中どこを見回しても、変化が起こっている。上部から下部まで、古き腐った秩序の綾はほころびている。これを見て大いに満足している。
(『いのちの水を運ぶ者』第130信より)