2020年4月号目次

覚者より
未来は招く
ベンジャミン・クレーム筆記

マイトレーヤからのメッセージ 第13信

今月号の内容概説

視点
社会的な距離を置く? 平和と社会正義のためには、距離を置くの ではなく、一つになることが必要である
ケビン・マーティン

非暴力の効率性——概要
人口の3.5 % が急進的な政治変革をもたらす
ドミニク・アブデルヌール

暴力を超越する

「通常」の死
グラハム・ピーブルズ

暴力を超越する

世界情勢
ホームレスの人々がペットを飼うのを助ける「路上の獣医」

ニュージーランドの水危機を解決する
グンダ・テンテとスティーブン・ロビンソンによるマイク・ジョイ博士へのインタビュー

時代の数
ユダヤ教最高指導者が救世主はここにいると語る

気候問題という試練:人類の倫理基準の足並みをそろえる
ワンジャ・アムリン

アレクサンドラ・ダヴィッド=ネール―――行動する意志 (第1部)
アレクサンドル・ギベール

習慣を変える―有り余る生活ではなく、充足ある生活へ
アレンカ・ズパンによるメトカ・マグダレーナ・ショーリ氏とデニス・ベレ氏へのインタビュー

編集長への手紙
まだここに 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

未来は招く

 シェア・インターナショナル誌には創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者が毎月記事を提供してくださった。それは、書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われるときにはいつでも掲載してよいようにである。覚者によって書かれた記事は常に時間を超越して関連性を保っている。
 この記事は1983年に書かれたものであるが、この惑星上のすべてのいのちの相互依存性と、集合体としてまた個人として人類がマイトレーヤと覚者方の助けの下で正しい未来を築くことができ、またそうするであろう特別の役割を示唆しているので、ここに掲載した。

未来は招く

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 わたしは折にふれて、分かち合いの精神を培う必要性について語ってきた──それによって世界資源のより平等な分配が可能となる。これは緊張の減少と計り知れない人間の苦難の減少につながるのである。それはまた、先進国の経済と生活に活力をもたらす。惑星の生命の血液は循環しなければならない。貧困な国々もまた、生きる権利と適度な生活水準を楽しむ権利を持つことを認識することによってのみ、富める国々の沈滞した経済は活気づくのである。分かち合いのみがこれをなす。
 世界はひとつであること、人類は有機体であり、その福利はそれぞれの部分すべての健康にかかっていること、危機と病の兆しを無視することはもはや可能でもなく賢明なことでもないこと、これらのことを人間に示す証拠は日ごとに増えている。現在、多くの者がこれに気づき、正義を呼びかけているが、目覚めた人類の叫びのみが、大国を現在の貪欲な姿勢から転じさせるに足るものであろう。
 人間は分かち合うか、あるいは死滅しなければならないことを、間もなく世界は確実に知るだろう。この真理をすべての人間にわからせるために、マイトレーヤは一刻も浪費されないだろう。世界はすべての者に、金持ちと貧乏人、力ある者と奪われた者、白人と有色人種、すべてに属することを、マイトレーヤは示されるだろう。今日、人類が直面する問題を解決するために一致協力した行動が必要なことを明確にし、その解決への道を指し示されるだろう。すべての人間に変化の必要を受け入れることを呼びかけ、至るところにいる人間の正義への願いを活気づけ、彼らの意志を集中させるだろう。このようにして、マイトレーヤは、より良い形態の確立を求めるすべての者を団結させ、それを通して人間の神性が表されるだろう。そしてその民衆の中から、これまで地上で聞かれたことのないような叫びが湧き上がるだろう──正義と真理、自由と平和を求める叫びである。
 そうすると、指導者たちは応えるだろう、そしてこの世界は勢いを増して変容していくだろう。そのようになるだろう。そのようにして、マイトレーヤは分かち合いと愛に基づく新しい文明の基礎を築くだろう。
 あなた方の生活に入りつつあるこの新しいリズムを感じることができないか。人間を行動へと活気づける新しい衝動を、誰が無視できようか。すべてがつくり直されるだろう。そして間もなく暗闇は照らし出す光に道を譲るだろう。
 時の要求に応えることのできる者はすべて働く場を見いだすだろう。これを「奉仕の法則」が保証する。奉仕することを願う者は誰も仕事や目的を欠くことを恐れる必要はない。経験豊かな手による指導が喜んで提供されることを信じなさい。わたしたちは、あなた方がこの世界を復興させるのを助け、あなた方の傍らで兄弟として働き、過去の残骸を取り除く。
 間もなく世界は、大きな変化が起こっていることに気づき、新しい時代が始まったことを知るだろう。誰も未来を恐れる必要はない。それは人間に神聖なる遺産を約束し、神の意志をすべての地に確立することを約束している。
 奉仕しなさい。そしてあなた方自身と人類同胞のために、あの未来を実現しなさい。
 奉仕しなさい。そして神の意志と調和して働くことを知りなさい。
 喜んでそして賢明に奉仕しなさい、そして自由と歓びの中に飛び込みなさい。

マイトレーヤからのメッセージ 第13信

1978年1月19日発

親愛なる友よ、このようにして再びあなたがたと共に居ることをうれしく思う。

わたしの使命は計画通りに進んでいる。
すべてが順調にいけば、あなたがたはもうすぐわたしの声を聞くであろう。
それまでの間、次のことを言っておく――
人類は道に迷い、神が用意なされた道から遠く離れてしまった。
このことを悟り、祈り求め、そして光に向かって働く者が、今日世界に多く存在する。
しかし盲目で災難に向かって突っ走る者は、さらに多い。
わたしの計画は、この無鉄砲な突入を止め、情勢を一変させることである。

わたしの存在が、すでに人の思考に、人の心に、変化を起こさせており、
人々はこれを不思議に思っている。
わたしの努力は、表面には見えないが、すでに効果をあげている。
人間は再び、真理に、神である法に、心を向け始めている。

わたしに「新しい時代」への道を示させてください。
もし望むならば、あなたがたのものとなすことの出来る栄光の輪郭を示してあげよう。
人間は神と人とに奉仕するために創られており、
正しい奉仕を通してのみ、神への道を歩むことが出来るのである。
再教育、再建設、そして変革の仕事を、あなたがた自身の任務としなさい。

人間一人ひとりが燈台であり、その灯を同胞のために遠くまで照らすのである。
あなたのランプの灯を明るくともし、輝かせ、道を示しなさい。
一人ひとり、すべてが必要である。
この世界を救済し、復旧するためのこの偉大な計画に参加するのに、
小さすぎる者も、若すぎる者もいない。
これをなす決意をしなさい、そしてわたしの援助があることを確信しなさい。

如何にして始めるか、
あなた自身を、あなたのすべてを、世のために、
あらゆるところにいるあなたの兄弟姉妹たちのために、捧げることから始めなさい。
1日たりとも真の奉仕の行為をなさずに過ごすことのないようにしなさい。
そしてわたしの援助があなたに与えられることを確信しなさい。
奉仕の道こそ、真なる人としての唯一の道である、
なぜなら、この道は神につながる道であるから。

わたしの民は、わたしの周りに集い、わたしの呼びかけに応え、
彼らが想像し得ないほどの成果をあげている。
一緒に新しいより良い世界を創ろうではないか。
わたしの呼びかけがあるときに、あなたがたの心は開いて、用意ができているように。

わたしの祝福をあなたがたすべてに授ける。

唯一にして最も聖なる神の光と愛と力とが、
あなたがたの心(ハートとマインド)の裡に在るように。
この光と愛と力とが、あなたがた自身であるところのもの、
神の真なる子供達となるようにあなたがたを導くように。

今月号の内容概説

 世界は二度と同じままでいることはない、ということを私たちは今や知っている。シェア・インターナショナル誌の読者はいつも、私たちが途方もない時代に生きていることを知っていたが、今はかつてないほど明白である。
 メディアが連日、全世界的な危機について報道しているので、ベンジャミン・クレームの師によるこの記事「未来は招く」が、なぜ4月号用に選ばれたのかは明らかであろう。「世界はひとつであること、人類は有機体であり、その福利はそれぞれの部分すべての健康にかかっていること、危機と病の兆しを無視することはもはや可能でもなく賢明なことでもないこと、これらのことを人間に示す証拠は日ごとに増えている。現在、多くの者がこれに気づき、正義を呼びかけているが、目覚めた人類の叫びのみが、大国を現在の貪欲な姿勢から転じさせるに足るであろう。……この真理をすべての人間にわからせるために、マイトレーヤは一刻も浪費されないだろう」
 こうした考えは、救世主(メシア)はここにおりご自身を明らかにしようとしていると語る超正統派ユダヤ教宗教指導者(ラビ)たちの発表と助言に反映されている(「ユダヤ教宗教指導者が救世主はここにいると語る」を参照)。彼らは人々に対して、祈るように、自分の宗教的行事に従うように、メシアの存在の徴に備え、気をつけるように促している。彼らの助言は、優先事項や価値観を吟味し、自分の立ち位置を知るようにという、すべての人への呼びかけである。
 今月号の本誌は実質的に、同じようなことを「時代の徴」の欄で表明している。一方、「気候問題という試練:人類の倫理基準の足並みをそろえる」のような記事や、真我を探して生きた生涯を明らかにしている魅力的な伝記は、課題と解決策を提示している。抜本的な変化を引き起こすには、平和的な抗議活動に取り組むたった3.5%の人口しか必要とされないことを知ることもまた、励みになるものであり、現在、国際社会の切迫した状況の中から根本的な変化をつくり上げる可能性を現実のものにする。
 新型コロナウイルスに対する世界の反応は、大抵の人々もしくは多くの人々が待望している新たな始まりになる可能性がある。私たちは「自分を隔離させる」ように促され、概して他の人々との接触を避けているが、今回のことは、ひとつであることを実感する共通の体験を受け入れる引き金となるかもしれない。それは簡素さや充足、分かち合い、普遍的な社会正義を受け入れるよう私たちを突き動かしていく可能性がある。
 「あなた方の生活に入りつつあるこの新しいリズムを感じることができないか。人間を行動へと活気づける新しい衝動を、誰が無視できようか。すべてがつくり直されるだろう。そして間もなく暗闇は照らし出す光に道を譲るだろう。……奉仕することを願う者は誰も仕事や目的を欠くことを恐れる必要はない。経験豊かな手による指導が喜んで提供されることを信じなさい。わたしたちは、あなた方がこの世界を復興させるのを助け、あなた方の傍らで兄弟として働き、過去の残骸を取り除く」(「未来は招く」)
 そして、マイトレーヤはメッセージ第13信で次のように言っておられる。「再教育、再建設、そして変革の仕事を、あなたがた自身の任務としなさい。人間一人ひとりが燈台であり、その灯を同胞のために遠くまで照らすのである。あなたのランプの灯を明るくともし、輝かし、道を示しなさい。一人ひとり、すべてが必要である。この世界を救済し、復旧するためのこの偉大な計画に参加するのに、小さすぎる者も、若すぎる者もいない」

ニュージーランドの水危機を解決する

グンダ・テンテとスティーブン・ロビンソンによる
マイク・ジョイ博士へのインタビュー

Mo tatou, a mo ka uri a muri ake nei
私たちと後に続く子供たちのために
(マオリ族のことわざ)

マイク・ジョイ博士は、ニュージーランドの尊敬されている水資源生態学者、環境科学者、教育者、活動家である。彼は、水資源の品質低下と生態系について、国内で積極的に発言している。ジョイ博士は、ヴィクトリア大学ウェリントンの統治および政策研究所で上級研究員を務めている。グンダ・テンテとスティーブン・ロビンソンが、本誌のために彼にインタビューを行った。

概要

 ニュージーランドは、数十年にわたり進展してきた水資源の危機に直面している。農業、園芸、森林管理、都市開発、他の人間の活動における土地と水の使用方法の変化の結果として、そして断固たる規制と執行の欠如のため、この国の水資源は憂慮すべき水準にまで悪化した。
 多くの河川が水泳には安全ではなく、74%の淡水魚が絶滅の危機に瀕しており、90%の湿地が農業や開発が原因で枯渇した。ニュージーランドの乳牛数は、過去20年の間に全国で69%(6,500万頭に)増加し、ある地域では最大で500%にまで増加した。気候変動や干ばつの増加により、河川の流量が減少し、汚染が激しくなり、状況は悪化している。
 近年の科学調査のデータ、証拠、報告書にも関わらず、最近ようやく、行動への呼びかけが必要な変化につながるだろうと考えられている。ニュージーランド政府は現在、水資源の現行の管理方法を改善する手段を検討している。2019年9月、政府はデイビッド・パーカー環境大臣とダミアン・オコナー農業大臣が発表した行動計画、「健康な河川のための行動(Action for healthy waterways)」に着手した。この行動計画は「我が国の河川や湖の悪化を止め、5年以内に目に見える改善を達成し、一世代以内に我が国の河川を修復することを目指している」。ジョイ博士は、この計画に関して政府と密接に協力している淡水科学技術諮問グループに任命されたメンバーである。

シェア・インターナショナル(以下SI):あなたはどうして生態学者や環境学者になろうとされたのかを、お話しいただけますか。
マイク・ジョイ: 私は、33歳のときに大学に入学しました。以前は、タクシー運転手、トラック運転手、酪農家をしていました。私は太平洋を渡り、オーストラリアの大牧場で仕事をしました。水資源や環境科学や生態学の勉強を始めたとき(本当に印象的な講座が幾つかありました)、状況がいかに悪いかということを、地球に何が起こっているのかを理解し始めました。水資源に関して修士論文の準備と大学院の研究をしていたとき、その数年で状況は急速に後退しました。このような(灌漑と化学肥料の増加による単位面積当たりの放牧動物数の上昇などの)農業の大幅な大規模化と、都市化の進展による河川への大きな影響が分りました。私が環境保護主義者となったのは、怒りが主な理由でした。

SI:あなたのお考えでは、ニュージーランドの水資源危機の解決に必要な最も重大な変化は何でしょうか。
ジョイ: 私たちは、農業の規模を抑える必要があります。私たちは工業化された農業に完全に入り込んでしまい、それは環境、特に水資源にとって有害です。私たちが及ぼした危害を覆すために、牧場の動物数を大幅に減らし、小規模農場では森林管理と農業を混合するように多様化することで、大きく前進することができます。それは農業システムを完全に変えることであり、持続型で再生的な農業※の線に沿ったものにし、その結果、すべての産業的な化石燃料と化石燃料ベースの化学合成肥料を私たちの食物システムから追い出すのです。これを素早く行う必要があります。

SI:主な汚染源は何でしょうか。
ジョイ:本当に大きな汚染源は栄養素(大部分が硝酸塩)と堆積物であり、間違った場所での悪い土地管理、農業、森林管理によるものです。土地の土壌を維持することは非常に大切であり、土壌を管理し、土壌の健康を取り戻すこと、土壌の踏みしめを止めるために動物の侵入を防ぐことなどです。元々、ほとんどの窒素は人工的な肥料が由来です。現在、私たちは基本的に化石燃料から牛乳をつくっているのです。

SI:有害物質について、さらに説明していただけますか。
ジョイ: 私たちは牧草を育てるために牧場に窒素をまき、牛は牧草を食べ、ほとんどの窒素は尿で外に出ます。(南島の)カンタベリー地方は良い例です。軽い浸透性の土壌によって、大部分が窒素である尿は地下水に入ります。地下水は河川とつながっているため、窒素と尿は地下水に入ります。カンタベリー地方のほとんどの人が地下水を飲みます。硝酸塩の水準は、カンタベリー地方の農村部に住む、ほとんどではないとしても多くの人の大腸癌リスクが高まる水準にまで、今では上昇しています。研究により、硝酸塩と癌は連動していることが証明されています。ニュージーランドは世界で大腸癌の発生率が最も高く、ニュージーランドで発生率が最も高いのはカンタベリー地方です。
 もう一つの問題は、抗生物質耐性菌に関係しています。なぜなら、今では本当に多くの抗生物質が畜産農業で使われているからです。集約農業地域に近い河川の多くで、抗生物質に耐性を持つ菌株が発見されています。そのような菌株は人間の健康に対して副作用を持っています。
 生態系の健康を考慮すると、こうした硝酸塩は、それらが草や牧草を育てるのと同様に、流れや湖や河口や海洋で藻類を育てます。その影響は藻類が成長し過ぎることであり、それは酸素濃度の変動のきっかけとなります。それは、窒素による有毒な致死的な影響ではなく、生物が呼吸する酸素がないために二次的な致死的影響につながる可能性があります。堆積物による生息地への直接の影響など、環境への影響が始まるのはその時点からです。菌類は、ほとんどの生命が生息するすべての石や岩を埋めているのです。このような石や岩の割れ目の空間は大切な生息地なので、もし細粒堆積物がそのような空間を埋めると生息地が失われます。ですから、人間の健康と生態系の健康の両方の問題があるのです。どちらか一方ではありません。

政府と企業に変化を起こさせる

SI:環境変化について責任ある行動をするように、政府や企業をどのようにしたら動かすことができるのでしょうか。
ジョイ: 政府は単に票を集める可能性を最大化するだけであり、企業は、私たちが止めるまで利益を最大化するでしょう。現在の例ですが、政府がよく引用する統計は、ニュージーランド人の80%が水資源を最大の環境問題だと考えているというもので、政府は水資源の保護の大幅な変更を提案しています。そのようにして政府は変化を起こしますが、そのようにしてのみ、私たちは政府に変化を起こさせることができます。
 企業についても同様です。現在のところ、環境を破壊する企業に助成金が出されています。例えば酪農業では、観光シンボルであるタウポ湖とロトルア湖の二つの湖で、これらの湖を保護するために、湖の近くの農場を耕作しないように農場主に農場一カ所当たり何百万ドルも支払われています。しかし、彼らは環境に及ぼす損害に対して支払いを受けているのではありません。それは、現在と未来の世代に託されています。今では私たちは水を汚染してしまい、何百何千もの人々のために別の水の供給源を探さなければなりません。

SI:地元自治体、地方自治体、政府などが方向を変えるように説得する上で、あなたはどのような活動に関わりましたか。
ジョイ:第一に、すべてのことをできる限り公にすることです。新聞やソーシャル・メディアに科学的な記事や意見を出したり、一般の人を動かすために可能なあらゆる手段を取ります。私はまた、水の品質と河川の汚染に対する同意申請に関する多くの計画変更の鑑定人も務めていました。私は現在、このような変更提案に関わる環境省の作業グループにおり、変更の実現方法に関して、委員会と中央政府のために100近くの技術レポートを作成しました。

SI:政府の環境政策を改善させることに関して、何か達成の事例はありましたか。
ジョイ:私たちは達成を望んでいます。それは、ニュージーランドのデイビッド・パーカー環境相による、この国の水資源を浄化するために彼が何か行うという約束に関してです。彼は、私がメンバーであったこれらすべての作業グループを設置しました。今では私たちは彼にアドバイスを与え、承認の課程を経て、2020年の初めに彼が新しい政策(淡水管理のための国家政策綱領)を打ち出すことを期待しています。

SI:人々の力はどのような役割を持ち、このような環境政策の改善を達成する上で、どのような役割を演じているのでしょうか。
ジョイ:人々の力は、すべてが、浄水活動家のマーニー・プリケット氏のような人々からの支援活動であり、水資源問題を強調するChoose Clean Water(学生主導の強力な水源政策のための運動)やForest & Birdのような非政府組織です。人々は投票によって、水資源への関心を明確に表明しました。私は何百回も講演を行い、パネル・イベント、テレビやラジオの番組、ポッドキャストを主催し、一般からの理解を深め、政府への一般の圧力を高めようとしました。

SI:地球規模の気候変動の大局的な視点で見ますと、最近の報告書には「第二次世界大戦の緊急動員のスケールでの地球規模の反応が必要である」と書かれています。この点について、あなたはどのような意見をお持ちですか。
ジョイ:真剣に改善するためには、私たちが引き起こした破壊的な出来事を終わらせたときと規模や決意が似ており、問題の修復に集中する必要があることに、私は同意します。現在の経済制度では、国内総生産(GDP)のあらゆる金銭が化石燃料のエネルギーと連結しており、そしてもちろん、排出量、化石燃料の消費量とGDPは互いに絡み合っています。それは単に、生き残る希望を持つためには、私たちにとって変化がいかに徹底的である必要があるかを示しているにすぎないのです。1992年に発表された「人類への警告」という文書には、最低でも3万人の科学者が署名しました。気候変動は、成長の制限の単なる一つの兆候にすぎません。若い人々が現在行動を起こしているのは嬉しいことですが、私たちすべて、地球上のすべての人が変わる必要があります。母なる地球は、私たちに知らせてくれています。必要なことは、現在の制度の完全な逆転です。

※「再生的手法は、本質的に改良された有機的で持続型農業の生産手法であり、殺虫剤、GMO種、工場式農場の技法を排除するものである。再生的手法は、土壌の健康や保水と降雨の保持を改善すること、そして輪作、混農林業、計画された輪換放牧を使用することに焦点を当てており、大気から余分な炭素を隔離することを意図している」
「再生的な食品および農業はアメリカ大陸での地方の貧困と強制移住をいかに逆転させられるのか(How regenerative food and farming can reverse rural poverty and forced migration in the Americas)」
ロニー・クミンズ、本誌2017年12月号より

編集長への手紙

 本号に掲載された手紙は、最近起きた出会いについて述べられており、したがってベンジャミン・クレームの師によって確認されていない。手紙の書き手たち自身の直観的反応に加えて、そのような体験を熟知していることから生まれる確信が、こうした出会いは個人的に、また一般的にも重要で意義があると判断できる自信を与えるのである。
 個人に関連していると特定されるような手紙もあれば、すべての人々に希望や鼓舞をもたらすことでそれ自体が語るものもある。これらの手紙は読者の考慮のために提供されている。

まだここに

編集長殿
 この出来事は2020年2月27日の朝早く、毎土曜日に伝導瞑想をしている私の家の一室で起こりました。毎朝夜明けの陽が差す前に一人で瞑想をするのが好きなのは、陽が昇るのを待ちながら、鳥たちが新たな1日を告げるさえずりのシンフォニーと、共に瞑想する大変に静かな時間だからです。
 陽の光が見えるので、グループで瞑想をする同じ場所で、普通は朝の瞑想をしますが、太陽が目の前の大きな木々の枝の間まで昇ってくると、私は素晴らしい平安を感じ、人々はまだ眠っていて、物音もしないのです。
 その木曜日に、私は少し気持ちが落ち込んでいて、自分の内面に援助を探さなければならないと感じたので、いつもよりもっと深く瞑想していました。スミレの香りがし始めましたが、エーテルの香りがするのは私には普通のことなので、必要以上の注意を払わず、瞑想を続けていました。
 突然、最初の太陽光が目に入り、部屋の中の私から3mの所に差し込んだ時、驚くような荘厳な金色の光の中に、善良そうに微笑むベンジャミン・クレーム氏の顔が浮かんで見えたのです。ここではっきりさせておきたいことは、それは「ビジョン」ではなく、肉体レベルでの三次元の「聖なる出現」だったのです。彼の顔は善良さに満ちていて、博愛というものが溢れていました。それと同時に「私はいなくなっていない、ここにいる」という声が心の中に聞こえ、同時にエネルギーで満たされましたが、それはクレーム氏が存命中で、私たち皆が集中していた(オランダでの)ヨーロッパ研修会の、瞑想の時に感じたエネルギーと同様のものでした。その間スミレの香りが部屋に充満していました。私はそうした柔らかで力強く心地よいエネルギーを体験していたので、動くことができませんでした。目に涙が浮かんできましたが、泣いてはいませんでした。それがどのくらい続いたのかわかりませんが、クレーム氏が消えて、私には深い感動と多くの疑問が残りました。
 翌日、再びスミレの香りがしましたが、おそらくその朝不快な医学治療に直面しなければならないストレスを感じていたためでしょう。今ではこうした瞑想の間、私が自分自身に生涯問い続けてきた数々の質問への明快な答えを受け取っています。
 私は心から慎ましやかな気持ちで、ベンジャミン・クレーム氏に対して聖なる出現によって私を祝福してくださったことに、大いなる感謝を捧げ、私がそれを受けるに値するとは思われないことから、大変驚いているのです。
匿名希望
フランス

迷いと発見

編集長殿
 2016年2月に、突然兄が亡くなり、葬儀で私たちは皆、非常な悲しみとショック状態でした。バンドの仲間のミュージシャンたちが墓地で演奏を行う、熱烈なお葬式を終えて、来客に昼食も出し終えた午後に、私は電車に乗る息子を車で駅まで送りました。そこまで1時間かかったと思いますが、私はすっかり疲れ果てていました。
 帰りの運転中には目を覚ましていられないほどで、突然道に迷ってしまいました。完全に迷子になってしまったので、ガソリンスタンドにいた人に主要道路について尋ねました。暗くなっていて、私は主要道路から遥か彼方の田舎の方へ来てしまい、明かりもなければ、人もおらず、何もありませんでした!
 さらに1時間間違った方角へと運転していくと、完全に疲労困憊して途方に暮れていました。携帯電話に電波が入らず、森や穀物畑が続くだけで、道路脇に車を止めると涙がこぼれました。
 すべてのことが酷すぎたので、私は心の内に覚者方に向かって「もう本当に助けてください!」と言いました。
 夜空を見上げました。星の一つがだんだんと大きくなり、突然消えました。それは私の想像にすぎないと思いました、私の疲れてかわいそうな脳の。再び輝く星が現れ、それが3回続きました。私はびっくりして、星の出現に感謝しながら、戻る道を見つける手助けも得られるかどうか尋ねました。
 ちょうどその時、1台の車が私のすぐ横に止まりました。女性が窓を開けると、「あなたをガソリンスタンドで見かけて(20分ほど前)、あまりにも疲れて打ちひしがれて見えたので、あなたを追いかけてきたのです!」と言いました。ああ何てこと! それから彼女は私にゆっくりと主要道路までついてくるように言って、10分間の運転の後、彼女がお別れの手を振ってくれて、私は幸せな感謝の気持ち一杯で両親の家に戻りました。
ドゥーニャ・ミュラー
ドイツ、レーゲンスブルク

生きる喜び!

編集長殿
 2004年9月に、オランダのケルクラードでのヨーロッパ研修会に向かう途中の、どんよりとした雨の朝、デュッセルドルフの中央鉄道駅で列車を待っていた時、突然二人の若いアフリカ人の女性が階段を上ってきて、その姿でどんよりとした雰囲気を一掃してしまいました。二人共が大変美しく、(外見には)アジア風なところがあり、姉妹のように見えました。年上の方はもの静かで控えめな女性で、長い黒いコートにエレガントなブーツ姿でした。若い方の人は、本当に息をのむほどの美しさで、おそらく18歳くらいで喜びとエネルギーに溢れていました。彼女は短いミニスカートとタイトなデニムジャケットを着ていましたが、彼女は全くスリムではなく、むしろ身の詰まった身体だったので、着こなすには自信の必要な服装でした。けれども彼女にはすべてがぴったりと似合っていました。彼女は子供のように笑いながら前後に動いて踊ったり、(笑みを浮かべる)姉の前で、飛んだり跳ねたりしていました。それにもかかわらず、彼女の振る舞いに厚かましいところは全くなく、陽気で楽しいもので、それより前にはほぼ無関心そうにしていた他の人々が、微笑み始めたことに私は気づきました。
【ベンジャミン・クレームの師は、その『姉』がマイトレーヤで、『妹』がイエス覚者であったことを確認した】

H.ディールクス
ドイツ

読者質問欄

「世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです」

Q イエスは、彼を神として信じることが唯一の救いであると言っているのに、どうしてすべての教えは新しい時代のメシアへと導くのですか。(1997年11月18日、米国アトランタ州のベンジャミン・クレーム講演)
A イエスが実際そう言ったのかどうか、私には分かりません。ヨハネ福音書14章6節で彼はこう言っています。「わたしは道であり、真理であり、いのちである。わたしを通らなければ、誰も父のもとに行くことはできない」
 マイトレーヤはキリスト原理の体現者です。現在はイエス覚者である弟子イエスをオーバーシャドウすることによって、そのキリスト原理がイエスを通して顕現されたのです。ですから、イエスがそう言ったとき、イエスを通してそれを言っていたのはマイトレーヤでした。
 キリスト原理と呼ばれるものは愛のエネルギーであり、それは意識のエネルギーそのもので、右胸にある中心である(ハート)チャクラの中で目覚めます。聖書では、「賢者の心臓は右側にあり、愚者の心臓は左側にある」と書かれています。
 右胸には霊的なハート・センターがあり、人体における魂の座です。それは濃密な肉体ではありません。エーテル肉体であり、精妙な肉体です。濃密な肉体はエーテル体が凝縮したものです。エーテル体は、それが濃密な肉体として顕現する前に母胎に入ります。
 キリスト原理と呼ばれるものが意識の小さな種子、右胸のチャクラの小さな炎として目覚めるとき、あなたは賢者になります。キリスト原理が内部に宿ることを知り、キリスト原理に出合うたびにそれに反応します。そのエネルギーが目覚めると、より大きな度合いで、より大きな目的と、そのエネルギーに反応します。
 「わたしは道であり、真理であり、いのちである。わたしを通らなければ、誰も父のもとに行くことはできない」。つまり、右胸のハートにおけるキリスト原理が顕現されることなしには。キリスト原理がそこで目覚めると、どんな人生を歩んでいようが、あなたはその霊的生命に方向づけられます。
 それは宗教的になるということでしょうか? 宗教の道は神に至る多くの道の中の一つにすぎません。それらはすべて最後には一つのものに導かれます──唯一なる神です。ひとつの神性、ひとつの神があるだけです。あなたはそれであり、私たちはそれであり、実際のところ、神以外のものは存在しません。それは存在するすべてです。
 私たちはこの肉体が実在のものだと考えています。そうではありません。それは相対的な実在にすぎません。それはあの神性の器ですが、私たちは皆その神性を分かち合っています。唯一の神性があるだけです。だからマイトレーヤはこう言われるのです。「わたしを崇拝してはならない。もしあなたがわたしを崇拝するなら、あなたは自分自身を低めていることになる。わたしはそれを欲しない。わたしはあなたに対等であってほしい。あなたは至高の存在の閃光である。あなたがわたしよりも低いと考えてはならない」
 一つのレベルがあるだけです。それが神性であり、私たちと覚者方との唯一の違いは、彼らはその神性を顕示することができるということです。私たちが進化の過程を辿るにつれて、その神性は肉体を通してそれ自身を表現できるようになります。ですから、すべての生命は進化しており──後退することもありますが──常に前進しているのです。すべての転生があの神性をますます顕示する能力を与え、遂にはマイトレーヤが真我実現と呼ばれる状態になります。
 彼はこう言われます。「わたしは新しい宗教をつくるために来たのではなく」、あらゆる伝統の枠組みの中で進化し続けることができるよう援助するためであると。あなたがキリスト教徒なら、最良のキリスト教徒でありなさい。あなたがヒンズー教徒なら、最高のヒンズー教徒でありなさい。「わたしは人類に真我実現の術を教えるために来た」。そのために私たちはここにいるのです──真我(神)実現を達成するためです。彼は「真我のみが重要である」と言われます。
 「わたしを通らなければ、誰も父のもとに行くことはできない」。キリスト原理が人間のハートの中に目覚めない限り、誰も自分の神性を実現することはできず、真我実現や神実現──それが父のもとに行くことです──に至ることはできない。イエスが意味したのはそういうことです。
 それは、ルネサンス初期の絵画の中で、洗礼を受けるイエスの頭上に黄金の光の中で鳩が下りてくることに示されています。それがキリスト原理です。それがマイトレーヤの意識であり、当時はイエスを通して働いたのです。それが何らかの程度で私たちの中で目覚めると、マイトレーヤか個人的な師によって強化されます。
 奉仕と瞑想を通して、しかしとりわけ人類への奉仕を通して、その目覚め、キリスト原理の強化が進み、それがあなたが誰であるかの目覚めに導きます。「誰も父のもとに行くことはできない」。まず、人間のハートの中にキリスト原理が目覚めなければ、誰もその神性を実現することはできないのです。
 もしそうでないなら、キリスト教徒だけが神のもとに行くことになります。それは現実のあり得ない解釈です──ヒンズー教徒、仏教徒、無神論者、合理主義者、人道主義者、ユダヤ教徒、イスラム教徒などは神のもとに行くことはできないということになります。なんという傲慢さでしょうか! それはイエスを完全に間違って解釈しています。
 イエスが「わたしを通らなければ、誰も父のもとに行くことはできない」と言われたとき、彼は自分を神の唯一の子として信じなさいと言ったのではありません。イエス覚者に会ったら、あなたはこう尋ねることができます。「あなたは神の唯一の子なのですか?」彼はこう言うでしょう。「馬鹿なことを言わないでください。パレスチナの唯一の神の子なのかですって? そんなことがあり得るでしょうか。誰もが神の子なのです。この世のあらゆる男女が神の子なのです。宇宙全体の中で、唯一の神の子などという存在がいるでしょうか?」

Q マイトレーヤによって特別に磁化されたテキサス州サンアントニオの水はまだ見つかっていないのですか。
A まだ見つかっていません。マイトレーヤがよいと思われるときに見つかるでしょう。

Q 「アンタカラーナ」と呼ばれるあなたの絵画について説明していただけますか。
A 弟子は科学的に瞑想するにつれて、頭脳から魂に向けて光の回路を築きます。その間、魂は同様の光の回路を魂から頭脳に向けて築きますが、さらに明るい性質のものです。瞑想の根本的な目的は人を魂と接触させることです。ほとんどの人にとって魂とは単なる概念にすぎません。信じる人もいるし、信じない人もいます。進化した男女は、魂を信じているだけでなく、魂を真我として知っており、真我とは真の自己であり、何度も転生します。瞑想の実践を始めるや否や必然的に魂と接触するようになり、魂との整列は次第に深まっていきます。この整列は、この絵画が表現しているアンタカラーナの創造を通して形成されます。上部にある明るい黄色の形は魂を表現しており、下部の暗い黄色はパーソナリティーを表しています。パーソナリティー、頭脳と魂との間にこの光の回路(アンタカラーナ)があり、それは瞑想を通して形成されます。