2017年11月号目次

- 目次 -

-覚者より
戦争の終焉
■ベンジャミン・クレーム筆記

視点
ICANのノーベル賞は、人類存続のための処方箋である
ロバート・ドッジ

ユニバーサル・ベーシック・サービスは、
私たちを貧困と日々の抑圧から解放してくれるかもしれない

賢者の言葉
「核兵器は生の現実ではなく、死の現実です」と
デニス・クシニッチ氏が国連で語る
ラスベガスでの乱射事件に関するダライ・ラマの発言/ビル・クリントン氏が語る:協力をより高いレベルへと引き上げる必要がある
合意を認定しないというトランプ大統領の表明を「軽卒」で「向こう見ず」だとバーニー・サンダース上院議員が述べる
ジョン・クエリ

真の民主主義をつくる: 『We the People 2.0』
メアリー・ベス・シュタイスリンガーによる映画批評

行動を待つ諸問題一選集
Problems awaiting action- a compilation
行動を待つ諸問題 -覚者より

時代の徴
世界中の徴
ハリケーン・ハービーの火災で焼け残った聖母像/実りある体験/ダンケルクの奇跡

アメリカとヨーロッパでの研修会
-過去を顧(かえり)み、われわれの将来の活動を検討する

民衆の声
パイプライン建設と闘った人々の巨大な勝利
ジェイク・ジョンソン

憎しみを乗り越え共感を選ぶ
ジェイソン・フランシスによるアントニー・マクアリア氏へのインタビュー

分かち合いが可能にすること-
難民を支援しようとするドイツ市民の寛容な努力
エリッサ・グラーフ

編集長への手紙
優先事項の質問 他

読者質問欄
回答ベンジャ三ミン・クレーム

 

 

戦争の終焉

シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者は記事を提供してくださった。それらは書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われる時にいつでも掲載されるように提供されているのである。実際、これらの記事の多くはそれが最初に掲載されたときよりも現在において一層関連性をもっているように思われる。この記事は、今日書かれたかのように、世界が現在目撃している危機を分析している。そして現在の緊張と懸念にもかかわらず、「覚者方は、世界は変化の用意が整っており、諸国の間に新しい真の和合を保証する正義と、すべてが望む平和を渇望していると見ておられる」。

(註)他に二つの記事が今日的に意味を持っている。覚者によって示された問題とその解決法は今でも非常に適切である。

現在の国際社会の課題に関しての覚者の洞察に関しては、『平和の大義を援ける』(20037.8月号)および【和合に向けてのさらなる思索」(20129月号と『覚者は語る・第2巻』に収録)を参照されたい。

戦争の終焉

代価を数える時が来るとき、人間は戦争の空費に仰天し、そして恥じ入るだろう。人間の活動のいかなるものよりも、戦争は資源と人命を貪欲に喰い尽くす。‘敵’なるものを征服するための努力には何も惜しまず、すべてが勝利の達成のために犠牲にされる。かくして、人間はその隣人に対して容赦なき闘争を行い、それは必ずしもいつも自己防衛の闘いではない。非常にしばしば戦争は、領土の拡大や略奪品の蓄積、あるいは最も忌まわしき奴隷捕獲のために使われてきた。ほとんどの戦争の底に横たわる目的を描写するために‘戦利品’という言葉が安易に使われている。今日、人間は戦争を終焉させるための仕事に真剣に取り組まねばならないときに達したのである。いかなる問題にせよ状況にせよ、解決するために、あるいは癒すために、戦争が必要とされるものはないことを、人は理解しなければならない。そうであるから、諸国家は共に働いて、人間のあの破壊的性向を永久に終わらせなければならない。

それをやり損なうならば、人類種族の生存そのものを脅かすことになる。平和はもはや人間にとって一つの選択ではないのである〔訳注:それ以外の選択はない〕——彼らは今やその手の内に、これまでかつてない最も破壊的な凶器を握っている。もしそれが大きな戦争に使用されれば、この惑星を冒涜し、永劫の時の間、生命の存在しない死んだものにするだろう。ではなぜそのような災害を、そのような終局を招こうとするのか。

マイトレーヤは出現されるとき、このように語られることは確かであろう。小さな戦争が悲惨な結果につながり得ることを、それが人間を自己破壊という危険な坂道にもたらすことを、マイトレーヤは示されるだろう。彼は厳粛に勧告し、そして人間を考えられないような行動から引き戻させるだろう。油断することなく、しかし、恐れないでいなさい。マイトレーヤが人間の行動を賢明に導いてくださることを信頼しなさい。あなたの兄弟姉妹を教育する任務におけるあなたの役割を果たし、マイトレーヤの荷を少しでも軽くして差し上げなさい。

聞く耳を持つ者たちすべてに、待望されているお方がここにおられて、公に彼の任務を始める用意があることを伝えなさい。彼は善意の男女が平和と正義、自由と愛のために彼と共に働いてくれることを当てにしておられる。彼らにこのことを伝えなさい。マイトレーヤが世界の苦難に対して単純な答えを持っておられることを告げなさい。分かち合いは信頼を生み、それが扉を、そして人間の心を、祝福された平和に向けて開くだろう。そうすると同胞愛と協力の中で人間の霊魂の開花を見るだろう。そうすると様々な問題や行き詰まり状態は溶け去り、溢れるような善意の中で克服されるだろう。

そのようになるだろう、そのようにしてわれわれは忌まわしき戦争の終焉を目撃する。それがマイトレーヤの目的であり、その達成に対する彼の意志は固い。

2006 3月)

 

行動を待つ諸問題──選集

Problems awaiting action ? a compilation

 

「行動を待つ諸問題」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第㈵巻と第㈼巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 

あなたがたがわたしを見るとき、わたしが何故やってきたのかを知るだろう。わたしはあなたがたに次のように訴えるだろう──「わたしの幼き者たちを救い、あなたがたの同胞を飢えから救いなさい、人類は一つであることを、唯一なる御父の子供たちであることを覚えておきなさい。大地の産物を、これを必要とする者たちに、信をもって譲りなさい。これを今なして、世界を救いなさい。」

わたしはそのように語るだろう。わたしの訴えはそのようであろう。そして人類がこの法を受け入れるとき、わたし自身を公に宣言しよう。これが真理であることを知りながら、分かち合うことを望み、兄弟同胞愛にあこがれながら、行動を起こさない者が、今日、多く存在する。何事もひとりでに起こらないのである。人間は行動し、自分の意志を実行しなければならない。今日、その意志は、神の意志でもある。であるから、その結果は保証されている。

(『いのちの水を運ぶ者』第31信、p.104〜105)

 

間もなく、長い待ち時間は終わり、偉大なる主は彼の顔を世界に示すだろう、そして新しい啓示の時代が始まるだろう。この事実に勇気を得て、世界中で今も兄弟姉妹たちへの奉仕に自らを捧げている有名無名の人々の隊列に加わりなさい。この時代の問題に影響を及ぼすこの機会をつかみとりなさい。そして志向を行動に移して、苦悩する人類がその過ちを正して、正義と平和の新しい時代を創造するのを助けなさい。

(『覚者は語る』—人類は選ばなければならない—p.393)

 

私たちは、すべてが生きることができるために分かち合わなければなりません。しかしそのためには、もっと簡素に生活することを学ばなければなりません。生活をより簡素にし、この惑星にかける負担を少なくし、より賢いやり方をしなければなりません。世界の生態系の均衡がマイトレーヤの主な関心事の一つでしょう。そして人類が現在のような生き方を続ければ必然的に起こる結果を、彼は最も高いレベルから示してくださるでしょう。それに関しての行動の必要が科学者たちに明らかになり、彼らを通して世界の諸国政府にも明らかになるでしょう。

(『全人類のための世界教師』p.78)

 

偶然に起こるものは何もない。わたしは行動への呼びかけを発する、そしてその行動を何倍にも力あるものにしよう。わたしの弟子となり、わたしの友となり、わたしの真の民となるこの機会を今、掴みとりなさい。わたしが来る以前は、人は抜け出すすべを知らなかった。身動きならない苦境に深くはまりこみ、恐れていた。今は、新しい光が、変化への新しい可能性がある。新しい希望が世界を席巻している。それはわたしの光のエネルギーであり、あなたがたへの贈物であり、すべての人間への、わたしの祝福である。

(『いのちの水を運ぶ者』第21信、p.79)

 

人間がキリストを直接見るとき、彼らは速やかに人生とその問題に対して新しい態度を採択するだろう。様々な問題は人間がつくり出したものであり、人間自身の内に存在し、無慈悲な神のせいでも、心ない偶然の結果でもないことを理解するだろう。

新しい責任感が、すべての者の向上のために行動する衝動を人々に授けるだろう。協力と思いやりと信頼が間もなく現在の利己的関心に取って代わるだろう。そうして人間の進化における新しい局面が開かれるだろう。

(『覚者は語る』—彼の名は愛なり—p.255)

 

政治的、経済的、宗教的全体主義──人間の自由、福利、解放、信条の自由という人権を否定するもの──が過去のものとなる時は急速に近づいている。新しい自由はすぐそこで人類を待っている。しかし、その新しい自由は、何にもまして責任を必要とする。われわれはお互いに対する責任を背負わなければならない。マイトレーヤはそのことを非常に簡潔に述べておられる。「兄弟たちの必要をあなたがたの行動の指針として、世界の問題の解決に当たりなさい。他に方法はない」

(『マイトレーヤの使命 第㈼巻』p.33)

 

今日の人間の問題は、人間自らがつくり出したものである。これは常にそうであり、神の計画に内在するものではない。天与の自由意志を誤用し、人間は自分たちの未来を、そして動植物界の未来を危難にさらしている。多くの者が、今日、これに気がつきはじめ、破局をさけるために出来る限りの手段を取りつつある。これは良いことである。しかし勢いを増しつつ人類に直面してきているこの危険を、すべての人間が知るわけではない。人間の真の役割と目的に適った世界を再建するために、残された時は短い。わたしの役割は、あなたがたに道を示し、可能性を描くことのみである。新しい世界は、人間自身によってつくり上げられねばならない。

(『いのちの水を運ぶ者』第12信、p.52〜53)

 

人類の完全な変容にとってのカギは、分かち合いの原則を受け入れることです。その原則の上に正義がかかっており、正義の上に世界の平和がかかっています。そして非常に奇妙なことは、最も重要なこれが一番達成しやすいのです。人類が分かち合いの原則を受け入れることで、その他の問題は簡単に解決されるのです。

(『大いなる接近』p.141)

人間の無惨な搾取にさらされて、この惑星は無限に生命を支えることはもはや確かではなくなっている。核による絶滅の脅威が絶えず存在し、他方、経済競争と金融の混乱は数え切れない何千何百万の人間の日常生活をさいなむ問題を提起する。

国家がこれらの問題を討議するために集うことは現在常識になっているが、それには大切な意味がある。そのような会合は、人間がこの惑星の執事としての責任に気づきはじめ、その状況を改善するための決定を行う用意ができていることの合図である。その決定のうちで一番初めに決められねばならないことは、分かち合う覚悟である。世界の資源がより公平に分かち合われるとき、人間の問題の半分は一夜のうちに消え去るだろう。

(『覚者は語る』—平和のための分かち合い—p.134)

わたしが招く者は大勢いる。わたしを待ち、わたしに耳を傾ける者は大勢いる。しかし、この機を掴み、行動する者は実に少ない。これら少数の者たちは、わたしの民である。あなたが、その一人になるように。わたしは告げる、我が友よ、あなたがたの心からの助力なしには、何もなされない。わたしは導き、そして教えるために来るのであり、強制するためではない。だから、わたしの嘆願をよく心に留めて、わたしと共に、わたしのために、兄弟たちのために働き、そして世界を救いなさい。

(『いのちの水を運ぶ者』第94信、p.279)

 

国際連合が世界の主要な討論の場になるでしょう。世界の諸問題はそこで話し合われ、決議され、新しい制度が実行に移されるでしょう。世界資源の分かち合いのプロセスを監視するための全く新しい特別な機関が国連に設置されるでしょう。ここで強調したいのは、人類が自由意思を持つということです。何事も人類に強制されることはありませんが、人類が自らの自由意志で分かち合いの原則を受け入れるとき、マイトレーヤと覚者方の一団に尋ねるでしょう──私たちはどのようにすればよいのですか、どうやって分かち合いを始めればよいのですか、と。すでに計画は存在しているのです。長年覚者たちと共に働いてきた高位のイニシエートの一団が、現在経済問題の核心である再分配の問題を解決するための相互に関連性のある一連の計画をすでに作り上げています。

(『マイトレーヤの使命 第㈽巻』p.133)

 

あなたがたの問題に対する答は非常に簡単である。分かち合う意志が、あなたがたの生活を支配しなければならないということを、わたしは何度も述べてきた。もう一度繰り返す──分かち合いと正義なしには、人は平和を知ることはないだろう、我が兄弟姉妹よ。だからわたしの忠告をよく心に留めなさい。そして唯一の開かれた道を選び、世界の苦悶を和らげるために分かち合いを信じなさい。

(『いのちの水を運ぶ者』第133信、p.400〜401)

 

私たちはあまりにも深い物質主義の中に政治や経済を覆い隠したので、今日のような危機的な状況を迎えたのです。私たちはすべての人々のために、分かち合いと正義と自由を通して霊的な政治と経済を持たなければなりません。それがマイトレーヤの目的です。愛とは正しく分かち合う行為です。それが平和への道です。

(『多様性の中の和合』p.228)

 

人間が彼らの一体性に目覚めることをわたしたちは疑わない。人間の落ち着きのない奮闘のすべての底に、今日彼らを襲っている多大な問題の解決にはすべての者が責任を分かち合わなければならないという認識の目覚めがある。問題と同様に、その責任も世界的であり、分割不可能であり、そして協力とエゴ(自我)の否定を通してのみ、それらに適切に対処し克服することができるという認識の目覚めがある。

(『覚者は語る』—法の規定—p.498〜499)

 

祈りには真の価値があります。祈りが心(ハート)からのものであれば、神の代理者としてのハイアラキーからの助けを喚起します。しかし我々はただ祈るだけで、世界の問題を「神」に任せていてはなりません。それらは我々の問題であり、我々自身のあるいは人類の行動および非行動の結果です。我々が成長し、真の人間(そして本当に聖なるもの)となるために、世界中の我々の兄弟姉妹の苦難や苦しみや問題に対する責任を受け入れなければなりません。我々は彼らと分離した存在ではありません。

(『マイトレーヤの使命 第㈵巻』p.341)

 

わたしが、現在非常に必要とするのは、わたしのビジョンを分かち合う者たちが、行動する責任を引き受けてくれることである。人間の窮乏を知り、そのビジョンを見ていながら、時の緊迫性を知らない者たちが世界に大勢いる。兄弟たちの窮乏を知り、非常に多くの者たちの苦しみに同情の思いを持ち、そしてそれらすべてを変える意志を持つ者たちに、わたしは頼る。わたしが召集する者たちの仲間に、あなたがたも入るように。そして共に新しい、より良い世界を招じ入れることができるように。

(『いのちの水を運ぶ者』第46信、p.141〜142)

行動を待つ諸問題

──覚者より

ベンジャミン・クレーム筆記

2014年3月5日

 

反駁の懸念なしに、世はすべてこともなしではないと言うことができる。例えば、大金持ちと絶望的な貧困者との間の隔たりはかつてなく大きい。極端な不均衡はいかなる社会にとっても健全ではない。確かに富裕層の中の何人かは彼らの富を貧困者に分かち合うが、しかし、一般に、大金持ちはむしろ、すべての者に不利益でも、さらに並外れた大金持ちになることを目指す。ますます増大する今日の生活のあらゆる面の商業化、それ自体が“時限爆弾”であり、その爆発は現在の経済機構を屈服させるだろう。その時期はあまり先のことではない。この極度の物質主義によって生じる緊張はあまりにも大きく、まさに平衡が壊れる時点に近づいている。ほとんどの人は、緊張をつくり出すほうにあまりにも深く関わっているので、これらのフォース(力)に気づいていない。かくして、人間に彼らの唯一の自然なコースが提供される──分かち合いの原理の採択である。人類はこの認識の方にじりじりと寄りつつあるが、しかしそれを実際に顕現するには、まだほど遠い。同時に、世界に直面する生態系の問題はクライマックスに近づきつつある。今日、ほとんどの国家が、惑星の温暖化は最大の敵であることを認める。国々を分け隔てる問題は、それが人間の責任なのか、あるいはどの程度が人間の責任なのかということである。人間が取ることのできる最も賢明なコースは、気候の窮境のほとんどは彼らの責任であると想定して、その問題を修正するためにあらゆる実際的な手段を講じることである。ある国々は確かにそうしているが、すべてではない。わたしたちの助言は、人間の行動と非行動が問題の80%に責任があり、人間は彼ら自身、そして彼らの子供たちのために、その緩和に向けて何も惜しむべきではない。わたしたちが助けの手を差し伸べることは請け負うが、しかし人間自身が自分たちの役割を果たさなければならない。世界経済の崩壊と共に、人々は人類の一体性を認識するようになるだろう。この認識は戦争に対する彼らの態度に深遠な影響を及ぼすだろう。生存のための闘いに彼らは共に結びついていることを知るだろう。そしてマイトレーヤのことばがより一層大きく彼らの心(マインド)に響くだろう。分かち合い、正義、自由は、未来の強力なシンボルとして、すべての者の生得の権利として、正しい関係への道として、人間の心(マインド)に育っていくだろう。

(『覚者は語る 第㈼巻』、p.269〜270)

 

憎しみを乗り越え共感を選ぶ

ジェイソン・フランシスによる

アントニー・マクアリア氏へのインタビュー

SI:暴力的な極右運動はどのようにして人に狙いを付け、その理念に勧誘するのでしょうか。そして彼らのメッセージに最も脆弱なのは、誰でしょうか。

マクアリア:彼らはしばしば、他のイベントに便乗します。例えば、最近はガン・ショーに参加しています。オンライン・ベースのもっと新しい現象もあります。ソーシャル・メディアを通して勧誘することは、より簡単です。

しかし、暴力的な過激主義の核心は、実際にはイデオロギーに関するものではなく、有毒な罪悪感に関するものです。つまり、私たちが自分に関して持っている、自分は不十分で、賢くなく、愛嬌がないといった考えであり、多くの場合、私たちはそれを家庭や学校や教会で獲得します。それは空虚さや、アイデンティティー、目的、帰属や地域社会への切望を生み出します。罪悪感の反対は何でしょうか。それはプライドです。つまりこのような運動は、しばしばプライドの強烈な表現なのです。なぜならその人はそれを持っておらず、罪悪感を抱いているからです。深い心理的な原動力がそのような脆弱性をつくり出し、そのようなイデオロギーがそれを利用できるのです。

 

つながりの体験

 

SI:あなたが関わりを持っていたヘイト集団から離れ、共感と許しの人生を送り始める動機となった精神的な旅について話していただけますか。

マクアリア:それは離脱と呼ばれているものです。私は運動を離れ離脱しましたが、魅力的であったものを最初に扱いませんでした。その精神的な旅の最初の部分は、私の二人の子供が私に及ぼした影響です。私の子供たちがしたこと(そして共感により起こったこと)は、鏡を持って、自分自身に見えない姿、その人の人間性が映し出されるようにしたことです。

私の思考に基づく事実によると、私が扉を開けその精神的な側面を見るためには、量子物理学が必要でした。私は量子物理学、つながり、精神世界、心理学の探求を始め、数多くの成長や自己啓発のワークショップに参加しました。私は他の人や物事とのつながりを体験できる実習を開始し、ある意味では、以前は考えたり経験したりできなかったようなエネルギーで活動しました。

このような分離の過激主義イデオロギーの基盤は、私たちは分離しており、すべての物や人から切り離され孤独であるという、自分に関して信じている信念であり嘘なのです。もしあなたが、そのようなもっと深いレベルでつながりを体験するとき──共感はそれを行う一つの方法ですが、他の多くの方法があります──そして私たちは皆つながっていることを体験的に理解するとき、私たちは分離しているという信念であるそのイデオロギーの基盤が崩れます。私が瞑想を紹介されたのは、ヴィパッサナー瞑想合宿に参加したときでした。何も読み書きせずに10日間の瞑想漬けの日々を送りました。私は自分自身がどこに入って行こうとしていたのか、分かりませんでした。それは私にとって深遠な体験でもありました。

 

ライフ・アフター・ヘイト

 

SI:あなたは何をきっかけとしてライフ・アフター・ヘイトを共同で設立されたのですか。

マクアリア:自分自身や自分が誰であるかを発見するための内的な精神的な旅を経験するうちに、最初はどうしても人前に出るのが怖かったです。私は自分のキャリアや友人や社会的立場に対する危険を感じました。何よりもリアリティの性質、その中での自分の役割、自分がそこにいた理由の探求を始めたとき、そして自分自身に対する許しと共感を発達させたとき、私は説明責任の感覚も発達させました。それは、行った行為に対して自分自身の説明責任を持ち続ける私の方法でした。それは、私にとって浄化でした。

しばらくして、もっと人前に出なければと思いました。少しずつ前に進み、攻撃を受けやすくなり、リスクを負いました。私は、恐怖に満ちた自分の予想とは現実が異なっていることを発見しました。この旅で私が辿ったあらゆる段階が、人生をより豊かに、より良いものにしてくれました。ある意味で、私は、自分の人生を霊的な意味で改善し豊かにすることに打ち込んでいたため、後戻りできなかったのです。開かれ、脆弱になり、私の体験を分かち合うことで、他の人々はそこから学ぶことができるのです。私は、以前の自分のような立場の人を援助することができます。この人生での私の使命は、人々を共感と許しの場所へと、彼ら自身のため、すべての人々のために、鼓舞することです。

 

SI:何が暴力的な過激主義運動のメンバーをライフ・アフター・ヘイトに導いたのですか。

マクアリア:疑念の思いです。現実はファンタジーに沿うものでありません。ハネムーンの時期は終わります。私たちはアイデンティティーや、受け入れや承認のために仲間になりますが、これらが必ず得られるわけではありません。過激主義運動の時期には、人生は流れに逆らって泳いでいるようだったことを覚えています。すべてが大変でした。いつもあのように怒っていることに、とてつもないエネルギーが必要でした。あの運動では人々に囲まれていましたが、私が関わっていた15年間で、日常的に喜びを体験している人は唯の一人も思い浮かびません。あの運動である程度の時間を過ごすと、個人的な良い人間関係は築けません。あなたの人間関係は傷ついてしまうでしょう。あなたの人生のすべての要因が、ある時期に、ある程度、失敗するでしょう。

私の涙が止まらなくなった質問が、映画「アメリカン・ヒストリーX」の中にありました。アフリカ系アメリカ人の教師が刑務所にいるデレクという名前の登場人物を訪問し、人生をより良くするために、それまでに何かしたことがあるかと彼に質問しました。彼は泣き崩れ、頭を振り「いいえ」と答えました。映画のこのシーンは私にとって大きなきっかけとなり、私も同じく泣き崩れました。なぜなら、私が人生でしてきたことで、自分の人生を良くしてきたことは何もなかったからです。私は奮闘に疲れました。

SI:ライフ・アフター・ヘイトは、暴力と過激主義の生活から離れたいと思う人と、どのようにして一緒に活動するのですか。

マクアリア:それは、ただ聞くことから始まります。例えば、イラク戦争とアフガニスタン戦争を経験した退役軍人がいました。彼はイスラム教徒に対して嫌悪感を抱いていました。彼はイスラム教徒に対して暴力行為を行い、イスラム・センターを銃撃することを実際に考えていました。私たちは彼と話をし、私たちがしたことの一つはイスラム・センターのイマームに彼を紹介することでした。ほとんどの場合、このような人々は、彼らが嫌うであろう人々と決して会うことはありません。私たちはセラピストではありませんが、コーチでありメンターであり、この混乱から彼らを救うために必要な援助が得られるように人々を援助しています。彼らを脆弱にし、引き入れるのは、より深い心理的な原動力なのです。それが、彼らを外に救い出すために私たちがしていることです。イデオロギーは、それに比べると二次的なものです。私たちはイデオロギーに気を配り、イデオロギーを扱いますが、より深い問題を最初に扱う必要があります。

 

SI:ライフ・アフター・ヘイトには、どのくらいの人たちが援助を求めて来ますか。そして全体では、どのくらいの人たちがグループで援助を受けたのでしょうか。

マクアリア:その人数は増え続けています。現在では、毎週およそ5人から10人の人が訪れています。私たちは100人以上の人を援助しました。

 

SI:地域社会が暴力的な過激主義の原因を理解し、それに対して取り組むことを援助するライフ・アフター・ヘイトの教育プロセスについてお話しいただけますか。

マクアリア:私たちは、この問題で苦しむ地域社会に私たちの洞察を伝えています。このような集団が得意とする論争や暴力などがあり、彼らが好まないこともあります。避けるべき、ありがちな落とし穴があります。私たちは、このことに関して地域社会を教育し、どのようにして回復力を持ち、彼らが得意とすることを絶っていくのかを示そうとしています。

 

SI:ドナルド・トランプ氏のキャンペーンと大統領就任は、アメリカの暴力的な極右過激主義運動にどのような影響を与えましたか。

マクアリア:昨年の大統領選挙以来、この国で両極化が強まったことに私たちは気づいたのではないかと思います。一方では、極右勢力が成長しています。もう一方では、友人や家族のメンバーで私たちに助けを求める人が増えていることに気づきます。ある意味で、両方の側が動員されています。

 

SI:あなたの意見では、若者が人生で暴力、過激主義、民族アイデンティティーの罠に落ちないようにするため、和合と帰属の感覚や自尊心の意味を育むうえで、社会はどのようにしてより良い仕事をすることができるのでしょうか。

マクアリア:私たちは共感に戻る必要があります。人生の中でどのような場合に批判的になるのかを見る必要があります。いかなる理由であれ、誰かの人間性を奪おうとすれば、平和を得ることはできません。最も難しいことの一つは、共感を持たない人に共感することですが、このような人は共感を最も必要としている人です。そして、見過ごされがちな若い人々にもっと気を配る必要があります。

数週間前に、あるお母さんから次のようなメールをもらいました。「私の息子は18歳で、アスペルガー症候群です。彼はこの白人国家主義者の資料にはまってしまいました」。彼女が最も恐ろしかったのは、彼女の言葉によると、「この団体は、彼がこれまでの人生で経験したことがないような方法で、彼を包み込み、受け入れたことです」

私たちは、まさに深い心理的な原動力について話をしているのです。その子は、受け入れてくれ、承認され、友達ができるようなことは何でも信じようとしているのだと私は思います。ですから、ちょうど学校で子供たちが他の子供たちを仲間はずれにするように、少しだけ違う人々を私たちがどのように扱っているのかを見る必要があります。もし私たちが、子供たちが仲間はずれにされたり、「外側」にいると感じたりしないような環境をつくり出すことができれば、これが起こることを防止できます。

 

詳しくは、lifeafterhate.orgを参照してください。

 

 

 

 

分かち合いが可能にすること

難民を支援しようとするドイツ市民の寛容な努力
エリッサ・グラーフ

大多数がシリアにおける過酷な戦争から逃れてきた100万人以上の難民にドイツが国境を開けたのは、2年前のことであった。ドイツのアンゲラ・メルケル首相が2015年8月に、難民がたどり着いた最初の安全な国で難民申請を行うことを義務付けた、2003年に成立したEU政策「ダブリン協定」の適用を停止したとき、政治生命に汚点を残す危険に陥った。しかし、彼女のこの時の決断によって、難民はドイツ入国前の国に追放されるかもしれないとおびえることなく、ドイツでの避難所に迎え入れられることになった。最近ドイツでの選挙の結果、メルケル氏の勇気ある決断がポピュリストたちの非難の的になった。そして、難民の流入を恐れる人々の恐怖心のために、ナショナリストや反移民を掲げるAfD(ドイツのための選択肢)が支持を得て、国会に席を占めようとしている。もしそうなれば、ドイツ政府が過去60年間許さなかったナショナリストの党がはじめて公的な地位を得ることになる。

メルケル首相はドイツの開かれた国境を宣言した時に地方の人々の恐れを鎮めようとして、「私たちはできるのです」という楽観的なメッセージを伝えた。すると、様々な村や町の何千人ものドイツ人が難民に宿泊所を提供し、衣類や食料を供給し、言葉を教えるコースを作り、難民を自分たちの地域社会に受け入れた。シュピーゲル・オンラインによる最近の報告によると、2015年〜2016年に1万5,000人の難民受け入れ計画がドイツで実施された。新しい入国者たちへのドイツ語習得支援に焦点を合わせて、ボランティア講師が雇われ、難民のそれぞれの状況に合わせる支援がなされた。このような努力がメディアによって報道されると、かつて英国の政治家であった国際救済委員会のデイヴィッド・ミリバンド委員長は、「ドイツではこの状況を何とかし得るというメルケル首相の信念が発動され、何千というドイツ国民が入国者たちの支援に結集し、ドイツ国民は適切で公正なことを行っているという誇りを抱いている」と、ニューズウイーク誌に記した。

たいていのドイツの小規模な村のように、南部サクソニー地方の人口5,262人の村シュタイアーベルクは、2015年秋に、約100人の難民が到着することを知らされた。村長が召集した会議が地方の小学校で催された。出席した80人の村民は、職員から、ドイツの移民局が難民に関する可能な限りの工程を行ってきたが、にもかかわらず一般村民の支援を絶対的に必要としていると告げられた。村民たちは、やってくる難民のために、自分たちで住む場所を用意し、ドイツ語学習クラスを作ってほしいと要請された。

100名ほどの村民が素早く立ち上がり、ボランティアのリストを作成した。通信するためのフェイスブックを立ち上げ、寄付される衣類や日用品を収集したり分配したりする組織をつくり、やってくる人々へのドイツ語学習クラスを用意した。難民が社会に溶け込んでいくための手助けとして、村民たちは個々の難民や家族の世話を行った。自転車を見つけたり、医療サービスを受けることができるようにしたり、教育を受ける機会や働く機会について調べたり、言語力を高めるための訓練を行ったり、悪名高い複雑なドイツ語の書類に記入したりした。

これらボランティアたちの恩恵を受けた二人の子供がいる。もろいゴムボートに乗って、危険きわまりない海を渡ってヨーロッパにたどり着いた、アフリカの象牙海岸出身の18歳のアボウライエ・フォファナ君と、パレスチナのシリア難民で5歳になるイブラヒム・フヤッド君とである。

10歳の時からストリート・チルドレンであったフォファナ君は、モロッコからスペインへの危険をはらむジブラルタル海峡横断を試みる友達に、何もわからずに従って航海しスペインにやってきた。彼がドイツのへき地の村にやってきたとき、初めはおろおろしていたが、シュタイアーベルクで彼の母語であるフランス語を話す住民たちに出会った。村人たちが味方になってくれて、家を開放して、家族の中に向かえ入れ、食事を分かち合ってくれたので、彼は家庭的な雰囲気の中でくつろぐことができた。まだ未成年者であった彼が公的支援を受けることができるよう、地方の人々が掛け合ってくれた。また、シュタイアーベルクのサッカーチームが彼を招いて、一緒に練習する仲間に入れてくれた。彼はわずか4年間の小学校教育しか受けていなかったが、ドイツ語クラスに入れてくれたうえ、職業訓練学校に連れて行ってくれ、彼が選んだ配管工事の訓練を受けることになった。彼を世話する教師は、彼が自立的でしかも献身的であることを認め、彼を地域の配管工の会社に斡旋した。彼はここで3年間の訓練時期を送り、現在はそこで働いている。

イブラヒム・フヤッド君は中流家庭に育った。父のマハモウンド氏は数学の教師であり、18歳の兄カレッド君と10歳の姉ハディルさんと数年間、戦争が終わるのを待ち続けた後、ダマスカスから逃れた。暴力が激しさを増したとき、彼らは自分たちの持ち物すべてを置いたまま、食べ物の確保に苦しみつつ、トルコへと逃れた。それから、最も過酷な航路である地中海ルートでギリシャに渡り、そこで半年足止めされた後、最後にドイツにたどり着くことができた。

シュタイアーベルクの住民であるリサ・フリーリングさんは、オアセ・カフェでフヤッドの家族に会って、隣人のクラウディア・エレスさんの手を借りて、難民たちと地域の住民たちがお互いに交流できる場所として地域の教会を提供した。フリーリングさんは、彼らがこの地域に到着して以来間もないのに、フヤッド家の子供たちがドイツ語を話し始めたのに驚いて、「年長の子供たちが、まだアラビア語しか話せない難民たちの通訳をしているのです。とてもすごいことです」と述べた。

フリーリングさんはまた、難民を支援している家族を知った。難民を支援するために住み続けてきた家を難民家族に譲り、ほかの2家族と共に自分たちが所有するアパートに引っ越した家族である。ほかの地方の住民は、移ってきた人たちに家具類を提供した。村民たちは、イブラヒムの兄であるカレッド君を村の会社で専門的職業訓練を受けさせるためのコースを設けた。難民の子供たちは地域社会に溶け込み、地元の学校に通っている。支援に参加してきたフリーリングさんは、「難民支援はやりがいのある仕事です。わたしたちは比較的豊かな地域に住んでいますが、今回のことで、第二次世界大戦についての私の両親の話を思い出しています。支援を求めるのは自然な反応です。それに同情と悦びと技術と忍耐力と非利己的なチームワークとをもって応える必要があります」と語った。

メディアが、移民危機によって生じる問題や不和を取り上げ報道する傾向にある一方で、ドイツ市民は分かち合いによって可能になることを明らかにしている。ナイナ・バジェカル氏は、「ヨーロッパの別なところでは、難民危機が厄介な問題をもたらしているが、これまでのところ、ドイツでは非常にうまく行われている」とタイム誌に記したところ、2015年にアフガニスタンの家族を引き受けたベルリン住民のテイム・フローリアン・ホーン氏は、この記事に反応して、「この危機がヨーロッパを引き裂いているように見えますが、避難所を必要とする人々にそれを提供することこそが、真の意味での連帯するヨーロッパです」と述べている。   

newsweek.com; time.com; Spiegel.de
 

 

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、『編集長への手紙』の保留分が非常に多数あり、それらは何年にもわたって処理され、ベンジャミン・クレームの師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたが、いまだ掲載されていない。

他の手紙は新しいものである。覚者が関わっていたかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、その体験が希望、鼓舞、慰めを提供することで「それ自体が語る」ということがあり得る。

 

 

優先事項の質問

 

編集長殿

200111月の初めに、私の夢の中にマイトレーヤが現れました。私にとって有益で励ましになる体験だったので、他の読者の皆さんと分かち合いたいと思います。実のところ、私の夢はマイトレーヤの大宣言の日についてでした。夢としてありがちな、たくさんの動きがあり、多くのイメージや場面が互いに混ざり合っていました。

ところがすべての画面がさっと消えてしまいました。その代わりに、はっきりと耳に聞こえる気がするほどエネルギーがみなぎっていて、頭上の高電圧線の間近にいるように感じました。それから背の高い男性が、小さな子供にするように、伸ばした両腕で私を抱きかかえたので、顔と顔を突き合わせる形になりました。彼は白い装いで、肌は浅黒く、高い頬骨をしていました。このマイトレーヤのイメージは、それほど『くっきりとした』ものではなく、まさにSF映画のホログラムのようでした。

残念ながら、目が覚めてからは彼が話してくれた言葉を正確には覚えていません。ですからそれを私の言葉で伝えてみます。最初彼は私に優先事項について尋ねてきたので、私はそのうち三つを答えたはずです。それから彼はもう間もなく到来することが確かであると伝えてくれました。その後、この使命は彼にとってどのような重要性があるか、この仕事が彼にとってどれほど大切かを話してくれました。そして最後に彼から個人的な類いの、私たちのグループ活動に関連した質問をされましたが、書き留めてみると、意味がわかりません。

マイトレーヤがこの夢を与えてくださったのですか。

フランク・ライヒェルト

ドイツ、シュヴェービッシュ・グミュント

【ベンジャミン・クレームの師は、その『夢の体験』がマイトレーヤによって与えられたことを確認した】

 

賢明な言葉

 

編集長殿

2017814日に、私の息子のサムソンと一緒に、両親を訪問した帰りの列車に乗っていた時、一人の女性がウェリントン・ポイントで乗車してきました。車両には私たちだけだったにもかかわらず、彼女は私たちの隣に座ってきました。しばらくすると、彼女が私たちの会話に加わってきて、親の務めや霊的な話題について、いくつか驚くようなことを語りました。私は彼女がマイトレーヤかイエス覚者かもしれないと疑い始めました。彼女は主にサムソンと話をして、彼の年齢にしてはとても賢いと言っていました。その後40分ほど経ってから、彼女が「私のお気に入りの言葉である、『すべては良くなるだろう』をあなたたち二人と分かち合いたいと思います」と言いました。それで私は、特別な方と話をしていることを確信しました。

サムソンが彼女にシティまでずっと乗っていくのかどうかを尋ねると(それは彼女が私たちと話し始めて約45分後でした)、ちょうど車掌がクープールー駅への到着を告げたところで、彼女は私たちをぼんやりと見つめ、「ここで降りるわ」と言い、私たちにずっと手を振ってくれました。

彼女は英国出身の62歳と言っていました。サムソンが彼女に名前を尋ねると、彼女はロイジン(アイルランドの名前)と答えました。彼女はしばしばサムソンの腕に触れて、人生全般について主に彼に話しかけ、彼が「すべての苦痛は一時的なものだとわかる」というようなことを彼女に話すと、彼女がそれは真実だから、彼は賢明だと応じていました。

確認をしていただけないにもかかわらず、(これが特別な出会いであると)すでにわかっていると思うのは、彼女が「すべて良くなるだろう」と言ったからですが、それは以前に『マイトレーヤの使命 第㈼巻』の中でマイトレーヤが言われたのを読んだことがあったのです。彼女は毎晩眠りに就く前に、その日彼女が行った10の肯定的なことと10の否定的なことを思うようにしていると言っていました。私の行う10の肯定的なことを思い付かないと言うと、彼女がそれは小さな物事についてで、朝起きるとか、きちんと服を着る、ヘルシーな食べ物を食べる、誰かを思いやるなどのことだと言いました。サムソンと私はとても刺激を受けて、私はその出会いから数日後まで、エネルギーで満ち溢れていました。私は『マイトレーヤの使命 第㈼巻』と『秘教心理学』(アリス・ベイリー著)をこの数週間読んでおり、この出会いは私を勇気づけてくれました。

エリン・マクマホン

オーストラリア、ブリスベーン

 

百聞は一見に如かず

 

編集長殿

私が『時代の徴』と題した、奇跡についての講演の準備で忙しかった時、まさに私の目と鼻の先で起こっていた奇跡が見えていませんでした! 私の義理の娘が誕生日プレゼントに、夫と私が、強い絆で私たちと結ばれている3人の孫たちと一緒に写った写真をくれました。私は写真をほとんど撮らないので、その写真をうれしく思い、とても愛情溢れた幸福な雰囲気がその写真から放射していました。

その写真は新しいフレームに入れられ、ガラスのカバーが付いていました。ある日、ガラスの後ろに大きな灰色のシミを見つけて、ショックで縮み上がってしまいました。それはちょうど私のアジュナ・チャクラと鼻筋の上にありました。私は即座にそれがビブーティだとわかりましたが、その考えをすぐに打ち消しました。その後写真の前を通るたびに、私のおでこと鼻の上のとても不快な灰色のシミにイライラしたものでした──その数日前にはあれほど興奮したにもかかわらずです!

ある朝、その汚れにうんざりして、写真を手に取ると、やはりそれが本当にビブーティだとわかり、夫のところへ写真を持っていき、証人として彼にフレームを開けるよう頼みました。私たち二人共が写真の上のビブーティを見ましたが、突然消えてしまったのです。

私たちが何か直観的にわかっていても、論理的なマインドでそれを拒否してしまうことが、どれだけ頻繁に起こるものでしょうか。私たちが助けを与えられても、その事実を認めないことが何度あるでしょうか。私たちの『助け手』がどれほど近くにいながら、それがわからないのでしょうか。

数週間後、その奇跡は繰り返されましたが、現在は私の3歳になる孫息子のアジュナ・チャクラの上に現れています。

マリーケ・オプ・テン・ノールト

オランダ、ビルトホーフェン

 

 

読者質問欄

Q アストラル体はどこにあるのですか。肉体の内側ですか外側ですか。肉体を超えて広がっているのですか。

(パリ、フランス、2009年)

A アストラル体とは構造です。それはあなたの一部です。あなたはエネルギーから構成されています。

 

Q それはどこに位置しているのですか。

A 太陽神経叢センターまたはチャクラです。それは「内側」であり「外側」です。肉体は、筋肉、骨、血液、腱などから構成されていますが、その背後に、それを支えるものとして、エネルギーだけがあります。物質世界のすべてのものは実際には形態を取ったエネルギーです。ですから、もしあなた自身をエネルギー的に見れば、あなたはただエネルギーが行ったり来たりするゆっくりとした運動のパターンだけを見るでしょう。それは交差したり、動いたり流れたり、異なった色、異なった色調で、少しだけ異なった速さで動いています。そしてエネルギーが互いに交差するとき、そこにチャクラ(エネルギー・センター)ができます。メンタル・エネルギーを吸収するとき、メンタル体がつくられます。アストラル・エネルギーが吸収されるとき、アストラル体が形成されます。エネルギーを引き入れるにつれて、それは出たり入ったりします。アストラル・エネルギーを使えば使うほど、アストラル情緒体の活動はより強力になります。

進化の目的は、最も強力な体であるアストラル情緒体を鎮めることです。なぜならそれは1,250万年かけて完成されたからです。それはあまりにも完成されているので、今では最も強力で克服するのが最も困難です。

 

Q では、エーテル体は肉体の外側にあるというのは正しいのですか。

A 内側と外側です。エネルギーは入ったり出たりして、チャクラを通過します。エネルギーはチャクラを通して動き、出入りしながら、体をつくります。それは逆方向にも流れ、(肉体に)戻り、変化し、動きます。それは絶え間ないプロセスです。

 

Q エネルギーの様々な交換において、精妙な体はより空間の外側に拡大するのですか。

A いいえ。空間により多くの効果を与えます。肉体(の波動)が高まれば高まるほど、その人の磁力は大きくなり、空間に流れ出します。

 

Q アストラル体はアストラル物質が濃密化したものですか。それは正しいですか。

A 場合によります。どのくらい濃密かは個人によります。進化とは肉体の精妙化であり、モナッド(神の閃光)により接近することです。ですから、進化していない人は主に物質エレメンタルの活動によって構成されています。それぞれの体は、微小なデーヴァ生命体、つまりエレメンタルの活動から構成されています。物質界において理解したり想像したりすることはより簡単ですが、アストラル界で理解し、特にメンタル界で理解することはより難しいです。しかし、それが事実です。身体はデーヴァ、微小な生命の活動から構成されています。そして私たちがデーヴァを支配するか、彼らが私たちを支配するかです。一度に一つの体についてそれをします。まず肉体エレメンタルを克服し、次にアストラル・エレメンタルを克服し、それからメンタル・エレメンタルを克服します。そして魂が実際にその個人、パーソナリティーをつかみ、その人を通してそれ自身を表現します。

 

Q 原初の肉体細胞(受精後まもなく)が腕や脚などの器官に発達するよう信号を送るのはエーテル体なのですか。

A 細胞は物質です。しかし、それらをもたらす活動はエーテル・レベルにあります。進化するにつれて、幾つもの人生の中で、(転生ごとの)様々なパーソナリティーの体が物質界の表現を構成します。転生するのは魂です。パーソナリティーが転生するのではありません。パーソナリティーは魂の転生の結果であり、魂はモナッドと物質界のパーソナリティーの間の聖なる仲介者として転生します。パーソナリティーが進化するにつれて、それは魂の影響の下で変化し、魂は神聖な光で構成されていますから、より多くの亜原子エネルギーがシステムの中に持ち込まれます。ですからただ原子である代わりにより多くの亜原子エネルギーが存在するようになります。

偏極について語るとき、それはどのレベルでもあり得ます。肉体的、アストラル的、メンタル的、または霊的な偏極があります。偏極点が意識の習慣的な焦点です。例えば、もしあなたが物質的に偏極していれば、それは物質エレメンタルがあなたの人生で最も支配的であることを意味します。しかし、今日ではそれはかなり稀なことです。大半の人々は物質的偏極以上に進化しています。

今日の人々の圧倒的多数、93%から94%は、アストラル偏極しています。アストラル界が彼らの意識の座です。これは、アストラル体を完成させるためのアトランティス時代の長い苦闘の結果です。いったん第1イニシエーションを通過すると、最後の幾つかの転生は非常に急速に起こります。第1イニシエーションを受けるまでには何千回もの転生が必要ですが、その後、プロセスはスピードアップされます。

伝導瞑想グループの人々の中には、第1イニシエーションに近づいている、0.85から0.95段階のイニシエートがおり、第1イニシエーションの間際に立っています。あるいは第1イニシエーションを受けて1.5から1.6のあたりにいる人々もいます。より進化した、1.71.81.9段階のイニシエートもいます。しかし大半は0.9から1.5の間です。目標はアストラル(情緒)体の支配を克服することであり、それが第2イニシエーションの基調となります。1.5から1.6の間で、アストラル偏極はメンタル偏極になります。最初はわずかですが、徐々により多くなり、2.5から2.6あたりで霊的偏極が始まります。それは非常に科学的で、知ることができるものです。合理的で正常なものです。