2026年1月号目次

  

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
光の時代

編集部より

視点
ベネズエラに関する
国連安全保障理事会への報告 -2026年1月5日
ジェフリー・D・サックス

国際法の原則

怒りを個人的・政治的利益のために利用する――
確立された世界秩序の崩壊
リチャード・ウルフ教授との対談 -第2回
フェリシティ・エリオット

億万長者の資産が2.5兆ドル増加し、
極度の貧困を26回も根絶できる規模に

0.01% を排除する方法
第一部: 超富裕層を理解する
ルーク・ギオリー

シェア・インターナショナル誌の2026年の表紙 「三つの惑星センター」

時代の徴
聖シャルベルの奇跡の聖油/レンズ雲とUFO

エリカ・チェノウェス
3.5%ルールがあれば王は不要
ミッチ・ウィリアムズ

人類は第一歩を踏み出さなければならない -選集
Humanity must take the first steps – a compilation


アート ユリアーンス

仮想知性について -第一部
チャールズ・アイゼンシュタイン氏への短いインタビュー
エリッサ・グラーフ

仮想知性-第二部
チャールズ・アイゼンシュタイン

部分的停戦はスーダンの悲惨な戦争を終結させる第一歩
パトリシア・ピッチョン

仏教僧が平和のために全米を3,700キロ歩く

『魂を奮い立たせよ-抵抗の歴史』
ヤニス・ヴァルファキス著、2025年
フィリス・クレームによる書評

 

光の時代

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 各世紀に、同時代の人々をはるかに抜きん出る者が何人か出現する。彼らの天賦の才は顕され、天性は輝きわたり、すべての者がこれを見、そして賞賛する。そのような人々は、人間が、己自身について、そしてその可能性についての認識を増大させていく方向につながる仕事を成し遂げた偉大な発明者であり、画家であり、作家、音楽家、科学者である。

 近年において彼らの注目は、科学と人間の知識の拡大に向けられてきた。これが、今までは達成の望みさえかなわなかったほどのスケールで、人間のマインド(識心)を目覚めさせる道を整えたのである。人間は今日、これまでの達成をすべて影の中に投じてしまうような新しい啓示と発見の瀬戸際に立つ。

 この来るべき時代は「光の時代」として知られるだろう。そしてあらゆる意味と顕現を含めた「光」が人間の起源となるだろう。見る目のある者にとって、人間が「光の部屋」に通じる扉を叩き始めている徴はすでに見えている。人間が、新しい洞察とテクノロジー(科学工業技術)が意味するものに取り組むにつれて、古くからの闇と無知は消え去っていく。間もなく、「光の科学」が、「聖なる科学」が、人間の驚嘆した凝視の中に明かされるだろう。そうして人間の進化の旅路における一つの重要な目標が達成されるだろう。

 現在まで、ほんの少数の専門家のみがこの「光の科学」に接近することができたのだが、この恩恵をすべての者の利益のために使えるようにするためのステップがすでに取られている。エネルギーおよび光についてのすべての人間の必要は、簡単にかつ安全に満たされるだろう。太陽そのものがこの目的のために利用される。「マイトレーヤの旗印」のもとに愛において団結し、人間は星々への新しい通路を創り出すだろう。人間が自然の神秘を探究するにつれて、自然はその秘密を明け渡し、すべての底に横たわる秩序だった美を明かすだろう。

 このようにして、新しい、より簡素な生活が、マイトレーヤと彼の「弟子たち」(覚者たち)の導きのもとに始まるだろう。人間は喜んで過去の分割を放棄し、生きとし生けるものすべてと新しい調和の中に入るだろう。

 永いあいだ、人間はこの調和への鍵をあこがれ求めて、空しく探しまわった。彼らの最高の志向と努力はいつも無駄に終わった。今、初めて、一体性についての認識が目覚めはじめ、分かち合いとより正しい安全な線に沿って生活を立て直す必要性が、人間の心(マインド)に印象を刻みはじめている。

 新しい時代、「光の時代」は、われわれの頭上にある。そしてこの来るべき時に、人間は、彼らの祖先が持ち得なかった、あるいは無視したインスピレーション(鼓舞)と導きを見つけるだろう。今やついに、人間とハイアラキーの覚者たちは、兄弟同胞愛と信頼という共通の絆で結ばれて、一緒に働き、前進するだろう。わたしたちの示す模範によって、人間は鼓舞され、超人間的な努力で達成をなし遂げ、光がすべての者の心(ハートとマインド)にもたらされるだろう。
そのようになるだろう。そのようにして、創造の偉大なる秘密は明かされるだろう。そのようにして人間は創造者となり、自分自身の運命の調整者となり、「神のような存在」となり、「人間」の名にふさわしい存在となるだろう。


(シェア・インターナショナル誌1989年9月号)

編集部より

 創刊以来、本誌は幅広い包括的な旗印を掲げて歩んできた。「シェア・インターナショナル誌は新しい時代の思考の二つの主な方向──政治的と霊的──を統合する。現在、世界的規模で起こっている政治的、社会的、経済的、霊的な変化の底に横たわる統合を示し、この世界をより正しい、慈悲深い線にそって再建するための実際的な行動を刺激することを意図する」というものである。この統合の概念の中に、霊性の定義を見いだすことができる──あらゆる生活領域で認められる私たちの本質的な一体性であり、あらゆる構造の中で実践されるものである。大多数の人が望み、切望するグローバル社会を創造するためには、「我々は意識の転換を行い、『霊的』という定義の中に我々の存在のすべての面を含めなければならない」とベンジャミン・クレームは記している。

 このサイトを定期的に訪問してくださっている方ならご存じのとおり、私たちの主要な目的の一つは、「知恵の覚者方」──苦闘する人類を助けるために来られる高度に進化した人々──と彼らの師である世界教師マイトレーヤの存在についてのベンジャミン・クレームの情報を提示することである。彼らは私たちを導き、助言を与え、私たちの問題を解決する方法を示すために来られる。マイトレーヤは、分かち合い、正義、平和に基づく新しい文明を確立する手助けをし、これを可能にするために緊急に必要とされる変革をいかに実行するかを示すために来られる。マイトレーヤには14人の覚者方が同行し、一緒に働かれる。新しい時代へと私たちが歩みを進めていく中で、覚者方は鼓舞し、教え、支え、人類の意識の成長を見守ってくださる。その時代においては、ここで挙げた原則が日常的な経験となり、協力的で、創造的で、公正な地球共同体を保証する社会規範として受け入れられるだろう。

 1982年に本誌が創刊された時、シェア・インターナショナル誌は「世界人権宣言」の第25条を採用した。それは、私たちの原則を非常によく要約していたからである。それ以来、この条項を本誌の奥付に掲載してきた。世界人権宣言第25条がついに実施されるとき、私たちはどんな世界を創造するのだろうか!  私たちが選んだ本誌の名称がすべてを物語っている。「シェア(分かち合いましょう)」──それも「インターナショナル(国際的)」な規模で。

 この定義を強調するため、創刊編集長のベンジャミン・クレームが1982年1月に書いた「霊性」と題する記事の一部を再掲載することにした。この概念は新しいものではないが、非常に幅広い意味合いを持っているため、いまだに世界の主流の見解として広く浸透していない。人々に霊性の定義を尋ねてみてほしい。進歩を阻む根本的な問題が何なのかを尋ねてみてほしい。おそらく、ほとんどの人の答えの中にこの概念は登場しないだろう。

 霊性

 「我々は誤った原理──競争、分割、分離主義、不平等──に基づいた機構を築いてしまった。これらはすべて我々の内的リアリティと完全に対立するものである。内的リアリティは人間の一体性であり、すべての人間に潜在する聖なる特質を分かち合う。内的な輝きの表現を可能にする正しい外的形態が必要である。今日の暴力の多くは、聖なる存在として内的に知覚される己自身についての知識と、その認識を外界に顕現することのできないこととの間に生まれる緊張の結果である。人間をはっきりと分割したカテゴリー ──実質上のカースト・システム──にはめ込む政治経済機構に対して、何のコントロールも持たないと感じる。そして聖なる存在としての己自身とは何の関連もない外的環境に逆らって反応する。己自身と闘い、己の延長としての社会と闘う。これが世界における現在の社会緊張と暴力の多くの根源にある。三重のリアリティ=霊と魂と肉体人間=としての人間の本当の特質について、そして再生誕の法則との関連における原因と結果の法則について、人類を再教育することによってのみ、魂としての人間の本当の表現が可能となる」

 世界がやがて喜びの源として、生きた経験として知るようになることは、この惑星の霊的ハイアラキーが存在するということ、世界教師マイトレーヤと知恵の覚者方が人類と共に在るということ、人生は偶然ではなく計画──神の大計画──があるということ、この生きている惑星上のあらゆる生命と同様に、人類はそうしたリアリティ(実相)の不可欠かつ進化する一部であるということ、そして、私たちの人生には意味と目的があるということである。覚者方はその模範となり、達成する方法を示してくださる。

 こうした基本的な事実を知るだけでも希望の源となり、苦しむ者たちのために希望を行動へと転換する跳躍台となる。日常生活を大計画に沿わせるのを助け、私たちの潜在的な本性である神々となるよう助けること──これがマイトレーヤと覚者方が提供する尽きることのない奉仕である。これらは、今なお存在する古代の真理であり、今日蔓延する残酷さや恐怖によって押し流されることはない。

 こうした霊性の定義や、この惑星における生命の目的への理解と、現在の日常的なディストピア(暗黒郷)の惨状との鮮明な対比は、ハートと良識を持つ者すべてにとって恥ずべきことであり、深く憂慮すべきことである。私たちが来る日も来る日も目にする、意図的に人間性を奪う悪から、見て見ぬふりをして隠れることはできないし、隠れてはならない。混沌の力が私たちの生活とコミュニティーを蹂躙し、分離主義を植え付け、隣人を敵とみなすようになっても、常軌を逸した貪欲と権力に怯むことがあってはならない。「『他者』こそが問題だ」と私たちは教え込まれ、国全体が敵対的で危険なものとして提示される。外交政策と称されるプロパガンダでは、戦争が唯一の解決策として提示される。

 世界がやがて知るようになることは、助けがすぐそこにあるということである。マイトレーヤは言われる。「もしあなたが、わたしに向かって一歩進むならば、わたしはあなたに向かって二歩進むだろう。あなたにわたしの強さを貸してあげよう。わたしはいつもあなたと共にいる」(1992年3月号)。現在の世界情勢がいかに恐るべきものであろうとも、人間性を取り戻し、自分たちが神聖なる全体の一部であるという感覚を取り戻し、平和に暮らし、協力し、すべての人のために正義と自由を確立するために、私たち民衆は行動を起こし、その一歩を踏み出し、力の限りを尽くす必要がある。

怒りを 個人的・政治的利益のために利用する──確立された世界秩序の崩壊

リチャード・ウルフ教授との対談──第2回

フェリシティ・エリオット

 リチャード・ウルフ氏は、マサチューセッツ大学アマースト校の名誉経済学教授である。1973年から2008年まで同大学で経済学を教えていた。現在は、ニューヨーク市にあるニュースクール大学大学院の国際関係論プログラムの客員教授を務めている。それ以前は、イェール大学とニューヨーク市立大学シティ・カレッジで経済学を教えていた。1994年には、フランスのパリ第1大学(ソルボンヌ大学)の客員教授を務めた。また、「デモクラシー・アット・ワーク」の共同設立者であり、全国ネットで配信されている番組「エコノミック・アップデート」の司会者でもある。多くのメディアからマルクス経済学の分野で影響力のある人物とみなされており、ニューヨーク・タイムズ・マガジンは彼を「アメリカで最も著名なマルクス経済学者」と評している。
 フェリシティ・エリオットは2025年11月、ゾーラン・マムダニ氏がニューヨーク市長に選出されてから数時間後に、本誌のために彼にインタビューを行った。二人の詳細な対談は、今後数回に分けて掲載される。

(1回目の対談の内容は2025年12月号に掲載)

ウルフ教授と私は202511月、ゾーラン・マムダニ氏がニューヨーク市長に選出されてから数時間後に対談した。この瞬間が私たちの対談の決定的な瞬間となり、移民や「他者」に対する怒り、恐怖、憎悪を国内政策と地政学的戦略の両方の足掛かりとして利用する、現アメリカ政権の露骨なポピュリスト的アプローチといった話題に触れることになった。法の支配、国際条約上の義務、そして国家の主権を踏みにじる現在の暴動を「戦略」という言葉で表現するのが適切かどうかは疑問である。こうした事態はすべて、昨年11月以降に起きており、今ではほぼ10年前のことのように感じられる。

シェア・インターナショナル(SI):主流メディアが企業利益に買収され、事実よりも企業利益に奉仕するようになったため、代替メディアの重要性が高まっているという話をしたところでした。

リチャード・ウルフ:私はここアメリカでラジオとテレビの番組をやっています。

SI:「デモクラシー・アット・ワーク」のことでしょうか。そのリンクを公開する予定です。

ウルフ:そのとおりです。ご存じのとおり、YouTubeのフォロワーは60万人います。これはかなりの視聴者数です。新聞社なら60万人の購読者は大成功と言えます。そう主張するつもりはありませんが、私にはチャンスがあります。主流マスメディアでは、終わりです。私の記事を一切掲載しません。

私は、アメリカにおける支配的な感情や見解、そして事実の操作、あるいは一般的なイデオロギー的立場のために真実が犠牲にされ、それがアメリカの自己認識や世界における役割に対する歪んだ認識につながっていることについて尋ねた。

ウルフ:もし過去半世紀にわたってアメリカを形作ってきた最も重要な経済プロセスは何かと問われれば、資本主義産業のアメリカ国外への移転だと答えます。資本主義産業はアメリカから、主にアジアへ、そしてラテンアメリカやアフリカなどへ移転しました。

SI:もちろん、安い労働力のある場所へ移るでしょう。しかし、誰が決めるのでしょうか。

ウルフ:そのとおりです。安い労働力です。この最大の受益者は中国です。これは、中国が経済的成功物語を築くために行ったすべてのことを否定するものではありません。工業生産の中国への移転、つまり国内の工場を閉鎖して基本的に向こうへ移転させることは、すべてのアメリカ人が経験することです。アメリカ人はまた、シカゴやセントルイス、ニューヨークなどにある工場を閉鎖し、上海に移転するという決定は、移転した各企業の大株主と取締役会によってなされたものであることを知っています。政府でも、労働組合でも、国民でもなく、彼ら自身が決定したのです。米国国勢調査によると、米国民の3%が雇用主です。残りの97%はそうではありません。つまり、産業、あるいは企業体としての将来を中国に託したのはこの3%なのです。賃金ははるかに低く、市場は世界最大の市場であり、他のどの国よりも急速に成長しています。

 問題は、母国、例えば米国では、失業率が高く、物価が上昇しているため、国民の怒りを買ってしまうことです。しかし、この国の企業エリートたちは、そのことについて非難することはもちろん、口にすることさえタブーにしています。いや、私たちは中国人を非難します。より大きな富を求める労働者を非難します。あらゆる人を非難します。しかし、エリート層は例外です──彼らへの非難は一切ありません。しかし、人々は今やこのことに気づいています。そうではありませんか。ますます増えています。左派、右派を問わず、あらゆる層で。アメリカや他の国々で起こっている興味深いことは、古いシステムで当然のことと思っていたことがもはや通用しなくなっていることだ、と私は考えています。左派にも右派にも、怒っている人々がいます。しかし、ここに違いがあります。私が皆さんに明確に申し上げるのは、それが私の希望でもあるからです。その一部が私の希望だということを否定したくありません。トランプ氏がそのすべてを体現しています。右派は、自らの行動を通じて、見捨てられた労働者階級の苦々しく怒りに満ちた挫折感を表現しようとしています。トランプ氏が壇上で、女性や非白人、政敵に対して常軌を逸した振る舞いを見せるとき、彼は自分を支持する人々の苦渋や怒りを体現しているのです。

SI:つまり、これは粗野なポピュリズムなのですね。

ウルフ:数え方にもよりますが、30%から40%がいわゆるMAGA(マガ=アメリカを再び偉大に)派です。しかし、トランプ氏がやっていることは、彼に資金提供している超富裕層を遠ざけることなく、見捨てられた労働者階級の怒りを代弁しようとすることです。トランプ氏は、寄付者の感情を害さないよう気を配らなければならないため、この狭い政治的な綱渡りを強いられています。民主党幹部も同様に、女性と白人以外の人々の圧倒的な支持を得ているために、身動きが取れません。しかし彼らも、アメリカ合衆国で選挙に立候補するには数十億ドルも使わなければならないため、資金への依存を許してしまっています。つまり、この二つの古い指導者たちは、タブーを守りながらも、怒り狂う国民に語りかけなければならないという窮地に立たされています。この問題に陥っていない唯一のグループは左派です。バーニー・サンダース氏、オカシオ=コルテス氏、マムダニ氏は手探りで、寄付者階級に依存せずに、見捨てられた労働者階級の代弁者となる道を模索しています。

 マムダニ氏の選挙戦が示したのは、他のどことも比べものにならないほど多くのアメリカ人億万長者がニューヨーク地域に住んでいるという事実です。ニューヨークは金持ちの街です。私はマンハッタンに住んでいます。マンハッタンから皆さんにお話ししますが、お金がなければ、ここは快適に暮らせる場所ではないと断言できます。とにかく物価が高すぎるのです。そこで、大口寄付者たちはいつものように動きました。マムダニ氏を7対1で圧倒したのです。なんと! そして負けたのです! 世間でどんなうわさを耳にしようとも、私は断言できます。彼らは、私が今座っている場所から数ブロック離れたところで会合を開いてる、と。そして、この状況にどう対処するか、どうすればマムダニ氏のような候補者がいなくなるかを顧問たちと協議しているでしょう。

 賢い連中はこう助言するでしょう。このジレンマを解決せねばならん、と。金に依存しているから支持基盤を失っている。金への依存が、怒りを表現する能力を阻害している、と。すると、右翼がこう反論します。いや、われわれには解決策がある。労働者階級の怒りの最も醜い表れを取り上げ、あおり立て、集中させ、増幅させる。かつてやったように黒人を木に吊るす。ドイツ語の「子供、台所、教会」というフレーズ(語句)を誰もが思い出すような方法で女性を従属させるのだ、と。このことを覚えていますか。

以前のウルフ教授との対談の中で、私たちはこのフレーズに触れた。ナチス・ドイツで支配的なスローガンであり、今再び注目を集めているこのフレーズは、女性の役割は文字どおり、「子供、台所、教会」に限定されるべきだと主張するものである。現代の「出産奨励主義」や女性の権利を抑圧しようとする動き、そして「男社会」の象徴である筋肉質で支配的な男性の地位向上と対比させて考えてみていただきたい。私は確かにそのプロパガンダは知っていると答えた。そして、このことやそれが社会全体に与える影響について人々に警告しようと努めているが、私が指摘する影響を誰もが受け入れるわけではないと付け加えた。「まさか自分の国で? まさか現代において?」と。人々は、台所の扉から忍び込むファシズムの兆候としてこれを認識できていないと思う。

ウルフ:彼らはとんでもない行動に出ます。トランプ氏がこの2カ月で何をしたかを見てください。彼は軍に、カリブ海や太平洋で人々が乗船している船を破壊するよう指示しました。……乗っている者が誰で、何をしているのか、船の中に何があるのかを誰も知りませんでした。何も知りませんでした。逮捕もせず、弁護士もつけず、誰からも証拠を提示されず、陪審員も裁判官もいませんでした。ただ、即決処刑したのです!

ここアメリカでは、麻薬ビジネスで人を逮捕することがしょっちゅうあります。これは深刻な問題です。しかし、それで殺される人はいません。死刑に値する罪ではありません。アメリカの多くの州では、誰も処刑されません。裁判を受け、弁護士をつけ、その他、諸々の権利があります。しかし、私たちは今、市民ですらない人々、何千マイルも離れた船に乗っている人々、つまり、いかなるアメリカ人にも差し迫った危険を与えていない人々を、即決処刑しています。これは一体どういうことでしょうか。これは、怒りに満ち、自分ではなく悪人が罰せられることを望む労働者階級の怒りを代弁する機会となっています。これは移民税関捜査局(ICE)運動と同じです。ICE部隊は街頭に出て問題を起こし、人々を逮捕します。適正な手続きなしに、人々は連行されています。

SI:同じ現象だとおっしゃるのですか。

ウルフ:では、これがどれほど驚くべきことか、改めて強調させてください。ICEへの最大の支持は中西部と南部から来ています。そこはトランプ氏の強固な支持基盤です。彼の支持基盤のもう一つの要素は、中西部と南部はキリスト教原理主義が最も強い地域であるという事実です。こうした人々は教会に通うことを真剣に考えています。日曜日に教会に行き、多かれ少なかれ牧師の話を注意深く聞きます。聖書が「見知らぬ人を歓迎せよ」と説いていることを知っています。ご存じのように、ヨセフとマリアは難民でした。馬小屋で歓迎されました。頬を打たれてももう一方の頬を差し出し、見知らぬ人を歓迎するよう教えられているキリスト教徒に、人々を暴行するICE※を支持させるのは容易ではありません。そのように暴行を受ける人々の罪とは、家や教会、学校、隣人、言語、その他すべてを捨てざるを得ないような恐ろしい状況から必死に逃げ出したという罪です。〔※ このインタビューが行われて以来、 国家機関であるICEが自国の白人市民を射殺する事件が起きている。〕

SI:なぜ教会に通うキリスト教徒たちはICEを容認できるのでしょうか。

ウルフ:答えは、彼らがそれほど怒っているからです。あまりにも苦々しい思いを抱えているため、心理的な解放や安堵感を求めています。誰かが自分たちの苦しみの代償を払わなければなりません。そして移民を責め、スケープゴート(身代わり)にするのは当然だと教え込まれてきました。しかし、もしそれが変わり、左派が勝利すれば、トランプ氏の支持基盤がトランプ氏に背を向けることになるはずです。それは見苦しいものになるでしょう。イタリアのファシズム終焉時にムッソリーニに何が起こったか、ご存じでしょうか。もし私がトランプ氏だったら、そのことを心配するでしょう。私たちが初めて会談した直後に、チャーリー・カーク氏が殺害されました。一部の支持者はトランプ氏から離れていく事態になっています。そうした支持者は、例えば、エプスタイン文書やイスラエルへの支持など、あらゆることを知りたがっていました。こうした要素が入り混じり、非常に不透明で奇妙な社会が形成されています。

SI:では、お聞きしたいのですが、それほどの怒りや緊張が渦巻いているのなら……バーニー・サンダース氏が以前、今回は違う、と言っていたのを覚えています──貪欲によって動機づけられたわけではないのに、まるで権力への渇望が爆発したかのようだ、と。私には、これは単なる貪欲さや分断だけでなく、権力への渇望と、ある種の残酷さへの飢えのようにも思えます。そこで疑問が浮かびます。社会がこれほど怒りに満ち、緊張が高まり続ければ、心理的にも、文化的にも、社会的にも、もちろん経済的にも、何らかの爆発や内破が起こる瞬間が必ず来るのではないか、と。これについて、どうお考えですか。

ウルフ:全く同感です。常にそうなるだろう、と考えています。こんなことを言うべきではないかもしれませんが、それは私の頭の中にあります。何が爆発の引き金となるのか、何が限界点を超えるのか、その瞬間には常に不可解な要素が伴うでしょう。何が触媒となり、事態を頂点に導くのか。時にそれは全く無関係な些細な出来事のように思えます。

SI:そのとおりです。第一次世界大戦もそうやって始まりました。

ウルフ:そうですね。取るに足らない出来事がきっかけでした。振り返ってみると、無名のアナーキストか何かに無名の皇太子が暗殺されたからといって、第一次世界大戦を正当化することは不可能です。その引き金となるものが何かについて、アメリカ国内でもさまざまな憶測が飛び交っています。例えば、エプスタイン事件について私たちが知っていることの表面下には、もっと大きな物語が隠されていて、トランプ政権は、その物語の残りの部分を公に知られたくない他の勢力と結託して、多大な努力を払ってきたという見方がかなり広まっています。隠蔽と文書破棄のプロセスが行われています。しかし、十分な数の人々が十分に知っています。……

ウルフ教授は、エプスタイン事件をめぐって大統領の不人気が高まっていること、そしてこのスキャンダルが、以前は熱狂的だった右派の支持者の間に亀裂を生じさせていることに触れた。イスラエルとガザの破壊に対する批判もあるが、国内ではエプスタイン文書が世間の注目を集めている。

ウルフ:こうした問題には、多くの下品な興味が寄せられます。マスコミはこぞってこの問題を取り上げます。どんなに従順な大手メディアでさえ、この問題が世間の注目を集めるため、注目せざるを得ないでしょう。それはそれで一つですが、もう一つあります。トランプ氏が選挙に勝利したのは、選挙運動を通して際立った姿勢を示したことが一因です。彼は、戦争に反対だと何度も繰り返し主張しました。ウクライナ、ガザ、イラン、イラク、ベトナムといった終わりのない戦争に反対だ、と。「私は戦争を止める」と言ったのを覚えていますか。「私は最初の1週間で戦争を止める。電話をかける。必ず、必ず、必ず」と。

 彼は一体何をしたのでしょうか。まあ、今のところ、基本的には何も起きていません。イスラエルはガザで以前と同じことを続けています。これは極めて異様な停戦です。ウクライナ戦争は止むことなく続いています。彼はイランを攻撃したため、そこで戦争が続いています。一方、彼はベネズエラを脅迫しています。ここ数日は、ナイジェリアを脅迫し、メキシコも脅迫しました。カナダに対しても常に脅迫を続けています。トランプ氏は戦争を終わらせるどころか、戦争を増殖させています。実際のところ、いつか誰かがここに政治的な好機を見いだすでしょう。私の推測では、共和党員でしょう。昨日、トランプ氏が支持した候補者全員が選挙で敗北しましたので、なおさらその可能性が高まりました。勝利した候補者は皆、彼が支持した人物の対抗馬でした。これは彼を弱体化させます。現在は2期の任期のうちの2期目です。トランプ氏が次の任期を得られるかどうかは全く不透明です。私の推測では、おそらく再選は不可能でしょう。つまり、いわゆるレームダック(弱体化した大統領)なのです。このことは、彼自身の副大統領をはじめとする他の共和党員が、彼を怒らせることなく彼を脇に追いやったり、その座から引きずり降ろしたりしようと試みることに既得権益を持つことになるということを意味します。

リチャード・ウルフ教授

時代の徴

聖シャルベルの奇跡の聖油

 イタリア、ナポリの小さな教会で、多くの人が奇跡と呼ぶ普通ではない出来事が起こった。
 教区司祭であるパスクアーレ・シルヴェストリ神父は、1898年に亡くなったレバノンの司祭で隠者である聖シャルベルに帰依するようになり、彼の写真を教会に飾っていた。ある晩、非常に真面目そうな聖シャルベルが予期せず微笑む夢を見た。
 2025年7月24日、シルヴェストリ神父は、聖シャルベルを祝うミサに500人以上もの人々、しかもその多くが病気の人々が集まったことに驚いた。その朝、一人の若い女性が、聖人の力で乳がんの腫瘍が治ったと彼に告げた。
 聖餐式の終わりに、司祭は祭壇に近づく信者たちに、ローマのマロン典礼区から送られた聖油を塗布し始めた。非常に多くの人がいたため、瓶はほとんど空になり、「全員の希望を叶えられるかどうか不安でした」と司祭は説明した。しかし、どういうわけか、瓶が空になるまで一人ひとりに聖油を塗ることができた。最後の数滴は瓶を逆さまにして「何度も」振って取り出した。瓶を閉めたが、「金庫に戻したとき、再び満たされていることに気づきました。自分の見ていることが信じられませんでした」。
 瓶が再び満たされただけでなく、「以前よりも重くなっている」ことに気づいた司祭は、拍手喝采する群衆にこの情報を伝えた。
 翌日、教会を訪れたレバノン人巡礼者のグループが、その油の香りを確かめたいと願い出た。彼らは、その油がレバノン杉の芳しい香りを放っていることを確認した。
 聖シャルベルはベッカーカフラで生まれた。この村は、かつてレバノン山脈の大部分を覆っていたこの古代樹の最後の自然保護区の一つである「神の杉」の近くにある。カトリック教会は、東洋と西洋を結ぶ精神的な架け橋となったこの聖人に起因する何千もの奇跡を記録している。
 2025年7月24日の奇跡的な出来事以来、多くの信者が、ミサに参加した後の肉体的または精神的な癒しについて語っている。
(catholicnewsagency.com)

レンズ雲とUFO

 スペインのさまざまな町や都市の上空で撮影されたレンズ雲。これらはしばしば「UFO雲」と呼ばれている。ベンジャミン・クレームは、レンズ雲に関する質問に次のように答えた。

質問;あなたの師である覚者は、いわゆる「レンズ雲」がしばしば宇宙船であると認めています。この種の雲は、非常に明確でシャープな輪郭を持ち、典型的なUFOの形をしています。山の上空でよく見られますが、必ずしもそうとは限りません。
(1)それらは、宇宙船が自然なエーテルの状態から雲、つまり蒸気の状態へと変容するため、あるいはその逆にエーテルへと変容するため、私たちには雲として見えるのでしょうか。
(2)こうした宇宙船のパイロットは、私たちの好奇心をかきたてるために──ある種の漠然とした示唆として──意図的に、このようにそれほど脅威的ではないが興味をそそる状態で宇宙船を見せているのでしょうか。
答:(1)はい。
(2)はい。

2025年10月20日、スペインのグラナダで、マイテ・メナ・ムニョスさん撮影

2025年12月号目次

 

覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
人間の役割

今月号の内容概説/祝福

視点
幻想から真の平和へ
ガザとウクライナにおけるトランプ氏の試練
ジェフリー・サックス、 シビル・ファレス共著

マムダニ氏のニューヨーク市長選出は新たな方向性を示す
シェア・ギルモア

古い前提を検証し、 新たな方向へ進む
リチャード・ウルフ教授との対談

古代からのつまずきに立ち返る

アイルランド新大統領が平和のための代弁者となることを誓う/ ダムの撤去によりクラマス川が復活 / カワサク・サチャー自然 の権利を認める / 鉄道システムの新たな用途/ロボットが電子廃棄物の処理を学習

時代の徴
願いが叶う庭 他

量子物理学: 理論の統一 (第三部)
ドミニク・アブデルヌール

導き
アート・ユリアーンス

グラマーとイリュージョンを克服する-選集
Overcoming glamour and illusion – a compilation

編集長への手紙
『分かち合い広報自転車』 の白いバラ他

読者質問欄

人間の役割

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう。今日の方式──森林と土壌の略奪、やせた土地の過度な耕作、多種の動物や魚類の貪欲で無謀な捕獲、これらは永遠に消え去るだろう。

 自然の恩賜に対するこの不浄な戦いに、直ちに停止の号令がかけられねばならない。人はもはや大地と水を毒することを許してはならない。それは人間と動物を同様に脅かすものである。運動および空気と日光に浴する基本的権利を抑制するような飼育の方式に携わることは、もはや適切でない。実験のための数え切れない生物のむごい利用の仕方は、より健全な方法の研究と知識に道を譲らねばならない。

 今日、多くの人々がこれらの問題に関心を寄せ、変えることを呼びかけている。人間の心は正しい方向へ動いており、何ものもこの勢いを止めることはできない。しかしながら、世界の生態均衡を維持するためには、直ちに非常に大きな変化が必要である。 
 地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである。
今日、自然の法則の研究に巨大な額の金が費やされている。同時に、莫大な資源が浪費され、誤用されている。これらの資源が自然の均衡を安定させるために向けられたならば、新しい世界が出現するだろう。人間に長い間、隠されていた秘密を、人間自身が所有することになろう。いままで人間の詮索好きなマインド(識心)に閉ざされていた知識の領域に入ることになろう。自然はその神秘をついに明かし、そして人間は大計画の管理者としての正当な座を占めて、創造主とのパートナーシップ(提携関係)を始めるだろう。

 人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない智恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である。
 人類種族にとって幸いなことに、人間は孤立した存在ではない。人間生活の舞台の背後から、覚者たちの一団が、神の属性のすべてを賦与された者たちが、今、登場しつつある。彼らから長老の智恵が流れ、人間を道に沿って導き案内するだろう。彼らのインスピレーション(鼓舞)を受けて、人は自分の足どりを見直し、もう一度新たに始めるだろう。彼らの賢明な後見のもとに、人は神へと登り始める、潜在するのだが表現されていないあの神性を顕し示すために。
このようにして、人間は早晩、覚者となり、同じように神の大目的の奉仕人になるだろう。そうすると、人類から、大計画を進行させるためにすべてのものを共に育む普遍的な智恵の流れが注ぎ出すだろう。

(シェア・インターナショナル誌1985年12月号)

今月号の内容概説

 ベンジャミン・クレームの師による記事「人間の役割」には、人類には使命があると記されている。私たちの使命、責任とは、私たちのいのちとこの惑星上のすべてのいのちを守り、育むことである。私たちは、この地球という故郷を守り、育み、そうすることで包括性と意識において進化していく機会を与えられている。「地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することは前もって定められているのである」

 今月号は、この使命を遂行していく能力を高めるようなアイディアや態度に捧げられている。その能力とは、私たちの前に立ちはだかるものが何であれ、それを排除する能力であり、私たちの進歩を妨げるすべてのものを切り開いていく手助けとなるものである。私たちを惑わせたり、待ち伏せしたりする働きをするかもしれないもの、混乱を生み出すあらゆるもの、真実(リアリティ)・事実・科学・永遠の真理を歪めるあらゆるもの──要するに、転生している魂としての私たち自身の内なる声や目標の感覚、奉仕の可能性から私たちを逸らすすべてのもののことである。そしてもちろん、経験や直観に反するすべてのもののことである。

 世界が人口知能(AI)や仮想知性がどれほど有益かというジレンマに頭を悩ませる中、AIは確かに、気を逸らす可能性のあるもののカテゴリーに位置づけられる。多様なAIとそのさまざまな用途との間の合理的な境界線はどこにあるのか。チャールズ・アイゼンシュタイン氏はその派生問題について考察する一方、リチャード・ウルフ教授は米国という帝国の衰退の兆候を検証する。ヤニス・ヴァルファキス氏は、人生で出会った女性たちに触発された自分の政治的・社会的成長を描き出している。秘教徒のアート・ユリアーンス氏(故人)は「導き(ガイダンス)」という現象を検証している。

 また、人類が繰り返しトラウマ(心的外傷)に陥るのを余儀なくさせている未解決の問題にも立ち返りたい。私たちが自らの性質の中にあるさまざまな傾向や弱点を理解し、折り合いをつけるまで、このトラウマは続くだろう。クレームの師による簡潔だが示唆に富む追加の記事では、国際社会から小規模なグループに至るまで、世界を脅かす可能性のある傾向が指摘されている。覚者はこう警告している。「人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない知恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である」 

 それでも、サックス教授とシビル・ファレス氏はこう主張する。「まだ一筋の希望は残っている。現実(リアリティ)は頑固なものだからである」。現実(リアリティ)とは頑固なものであり、遅かれ早かれ、最も惑わされ迷わされた人々さえも、明瞭さと真実によって支配されるようになるに違いないことに感謝しなければならない。そうすれば、私たちは直観と一体感を取り戻し、現実(ルリアリティ)に立ち返り、進化の大計画に奉仕する方法を見つけることができる。
今年を締めくくるにあたり、読者の皆様にマイトレーヤと覚者方の真の祝福があることをお祈りします。「マイトレーヤは彼の後ろに立つ者、平和と正義、自由と愛を貴重に思う者の究極の勝利を疑わないことを念頭においておきなさい。マイトレーヤは、これらが人間存在の主動因であることをご存じであり、すべてにおいてこれらに最高の価値が付与されるのを見届けるために来られる」

注:1月より、本誌[英文誌]のウェブ版は以下で閲覧可能です。
https://share-international.org/resources/magazine/

[訳注:今月号の英文誌は、記事が非常に多くなっているため、日本語版ではその一部を2026年1月号、2月号に掲載します。なお、英文誌は1月からウェブ版に移行しますが、日本語版については紙媒体での発行を継続します]

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けてきた。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したい。

Q なぜ、あなたの師の名前を明かさないのですか。(1984/9)
A 今のところ、明かさないように彼に要請されたからです。その理由を二つだけ知っています。主な理由は、もし私が彼の名前を一般に明かせば、私が共に仕事をしているグループにも明かさなければなりません。そしておそらく彼らは注目を私の師に――テレパシーによって――しょっちゅう注ぐことになり、覚者の注目をそらすことになります。彼がそれを「ふさぐ」にせよ、それに応じるにせよ、覚者のエネルギーと時間の浪費を伴います。覚者方はこの両方とも注意深く守ります。(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

Q アリス・ベイリーは明瞭なチャンネルだったのですか。彼女は全然誤りがなかったということが言えますか。(1984/9)
A いいえ、また彼女自身も全然誤りがないと主張しないだろうと思います。覚者方でさえも全然誤りを犯さないと主張されません。しかし、もし覚者(ジュワル・クール)が30年間もアリス・ベイリーを通して仕事を続けられたのならば、仲介者としての彼女の正確さに十分に満足しておられたのだろうと思います。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

Q 私たちは自分で覚者方に接触することはできますか。
A いいえ、覚者に接触することはできません。何らかの理由があれば覚者があなたに接触します。まず最初に、メンタル偏極というものを達成しなければなりません。あなたの意識の偏極は高位のメンタル界になければなりません。なぜなら彼らは魂のレベルで働くからです。しかし、もしあなたが世界への奉仕に適合し、十分に客観的になり、オープンで利他的な方法で働く用意があれば、彼らはあなたに接触するかもしれません。
 接触を受けた人々は時の初めから存在します。すべての偉大な芸術家、思想家、詩人、作家、音楽家、偉大な政治家、科学の発見者たち、彼らは皆、覚者方の弟子です。彼らは覚者方の監督の下で働き、私が行っているように、内的に、主観的に魂のレベルで与えられたものに反応しています。このようにして、彼らは覚者方の仕事をこの世で実行してきました。このようにして、私たちの文明と文化は長年発展してきました。
(シェア・インターナショナル誌2023年1月号)

Q 私は何年間も、内界で覚者とか大師に接触しようと試みていますが、成功しません。これには理由があるのですか。(1984/10)
A 覚者と接触したいという単なる願望で覚者との接触ができるということではありません。志向者や弟子は、彼が覚者の仕事に役立つことができることを、才能と客観性と奉仕への願いによって示さなければなりません。「生徒の準備が整った時、師匠は来られる」という、いにしえの諺があります。
 情緒(アストラル)界における「ガイド」や「指導霊」と接触するのには、もちろん、霊媒的能力以外に特別な才能はいりません。しかし情緒(アストラル)界とのそのような接触は避けるべきであると私は思います。(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

Q 「スピリット・ガイド」は実在するのでしょうか。私たちの魂のことでしょうか。
A 確かに、七つのアストラル界層や低位メンタル界層のさまざまなレベルで活動する、肉体を持たない非常に多くの存在(エンティティー)がいます。彼らは物質界の霊媒や敏感な者たちを通して「導き(ガイダンス)」を与えています。この導きは、ごくありふれた些細なことから、高い志向を持つ、高揚感を与えるような教えまでさまざまです。彼らは、四つのメンタル界層のうちで最も高いレベルであるコーザル界層に存在する、私たちの魂ではありません。覚者方は、このレベルで弟子たちとコミュニケーションを取ります。
(シェア・インターナショナル誌1984年10月号)

「イリュージョン」というテーマに関する
ベンジャミン・クレームの基調講話(2003年)からの抜粋

ジュワル・クール覚者によると、「イリュージョン(錯覚)は主にメンタル的な特質であり、感情的な者よりも、より知的な者のマインドの姿勢の特徴である。彼らは通常理解されているグラマーのレベルを脱した。彼らの過ちや間違った解釈は、概念(アイデア)あや想念についての誤解である」。
 「今日イリュージョンは非常に強力であり、マインドがいくらかでも発達している数少ない人間は、しかしながらこれらの膨大な錯覚的な想念によってコントロールされている。それらの想念は、低位のパーソナリティーの生活と一般大衆の欲望的特性に根差しており、そこからいのちを引き出す」

[ベンジャミン・クレーム:]私たちはイリュージョンに取り囲まれた世界に住んでいます。世界のすべての国がそれぞれイリュージョンを持ちます。ロシアやアメリカのような大きい国ならば、国民は通常途方もないイリュージョンを持っています。彼らは支配し拡大することを求めます。大きければ大きいほど、より大きくなることを求めます。奇妙なことです。ロシアやアメリカのようなサイズの国は、あまりにも大きいので、大きくあることに疲れてしまうのではないかと思います。扱いにくく、調整が効かないように感じるだろうと思いますが、しかし彼らはもっと大きくなりたいのです。

 アメリカ合衆国と呼ばれるこの広大な土地、東西に3,000マイル(4,800キロ)、南北に2,000マイル(3,200キロ)という大きさに十分に満足できると思うのですが、そうではありません。テキサス州とニューメキシコ州、そしてカリフォルニア州の半分はどこから来たのですか。アメリカはメキシコから奪ったのです。それはすべてメキシコの領土だったのです。最大で最高になりたい、強大になりたい、優越感という想念をつくるためのこの欲望が、アメリカ合衆国の国民の大きなイリュージョンです。今日、共和党政権の下でアメリカの支配する世界的な政治経済制度をつくろうとしているようです。

 ジュワル・クール覚者はまた、すべての弟子はまず真っ先に勇気を持たなければならないと言われます。私たちが勇気を持つまで世界は決してイリュージョンを取り除くことはないでしょう。真の弟子の義務の一つは、世界に存在する権威に対して、それが科学、宗教、政治あるいはいかなるレベルのことであろうとも、自分たちが反対だと思うこと、それらについてより明確に見通せることについては、公に声を上げることである、とジュワル・クール覚者は言います。

 もし彼らが間違っていると思うならば、弟子にとってそれを指摘することは義務であります。もし弟子たちがただごまかして、そのテーマについて見解を持たず、それ以上に良い、より明確な、より真実なものを提示できないのならば、それは名ばかりの弟子であります。真の弟子とは恐怖心を知らない弟子です。それがすべての弟子たちにとって第一に重要なことです。

 ジュワル・クール覚者によれば、グラマー(幻惑)を克服する唯一の方法はメンタル体を通してであり、メンタル体を通して魂によってグラマーが明らかにされます。「グラマーやイリュージョンが存在することを認知することだけでも進歩である。人類の大多数はそれらの存在にすら気づかない」と彼は述べています。ほとんどの人と、ただ話をするだけでこれが本当だということが分かるでしょう。ほとんどの人は、自分がグラマーとイリュージョンの中に生きていることに全く気づいていません。

「今日多くの善良な人間がこれを見ない。彼らは自分たちのグラマーを神聖視する」。神聖視するのですよ。それは素晴らしいものだと思っているのです。「そして彼らはイリュージョンを自分たちが勝ち得た素晴らしい所有物と見なす」
(『グラマー ──世界の問題』より)

 人々は政党や組織に加わります。あるいは組織されていないグループに加わり、自分たちを権力ある地位に置いて、それを組織に変えてしまいます。それが彼らに自分が強力だとか重要だというイリュージョンを与えます。コントロールするための隠れた方法です。それがすべての社会を支配する主要なイリュージョンです。
 すべての政党が、すべてのいわゆる霊的精神的なグループが、至るところのあらゆるグループが、自分たちがコントロールできるような状況に引き付けられます。グループ全体としてはそうではないかもしれませんが、グループの中の個人がそうなのです。そのコントロールが彼らにパワー(権力)の感覚を与えます。彼らが欲しいのはパワーであり、政治的、精神的、宗教的性質の奉仕を提供していると思っているのですが、そうではありません。意識しようがしまいが、彼らはパワーを追いかけます。それが大きなグラマーであり、巨大なイリュージョンです。

 宗教、政治、社会、科学、あるいはアカデミックな世界であろうと、自分の特定のグループの中で地位を獲得しようとし、そしてそれを保持しようとして闘いながら、彼らは何年もの月日を浪費するかもしれません。考え得る限りのあらゆる制度や集団が、今日絶えずつきまとうこの問題を抱えています。

 ジュワル・クール覚者は言われます。「イリュージョンとは、限られた理解と唯物的知識が真理を解釈し、それを想念の曇りの背後に覆い隠す様式である。それらの想念は、それが覆う真理よりもずっとリアル(本当のよう)になり、その結果、人間のリアリティ(実相)をコントロールする」

 世界には多くの問題があります。しかし意識について問題なのは、まさに教育があればあるほど、専門分野でより進んでいればいるほど、その人はより深くイリュージョンの中にはまり込んでいる傾向があるということです。なぜならそのような知識や学問が、コントロールしたいという欲望に対する場を提供するからです。宗教であれ、政治であれ、アカデミックであれ、それらの組織制度が、人に、より一層の権力とコントロールを発揮できる地位に向かって、より高く昇進していく構造を提供します。

 彼らは職業において出世して、その制度の中で権力の地位に就き、物事や金や人間をコントロールする才能に長けていきます。これがペンタゴン(国防総省)から世界の株式取引所まですべてを取り囲む主要なグラマーです。これが同じグラマーであり、同じイリュージョンなのが意味深いです。お金を儲けることが幸せをつくり、もっと儲ければより大きな幸せをつくるという考えは想念です。もしあなたがどうしようもない環境にあり、食べたり、着たり、子供たちを教育することもおぼつかない状況にあるときには、もちろんもっとお金を得ることで、そのストレスは緩和されるでしょう。しかし百万長者になる必要があるという考え、そして百万長者になれば、今度は億万長者になる必要があり、そうなる方法は株式市場に投資することだという考えはイリュージョンです。……

 これらの想念が私たちの人生をいっぱいにし、曇らせています。それは一時の空想ではありません。私がイリュージョンについて語ったことすべてがいま起こっていることであり、大多数の人の人生のほとんどの時間を構成しています。
さらに、おそらくこれはもっと悲惨だと思いますが、「この形のイリュージョンは、弟子たち、そして最初の2段階のイニシエーションを受けた者たちの間にますます広がりつつある。……彼らが達成したことの重要性が彼らの上に浴びせられ、そして彼らの責任と知識についての感覚が増大する。彼らはそれらを過剰評価し、自分の使命および自分自身を人の子たちの間でユニークなものと見なし、認知を求める内的主観的な要求が入り込み、そうでなかったならば実りある奉仕であったものを台無しにする。パーソナリティー(肉体人間)を強調するものはどんなことであれ、魂が低位人間を通して注ぎ込もうとする純粋な光をいとも簡単に歪めることができる。パーソナリティーが請け負った使命や任務に注目を引こうとするいかなる努力もその使命から注意を逸らすことになり、任務を遂行する障害となる。そしてその弟子は彼を通して愛が注ぎ入り、光が輝くことのできる純粋な回路以外の何ものでもなくなるときまで、その任務の成就は延期される。(愛と光が)彼を通して注ぎ入り、そして輝き出るということは自然に起こらなければならず、自己についての言及は一切含まれない」。
(『グラマー ──世界の問題』より)

 私は、特定の個人によって導かれ、1年か2年くらい世に名を馳せたグループのことをしばしば耳にします。アメリカではよくそれを見かけました。1980年以降、私がアメリカに来るたびに、大きなグループを率いた有名な“グル”とか教師について聞かされ、たまに彼らに会ったこともあります。彼らは田舎や山などの美しい、素晴らしい所に別荘を贈られて、そこに住んでいるかもしれません。……6カ月か1年くらい経つと、もうそのグループについて何も耳にしないか、あるいは彼らには何か問題があり、例えば40万ドルも無駄使いして、後援者が建物を取り上げたとかという噂を聞かされます。怪しげなビジネスは、特にお金に関わるものはいつも存在します。……

 おそらくグループを始めた人は奉仕の感覚を持っていたか、あるいは何らかの“体験”があったのかもしれません。アストラル的な感受性を持っていて、おそらくアストラル界の第5か第6レベルの霊存在と接触があって、そのレベルでの極めて素敵なはっきりとした思考やアイディアを受け取っていたかもしれません。そうするとそのレベルに反応できるタイプの人々が引き付けられるでしょう。しかしそれはもっと明瞭さを求め、外的な現実の世界にもっと関連のあることを要求するような人々ではないでしょう。ですからそのグループはひとりでにつぶれてしまい、それについてもはや何の噂も聞くことはなくなります。それが繰り返し繰り返し起こります。……

 もっと劇的なものになると、全員が自殺した、毒を飲んだ、お互いに撃ち合ったとかいうニュースを聞きます。あらゆる恐ろしい物語が異様な“霊的”グループの歴史を飾っています。しかしその“霊的”なるものの99パーセントが、巨大なイリュージョンに基づいているのです――創始者とそして創始者に従って、火の中、山の中、死だろうと、どこへでもついて行った人々のイリュージョンです。
(『生きる術』)

[ジュワル・クール覚者の引用句はすべて、アート・ユリアーンス編纂『ポンダー・オン・ジス(Ponder On This)』の「イリュージョン(錯覚)」の部分より抜粋した]

2025年11月号目次

 

覚者より  ベンジャミン・クレーム筆記
正義は神聖なり

今月号の内容概説

視点
元国連人権高等弁務官
ゼイド ・ラアド・アル・フセイン氏からのメッセージ

仮想知性——第一部
チャールズ・アイゼンシュタイン

私たちの問題への解決策:
「三つのゼロの世界』 -書評
ミッチ・ウィリアムズ

グレタ トゥーンベリさんのスピーチ
イスラエルによる拘束後、 初の声明

憎悪の政治
グラハム・ピープルズ

ジェーン・グドール博士への追悼

時代の徴
神の手か? 他

気候変動に関する
教皇レオ14世の最初の演説 他

バルバドスのミア モトリー首相による第80回国連総会での演説
真実の危機
「世界はリセットを必要としている」

声を上げ、行動を起こす勇気 -選集
The courage to speak out and take actiona compilation

『極右を倒す方法 憎しみではなく希望から学ぶ』
ニック・ロウルズ著/ フィリス・クレームによる書評

アメリカ全土で数百万人が 「王様はいらない」 デモに参加する

刑務所内で読書する権利を求めて闘う(第二部)
ジェイソン・フランシスによるデイブ・“マック”・マーキス氏へのインタビュー

編集長への手紙
素晴らしい香り他

マイトレーヤの手

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。