シェア・インターナショナル誌の創刊以来、ベンジャミン・クレームの師である覚者は、毎月記事を提供してくださった。それは、書かれた時のみならず、世界の状況に応じて適切と思われるときにはいつでも掲載してよいようにである。実際これらの記事の多くは、それらが最初に掲載された時よりも今の方がより関連性があるように思われる。以下の記事は、最初2003年12月号に掲載されたものである。
前例のない時
──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
そのようには見えないかもしれないが、人類はその運命(さだめ)に向かって着実に歩んでいる。現在の状況の緊張や不安にもかかわらず、あなた方の兄たちであるわたしたちは、人間がその危険に目覚め、それらに対処するために時宜(じぎ)を得た行動を取るだろうということに完全な信を持つ。その信の大半は、人間が孤立しているのではなく、まさにわたしたちからの救援と保護の受領者であるという事実についての知識に由来する。わたしたちは人間を別個の存在ではなく、進化の旅路にある弟たちとして見ており、その旅路が愚者にも賢者にも同様に提示する多くの困難や危険に対して、人間はわたしたちの助けを借りて、直面し、解決していくのである。
今この時が尋常な、あるいは通常の時ではないということを、人は理解すべきである。それはまさに規模と性質において絶頂の時であり、前例のない時である。この理由のためだけでも、その問題と危険は拡大されており、人類とわたしたちの両方による最も慎重な扱いを必要とする。わたしたちが、いまだ比較的限られた数ではあるが、人類の中に物理的に存在するために、わたしたちの助けをこれまでになくより大きく人類に提供できることが保証される。それはその任務に相応するものだろう。
わたしたちの自信は、わたしたちの偉大なるリーダーであるマイトレーヤご自身が人類の中におられるという事実によって強められる。彼の供給源は膨大である。いまだ舞台の背後におられるのだが、彼は絶え間なく働き、人事に平和と進歩をもたらし、法の規制の枠の内でたくさんの相容れない利害の糸を解きほぐし、本当の平和が確立される条件をつくりだそうとしておられる。正義(公正)のみが人間が欲する平和をもたらすだろう、そして正義が支配するときにのみ、戦争は褪(あ)せた過去の記憶となるだろう。ほとんどすべての国において、マイトレーヤはあらゆる分野にヘルパー(助け人)たちのネットワークを作っておられる。そのようにして彼は新しい時代の骨組みをつなぎ合わせておられる。これらの選ばれた働き人(ワーカー)は彼らの任務を良く知っている。彼らは間もなく表面に出てきて、新しい思考を世界にもたらし、正義を人間の第一の目標にすることがいかに緊急なことかを示すだろう。このことのみが戦争の災いに、恐怖という疫病に、永久に終止符を打つことを示すだろう。そしてわれわれの経済制度の合理的な再構築のみが正義を可能にし、信頼という基盤に基づいて人類を共に歩み寄らせるだろう。そのようになるだろう。かくしてマイトレーヤの智恵と教訓は人間の思考に浸透し、影響するだろう。
多くの人々が今すでにこの教えに反応しつつある。すべての国において、様々なグループが形成されており、人間のためにより良い生活のためにデモ行進をし、戦争の終結を呼びかけ、すべての者に対する正義と自由を、人類種族の将来を保証するための自然な唯一の方法として分かち合いを、呼びかけている。恐れることはない。人間は召集に目覚めつつあり、そして確実に勝利するだろう。