シェア・インターナショナル誌は今月号で40年目を迎える。本誌はこの尋常でない時代において、本誌の主なメッセージもまた常に尋常ではなかったということを思い出させるものとなっている。私たちは真の未来を指摘しているからである。その未来は、とりわけ現状を見れば、達成不可能だと考える人もいるかもしれないが、これほど切実に必要とされたことはかつてない。今月号に選ばれたベンジャミン・クレームの師の記事、「愛と平和の道」には、人類が見放されたことは決してなく、心を開きさえすれば私たちのものになる導き(ガイダンス)もなく放っておかれたことは決してない、とある──まさしく最悪の時代のように見える場合でも。
年初の本誌は常に合併号であり、それによって非常に広い範囲の話題やアイディアを掲載することが可能になる(訳注:日本語版では1月号と2月号に分けて掲載)。最前線での奉仕における女性の役割から始まって、インドの最年少── 21歳──の女性市長の選出に至るまで、女性の業績に注目している。霊性、責任、奉仕──同胞に対するものであれ地球に対するものであれ──というテーマは、この合併号の至るところで扱われている。パトリシア・ピッチョンは、世界教師マイトレーヤが私たちに求めているものを考察している。「弟子の責任」についての記事もある。ゴールドマン環境賞の受賞者たちは、地球の状況を改善しようというたゆまぬ努力の模範である。
初代編集長であるベンジャミン・クレームはシェア・インターナショナル誌創刊号で、霊性(スピリチュアリティ)の概念を可能な限り包括的に定義することを読者に求めた(6ページの「霊性 第二部」を参照)。「政治、経済、科学、文化、教育は、精神生活のすべての面を宿すものとして、間もなく人類の基本的霊的努力となるだろう。宗教集団やいわゆる『霊的』集団や『ニューエージ』グループは霊性の独占権を持たない」。彼は「霊性」の中で、マイトレーヤによって直接鼓舞されたヴィリー・ブラントの仕事にも言及した。残念なことに、ブラント委員会が1980年に提示したアイディア(基本的には世界資源の公平な再分配を主張しており本質的にマイトレーヤの導きによっていた)を人類が実施することができていたならば、シェア・インターナショナル誌が2021年になっても依然として、「国連が飢饉について警告する」や「インドの農民たちが歴史的な抗議活動を続ける」のような記事を特集することはなかったであろう。パンデミック(世界的な大流行)の悲しい状況下で、すべての人がワクチンを入手できるよう人類家族全体のことを考えるように、教皇が人々に訴えかける必要を認めたこともまた途方もないことである。もし私たちが霊性についてのこの新しい理解を本当に受け入れるならば、現在の問題の多くはもっと容易に解決されるだろう。
「すべてが信頼という言語を学ばねばならない」のは、そして導きに対して心を開き、政治や経済、環境の危機を解決しなければならないのは明らかである。私たちが今、これまでになく、ベンジャミン・クレームの師が言われるように「今のこの時を決断の時と見なす」必要があるのは確かである。