諸国民の同胞愛――選集

The brotherhood of nations ── a compilation

「諸国民の同胞愛」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。引用文は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 世界的相互依存というリアリティ(現実)がわれわれの認識の中で確立された事実となるだろう。そうなる時、「すべての人間は兄弟姉妹である」という事実が制度機構や実際的活動計画の中にますます取り入れられて、この実体を反映するものとなるだろう。諸国家も同胞愛、共通の目標、共通の抱負を体験することができ、そうなるだろう。

(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)

 マイトレーヤと覚者たちの一団のインスピレーション(鼓舞)と導きのもとで、人間は、正しい決断を行う能力、大計画との関係の中で正しく行動する能力が増大することを知るだろう。これが必然的に同胞愛についての感覚の増大につながり、人間は共に行動することによってのみ前進があるという理解につながるだろう。

(『覚者は語る(Ⅰ)』─同胞愛の夢─より)

 ようやく多くの政府は多少なりとも定期的に会い、問題を討議し、それについてどうすべきかを検討しています。これは新しい成熟です。人類は一体であり、ひとつの人類の兄弟姉妹であるという感覚の増大です。ある計画、ある役割を果たすためにこの惑星にいるということの認識です。それはいまだほとんどの人には感じられていません。しかし、個々のグループが長い間政府の注目を引こうとしてきた問題をやっと人類が真剣に受け止めているということは、人類が自分たちの弱さと一体性を認め始めたことの徴です。

(『協力の術』)

 忘れるでない、我が友よ、あなたがたは一つであることを、すべての者の御父が、あなたがたを聖なるイメージに似せて創られたのであることを。あなたがたを通して同じ聖なる愛と真理の光が輝いていることを。時は近づけり、我が友よ。真理の光があなたがたの周りすべてに輝き、人が兄弟を己の心に迎え入れ、己自身としてお互いを知るようになる時がやってくる。

(『いのちの水を運ぶ者』第51信より)

 人類自身も一つであるという感じを抱き始めています。来たるべき時代には一つになるでしょう。進化における前進のための次のステップです。同胞愛というものは、持てるかもしれないし、持てないかもしれないというような単なる理想ではないのです。自然界の事実なのです。ただわれわれがそれを具現していないだけなのです。来たるべき時代には、この事実を具現することがわれわれの運命であり、神の意志であります。ハイアラキーのすべての活動と指導はこの目標に向かってなされるでしょう。これは正しい関係を通してのみ実現されるのです。

(『世界教師と覚者方の降臨』)

 今日大切なように思われるものの多くが去り、より簡素な、より自然な生き方と関係に置き換えられるだろう。あり余る豊富さの直中にあって何百万の人間が不必要に死ぬという冒 が消え去ることは確かであろう。今日人間の精神をあまりにも醜くする不寛容さもまた消え去るだろう。より小さい、より弱い国家の資源や領土を支配し、征服し、搾取しようとする衝動は永遠に消え去るだろう。その代わりに、新しい現実感が、すべての人間との連結性と相互の権利と義務についての理解が生まれるだろう。人々と国家は法の規制に基づいて、そしてすべての人間のための平和と安全についての必要条件に基づいて生きることを求めるだろう。

(『覚者は語る(Ⅱ)』─前進の道─より)

 未来への道は、新しい公正な秩序を通して、新しい人類同胞愛を通して、昔の敵との間に協力の精神を打ち立てることを通してであることを認める者が今日たくさん存在する。このすべてのことは、今日可能であり、効果をあげつつある。新しい光が、わたしの光が、地上を照らし、そのまぶしさの中で多くの者が驚嘆する。

(『いのちの水を運ぶ者』第128信より)

 私たちは恥ずかしくない人間にならなければなりません。私たちが一体であり、一つなる人類の兄弟姉妹であること、それゆえに世界の食糧、原材料、エネルギー、科学知識、科学技術、教育制度、健康管理がすべての人々に属するものであることを認識し、世界中により公平に再分配しなければなりません。そうすることによって、私たちは一つの人類、同胞愛というリアリティを創造します。このようにして、これらすべての技術的進歩に値する正しい状態を創造するのです。

(「不朽の智恵の教え」『死海文書と義の教師』)

 これは、最近発表された覚者の記事「和合」の後半部分に主に語られているものです。すなわち、世界への危機とすべての人間による気づきの必要性についてですが、特に教育を受けた人、権力行使の立場にある人、自らの意志を表明できる人が、国家間の垣根を越えたレベルでの和合の必要性を理解し、悟り、知らしめることの重要性です。それゆえ、すべての国が共に働く必要があります。それが起こらなければ何も変らないでしょう。

(『多様性の中の和合』)

 マイトレーヤご自身が非常に間近な将来に出現されるとき、われわれのすべての行動の中に和合の必要性を強調されるだろう。われわれが、人間の問題を解決するに当たって、人間として、国家として、目的のアイデンティティーを見つけることがいかに大切であるかを、マイトレーヤは示されるだろう。かくして、われわれの強力な個人性をグループのために供するのである。

(『覚者は語る(Ⅰ)』─和合─より)

 人の道とは、同胞愛であり、密接な協力と相互の信頼であり、奉仕であるということを示そう。これが唯一の道である。他はすべて失敗に終わった。我が友よ、もしこれをなさなければ、人間はこの地上に存続し得ないのである。脅しているのではない。真実を述べているに過ぎないのである。時間は残り少ない──自然とこの世界との間に均衡をとりもどす時間は。

(『いのちの水を運ぶ者』第12信より)

 金持ちの国と貧乏な国の生活水準の間にある大きな隔たりを許容する余裕を、世界はもう持ちません。その不均衡が今日の政治的、経済的問題の中核です。基本的にそれは精神的霊的な問題です。一方に物質主義と分離、そして他方に霊的な分かち合いと正義と同胞愛、この間の選択です。われわれの選択が人類の運命を決定するでしょう。

(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)

 すべての国の国民はひとつであり、平等であり、お互いに依存しているということを人間は認識するようにならねばならない。いかなる国も一国で世界を所有することも支配することもできない。いかなる国も一国で世界のすべての国々に対立して存続することはできない。帝政や絶対支配権は過去のものである。人間は、この地球という惑星上における彼らの役割についての新しい理解を得る瀬戸際にいる。それは智恵の道とこの惑星の賜物の本当の管理者の道における旅人の仲間たちとの関係を変えることを含む。

(『覚者は語る(Ⅱ)』─人類同胞愛─より)

 国家は「一つ」に合体して、それによって個々のアイデンティティー(独自性)を失うべきではない。マイトレーヤは言われる、「たとえ、あなたがわたしと合体するとしても、あなたの個人のアイデンティティーは残る」と。国家の個々のアイデンティティーも同様に大切に守られねばならない。同時に、国家は同胞愛や共通の目標や共通の志向を経験することができるし、またそうなるだろう。しかし、個人の場合でも、国家の場合でも、巨大なものが個々のアイデンティティーを飲み込んでしまうことは「神聖なることではない」。

(『いのちの法則』)

 世界は二つのグループに分かれています── 一つは、世界の保守反動的勢力を構成する古い貪欲で利己的な国粋主義的制度にしがみつくグループ、もう一つは、新しく流入するアクエリアス(宝瓶宮)のエネルギーに心を開き、同胞愛と協力の道、相互依存性の認識を求めるグループです。相互に依存し合っているというその認識は、われわれが一つの人類であるという事実から生じます。

(『協力の術』)

 人類は今や全く新しい体験の瀬戸際に立っており、すべての惑星的な決定や行動がより良いもののためであり、人生を豊かに、神聖なものにし、同胞愛の絆を強めるものとして見られるであろう。それまで同胞愛の絆を彼らは無視して、ほとんど忘れていたのである。喜んで、人間は今や共通の善のために共に働くだろう。過去の憎しみと不信感はきっぱりと彼らの背後に置かれるだろう。そのようにして新しい親族関係が「善意」と「尊敬」として現れ、活性化させる酵母のように彼らの目覚めた人生に浸み渡るだろう。

(『覚者は語る(Ⅱ)』─人間が振り返ってみるとき─より)

 我が友よ、子供たちよ、わたしは、恐らくあなたがたが期待したよりもさらに時を早めてやってきた。しかしなすべきことは多い、世界には変化を必要とするものがあまりにも多い。多くの者が飢え死にし、多くの者が不必要に苦しんでいる。これらすべてを変えるためにわたしはやってきた。あなたがたに前進への道を示そう、もっと簡素で、健全な、より幸せな生活へ向かって、共に進む道を。もはや人が人に、国が国に相対立することなく、兄弟同胞として、共に新しい御国へと前進しよう。

(『いのちの水を運ぶ者』第1信より)

 世界に同胞愛を確立していく段階を見なければなりません。まず最初に平和がなければなりません。平和なしに世界はありません。マイトレーヤの第一の優先は世界に真の平和を確立することであり、人類が戦争を放棄し、戦争につながる競争を放棄することです。これはすべての人間の必要を満たすことによってのみ達成可能です。……
 開発途上世界が他の国の人々と同じように食べて、成長して、人並みの文化的な生活を送ることができるまで、世界に平和は決してないでしょう。平和の確立のための最初の条件は世界の資源の分かち合いです。

(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』)

 諸国家や諸国民は家族のメンバーのように相互依存している。国家や政府の政策は平衡と公平の本質を組み込んだものでなければならない。それが平和と調和と幸福を生み出すだろう。いかなる国であろうと民族であろうと、国家、国民の中に優劣の差はない。国家の福祉を保護することが政府の義務であり、そして本来の自分自身であることがすべての個人の義務である。

(『いのちの法則』)