読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。

1989年11月27日、「インパクト」での質疑応答

Q この国(米国)は大きな薬物の問題を抱えています。犯罪も問題であり、多くの暴力があります。非常に暴力的な社会です。これらすべては何から来るのでしょうか。これは一体何なのでしょうか。(1989年11月27日、「インパクト」でのインタビューより)

A マイトレーヤは、アメリカにいくつかの大きな問題があると言われます。三つの大きな問題は、腐敗、混乱、薬物です。これらは大きな問題ですが、大統領や政府はいずれにも取り組んでいません。取り組むべき多くのことがあります。
 社会的混乱と腐敗は、アメリカのトップから下まであらゆる分野(政治、経済、社会、宗教)に浸透しています。すべてが民営化され、根元まで腐りきっています。腐敗した国は多くありますが、この国は特に腐敗しています。それは混乱した伝統につながり、トップの犯罪的な行動を可能にし、助長しています。「より巧みな詐欺師」が利益を得て、地位と富を維持しています。既得権益があり、それが混乱を助長しています。紛争の双方に武器を提供し、混沌とした状況を生み出しています。
 既に述べたように、もう一つの深刻な問題は薬物問題です──社会に広がる薬物使用です。これは大きな脅威です。私の師によると、覚者方がご覧になると、このドラッグ(麻薬)の脅威は、もちろん全世界的なものですが、今や最高潮に達しつつあります。いったん最高潮に達すれば、あとは下降するしかありません。つまり問題は減少する希望があるということです。それは最高地点に達するでしょうが、まだそれは来ていません。
 覚者方によって紹介される光のテクノロジーが、薬物の脅威に対処するのに利用できるでしょう。覚者方が理解するところでは、光は波動であり、色と音です。この新しい技術を用いることで巨大な物体を世界の一つの場所から別の場所に動かすことができます。医学的な見地からは、病気の器官を再構築するために利用できます。遺伝子工学と組み合わせれば、医学は超越したレベルへともたらされ、肉体は急速に再生するので外科手術は過去のものになるでしょう。人々は長生きするようになり、健康な体で再活性化するでしょう。

【編註:「色と音と振動を利用するこのテクノロジーが21世紀の科学である」──マイトレーヤの教え、『いのちの法則』】

 これらの解決策とテクノロジーは、人類がある基本的な原則──私たちが一つであるという主な原則──を受け入れるやいなや利用可能になるでしょう。私たちは人類の兄弟姉妹です。肌の色が違っても、背景や政治制度が違っても、私たちは一つの人類の兄弟姉妹であり、神々のような存在です。それが受け入れなければならない最初の原則です。
 論理的にそれに続いて、世界の資源が世界中で平等に配分されなければならないことを受け入れる必要があります。今日(1989年)、世界人口の3分の1を占める先進国が世界資源、エネルギー、科学、テクノロジー、教育などの4分の3を乱用し浪費しており、途上国は残りのものでやっていかねばなりません。昨年、440億ドル以上が途上国から先進国に移動しました。先進国から渡った金額の2倍以上です。それは暴利であり先進国と途上国の格差はますます広がっています。今日何百万もの人々が飢え、文字通り餓死しています。それが、何にも増して、キリストを世界にもたらしたのです。彼は言われます。「この罪悪はわたしを悲しませる。この分離という辱めは、世界から追放されねばならない」と。

【編註:2022年の今日、過去6年以上の間に世界最悪の気候危険地点10カ所で極度の飢餓が2倍以上に増えた。世界最悪の気候危険地点である10カ所、つまりアフガニスタン、ブルキナファソ、ジブチ、グアテマラ、ハイチ、ケニア、マダガスカル、ニジェール、ソマリア、ジンバブエで、気候変動は飢餓を深めている。これらの国々──極端な気候現象により国連への要請が最も多い国々──は、過去20年間に極端な気象によって繰り返し打ちのめされてきた。今日、これらの国々の4,800万人がひどい飢餓に苦しみ(2016年には2,100万人だった)、そのうち1,800万人が餓死の一歩手前にある。(オックスファムの報告書『温暖化する世界における飢餓』、2022年9月5日)】

Q 私は不思議に思います。あなたはマイトレーヤの仕事の優先順位について話されますが、社会には多くの犯罪やドラッグ(麻薬)があります。なぜでしょうか。

A 犯罪とドラッグの問題は人々が、自分が誰であるかをよく知らず、それを表現できないことの結果です。誰もが魂であり、物質界に転生した神の聖なる反映です。しかし、教育の貧しさや条件付け、自分に不利に働く社会状況のために、日常においてその神性を反映することができず、自分自身と闘い、自分自身の延長にあるものとして、自分がその一部である社会と争います。社会が分断されればされるほど、豊かな社会と貧しい社会が分断されるほど、豊かな国家と貧しい国家が分断され、国家の中でも貧富の差があればあるほど、より多くの分離が起こります。それが必然的に、より断片化した社会、より多くの犯罪、より多くの薬物使用につながります。
 人々は人生から逃避し、人生の緊張を和らげるためにドラックを使用します。それには無益感、自分は偉大な何かだがそれを表現できないという感覚が伴います。人々は不満を募らせ、敵対的になり、「何の役に立つのか。死んだ方がましだ」と考えます。ドラッグを使用する人々の多くにとって、それはゆっくりとした自殺です。彼らは自分が死ぬだろうことを知っており、それを望んでいます。自尊心をすべて失ってしまったからです。社会から疎外されたと感じ、絶望した人々は犯罪やドラッグのような反社会的行為に走ります。
 最初にすべきことは自己尊重を養うことです。それなしには、進歩はありません。自己尊重は次第に自己認識へとつながり、自己認識から真我実現(魂の実現)に至ります。それが全人類の目標です。それを実践しなければなりません。実際にそれをしなければなりません。実践することです。心(マインド)の正直さ、生気(スピリット)の誠実さ、無執着を実践すれば、自己を知るようになるでしょう。神を知るようになるでしょう。それほど単純なことなのです。