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『S4:ボブ・ラザー物語』

映画批評:ダグ・グリフィン

 1989年5月、ボブ・ラザー氏はラスベガスのテレビ局KLAS-TVで、調査報道記者ジョージ・ナップ氏のインタビューを受けた。ただし、ラザー氏は正体を隠し、「デニス」という偽名を使っていた。その対談の中でラザー氏は、ネバダ州南部のモハベ砂漠にあるネリス空軍基地近くの悪名高い「エリア51」の一部である、秘密軍事施設「S4」で物理学者として働いていると語った。

 視聴者を驚かせたのは、ラザー氏が、当時9機の地球外起源のUFOを研究していた、米国政府の非公式プログラムの一員だったと主張したことである。彼の仕事は、こうした宇宙船のうちの1機のリバースエンジニアリング(分解工学)、特に推進システムに関して支援することであった。ラザー氏はこの宇宙船を「スポーツモデル」と名付け、直径52.8フィート(約16メートル)、高さ16フィート(約5メートル)と説明した。どうやら、それは液体チタンに似た金属物質で製造されていたらしい。実に異様な機体であり、ラザー氏はそれが他の機体と同様に、人間の手によるものではないと確信した。S4の科学者チームの任務は、推進システムを地球上の材料で再現できるかどうかを解明することであった。

 1989年11月、ラザー氏は再びKLAS-TVのジョージ・ナップ氏の番組に出演し、今回は本人として本名で、内部告発者としての立場を受け入れた。彼は、さまざまな格納庫に保管されていた他の「空飛ぶ円盤」を見た時の衝撃を語った。それらは非公式ながら米国政府の所有物であった。彼はまた、推進システムに使用する反重力装置の開発に関する秘密研究計画が存在することを示す文書を初めて目にした時のことを回想した。その推進システムの一部として、反重力を利用するために、115と呼ばれる元素が使用され、それによってこれらの宇宙船は独特の飛行が可能になっていた。当時、彼はこう述べていた。「地球でこれほど重い元素を合成することは不可能です。……その物質は、超重元素が自然に生成された場所に由来するに違いありません」。S4計画に携わる科学者の間では、回収された地球外宇宙船から500ポンド(約227キログラム)の元素115がすでに回収されていたことは周知の事実であった。

 それから35年以上経った今、ボブ・ラザー氏の驚くべき暴露を改めて検証する新たなドキュメンタリーが公開された。このドキュメンタリーが明らかにしているように、S4施設の存在そのものを積極的に否定することが今もなお「非公式」な方針であり、ましてやそこで行われた研究など論外である。

 『S4:ボブ・ラザー物語』は、映画監督のルイージ・ヴェンディテッリ氏とラザー氏本人が3年以上にわたって緊密に協力し、この映画をできる限り詳細かつ正確なものにした共同作品である。このドキュメンタリーは、物理学者ボブ・ラザー氏の証言、オリジナルの宇宙船(スポーツモデル)と軍事施設の内部空間、特にそれを収容していた「巨大格納庫」の3Dコンピューターグラフィックス(CGI)による視覚的再現、そしてネバダ州の「エリア51」においてリバースエンジニアリングで製作された宇宙船を用いた極秘作戦の存在を示す新たな証拠を組み合わせている。

 4月初旬の公開に先立つプロモーション動画では、次のように述べられている。「UAP(未確認航空現象)、内部告発者、そして政府の秘密主義に対する世界的な関心の高まりを受け、『S4:ボブ・ラザー物語』は、今日の運動の根源を理解する上で重要な役割を果たします。現在語られていることの多くは、ラザー氏が1989年に初めて明らかにした事実に直接さかのぼることができ、この物語は今日、かつてないほど重要性を増しています。『プロジェクト・グラビタウル』[ドキュメンタリー制作会社]の目的は、ラザーの証言を取り巻いてきた数十年にわたる混乱、嘲笑、そして歪曲を払拭することです」

 フォーブス誌の最近のインタビューで、自身の物語を題材にした過去の映画と比べて、この最新ドキュメンタリーをどう評価するかと尋ねられたラザー氏はこう答えた。「比較になりません。ルイージ[ヴェンディテッリ氏]は、細部まで正確にするために、3年以上も私とやり取りを重ねました。制作中は、私に何も見せませんでした。正確さという点では10点満点中9.8点です」

 彼はさらに、S4での研究について、より具体的にどのように感じたのかを尋ねられた。「自分が何に取り組んでいるのかを真に理解したのはいつですか」との問いに彼はこう答えた。「私たちは、重力を発生させる機械を持っていません。重力は物質の特性です。反重力、つまり重力を押し返すものも持っていません。しかし、この装置はそれを可能にします。研究室のパートナーが装置を起動させた後、私は触れようとしました。手が近づいた瞬間、これは地球上の誰かが作ったものではないと悟りました。……興味というよりは、恐怖を感じました。他の文明が作ったものだという認識が頭の片隅にあっただけなのか、それともこの装置が生み出す途方もないエネルギーと、それをどう扱えばいいのか分からないという不安だったのか。……稼働中の小型原子炉をヴィクトリア朝時代に持ち込んだらどうなるか想像できますか。私たちはまさに同じ状況に置かれているのです」

 ドキュメンタリーが示すように、ラザー氏の最初のインタビューから長い年月が経ち、権力者たちが彼の体験談を否定する事例が数多くあった。ラザー氏によると、彼の雇用記録と学歴記録はすべて削除または改ざんされており、特にS4軍事基地やその前のロスアラモス研究所での勤務期間を示す記録は改ざんされているという。S4で彼が勤務していた請負業者「EG&G」とアメリカ海軍は、物理学者としての彼の雇用記録は一切ないと否定している。しかし、映画の中でジョージ・ナップ氏は、ロバート[ボブ]・ラザー氏が問題の期間にロスアラモス研究所と、その後にS4で勤務していたことを示す文書証拠を提示し、この主張が誤りであることを示している。ナップ氏はまた、公式の否定にもかかわらずS4基地が実際に存在することをネリス空軍基地に認めさせた。ジョージ・ナップ氏は、ラザー氏の証言の信憑性を証明するため、ラザー氏がインタビューに応じる前にこの調査を行ったようである。

 『S4:ボブ・ラザー物語』は、1989年にこの勇敢な(しかし広く信用を失墜させた)物理学者が発表した当初の情報を、視覚的にも印象的な形で再現した魅力的な作品である。彼は、自身が関わっていた秘密の政府プログラムについて沈黙を守ることができなかった。このプログラムはそれ以来ずっと、政府によって国民から隠蔽され続けてきた。約2時間のこの作品は現在、Amazonプライム・ビデオで視聴可能である。

『S4:ボブ・ラザー物語』(ドキュメンタリーの予告編からの静止画像)

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けてきた。現在の危機に関連する回答の選集を掲載する。

Q 戦争行為を終わらせるためにあるいは制限するために、より良い状況を中東に創り出すのに貢献するにはどうすればよいか示唆していただけますか。

A 私の考えでは、まず最初の仕事は中東に存在する多くの問題を扱うための国際会議を組織することです。第一の議案はイスラエル・パレスチナ問題でなければならないと思います。パレスチナ人に故国を与えることが唯一の公正な解決です。そうでなければ持続する平和は不可能です。イスラエルは限りなくずるずると先に延ばすだろうと私は思います。和解を成立させるためにはマイトレーヤの出現を必要とするかもしれません。

 湾岸紛争でイラクとサダム・フセインの側についたPLOの最近の行為は、それがいかに正しくとも、彼らの大義を促進する助けになりません。PLOの指導層は失敗する機会をつかまないようにするのが不可能なようです! しかしながら、正義は彼らの側にあります。そして今や関連している国々のほとんどが、米国でさえも、ついにその正しさを認めています。

 現在存在するさまざまな独裁的な軍部による専制政治や王侯支配は、民主的な政府と合意による政治に変わらなければなりません。例えば、シリアは最もひどい軍の独裁主義の圧政が行われており、サダム・フセインと同じように悪い、そして野心的な支配です。彼らが最も大きなライバルであるイラクに対抗する“クラブ”に加わったために、これらのことすべてが見逃されています。クウェートとサウジアラビアの統治者一族の貪欲と独裁的支配は悪名高いです。

 この地域の国民の間に富を再分配することがまず優先されるべき議題でなければなりません。そのような変容が起こるためには長い期間が、おそらく何年もかかるでしょう。

 しかしひとつだけは直ちに達成することができるはずです。それは複雑な洗練された大量殺戮兵器をこの地域に無責任に供給することを止めることです―─私は完全な封鎖を提案します。この“市場のフォース”に基づく冷笑的な貿易は戦争の炎を煽り立てるためだけに働きます。今それはもう誰の目にも明らかであるに違いありません。
(シェア・インターナショナル誌1991年4月号)

Q 国連はボスニアの危機の解決に当たって、何を間違えたのでしょうか──ハイアラキーならそれをどのようにして解決するでしょうか。

A 私の師はそれに関して「力のマント」と題する記事を書きました。それを私たちはニュース・リリースとして世界中のメディアに送りました。覚者は、ボスニアやルワンダ、そしてソ連で起こっている状況に対処することのできる「歯」、つまり軍事力を持つ国連の創設を呼びかけました。強い国連がなければ、このような戦争がこれからも続くでしょう。

 ユーゴスラビアのミロセビッチやセルビアのカラジッチのような人々は、国連の弱体化と世界のさまざまな不穏を、自分たちが領土と権力を得ることのできる状況をつくる機会と見る山師──権力に飢えた人間──です。国家主義の波と自己表現に向けての志向をさまざまな人々の中に解放したソ連邦の崩壊を、彼らは自分たちの権力を得るために利用しました。彼らは権威主義的でファシストタイプの独裁者であり、国民の愛国志向には本当に興味がありません。

 それに対抗する唯一の方法は、すべての国々に支持される十分な軍事力を持つ国連です。すべての国々が十分な人員と軍事力を提供しなければなりません。戦争をしなければならないというのではありません。ただそこにいて、行動する準備を整えておくことです。そうすれば、世界中で頻繁に起こっているこのような状況がさらに起こるのを防ぐことができるのです。

 国連がサラエボの丘の斜面にいるセルビア人勢力に対して爆撃の威嚇をしたときにセルビア人が撤退し、サラエボが突然「安全」地帯になったことは、意味のないことではありません。これがボスニア全体に起こることが可能ですが、大国──特にイギリス、フランス、ドイツ──は自国の些細な政治問題と自国の経済に関心を向け過ぎているので、ボスニアでのセルビア人の行為に対して正しく対処できる資金と軍事力を投入することをやりたがらないのです。

 国連は人類の名の下で行動するに十分なだけ強力でなければなりません。危険は今日あまりにも大きいのです。彼らが核爆弾を入手しさえすれば事態はまさに非常に危険になります。しかもそれはロシアで安く購入することができるのです。
(シェア・インターナショナル誌1995年4月号)

Q カルマを集団、国家、全世界のようなもっと広い視野から見た場合、人間の大集団としての私たちが行うことはこの惑星の生命に影響するのですか。

A はい、全くそうです。私たちはいつもそうしています。政府はいつもそれを行っています。例えば、ヒトラーのような人間はこの惑星の生命を何年も荒廃させるような戦争を起こしました。今日のボスニアの戦争はセルビア反逆者グループの指導者とセルビアの大統領によって起こされています。この二人の人物は、彼らの手の内で苦しんでいる何十万ものボスニアとクロアチアの人々に対して巨大なカルマ的負債を負っています。先進国の行動の結果、第三世界で何百万もの人々が飢え死にしています。私たちがこうして話している間にも約40の戦争が進行中です。それらの戦争が続いているのは、豊かな国々が彼らに武器を与えているからです。
(シェア・インターナショナル誌1995年8月号)

Q 地球上における生活を他の方法で変えるのはどうでしょうか。私たちの思考と行動によって気候や天気も変化するのですか。

A はい、そのとおりです。私たちは天気に大きな影響を与えています。私たちの破壊的な思考は世界の気候パターンを司っているエレメンタル・フォースに影響します。私たちの思考が(今日大部分においてそうであるように)不均衡であるならば、これらのエレメンタルも均衡を崩します。その結果が、地震、嵐、竜巻、大洪水など、世界の多くの地域を荒廃させている天災なのです。これは私たち自身の行動の結果です。私たちはそれを神の行為だと言いますが、神の行為ではなく人類の行為であり、間違った思考と行動によって、エレメンタル・フォースの均衡を乱しているからです。私たちが次第に均衡を取り戻すにつれて、これらのフォースも均衡を取り戻し、気候も通常のパターンに戻るでしょう。
(シェア・インターナショナル誌1995年8月号)

Q 正しい行動をするということには、良い理由があるわけですね。

A 善意は「割に合う」のです。善意を表現することは私たちの存在の不可欠な性質です。

 悪意を表現すれば、悪意のカルマを刈り取ります。善意は人類が全体として示すことのできる愛のエネルギーの最も低位の様相です。これをできる限り把握し、広め、顕示することがどうしても必要です。そればかりではなく、それは個人にとっても十分「割に合う」ものなのです。善意は善意を生み、やがてそれは愛になっていきます。善意は愛を顕示するための最初のステップです。
(シェア・インターナショナル誌1995年8月号)

2026年4月号目次

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
偉大なる決断/民衆のパワーの盛り上がり/若者が舵を取る/ 究極の勝利/和合の重要性

編集部より
まだ勝機はある

視点
中東におけるトランプ・ネタニヤフ戦争の終結
ジェフリー・D・サックス、シビル・ファレス

イラン戦争: 「エルダーズ」 が国際法遵守の一貫性を呼びかける

書評
「寡頭政治と闘うここからどこへ行くべきか』
バーニー・サンダース著/書評 : フィリス・クレーム

平和と戦争―選集
peace and war - a compilation

水の生きたことば
ヴェーダ・オースティン氏へのインタビュー
メーガン・シェラー

ジェシー・ジャクソン牧師への追悼
シェア・ギルモア、メタ・コマース

S.O.P.
大気から水を採取する他

ワールド スキャン
2026年冬季オリンピックと持続可能性をめぐる虚偽
ポーリン・ウェルチ

霊的ハイアラキー 第二部
アート・ユリアーンス

自然の精やデーヴァと協力して働く 第二部
シェア・ギルモア

差し迫る崩壊 : 世界金融システム
ポーリン・ウェルチ

同じ本質
もう一つの視点13世紀から2026年を展望する

読者質問欄

偉大なる決断

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類は着実に、彼らの偉大なる決断に向けて前進する。ほんの少数の者以外には知られていないが、人間は、地球上での長い歴史の中で、かつてなかったほどに試されている。
 キリストであり、世界教師であるマイトレーヤによって振るわれる「裂開の剣」がその恩恵ある働きをし、人間を選り分け、区別して、各人の異なった特質や性癖を強調する。
 このようにして、人間の前にある選択はよりはっきりと明らかになる。マイトレーヤの愛のエネルギーは非個人的であり、平和と正しい関係を願う者たち、そして貪欲と競争を好む者たち、すべてを刺激し、したがって最後の戦いと完全な自己破壊の危険を伴う。ゆえに、今、すべての人間に突き付けられた選択は非常に重要である。
 多くの人々は、そのような選択が必要なのかと不思議に思うかもしれない。恐ろしい戦いを求める者は誰もいないに違いないと思う。今日、小さな地域戦争が核戦争レベルの大きな戦争に発展し得るのである。その結果は考えるだけでも恐ろしい。しかるに、今、現在においてでさえ、そのようなことが結果として起こったらどうやって生き延びるかを計画している者たちがいるのである。
 人間にとっての選択ははっきりしている──現在の貪欲なコースを無謀に続けて、地球上の生命を永久に破壊するか、あるいは情け深い心(ハート)の促しに従い、地球上の人間の平和な将来への唯一の保証としての分かち合いを実践するか、である。……

(シェア・インターナショナル誌2012年1・2月号)

和合の重要性

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人間がこの時代を振り返って見るとき、われわれの存在のすべての面を、達成と過失の両方を同時に顕した時期として見るだろう。これはもちろん驚くべきことではない、なぜなら至るところにいる人間は進化の梯子の様々な段階にあり、これらの自然な分割(それは時間自体が減少させるだろうが)を受け入れたとしても、まだ、すべての者の必要についての理解と対処の仕方に和合を欠いている。
 なぜそうなのか。長い間、次々に現れた宗教の教えや卓越した強力な個人の教えが進化していく人類の中に、一定の思考の統一を維持してきた。もちろん、多くの戦争や不和の時期はあったが、あるレベルにおいて偉大なる宗教の和合させる影響力が維持されていた。今日、個人性があまりにも強力で、あまりにも貴重とされ、それが報われているので、多様な達成にもかかわらず、この貴重な個人性が人間の最大の危険となった。
 本当の意味での和合は、宗教の分野においてさえも、いや、おそらく特に宗教において、ほとんど消滅した。そこに危険が横たわるのである。
 しかしながら、正義と自由という啓発されたフォース(エネルギー)が何千万の人々を彼らの生得の権利に目覚めさせつつある。少しずつ、人間の心(マインド)がすべての者の必要に向けられつつある。これは、当然、個人性への熱烈な呼びかけに対抗する。かくして、現在の途方もない緊張と混乱の世界状況がある。政治的、経済的問題は、基本的に霊的な性質のものであるが、政治、経済の分野においてのみ解決することができる。和合が追求され、顕現されなければならない。さもなければ、現在の世界の状況によって強要される緊張が人間を最も危険な行動に追いやるだろう。この理由のために、マイトレーヤは和合を、すべての者の必要についての理解を呼びかける。
 「平和」は欠くことのできないものであるが、「正義」が支配するところにのみ達成され得る。正義はその達成のために「信頼」という平穏な湖水を必要とすることが分かるだろう。「分かち合い」のみが、われわれの病に対するマイトレーヤの治療法である。「分かち合い」のみが、「正義」が達成され、「平和」が保証されるテーブルに、人間を、信頼のうちに、誘うだろう。
(シェア・インターナショナル誌2013年1・2月号)

視点 中東におけるトランプ・ネタニヤフ戦争の集結

ジェフリー・D・サックス、シビル・ファレス

早急に止めなければ、この戦争は容易に世界的な大戦争、事実上の第三次世界大戦へと発展する恐れがある。

 イスラエルと米国によるイラン攻撃は中東全域を巻き込んでおり、世界的な戦争へとエスカレートする恐れがある。経済的な影響はすでに深刻であり、壊滅的な事態となる可能性がある。ホルムズ海峡は、世界中で取り引きされる石油の約5分の1、世界の液化天然ガス(LNG)の30%を輸送している。海峡の封鎖が長期化すれば、現代において前例のないエネルギー危機が引き起こされるだろう。
 この紛争は制御不能に陥る可能性が高い。米国とイスラエルが、アラブ世界および西アジアにおける覇権を強固に目指しているからである──その覇権とは、イスラエルの領土拡大と、米国が支援する政権による地域支配が組み合わさったものである。最終目標は、歴史的パレスチナ全域を吸収した「大イスラエル」であり、それに加え、石油や天然ガスの輸出方法や輸出先に関する選択権を含めて、真の主権を剥奪された従順なアラブ諸国やイスラム諸国の政府を併合することである。
 これは妄想である。この地域のどの国も、イスラエルが現在のように暴走し、地域全体で民間人を殺害し、ガザ地区やヨルダン川西岸地区を破壊し、レバノンに侵攻し、イラクやイエメンを攻撃し、テヘランを絨毯爆撃することを望んでいない。自国の炭化水素輸出が事実上、米国の支配下に置かれることを望む国などない。この戦争が終わるのは、米国とイスラエルの侵略に対する世界的な反発が、この両国に停止を強いる場合に限られる。それがなければ、中東は炎に包まれ、世界は現代史において類を見ないエネルギー・経済危機に陥るだろう。この戦争は容易に世界的な大戦争、事実上の第三次世界大戦へと発展する恐れがある。
 しかし、別の道は存在する。イスラエルと米国が世界各国から断固として責任を問われるならば、戦争は合理的な根拠に基づいて終結する可能性がある。戦争を終結させるには、すべての当事者、ひいては世界全体に基本的な安全保障を確保するための、相互に関連した一連の措置が必要である。イランは、米・イスラエルによる侵略の恒久的な終結を必要としている。湾岸諸国は、イランによる報復攻撃の終結を必要としている。パレスチナ人は独立国家を必要としている。イスラエルは、恒久的な安全保障と、ハマスおよびヒズボラの武装解除を必要としている。全世界は、ホルムズ海峡の開放と、イランが核不拡散条約を遵守することを確実にするための、イランの核開発計画に対する国際的な監視を必要としている。そして、すべての国は、自国と領土における真の主権を望んでいる。あるいは、望むべきである。
 集団安全保障は、相互に関連した五つの措置によって実現できる。第一に、米国とイスラエルは、地域全体にわたる武力侵略を直ちに停止し、軍隊を撤退させること。第二に、イランは湾岸協力会議(GCC)加盟国に対する報復攻撃を停止し、トランプ大統領が2018年に無謀にも破棄した「包括的共同行動計画(JCPOA)」の改定版に基づき、国際原子力機関(IAEA)の監視下に戻ること。第三に、ホルムズ海峡がイランとGCCの相互合意により再開されること。第四に、パレスチナを国連の正式加盟国として承認することで、二国家解決案を直ちに実施すること。イスラエルは、西岸地区および東エルサレムの占領を終了し、レバノンおよびシリアから軍を撤退させることが求められる。第五に、国連によるパレスチナ国家の承認が、国際的な監視下で検証される、すべての非国家主体による包括的地域軍縮の基盤となること。最終的には、国際法と国連憲章への回帰が実現するだろう。
 この計画で勝つのは誰か。この地域の民衆、つまりイスラエル、パレスチナ、レバノン、シリア、イラク、イラン、そして世界の他の地域の人々である。負けるのは誰か。世界を破滅の瀬戸際に追いやったベンヤミン・ネタニヤフ氏やイタマル・ベン・グヴィル氏、ベザレル・スモトリッチ氏、マイク・ハッカビー氏に率いられた、「大イスラエル」の支持者たちだけである。
以下に、五つのステップについてより詳しく説明する。

第一に、米・イスラエルによる武力侵略を終結させること。
イスラエルと米国は侵略を停止し、軍を撤退させる。その見返りとして、イランは報復攻撃をやめる。これは単なる停戦ではない。むしろ、包括的な和平合意と集団安全保障体制に向けた第一歩となる。

第二に、JCPOAに復帰すること。
核問題は、イランの濃縮ウランを国際監視の及ばない場所に追いやるだけの爆撃作戦ではなく、国際原子力機関(IAEA)による厳格な監視を通じて解決される。国連安全保障理事会は、2015年の包括的共同行動計画(JCPOA)の基本枠組みを直ちに復活させる。これに基づき、イランはIAEAの監視と核計画に関する合意された制限を厳格に遵守しなければならない。その一方で、イランに対する経済制裁は解除される。

第三に、イランとGCCの枠組みによりホルムズ海峡を再開させること。
ホルムズ海峡は速やかに再開され、イランと湾岸協力会議(GCC)が共同で安全な航行を保証する。GCC諸国は、自国の軍事基地に対する主権を主張し、こうした基地がイランに対する新たな攻撃の拠点として使用されないようにすべきである。

第四に、二国家解決。
パレスチナを国連の194番目の正式加盟国として承認することで、二国家解決案が実施される。これに必要なのは、米国が拒否権を行使しないことだけである。パレスチナ国家の樹立は、国際法に合致し、2002年から議論されている「アラブ和平イニシアティブ」とも一致する。これに伴い、域内の各国は、イスラエルとの外交関係を樹立し、国連安全保障理事会はパレスチナとイスラエルの双方の安全を確保するため、平和維持軍を派遣する。

第五に、武力紛争の終結。
二国家解決と並行して、ハマスやヒズボラなどの非国家武装勢力の武装解除を含め、地域におけるあらゆる武力紛争は直ちに終結する。パレスチナの場合、ハマスの武装解除はパレスチナ国家の権威を強化することになる。レバノンの場合、ヒズボラの武装解除はレバノンの完全な主権を回復させ、レバノン軍が国内唯一の軍事権威となる。
この武装解除は、国際監視団によって検証され、国連安全保障理事会によって保証される。

 重要な点は、イスラエルと米国によるイラン攻撃が、何もないところから始まったわけではないということである。1996年にネタニヤフ氏と米国にいる彼のネオコン(新保守派)支持者たちによって策定され、それ以来実行されてきた「クリーンブレイク」戦略は、米国を実行パートナーとして、政権転覆戦争を通じてイスラエルが地域における覇権を確立することを目的としている。北大西洋条約機構(NATO)最高司令官のウェスリー・クラーク氏が9.11後に明らかにしたように、米国は四半世紀前に7カ国の政権を転覆させる計画を策定していた。「イラクを皮切りに、次にシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイラン」である。したがって、私たちは今、アラブ世界と西アジアを支配し、大イスラエルを創出し、パレスチナ国家の樹立を永久に阻止するという、イスラエルと米国による長年の計画の集大成を目の当たりにしているのである。
私たちの計画が実現する可能性について、私たちは楽観視していない。イスラエル政府は残虐であり、トランプ氏は米国の力について妄想を抱いているからである。私たちは恐らく、すでに第三次世界大戦の初期段階にあるのかもしれない。 しかし、事態の重大さを考えると、たとえ成功の見込みが薄くても、現実的な解決策を提示する価値はある。非西洋世界――つまり米国の属国ではない国々――は平和と安全保障の緊急性を理解している、と私たちは信じている。
 では、誰が和平計画を主導できるだろうか。米国とイスラエルは、あらゆる手段を尽くして抵抗し、世界的な反対の重みと経済的な破滅によって受け入れざるを得なくなるまで抵抗し続けるであろう。
 主なグループは一つある。それは新興5カ国(BRICS)である。
 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、そして現在ではアラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エジプト、エチオピア、インドネシアを含む拡大メンバー諸国は、世界人口の約半分、全世界の国内総生産(GDP)の40%以上を占めている(称賛されながらも過大評価されているG7諸国の割合は28%にすぎない)。BRICS諸国は、信頼性と経済的影響力がある一方で中東帝国主義への歴史的な加担はないという点で、世界を正気に戻す力を持っている。BRICSは緊急サミットを招集し、平和と安全保障の条件を盛り込んだ統一的な枠組みを提示すべきである。それから、その枠組みは国連安全保障理事会に提示されるべきである。世界の世論はその理事会の場で、米国とイスラエルに対して世界を破滅へと追い込むのをやめるよう求め、すべての国に対して国連憲章を遵守するよう促すことになるだろう。
(Common Dreams)

ジェフリー・サックス教授は、アメリカの経済学者、研究者、公共政策アナリストである。持続可能な開発、経済開発、貧困対策に関する研究で知られている。国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(UN SDSN)会長であり、国連開発のためのブロードバンド委員会の委員を務めている。 
シビル・ファレス氏は、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(UN SDSN)において、中東政策および持続可能な開発の専門家兼アドバイザーを務めている。

ワールド・スキャン 2026年冬季オリンピックと持続可能性をめぐる虚偽

この欄では、時事問題を検証し、新たなアプローチと永続的な解決策を緊急に必要とする問題を浮き彫りにする。世界は今、真実と事実こそが、法を遵守する、公正で慈悲深い社会が正しく機能するために必要不可欠であることを認識している。

2026年冬季オリンピックと持続可能性をめぐる虚偽
ポーリン・ウェルチ

 栄光や富への渇望、あるいは卓越性への追求を満たすため、あるいは耐え難いほど過酷な現実から目をそらすために、私たちのグローバルな消費主義文化が何をしようとしているかを象徴するものとして、ミラノからコルティナ・ダンペッツォに至るイタリア北部各地で開催された冬季オリンピックほど、ふさわしい例はないだろう。
 どれだけの人が、アスリートたちがその競技で最高の選手になろうと全身全霊を注ぐ姿を座って見守り、彼らの成功や悔しさを自分のことのように感じていたのだろうか。おそらく、多くの選手たちの間で交わされた温かい応援や祝福も、私たちにとって喜びだったのではないだろうか。しかし、刻一刻と温暖化が進むこの世界で、あの大量の雪が一体どこから来たのか、と疑問に思った人はどれほどいただろうか。あるいは、その「雪」こそが、実は見た目とは異なるものだったのではないか、と。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、大会の持続可能性に関する方針を大々的に掲げている。しかし、ガーディアン紙の記事は、これを単なる幻想であると、あっさりと、そして極めて憂慮すべき形で論破している。その例をいくつか挙げてみよう。

 ● コルティナの平均積雪量は過去50年間で15センチメートル減少したため、スキー場に必要な1.5メートルの積雪を確保する唯一の方法は、四つの高地貯水池を建設し、年間の大半で干ばつに見舞われている河川から山へ汲み上げた水でそれらを満たすことだった。その水を人工雪にするためには、冷却処理が必要となる。さらに悪いことに、プロジェクトは予定より遅れ、当初合意していた量の3倍から5倍もの水を地元の河川から取水せざるを得なくなり、その結果、河川は干上がりに近い状態となり、魚が死に、汚染を引き起こした。水が枯渇しつつある資源であるこの世の中で、これはあまり理にかなっていない。
 ● 樹齢150年という貴重な森、ボスコ・ディ・ロンコは、新しいボブスレーコース建設のために完全に伐採され、その跡地には全長2キロメートルに及ぶ鉄とコンクリートの構造物が建てられた。地元の事業主の中には、コース建設によって新たなビジネスがもたらされることを重視し、森が失われたことを気にしていない者もいる。しかし、イタリアが過去に開催したオリンピックのために建設されたコースが、すでに長い間使われなくなっているという事実を認識していないようだ。
 ● IOCは、使用される会場の85%が既存の施設か仮設施設であると主張しているが、実際にはそのほとんどが今回の大会のために取り壊され、再建されたため、はるかに大きな土地を占有することになった。しかも、近隣に代替となる会場があったにもかかわらず、このような事態となったのである。
 ● これらの大会を真に持続可能なものにするため、IOCとの協力を要請された他の環境団体と同様に、世界自然保護基金(WWF)イタリア支部も、明確な取り組みが見られないとして交渉から離脱した。同団体はIOCの姿勢を「グリーンウォッシング」と批判し、「実質的な議論は行われなかった」と指摘した。
 ● 地球上で最も脆弱な生態系の一つでこうした事態が起きているにもかかわらず、イタリア政府は、プロジェクトの60%について環境アセスメントの実施を免除していた。

 作家であり活動家、元森林監視官であるルイジ・カサノヴァ氏は次のように述べた。「こうしたあらゆる状況において、イタリアの環境保護運動は代替案を提案してきたことを忘れてはならない。環境への負荷が少なく、費用も抑えられ、安全で、地域社会にも利益をもたらす案だ。オリンピックが環境や景観に与える影響の代償を払うのは、私たちに続く世代になるだろう」

読者質問欄

人類は強い力を持っています。人類はその力について全く分かっていません。適切に教育された大衆世論よりも強力なものはありません。マイトレーヤは、現在の商業主義を打倒し、分かち合いと正義の原則をもたらすために、そのような大衆世論の形成を頼りにしています。それを行うのは私たち自身です。他の誰も行ってくれないでしょう。あなた方はそれについて知っていますから、ボールを転がし始めることができます。それはひとりでには転がらないでしょう。私は自分が知っていることをあなた方に伝えていますが、それは一般には知られていません。私には情報を得て、それをあなた方に伝える方法や手段があります。あなた方が、それを知る必要がある人々にどんどん伝えていけば、将来において放射能や原子力発電所やその他のものが使用されるのを阻止する防壁を築くことになります。高レベルの放射能の危険は一つの要因にすぎません。私は最悪なものに言及しただけですが、原子力発電に関わるすべての要素が危険です。
(シェア・インターナショナル誌2009年3月号)

新しい文化がどのような形を取るかは、大体においてまだ漠然として実体のないままであるが、一つの要素はすでに大衆およびメディアの心に刻みついている。つまり民衆の声の増強とその声を聞こえさせようとする決意の増大である。これがわれわれの時代の最も重要な政治的出来事である。世界を通じて、各国の国民が自分たちの運命をコントロールしつつあり、自分たちの権利を要求しつつある。人間の神性に本来備わった特性である自由を求める裡からの呼びかけがあらゆる人種、信条の人々を団結させており、その声はますます高まりながら反響を起こし、また反響を呼んでいくだろう。圧政の最後の砦が崩壊し、人間が生得の権利を受け継ぐまで、それはこだまするだろう。これがすべての人間の待望する未来である。
(ベンジャミン・クレームの師、「民衆の声」より)

民衆の声

Q:“民衆の力”は常に存在してきました。それは何も新しいものではありません。『シェア・インターナショナル』誌はそのアイディアをあたかも新鮮で革命的なもののように提示しています。それはなぜですか。

A:歴史的に、フランスやロシアや中国の革命のような巨大な革命運動を除いては、今日『シェア・インターナショナル』誌が提示しているような“民衆の声”は本当に沈黙させられていました。歴史を通じて、“民衆”は、支配のための武器を持った征服者によって行われた数々の侵略、略奪、残虐行為を目撃し、しばしばその被害に遭ってきました。今日、新しい現象が起こっています。至るところの民衆が集合的な力を感じ、一つの人類のメンバーとしての権利によって、自由で公正な世界を彼らのものとして要求しています。これは、私の考えでは、全く新しいことであり、いかなる政府も対抗できない強力で統合された声を持つ世界世論として顕現するでしょう。覚者方の一人はこう言われました。「民衆の声は智恵の声である」
(シェア・インターナショナル誌2005年3月号)

Q:新しいエネルギーを一般民衆は感じるのに、なぜ政治家は感じないのですか。彼らもまた民衆の一人なのに。

A:政治家も感じますが、彼らはそれほどいい人々ではありません! 政治家は権力に関心があります。彼らは権力を扱いたがっています。権力はエネルギーであり、他のすべてのエネルギーと同じように賢明にも愚かにも用いることができます。権力を愚かに用いる政治家はさまざまな危機を引き起こします。彼らの時は終わりつつあります。
 将来の最も重要で強力な機構は、真に教育され、霊的な志向を持ち、認識を持つ世界世論です。真に地球を受け継ぐのは民衆です。
マイトレーヤは政治家のためにも到来しますが、特に民衆のために到来します。政治家は非常に利己的で、強力で、貪欲なので、自分で自分の面倒を見ることができます。たいていの場合、彼らはそうします。
(シェア・インターナショナル誌2005年12月号)

Q:反戦運動を新しい状況に適応させるにはどうすることができますか。

A:人類が平和を要求する必要があります。マイトレーヤによれば、平和への道は一つしかありません。人類は一つであり、したがって食糧、科学技術、教育、健康管理はすべての人に属するものなので、もっと公平に再分配されなければならない、という原則を受け入れることです。私たちは一つの世界を創造しなければなりません。つまり、一つの人類が一つの世界に住む必要があるのです。現在、私たちは二つの世界に住んでいます―― 一つは、金持ち、大金持ちの人々のための世界、もう一つは残りの人々、つまり貧乏で、悲惨で、文字通り餓死しそうな飢えた人々の世界です。
 マイトレーヤは、あなた方が絶えず行進し、デモを行うことを必要としています。2月15日の行進では、世界中で行進した1,250万のうち、ロンドンではおよそ200万人が参加しました。マイトレーヤはその行進に参加され、それを、私たちが自分たちの力で何とかしたいと思っていることの証だと受け取られました。彼はご自分の外的仕事を始めようと決心しておられますが、われわれ人類がデモを行い、分かち合いを要求しなければなりません。それのみが正義と平和をつくりあげる唯一の道なのです。
 政府は人類が要求するまでは応えようとはしないでしょう。それが起こるのは、人類全体を教育し、集中し、啓発するマイトレーヤの鼓舞によってそうなるのです。地球上のいかなる国であれ、世界全体の巨大な世論を避けたり、抵抗したりすることはできません。世界の変容をもたらすのはそれです。私たちが、それを行わなければなりません。私たちにできる最善のことは何でしょうか? 機会のあるごとに行進をすることであるのは確かです。繰り返し、繰り返し、いつまでも、いつまでもやめることなくそうすることです。イラク戦争を阻止するためだけでなく、平和のために、正義のために、世界の資源を分かち合うためにそうするのです。皆さんは要求の焦点を移さなければなりません。要求、分かち合いを通しての正義への要求は、人類から出てこなければなりません。世界の諸政府がそれを目にするとき、彼らは動揺するでしょう。なぜなら、どの国でも人々の力が増大していくのを知ることになるからです。それが彼らを怯えさせるのです。
 彼らはあらゆる手だてで制限を加えようとするでしょう。しかし人々は自らを組織することを学んだのです。でも、それは常に継続しなければなりません。イラクから分かち合いへ、そして平和への唯一の道として正義の確立へ――そのことが、この現実に基づいて大きく、広くなる必要があるのです。
(シェア・インターナショナル誌2003年5月号)

 ここ数世紀においては、革命という大きな変容の行動の中でのみ、民衆の声が行動の中心となり、その時代に刻印を残した。
 今日再び、民衆の声が聞き届けられるべき時が来た。今日再び、至るところにいる人々の正義、自由、平和への要求が、無謀な権力を振りまわす者たちの耳に届き、それらが認知されることが不可欠である。
(「民衆のパワーの盛り上がり」──覚者より)

Q:現在権力を持つ人々はイリュージョンに満ちているようです。私たちのような普通の市民がどうやって変化を起こす手助けができますか。

A:グループに加わって、「民衆の声」をつくり上げるために働きなさい。他のすべての人の声にあなたの声を付け加えなさい――魅惑的な権力や錯覚の智恵の地位にない普通の市民の声に。どこであれ、デモ行進に参加してあなたの力を加えなさい。「民衆の声」という概念をつくり上げなさい――それはやがて最も強力な力となり、マイトレーヤのアイディアによって教育され、マイトレーヤによって焦点化され、人類のさまざまな問題に現実的なやり方でアプローチできるようになるでしょう。これが最も強力な力をつり上げるでしょう。教育され、集中された世界の世論――その力には地上のどんな国も対抗することはできません。無数の声にあなたの声を加えなさい。
 2003年2月15日、世界中で1,250万人の人々がイラク戦争に反対し、正義と自由に関するテーマのために行進しました。そのうち200万人近い人々(180万人)はロンドンで行進し、その中にはマイトレーヤもいました。彼はその行進に参加する価値があると思われ、世界中のデモ行進に加わりました。あなたの声を聞かせなさい。あなたが信じるもののために語りなさい。すべての人のための正義と自由を信じるのなら、そう言いなさい。記事を書き、新聞社に送りなさい。大昔からのグラマー、イリュージョン、抑圧の束縛から人類を解放するためのあなたの貢献として、このことについてあなたの意見を述べることで貢献しなさい。
(シェア・インターナショナル誌2004年2月号)

Q:イスラエルのような国の製品をボイコットすることは本当に効果的ですか。ボイコットによってその国の貧しい国民が常に被害を受けることはないのですか。

A:それは国によります。ボイコットは国際社会が不法な慣行を承認しないことを示すための方法です。それはかなり単刀直入なやり方であり、ボイコットの種類によっては、その国の豊かな人、貧しい人、またはすべての市民に影響を与えます。
(シェア・インターナショナル誌2011年10月号)

Q:2010年6月、イスラエル軍は約700人の元パレスチナ活動家の乗っている船に乗り込みました。約9名の活動家が殺され、多くが逮捕され、残りは追放されました。(1)これはイスラエル政府が、あなたが「非道なエネルギー」と呼ぶ、第二次世界大戦で敗北した反キリストのエネルギーの残余物に影響を受けているために行われた邪悪な行為ですか。(2)これは、あなたの情報によれば、イスラエルの政府と軍の多くの人々は過去生においてドイツ軍の将校であり、ナチのイデオロギーの支持者だったという事実にもよるのですか。(3)あるコメンテーターによれば、イスラエルは、海上で船に乗り込む代わりに、船を着岸させて人々を逮捕することもできたはずだといいます。イスラエルは、イスラエルを軽視するなというメッセージを送るために敵意に満ちた行為を選んだのですか。

A:(1)はい。イスラエル政府が(ペンタゴンと連携して)中東の緊張を維持し、世界全体の緊張とストレスを高めるための決定をした背後にはそれがあります。(2)はい。(3)はい。
(シェア・インターナショナル誌2010年8月号)

2026年3月号目次

 

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
結び付ける王国

今月号の内容概説

視点
イランによる米国への包括的和平提案
ジェフリー・D・サックス、 シビル・ファレス

イランのアッバス・アラグチ外相の演説

霊的ハイアラキー
アート・ユリアーンス

フリーエネルギーをめぐる闘い 第二部
ダグ・グリフィン

未来の科学とテクノロジー 選集

世界情勢
チョウが植物の声を聞くとき 他

自然の精やデーヴァと協力して働く 第一部
シェア・ギルモア

0.01%を排除する方法
第二部 超富裕層の支配を終わらせる
ルーク・ギオリー

ワールド スキャン

資本主義体制の中で多極化世界は実現可能か
リチャード・ウルフ教授との対談 第3回
フェリシティ・エリオット

読者質問欄

ジェシー・ジャクソン師の遺産

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
‘野蛮な時代” の終わり

結び付ける王国

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類が自分たちを本来の姿として、すなわち顕現しているロゴスの表現体にある一つのエネルギーセンターとして、見るようになる日が急速に近づいている。その日が明けると、人類の意味と目的に対するまったく新しい姿勢もまた、彼らの裡に目覚めるだろう。長い歴史の中で初めて人類は己の潜在能力に気づき、それまで活用されなかった智恵と力(パワー)の資質を実現し、表現するための努力を意識的に行うだろう。

 人類は神の王国と人間より下位の王国を結ぶ王国であり、そのような王国として大きな責任を抱える。なぜなら、いつの日か人類王国自体が、下位の王国の進化の過程の幕を開け、コントロールするようになることが計画されているのだから。これは多くの者が考えるように遠い未来のことではない。なぜなら、人間はいま意識の大いなる拡大の瀬戸際にあり、それが達成されるとき、想像しがたいほどの力(パワー)と知識が人間の手のうちに提供されるだろう。

 この知識と力(パワー)を達成するにあたって、最初のステップはすべての生命の一体性の認識でなければならない。これは人間の未来のすべての進歩にとっての基本である。無数の形態を通して顕現されている唯一なる大生命(いのち)のみが存在するということを、人間がまったく議論の余地なく知るようになるとき、彼らは、すべての創造のより大いなる福利のために、その大生命(いのち)を組織し、分配するものとしての彼らの任務に気づきはじめるだろう。このようにして人間はいまだ想像しがたい方法で自然の資源を開発し、古い形態に新しいいのちを与え、唯一なる大生命(いのち)のより良き表現のために新しい形態を創造するだろう。

 動物王国の中に、人間のエネルギー的刺激を通して、深遠な変化が起こるだろう。知性の要素が急速に成長し、人間のマインドの影響のもとに、二つの王国の間に新しい協力が可能になるだろう。多くのいにしえの形態は、彼らの目的を果たし終えて、死に絶えるだろう。しかし、人間によって鼓舞され、導かれて、思考に対する新しい感覚と反応が動物の中に顕れるだろう。それが動物と人間の間の新しい関係の樹立につながる──神の大計画に沿って進行するもう一つのことである。

 人間が神々として、大計画への奉仕の中で彼らの神聖なる力(パワー)を実演する新しい時代が開ける。したがって、すべての真の奉仕の恩恵を刈り取るだろう──より大きな責任とよりよく奉仕する機会である。これらの力(パワー)がすべてのための福利に使われて、意義ある人生の新しい一章が人間に開かれるだろう。そして己の神性の発見の旅路において、啓示から啓示へと次々に導かれていくことに気づくだろう。そのようになるだろう。そのようにして、人間は生来備わった霊的特性、奉仕への能力、大計画に対する感性を、実際に顕すだろう。
マイトレーヤと覚者たちの一団は、その道を先導する用意が整っている。彼らは人間の可能性をよく知っている。彼らは人間として、はるか以前にその可能性を完全に実現してきたのである。彼らは道案内をするためにやって来る。そして彼らの経験を人類種族のために喜んで供する。彼らを陣頭にいただく人類が失敗するはずはない。


(シェア・インターナショナル誌1987年10月号)

視点 イランによる米国への包括的和平提案

ジェフリー・D・サックス、シビル・ファレス

 ジェフリー・サックス教授とシビル・ファレス氏は2026年2月9日、米国がイランから差し出されたオリーブの枝(和平提案)を受け取るだろうか、と問いかけた。今、シェア・インターナショナル誌3月号が発行されようとしているこの時、悲しいことに、全世界がその問いに対する致命的な答えを知っている。

 歴史には時折、紛争についての真実があまりにも明白に語られ、もはや無視することができなくなる瞬間が訪れる。2月7日にカタールのドーハでイランのアッバス・アラグチ外相が行った演説は、まさにそのような瞬間だったと言えるだろう。彼の重要かつ建設的な発言は米国による包括的交渉の呼びかけに応えるものであり、中東全域の平和に向けた健全な提案がなされた。
 マルコ・ルビオ米国務長官は先週、包括的交渉を呼びかけ、「イラン側が会談を希望すれば、われわれは応じる用意がある」と述べた。ルビオ長官は、核問題やイランの軍事力、地域における代理勢力への支援について協議することを提案した。表面的には、これは真剣で建設的な提案のように聞こえる。中東の安全保障上の危機は相互に関連しており、核問題を地域全体の動向から切り離した外交は長続きしそうにない。

 イランのアラグチ外相は2月7日、米国による包括的和平の提案に応えた。アルジャジーラ・フォーラムでの演説で、同外相は地域の不安定の根本原因に触れた――「パレスチナ問題は……西アジアおよび世界における明確な正義の問題である」と述べ、今後の道筋を示した。
 外相の発言は正しい。パレスチナ国家問題の解決が失敗に終わったことが、1948年以降のあらゆる主要な地域紛争の火種となってきた。アラブ・イスラエル戦争、反イスラエル武装勢力の台頭、地域の分断、繰り返される暴力の連鎖――これらすべては、イスラエル国家と並んでパレスチナ国家を樹立できなかったことに起因している。イスラエルがパレスチナを残忍な形で占領し続けた後、2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃し、それからイスラエルによるガザ住民へのジェノサイド(集団殺害)が行われた。ガザはこの紛争における最も壊滅的な局面を象徴している。

 アラグチ氏は演説で、イスラエルが「安全保障の旗印の下に推進」している拡張主義的な計画を非難した。また、イスラエル政府高官やベン・グヴィル国家安全保障相が繰り返し主張し、クネセト(イスラエル国会)がすでに決議を可決したヨルダン川西岸地区の併合についても警告した。
 アラグチ氏はさらに、イスラエルの戦略におけるもう一つの根本的側面、つまり、地域全体における恒久的な軍事的優位性の追求についても強調した。イスラエルの拡張主義的計画には、「近隣諸国を軍事的、技術的、経済的、社会的に弱体化させ、イスラエル政権が恒久的に優位に立つこと」が不可欠だと述べた。これはまさに、30年前にさかのぼるネタニヤフ首相の「クリーン・ブレイク」戦略である。米国は、2000年以降、イスラエルに1,000億ドルの軍事援助を行い、国連では度重なる拒否権発動による外交的庇護を行い、イスラエルによる国際人道法違反に対する責任追及措置を一貫して拒否するなど、イスラエルを熱心に支援してきた。

 イスラエルの不処罰は、地域の不安定化を招き、軍拡競争、代理戦争、復讐の連鎖を助長してきた。また、残された国際法秩序をもむしばんでいる。米国とイスラエルによる国際法の濫用は、欧州諸国の多くを沈黙させ、国連憲章を深刻に弱体化させ、国連を崩壊寸前に追い込んでいる。
 アラグチ氏は演説の結びで、米国に対して政治的解決と前進の道筋を示した。「安定への道筋は明らかだ。パレスチナのための正義の実現、犯罪に対する責任追及、占領とアパルトヘイトの終結、そして主権・平等・協力に基づく地域秩序の構築である。世界が平和を望むなら、侵略に報酬を与えることをやめなければならない。世界が安定を望むなら、拡張主義を助長することをやめなければならない」
 これは、ルビオ氏の包括的外交への呼びかけに対する、妥当かつ建設的な回答である。

 この枠組みは、この地域の紛争のあらゆる絡み合った側面に対処できる可能性がある。イスラエルによるパレスチナ領土の拡張と占領の終結と、1967年6月4日の境界線への復帰は、この地域における代理勢力への外部からの資金提供と武器供与を終わらせるだろう。イスラエル国家と並んでパレスチナ国家が樹立されれば、イスラエルのみならず近隣諸国の安全保障も強化される。イランとの新たな核合意は、イランの核活動を平和的な活動に厳しく制限し、米国とEUによる制裁の解除と相まって、地域の安定にとって極めて重要な柱となるだろう。イランは10年前にすでに、国連安全保障理事会決議2231で採択された「包括的共同行動計画(JCPOA)」において、このような核枠組みに合意していた。合意から離脱したのはイランではなく、トランプ氏の最初の任期中の米国であった。

 包括的平和は、国連憲章そのものを含む、現代の集団安全保障の原則の基盤を反映するものである。永続的な平和には、主権や、領土保全、すべての国家の平等な安全保障の保証に対する相互承認が必要である。
 地域の安全保障は、地域内のすべての国家の共有の責任であり、それぞれの国家は歴史的な義務に直面している。この包括的な和平提案は目新しいものではなく、イスラム協力機構(57のイスラム主流国)とアラブ連盟(22のアラブ諸国)によって数十年にわたり提唱されてきた。2002年のアラブ和平イニシアチブ以来、これらの国々はすべて、土地と平和の交換という枠組みを毎年承認してきた。米国の同盟国である主要なアラブ諸国とイスラム諸国はすべて、オマーンにおける米イラン間の最新の交渉を促進する上で重要な役割を果たしてきた。さらに、サウジアラビアは、パレスチナ国家の設立を条件としてのみ、イスラエルとの関係を正常化することを米国に明確に伝えている。

 米国は正念場を迎えている。米国は本当に平和を望んでいるのか、それとも、イスラエルの過激主義に追随したいのか。米国は何十年もの間、イスラエルの誤った目的に盲目的に従ってきた。国内の政治的圧力、強力なロビー活動網、戦略的な誤算、そしておそらくはエプスタイン文書に潜むわずかな脅迫(誰が知るだろうか)が相まって、米国の外交はイスラエルの地域的野望に従属してきた。
 米国がイスラエルに従属することは、米国の国益にかなわない。米国は度重なる地域戦争に巻き込まれ、米国の外交政策に対する国際社会の信頼を損ない、1945年以降、米国自身が構築に尽力した国際法秩序を弱体化させてきた。

 包括的和平は、進路を修正する稀有な機会を米国に提供する。国際法に基づく包括的な地域和平について交渉することで、米国は真の外交を取り戻し、イスラエルとパレスチナを含むすべての当事者に利益をもたらす安定した地域安全保障体制の構築に貢献することができる。
 中東は、終わりのない戦争と包括的和平の岐路に立っている。平和の枠組みは存在する。何よりもまず必要とされるのは、パレスチナ国家の樹立、イスラエルおよび地域全体の安全保障の保証、10年前に国連で採択された基本合意を回復する平和的な核合意、経済制裁の解除、国際法の公平な執行、そして軍事力に代わる安全保障協力に基づく外交的枠組みである。世界は包括的な枠組みを支持し、この歴史的な機会を捉えて地域平和を実現すべきである。

(Common Dreams)