2024年1月号目次

 

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
覚者たちの誓い

編集部より

視点
2024年、 長期的視野に立ったリーダーシップが必要である
メアリー・ロビンソン

イスラエルに対するジェノサイド訴訟
 ダイアナ・ブトゥ氏へのインタビュー

国家主義、 人種主義、 政治
アート・ユリアーンス

時代の徴
空の徴

マイトレーヤと私たちの人間性への行進
ポーリン・ウェルチ

ガザの子供の犠牲者を表す1万足の子供の靴

S.O.P. -われわれの惑星を救え!
COP28での合意と反応
緊急警告が次々と発せされる
ミミズへの賛歌

ハンナ・アーレント 全体主義体制
ドミニク・アブデルヌールによる書評

人間性を保つ
ジェイソン・フランシスによるユヴァル・ラハミーム氏へのインタビュー

編集長への手紙
私の路線に

2024年の表紙の絵
「儀式」

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

覚者たちの誓い

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 戦争の暗雲が次第に増し、平和の陽光が闇に包まれていくにつれ、人類の反応は二重である――好戦主義者たちの意志を無言で受け入れ、追従することと、彼らの計画と企てに対する積極的な活気ある抵抗である。今日、わたしたちには両方の反応が同じ割合で見られる。世界の半分が(底に横たわる原因を認知することなしに)“テロとの戦い”というグラマーにとりつかれ、またテロ行為自体にとりつかれている。後の半分はテロ行為を嘆き、そしてその発祥についての理解の欠如を嘆いている。大規模の変化のみがこの残虐な悪を終わらせる鍵であることを彼らは知っており、世界をあまりにも不公平に分割している不平等を認知し、それに対処することを諸国家の指導者たちに呼びかける。
 この後者のグループは増大して、世界の安全を非常に脅かす者たち、現在、権力の座にいる者たちの計画に対する彼らの抵抗を増さなければならない。彼らはお互いを見つけて、一緒に働かねばならない。平和を求め、正義の顕現を請い願う無言の大衆(サイレント・マジョリティー)のために働き、そして語るのだということを知る必要がある。
 平和は、正義が支配するとき、分かち合いが人間の心(ハート)を開き、人々を信頼することに目覚めさせるときにのみ、訪れるだろう。かくして、人は正義と分かち合いのために働き、声高に語らなければならない。正義と分かち合いのみが人間の苦しみを、テロ行為と戦争を終止させるだろう。あなたたちの兄であるわたしたちは、わたしたちの役割を果たす用意がある。わたしたちは「共通の利益(善)」のためのあらゆる行動を強化するだろう。わたしたちは、自分たちの力を顕す機会を待っている――過去の間違いを正すのを助け、戦争の無益さを人間に示す。わたしたちは、戦争の終止を呼びかける者たち、人事の中に健全さとバランスの回復を求める者たち、すべての者のための正義(公正)と自由の創造を求める者たちすべてを支持することを誓う。
 わたしたちにあなた方を助けさせてほしい。わたしたちの役割を果たすことができるように、助けてほしい。わたしたちは、いつものことながら、「共通の利益」のために行動することを願う、それが人類すべての最善の利益であるとわたしたちは思う。かくして、わたしたちは分かち合いを提唱する、かくしてわたしたちは正義を勧告する、かくしてわたしたちは自由と平和を分かち合いと正義の確立の頂点として見なす。
 この世界の救済のために共に働こうではないか。人類種族の利益のためにお互いの(意見の)相違を放棄しようではないか。健全な行動を勝利させて、人類に平和のための彼らの共通の必要を理解させよう、そして病める世界を復活させようではないか。
 多くの者が未来を恐れながら待つ。人間が道を見失ったのではないか、いまや平和への道を見いだすには遅すぎるのではないかと恐れる。わたしたちの勧告はそうではない。平和への道は簡単に見いだせることをわたしたちは知っている、正義と信頼の創造を必要とするのみである。分かち合いのみがその信頼を生み出すだろうということを、そしてそれが人類にテロ行為と戦争の両方を放棄させるようになることを、わたしたちは知っている。そのようになるだろう。そのようにして、人類はついに恐怖と不信のグラマーから解放されて、実際にそして歓びのうちに未来を創造する用意を整えて、マイトレーヤの「同胞愛と正義」のメッセージに応えるだろう。
(シェア・インターナショナル誌2004年1・2月号)

編集部より

「あなたの兄弟を愛しなさい。彼らの窮乏に心を留めなさい。あなたが豊かに持つものを与えなさい、そして世界に喜びを復興しなさい」
「あなたは兄弟同胞の番兵である」
「兄弟の窮乏をあなたの行動の尺度として・・・」
「人類は一つである」
「皆は一人のために、一人は皆のために」
「私たちが共に力を合わせれば、もっとずっと多くのことができます。これが相乗効果です!」
 新しいものではない。なじみのないものでもない。このページ以外にこの号には掲載されていないが、責任の分かち合いと一体性という概念は、シェア・インターナショナル誌が支持し、直接的または間接的に伝えようとするものすべてを包み込んでいる。こうした声明は、マイトレーヤによってメッセージの中で、ベンジャミン・クレームの師である覚者によって、ジュワル・クール覚者によって、マイトレーヤか覚者の一人のスポークスマンによって伝えられたものである。
 人類がこうした教訓に従って生き、行動すべき時があるとすれば、それは今である。正義と平和が世界の隅々で確立された現実となるようにするには、一致団結して、連帯して行動を起こす必要がある。あらゆる危機、人類の道徳的指針に挑みかかるような難題(ジレンマ)に対処するには、大勢になれば途方もない力を持つ普通の人々が団結し、理性と同情の声を届けなければならない。自由と平等に機会が訪れるような適切な条件を創り出すためには、「私たち」──つまり「民衆の力」──が必要である。未来が私たちのものになるかどうかは、「民衆の力」次第である。そうした集団的な行動の中にこそ、明るい未来を可能にする希望がある。人類と私たちの未来のために、平和構築の基盤となる分かち合いと正義のために、行動するという意識的な選択の中にこそ希望がある。マイトレーヤと覚者方はここにいて、同胞愛に向けたあらゆる努力を鼓舞し、活気づけ、支援しておられることを知ることにこそ希望がある。
 南アフリカは今年5月、1994年に最初の民主的な選挙が実施されてから30周年を迎える。これは、アパルトヘイトとの闘いに加担したかどで投獄されたネルソン・マンデラ氏が釈放されてから4年後のことであった。マンデラ氏は、正義を求めるパレスチナ人の闘いを「現代における最大の道徳的課題」と表現した。南アフリカの人々は、恐ろしい残虐な行為や非人道的な行為に耐えることがどういうことであるかを知っている。「真実和解委員会」のおかげで、南アフリカの人々は被害者意識と復讐の必要性から解放された。ハーグにある国連の国際司法裁判所にイスラエルを提訴したのが南アフリカであることは、他者の苦しみへの同情と共感の勝利である。南アフリカの訴状は、法の支配を高く掲げている。
 次の記事「決断の時」は、ベンジャミン・クレームの師によって書かれ、2002年5月にシェア・インターナショナル誌に掲載された。2001年9月11日のトラウマと、それに対する軍事行動を扱ったものだが、今日との類似性を見いだし、教訓を学ぶことができる。「これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない」

決断の時
 「世界は深刻な危機の状態にあり、それは主に、昨年9月11日のテロ攻撃に対するアメリカの大統領の対応によって生じた。アフガニスタンにおける戦争と最近のイスラエルの残虐行為の急増はつながっており、イラクに対して企てられている攻撃も同様である。それぞれに基本的なのは古い怨恨の清算である。そのような子供じみた行為は、世界の福利を脅かす出来事に対しての恥ずべき無責任な対処方法である。覚者たちはテロリズムに対する宥和政策を提唱しないが、しかしアフガニスタンと中東における対応の仕方はわたしたちの好みではない。それはテロの原因──貧困、フラストレーション、屈辱、絶望感──を全く考慮に入れず、単に暴力と残虐を永続させるだけである。自己憐憫と傷ついた誇りの中で道に迷い、アメリカは智恵と慎重さと均衡感をも失った。
 その間に、イスラエルは自爆行為に悩まされて、『テロに対する戦い』という言い訳を利用して、いつもの如く過剰反応する。アラファト氏に対する恥知らずな迫害と屈辱的な行為に対して、イスラエルの指導者と軍隊が誇るべきものは何もない。イスラエルの国民は、他の誰よりも、抑圧された人々の苦悩を理解すべきである。
 これらの男たちは、世界はすべての人間に属するということをいつになったら学ぶのだろうか。彼らの富と権力が他をコントロールする力を授けるかもしれないが、彼らは支配者でも警官でもない。彼らがその富を『普遍的な善』のために分かち合うとき、テロの終息を見るだろう。そして彼らは夜、もっとぐっすりと眠れるだろう。少数者の利益のために世界を支配しようとする権力の男たちは、不当に得て振り回すその権力に酔っている。
 より賢明な声が、多くの観点から傾聴に値する声が世界に必要とされることは、ますます明らかである。その声、マイトレーヤの声は、復讐と憎悪の叫びを超えて、間もなく聞こえるだろう。間もなく世界は、われわれの直中にある彼の臨在に目覚め、そして大いなる選択が人類に提供されるだろう。かくして、これは人類の大きなテストの時である。かくしてこれは、決断の時、先例のない時である。
 人間がこのことを理解するとき、彼らはマイトレーヤの旗印のもとに集い、正義と自由を求める彼らの要求を知らしめるだろう。彼らは喜んで分かち合い、そして奉仕する意志を示すだろう。そしてそのようにして世界をつくり直すだろう。
 そのようになるだろう。そのようにして、人間は彼らの昔の誓願を新たにし、神への彼らの足跡をたどり直すだろう」(シェア・インターナショナル誌2002年5月号)

 ジュワル・クール覚者は第二次世界大戦の最中、『ハイラーキーの出現(上)』(AABライブラリー刊)の中で、潜在的な可能性や、必要とされる取り組み、未来の形態について、「新しい世界秩序に向けてのステップ」という節で概略を描いている。「新しい世界秩序は、積極的な責任感に基づいて築かれるであろう。『皆は一人のために、一人は皆のために』がルールになるであろう。国家間でこうした態度を培っていかなければならない。それはまだ存在しない」(249~251頁)
 悲劇的なことには、私たちが毎日目撃しているように(もしメディアが真実を伝えており十分に勇敢であるなら)、このような態度は依然として、政治家たちの頭からは程遠いところにある。ベンジャミン・クレームの師が以下の文章で言及している「責任の分かち合い」の感覚はどこにあるだろうか。

重要な機会
 「・・・わたしたちは人間の中に、責任の分かち合いについての新しい意識を確立することを求める。一致協力した行動の味を、彼らの中に目覚めさせることを求める。わたしたちはこの二つが顕現できるような条件をつくるように努め、そのようにして変化に導く。すべてがエネルギーである。エネルギーのみが存在する。人類という中心(センター)におけるこれらの高度のエネルギーの影響を通して、世界に新しい雰囲気を生み出すことを求める。信頼の条件をつくるために、わたしたちを助けてほしい。そして世界に新たな希望をもたらそう。愛と信頼の種を蒔き、それが希望と喜びとして花開くのを見守りなさい。
 兄弟同胞の苦しみを緩和するために、誰でも何かをすることができる。あなたがどこに位置するのかよく判断して、何をすべきかを見つけなさい。すべての犠牲的行為に対して、今あなたの支持を誓い、そこにあなたのできることを貢献しなさい。この時を、与える時となしなさい。あなたの奉仕しようとする意志に十分な表現を与えなさい。奉仕するとき、あなたは光に向かって働き、あなたの目的により正しく整合することを知りなさい。
 あなたの位置をわたしたちと共に置き、人間の夢を実現させなさい。あなたの位置をわたしたちと共に置き、わたしたちの助けと刺激とを確信しなさい。あなたの位置をわたしたちの側に占め、とうてい不可能と思われたような行為をなしなさい。・・・」
(「重要な機会」より、シェア・インターナショナル誌1984年3月号)

 この合併号(日本語版は1月号と2月号に分けて発行)では、記事や報告、インタビュー、書評の中で次のようなアイディアを前面に押し出している。変革を推進する民衆の力、より優れた指導者の必要性、地球規模の問題に対する常識的なアプローチ、偏狭な民族主義や人種差別主義の危険性、全体主義、ファシズムの厄介な拡大、そして、より良い世界へと指導者たちを導くために集団で活動しようとする民衆の決意をまさに分断し弱体化させるために、悪辣で権威主義的な同人集団がどのように権力を維持し利用しているのか、といったアイディアである。シェア・インターナショナル誌は、自然界のために行動を起こす緊急の必要性を常に念頭に置いているが、従来の科学よりも一歩踏み込み、科学に受け入れられようとしている次の大発見を明らかにする。その大発見は、健康に役立ち、新たな癒しの方法と、私たち自身や私たちを取り巻く環境を体験する新しい方法をもたらすものである。
 覚者方に関してはいつもそうであるように、強制は一切ない。私たちは自由に選ぶことができるが、覚者は次のように励まし、導いている。「兄弟同胞の苦しみを緩和するために、誰でも何かをすることができる。あなたがどこに位置するのかをよく判断して、何をすべきかを見つけなさい」
(シェア・インターナショナル誌1984年3月号)

時代の徴

ベンジャミン・クレームの師によって確認されていない「希望の徴」と「時代の徴」をここに掲載する。それらの「奇跡的な」特性を検証することはできないため、判断は読者に委ねたい。

空の徴

 一部の政府は、徐々にではあるが、UFO(未確認飛行物体)や UAP(未確認空中現象)の存在に関するさらなる情報が公の場に「漏洩〈ルビ・ろうえい〉」することを許す準備を進めているのだろうか。おそらく、いくつかの興味深い報告がメディアに届くことを許すことで、一般の人々はさらなる情報公開に備えることになっているのではないだろうか。
 ガーディアン紙の最近の記事は、その可能性は低いと主張しているが、その見出しとそれが提起する疑問は問題の核心を突いている。「たった一つが現実になるだけで、人類は永遠に変わってしまう。もし私たちがUFOについて嘘をつかれていたとしたらどうなるのか」
 シェア・インターナショナル誌の立場は、ベンジャミン・クレームとその覚者から私たちが得た情報によると、UFOは現実に存在するだけでなく、使命を持ってここに存在するというものである。ベンジャミン・クレームによれば、UFOとUFOに乗っている人々は、人類の負担を軽減し、この惑星をさらなる急速な破壊から救うという霊的な使命に携わっている。現在、私たちの中に住んでおられる世界教師マイトレーヤに率いられた私たちの惑星のハイアラキーは、この地球に正気を取り戻すための友愛的な事業において、宇宙の兄弟たちと共に精力的に働いている。

アメリカ――2023年11月28日、メリーランド州リッジの目撃者は、ポトマック川の約0.5マイル(約800メートル)上空に、脈動する光を放つ物体が浮遊しているのを目撃したと報告した。物体は「約5分間、音も立てずに浮遊した後、消えた」と目撃者は語った。
(国立UFO報告センター)
アメリカ――2023年10月4日、テキサス州ミネラルウェルズにある「ウェルカムマウンテン」と呼ばれるランドマークの近くで、空に明るい光が見え、暗くなり、その後再び非常に明るくなったことに数人の目撃者が気づいた。物体のビデオを撮った目撃者の一人は次のように報告した。「飛行物体は何の音も立てずに上空で浮遊し始めました。次に、私が最初に見た大きな物体の周りをいくつかの小さなもの[物体]が散発的に飛び始めました。そのとき、それらは物理的に全く理にかなわない方向に進み始めました。私はその形に気づくことができませんでした。最初の物体は丸い六角形から球へと形状を変えました。回転灯が付いていました。さらに多くの物体が続き、まるで流れ星のように飛んでいきましたが、元の物体に向かって上向きに戻ってきました。それから間もなく、私たちのグループは複数の飛行機を目撃しました。飛行機は、こうした物体があった方向に進もうとしていましたが、追いつくことができませんでした」
(国立UFO報告センター)

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

「私の路線に」
 2023年11月12日(日)の昼頃、フランスのパリにあるフローラル公園でのマルジョレーヌ・エコロジカルフェアの入り口に立って、未解明の現象についての写真展示のチラシを配っていました。一人の年配の男性が私の方へ歩いてくるのが見えました。彼は帽子を被り、白いシャツを覆うほど長く先のとがった白いあごひげを生やしていました。古い金属製の買い物用カートを引っ張っていて、そこに古びた緑色のチェックのバッグを載せていました。私は未解明現象についての写真展示があるという説明をしながら、チラシを彼に渡しました。彼が展示会場はどこか尋ねてきました。私は「ストラスブール・サン・ドニ駅とレピュブリック駅の間で、安物の靴で有名な通りにあります」と答えました。彼は私に「地下鉄の出口に行った方がいいよ。とにかく、展示場は私の利用する地下鉄の路線だから、9番線だね」と言いました。
 話をしていた時、お互いの目を真っ直ぐに見ながら、私はこの人物について不思議に思っていました。その瞬間、まるで私たちの周囲には何も存在していないかのようでした。私は喜びを感じ、その男性への静かな尊敬の念が私を満たし、愛の高まりに圧倒されていました。彼の外見と、彼から発散される純粋な善性との間には食い違いがありました。その後、彼が立ち去る時に「未解明現象と超自然現象、それは良いね。私の路線だよ、9番線だ」と言っていました。すり減った白いスリッパを履いた足を引きずりながら、彼が去っていくのを私は見つめていました。長いグレーのコートの前を開けて着ているハンサムな物乞いのように見える、印象的な存在感の人でした。


イザベル・ゴナンフランス、パリ

読者質問欄

この欄では、インタビューや講演の膨大な記録の中から、ベンジャミン・クレームと彼の師である覚者が40年以上にわたるたゆみない奉仕の一環として提供してきた、幅広い話題に関する質問への回答を紹介する。

Q  戦争行為を終わらせるためにあるいは制限するために、より良い状況を中東に創り出すのに貢献するにはどうすればよいか示唆していただけますか。
A  私の考えでは、まず最初の仕事は中東に存在する多くの問題を扱うための国際会議を組織することです。第一の議案はイスラエル・パレスチナ問題でなければならないと思います。パレスチナ人に故国を与えることが唯一の公正な解決です。そうでなければ持続する平和は不可能です。イスラエルは限りなくずるずると先に延ばすだろうと私は思います。和解を成立させるためにはマイトレーヤの出現を必要とするかもしれません。湾岸戦争でイラクとサダム・フセインの側についたPLOの最近の行為は、それがいかに正しくとも、彼らの大義を促進する助けになりません。PLOの指導層は失敗する機会をつかまないようにするのが不可能なようです! しかしながら、正義は彼らの側にあります。そして今や関連している国々のほとんどが、米国でさえも、ついにその正しさを認めています。
 現在存在するさまざまな独裁的な軍部による専制政治や王侯支配は、民主的な政府と合意による政治に変わらなければなりません。例えば、シリアでは最もひどい軍の独裁主義の圧政が行われており、サダム・フセインと同じように悪い、そして野心的な支配です。彼らが最も大きなライバルであるイラクに対抗する“クラブ”に加わったために、これらのことすべてが見逃されています。クウェートとサウジアラビアの統治者一族の貪欲と独裁的支配は悪名高いです。
 この地域の国民の間に富を再分配することがまず優先されるべき議題でなければなりません。そのような変容が起こるためには長い期間が、おそらく何年もかかるでしょう。しかしひとつだけは直ちに達成することができるはずです。それは複雑な洗練された大量殺戮兵器をこの地域に無責任に供給することをやめることです──私は完全な封鎖を提案します。この“市場のフォース”に基づく冷笑的な貿易は戦争の炎を煽り立てるためだけに働きます。今それはもう誰の目にも明らかであるに違いありません。
(シェア・インターナショナル誌1991年4月号)

Q  見さかいのないいじめっ子(アメリカ)をどうやって止めたらよいでしょうか。
A  国連の他のメンバーがいじめっ子に対抗して立ち上がり、釈明を求めることによってです。可能なあらゆる外交的圧力、とりわけ経済、金融の圧力を利用することです。例えば、アメリカ製品の世界的なボイコット、アメリカへのローン(アメリカ国債の買い入れという形で行われている)の引き上げと大規模なドル備蓄の売り、アメリカとの貿易を他の国々に振り替えることなどによってです。

Q  中東で最も危険な国はどこですか。
A  イスラエルです。

Q  国連の幾つかの側面を再編する必要があるのではないでしょうか。例えば、状況が暴力的に爆発する前に、摩擦と緊張を引き起こしている問題を示し、分析し、解決策を提示する早期警告型の監査制度の永続的な確立のような。より賢明で経験豊かな元国家元首や外交官、経験豊かな交渉者、特定の地域の専門家、司法知識のある人々などが国連でグループをつくり、予防的な問題収束グループを形成できるでしょうか。問題をかき立てる先制攻撃グループではなく。
A  はい。

Q  (あなたが著書の中で述べられたような)私たちの直面する問題解決のための青写真を持ったイニシエートたちはすでに地位を占め、その青写真を展開していると私は希望します。私たちは彼らを今必要としています。
A  世界は彼らを今受け入れる用意があるでしょうか? 私はそうは思いません。

Q  平和のための「ロードマップ」と呼ばれているものについて、あなたのご意見は何ですか。(1)それは実行可能ですか。(2)それは公正なものですか。
A  (1)はい、それに関する限り、実行可能です。しかし、それには双方がかなりの犠牲と妥協を必要とします。とりわけパレスチナ側にとってそうです。(2)いいえ、それがパレスチナの要求と必要を公正に満たしているとは言えず、正しいとか公正と呼ぶことはできないと思います。常に覚えておかねばならないのは、パレスチナの地にイスラエルを建設したことはパレスチナ人の権利の侵害であり、約450万の人々が今もレバノンで難民として暮らしているということです。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q  マイトレーヤと覚者方が民衆の力を推奨していることはシェア・インターナショナル誌から明らかです。しかし、彼らは、最近英国で見られたような心ない暴力や破壊行為を容赦されるのですか。
A  「心ない暴力や破壊行為」は民衆の力の表現ではなく、破壊的力の表現です。ハイアラキーは暴力や破壊を薦めたり容赦したりすることは決してありません。
(シェア・インターナショナル誌2011年10月号)

2023年12月号

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
“野蛮な時代” の終わり
自由と正義の未来

編集部より

視点
宗教指導者たちへの演説
COP28に先立つ宗教者サミットにて、2023年11月6日、アブダビ
ジェフリー・D・サックス

ジュネーブ条約

デニムクウェゲ医師:
畏敬の念、 感謝、 奉仕の必要性に駆られて
ポーリン・ウェルチ

どのような道徳世界に?

もし私たち全員が知っていたなら-おそらく私たちは知っている

エルダーズから-バイデン大統領へ
イスラエルとパレスチナに関する公開書簡 2023年11月16日

戦争意識という虚無
デニス・クシニッチ

地球外生命体の惑星的使命
ウィラルー・ファイタ

時代の徴
世界中の徴

民衆の声
世界各地に広がるパレスチナ支持のデモ

S.O.P.-われわれの惑星を救え!
デンマークの植物性食品への移行計画 他

ある臨死体験
マーク・ウッド

UFOに関する最初のヨーロッパ会議
アンドレ・ヒピウスによる報告

マイトレーヤと民衆の声-選集

編集長への手紙
平和を支持し人類の味方をするとはどういうことでしょう? 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

“野蛮な時代”の終わり

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類が今のこの時期を振り返って、“野蛮な時代”と見るようになる時が来るだろう。現在のこの死にかけている文明は可能な理想からあまりにもかけ離れているので、未来の人類は、われわれが一体いかにして、しかもこれほど長い間、それを持続することができたのか不思議がるだろう。

 この悲しい状況には多くの原因と要素が含まれている──人間の人間に対する関係の、長い、ゆっくりとした頽廃が、ますます精巧になる武器の開発と並行しており、またそれを反映している。大陸を飛び越して殺戮することのできる現在の武力を、人間は大得意とするが、それは自己破壊への盲進を確実なものにする。戦争は冷徹な非個人的なものになった。もはや戦士は犠牲者(敵)の顔に恐怖の脅えを目撃する必要はない。

 この状況の中で、政治経済の制度が、人間の生活の泉からの疎外感の増大を反映するのは不思議ではない。

 商業至上主義、すなわちあの急速に発展した、しかし陰険な、しばしば隠れた脅威が今や数え切れない何千何百万の人間の生活と運命を支配する。そして人間の天与の個人性を取るに足らないものにしている。今や人間は統計にすぎず、そこには人間の目的も必要も考慮に入らず、人間は市場エネルギーと企業の利潤というチェスゲームのポーン(歩)の駒である。

 われわれが現代世界と呼ぶところの荒涼たる砂漠は、人間を人間らしくするもの、すなわち幸せや、創造的な充足感、お互いの必要に速やかに反応する特質、自由というものを人間から奪う。破壊的な競争は人間の精神を腐食させ、そして今や、人生の“戦い”の審判の座にある。人生、すなわち「偉大なる冒険」は腐敗し、単なる生存のための苦しい不公平な苦闘に置き換えられた。

 これらの悲惨な状態がすべてに同じように存在するわけではないのは確かだが、しかし膨大な数の人間にとって、それは彼らの生活の現実を表している。そして人間が方向を変えない限り、それはますます悪化するだけである。

 マイトレーヤが世界の舞台に公に入って来られるとき、そのような苦痛と苦闘の人生は必然ではないことを、それが人間の唯一の選択ではないことを示すだろう。人間がそれを意志するならば、彼らの生得の権利として他の道があることを示すだろう。

 混乱とますます増大する貪欲の直中にあって、人間はすでに、人生の聖なる絆をそのように弱めるものに抵抗しはじめていることを、マイトレーヤは示すだろう。そして大きな新しい力(エネルギー)が新しい始まりを生じさせており、現在の混迷の中から、時代の挑戦に対処し、困難に打ち勝つために、生まれ備わった人間の能力がより高位に、より本当のすがたで徐々に現されつつあることを示すだろう。

 マイトレーヤは人間に、彼ら自身の高位の出所と運命(ルビ:さだめ)を思い出させるだろう。そして新しい生活方法の創造を、融和のうちに、正しい人間関係の中で、戦争や競争の手段に訴えることなく、完全な協力と相互尊重の中で生きる道を鼓舞するだろう。そのようになるだろう。

(シェア・インターナショナル誌1999年4月号)

自由と正義の未来

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 世界がこれほどまでに様々な問題に悩まされたことはこれまでほとんどなかった。地球全体にわたって、ほとんどすべての国において、あらゆる均衡と安全を妨げるフォース(力)が働いている。無秩序と暴力の規模はますます大きくなり、恐怖は増大する。何百万の人間がもっとも悲惨な苦難に喘ぐかたわら、国全体が変化の激痛の中で痙攣する。

 この激しい動揺の中に、キリストはやって来られた。認知されようとされまいと、キリストの御手が外的な混乱の背後に見られ、フォース(エネルギー)を良い方向に導き固めておられ、最終的な勝利を確実にする。まったくそのようには見えないかもしれないが、新しい秩序がこれらの相争うフォースからつくり出されている。死滅する形態の灰から新しいいのちが生まれる。

 商業至上主義がその癌を世界中に広げて、人間の生命線である商業と政府を毒するにつれて、ますます多くの人々がその危険に目覚め、新しい関係と貿易の様式を探し求める。

 残酷な野心的な人間が自分たちの祖国に破壊をまきちらし、国民の心の中に長い間眠っていた憎悪の火を焚きつける一方、その犠牲者たちを助け、その攻撃に対抗しようとする新しい意図が国々のフォーラム(公開討論の場)の中に頭を持ち上げつつある。

 キリストの手は決して舵から離れることはない。法の成就のみが、キリストの行動範囲を規制する。キリストのフォース(勢力)はいつも目ざとく、あまりにも重過ぎる荷が人類の大義を打ち砕きそうなときには、介入する用意がある。

 であるから、これらの火と恐怖の日々は終わることを知って、勇気を出しなさい。人間の長い間の苦難と苦痛は間もなく終わるだろう。人類は孤立していないことを、人類の兄たちが、この痛々しい変遷の過程を一つ一つ知っており、そして見守っていることを知って、勇気を抱きなさい。

 今、未来を見、そして築く用意をしなさい。それがあなたの最高の志向の中に包まれるのを、心に描きなさい。現在の混沌の直中で、無執着になることを学びなさい。そしてあなたの恐怖を差し迫ってくる闇にさらに加えないようにしなさい。あなたが思うよりもずっと近くに歓びの日がある。憎悪もまた、そのコースを走り終えるだろう。

 もうすぐ、その新しい日に目覚めなさい。各々の明るい志向をまた新たに磨きなさい。新しい光、「世界の光」が今、再びあなたたちの中にある。いま生きとし生けるもの一つ一つの中に入る増大する光を明示しなさい。そして古い不均衡を正しなさい。

 わたしたちは見守り、待ち、あなた方と共にいる。日ごとにわたしたちの存在をあなた方の視界により近づける。あなた方がわたしたちを見るとき、人類種族の護衛のために共に働くときがやって来たことを知るだろう。もはや「市場主義のフォース」が人間の上昇への道に破壊をもたらしてはならない。もはや残酷な野心が国民の生活を左右するようであってはならない。大勢の人間が豊かな世界の直中で飢えることが、再びあってはならない。若者たちの未来が彼らの頭上で売られてはならない。自由と正義の未来が招く。それを受け入れなさい、受け入れなさい。

(シェア・インターナショナル誌1993年5月号)

編集部より

 周知のように、法の支配はどの文明の存続にとっても必要不可欠である。それは国際関係において決定的に重要である。世界が根本的な基準として定めてきたあらゆる国際的な条約や協定、道徳規範の尊重と順守は、万人のための正義を確実にし、信頼と平和を可能にする。

 この枠組みが崩れたり故意に反故にされたりするときに何が起こるかは、知られていないわけではない。歴史には、法の支配と基本的な道徳規範の崩壊の傷痕が散らばっている。すべての人の安全や生存、繁栄を確実なものとするために、私たちはそうした規範を拠り所として生き、行動する。しかし、私たちは比較的最近の歴史でさえも忘れてしまったのだろうか。「二度と繰り返さない」ことに皆が同意し、望んでいたのではないか。

 歴史に関する問題は、もちろん、それが記憶であり、主観的になりやすいということである。そのため、人類全体という集団の利益の代わりに、私たちは他者に対して行われる不正義には目をつぶる一方、自分たちは苦難の歴史を歩んできたからと言って、自らの復讐の権利を要求する。こうして、苦痛を与えたり傷を抱えたり、相互に非難し合ったりして、おぞましい苦しみの連鎖が続き、傍観者たちを残虐性の泥沼に引きずり込んでいくのである。

 私はホロコースト、あなたはナクバというように、犯罪や過ち、苦しみを同一視することに時間を費やすのは正気の沙汰とは思えない。交渉の出発点として、なぜ正義と賠償の平等を求めないのか。いつ、どのように終わるのか。世界は、罪悪感と復讐の間で揺れ動き続け、そうすることで、武器売却や地政学的利益、膨張と拡大を通じて、少数の億万長者にさらなる富をもたらす絶好の機会をつくり出していかなければならないのか。不必要なのだがよく植え付けられた罪悪感が、あまりにも長い間、私たちを人質に取ってきた。そのため、私たちには今日の悲惨な現実が見えなくなっている。

 世界が未来を持つためには、交渉が行われ、正気が優勢とならなければならない。これは、スーダン、イエメン、ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナの紛争など、地球上のあらゆる紛争地域に当てはまる。しかし、戦後賠償においては、これが決して対等な戦いではなかったことが認識されなければならない。現代政治の構造の中には誤った物語が根付いている。何十年もの間、土地を奪われたパレスチナ人にとって正義はなく、その結果、イスラエルには法に基づく安全保障が欠如しているという明白な真実が、世界の指導者たちによっていまだ認識されていない。指導者たちは道徳的な指針を失い、明らかに人間性も失ったように見える。このようなひどく不快で残虐な殺戮に加担せずに傍観することなど、どうしてできようか。私たちが目撃しているのは、明白なジェノサイド(集団殺害犯罪)であり、明らかな民族浄化であり、間違いなく戦争犯罪と人道に対する犯罪である。新しい公正な社会へと指導者たちを導くのは民衆であることを、私たちは知っている。数十万人が国を失い、数万人が命を失おうとしている。もし沈黙していれば、私たちは人間性を失うことになる。

 沈黙していることができるだろうか。一つの民族全体の生命や国だけでなく、私たち全員の人間性が危機に瀕しているときに、私たち民衆は何もしないでいられるだろうか。これは、私たちの本質──つまり人間性──への攻撃である。私たちの精神(マインド)と心(ハート)が危険にさらされている。歴史上のこの時期は、国際社会にとって決定的な転機ではないにせよ、試練の時である。この非人道的な時代に、停戦や正義、虐殺の終結を要求する勇気を見いだすことができないならば、私が考えるに、私たちはさらなる悲劇と、人間性を奪い取るこのフォース(勢力)とのさらに恐ろしい戦いに身を委ねなければならなくなる。中東だけの話ではない。すべての市民が、汚染されていない豊かな自然環境の中で、幸せで、健康的で、快適で、安全で、教養のある、創造的な生活を送っている国は、この地球上にはない。人々と地球を守るためには、より良い統治と政策が必要であることを、私たちは知っている。すべての人のための真の正義、新しい道徳規範、文明社会についてのより明確な定義が必要とされている。

 今月号には、ベンジャミン・クレームの師による多くの記事や、ベンジャミン・クレーム自身による、難しいが今の世の中にふさわしい質問に対する回答が含まれている。また、もし真摯に受け止めれば、私たちの魂を救うことができるような情報を明らかにする記事や統計も掲載されている。こうした情報は、私たちが交渉や、真実と和解、賠償、巨大な集団的努力の過程を開始するのを助けるだろう。それは、正気さと地球の未来に向けて、再構築し、再定義し、人々を方向転換させるための努力である。

 ベンジャミン・クレームの師は「人類の歴史的選択」という記事でこう書いておられる。「人間が歴史的選択をするときは到来した。間もなく人類は極めて重大な決断を、すべての男、女、子供の未来を、まさに地球上の生きものすべての未来を決める決断をしなければならないことに気づくであろう──惑星地球において途切れることなく、限りなく発展する創造性か、あるいは、われわれの住処(ルビ:すみか)であるこの惑星上の人間および人間以下のすべての生命の恐ろしい滅亡かの間の選択である。……

 分かち合いと正義のみが平和をもたらすだろう、とわれわれは言う。すべての人間が、心(ハート)の中で、平和を願う。われわれの勧告は本当に単純である、しかしこれまで、人類にとってそれを把握することは困難であった。人間は神聖なる自由意志を持ち、彼らの運命の支配者である。分かち合いと正義の道を取りなさい、とわれわれは勧告する。それは『同胞団』の衣であり、それなしには、人は十分な人間とは言えない」(シェア・インターナショナル誌2013年3月号)

 私たちはマイトレーヤからのいつもの祝福から、強さと慰めを得ることができる。それは12月25日のクリスマスの日、どの国にいるにせよ、現地時間の午後3時に始まる。マイトレーヤと覚者たちは人類と共に立っておられる。どんなにちっぽけに見えるにせよ、私たちは自分たちの役割を果たさなければならない。

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。