編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

「私の路線に」
 2023年11月12日(日)の昼頃、フランスのパリにあるフローラル公園でのマルジョレーヌ・エコロジカルフェアの入り口に立って、未解明の現象についての写真展示のチラシを配っていました。一人の年配の男性が私の方へ歩いてくるのが見えました。彼は帽子を被り、白いシャツを覆うほど長く先のとがった白いあごひげを生やしていました。古い金属製の買い物用カートを引っ張っていて、そこに古びた緑色のチェックのバッグを載せていました。私は未解明現象についての写真展示があるという説明をしながら、チラシを彼に渡しました。彼が展示会場はどこか尋ねてきました。私は「ストラスブール・サン・ドニ駅とレピュブリック駅の間で、安物の靴で有名な通りにあります」と答えました。彼は私に「地下鉄の出口に行った方がいいよ。とにかく、展示場は私の利用する地下鉄の路線だから、9番線だね」と言いました。
 話をしていた時、お互いの目を真っ直ぐに見ながら、私はこの人物について不思議に思っていました。その瞬間、まるで私たちの周囲には何も存在していないかのようでした。私は喜びを感じ、その男性への静かな尊敬の念が私を満たし、愛の高まりに圧倒されていました。彼の外見と、彼から発散される純粋な善性との間には食い違いがありました。その後、彼が立ち去る時に「未解明現象と超自然現象、それは良いね。私の路線だよ、9番線だ」と言っていました。すり減った白いスリッパを履いた足を引きずりながら、彼が去っていくのを私は見つめていました。長いグレーのコートの前を開けて着ているハンサムな物乞いのように見える、印象的な存在感の人でした。


イザベル・ゴナンフランス、パリ