教育──新しい次元(第1部)

 「教育」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第Ⅰ巻と第Ⅱ巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。(本誌2008年7月号の選集「新しい教育」も参照のこと)

 新しい次元──魂の次元──が子供の必要を満たすための基盤として、もっと受け入れられてくるであろう。このことが起こると、子供はこの与えられた生涯において、自分の潜在可能性の成就へ向けて進む、進化する魂として見られるようになるであろう。新しい科学、すなわち魂の科学は、あらゆる未来の教育努力の基礎となり、子供と教師両方の生活を変容させるものとなろう。
 学校や大学は制度的側面を失い、子供のいる社会ともっと融合したものとなるであろう。したがって、学校と仕事の間のより密接な関係が当たり前となって“壁のない学校”への道を開くであろう。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 子供たちは「三つのR」、すなわち読み(Reading)、書き(Writing)、算術(Arithmetic)を教えられる必要がある。しかしこれだけでは十分ではない。彼らは本来どんな存在であるかを教えられる必要がある。今日の子供たちは真我と、心(マインド)、生気(スピリット)、肉体との間の関係を、大人が想像するよりもずっと容易に理解するだろう。
(『いのちの法則』)

 最良の教え(唯一の真の教えだと私は思いますが)は、模範によって与えられます。あなたに与えることのできるアドバイスがあるとすれば、それは、あなたの子供を条件づけや教義、信条などの教え込みから完全に自由にしてあげなさい、ということです。子供があるがままの自分でいられるようにしてやりなさい。彼らを「信条」から遠ざけ、彼らの自発性を決して封じ込めないようにしなさい。そうすれば彼らの魂としてのユニークさが表現されるようになります。
(『光の勢力は集合する』)

 今日のすべての教育制度は、例外なく、程度の差こそあれ、移行状態にある。規律の問題が解決される前に、教育理論や実践において必要な調整が起こるのに相当の時間がかかるであろう。
 若者はどこでも彼らの自由を必要とし、要求する。そして調理済みの知識を追従的に吸収する者としてではなく、彼らの問題への解決や彼らの夢の実現を求める冒険者としての扱いを受ける権利を必要とし、また要求している。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 あなたがたは、意識しようがしまいが、心の中で、わたしの存在の事実に、わたしの呼びかけに応えたからこそ、今ここに集うているのである。それなら、この事実を人に伝え、人類を招いている単純な真理の道を指し示すことを、あなたがたの仕事としなさい。分かち合うことが神聖なることを、愛することが神の特性であることを、共に働くことが人の運命であることを、彼らに教えなさい。未来の光を見ることのできる唯一の壇上に立ちなさい。我が友よ、共にその壇上に立ちて、道を示しなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』第19信より)

 今日、学校の教師は子供たちに読むこと、書くこと、計算をすることなどを教えるために訓練されています。教師が生徒の内に喚起することを求められているのは、非常に限られた範囲の概念です。大抵の場合それすらありません。教師たちが、反復記憶によって子供たちに教えるように指示されているのは限られた一連の概念です。私の考えでは、それは全く教育ではありません。
 教育は──物質的、情緒的、メンタル的、そして霊的のいずれの場合においても──個々の子供の潜在力を喚起すべきです。
(『光の勢力は集合する』)

 マイトレーヤは期待されるとおり、計画を巧みに敷かれた。それは様々なセンターや機関の設立をも含み、そこで必要な教育が与えられ、体験が得られ、レッスンが習得される。
のようにして、若くて機動性のある先駆者のグループは新しい生き方、関係の仕方を示していくだろう──彼らの人生に宝瓶宮の愛のこもった、ブレンド(混合)させていくエネルギーをしみ込ませることを絶えず求めながら。賢明な実験を通して、彼らは一歩一歩、存続可能な信頼のおける形態の創造へと進み、徐々にそれらはすべての者に採択されるだろう。
(『覚者は語る 1』─宝瓶宮〈ルビ:ほうへいきゅう〉の水─より)

 これからは学校や大学において、思考やアイディアがどこから来るかということを、われわれは皆全能なる神につながっていることを、そしてわれわれの本当の自己(真我)を経験するのに経典は要らないことを、人々は発見するようになるだろう。
(『いのちの法則』)

 世界には教育がほとんど、もしくは全く行われていない地域がありますから、現在教育を受けていないすべての人々が教育を受けなければなりません。世界中の教育水準は高められなければなりません。何の教育も受けていない人々は少なくとも基礎教育を受けなければなりません。基礎教育を受けた人々はより高度な教育を受けなければなりません。社会を変化させる可能性をつくり出すために、世界中で、金銭とエネルギーと努力が教育に注がれなければなりません。教育なしに変化は起こらないでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

 教育的なアイディアや目標の革命的変化は世界中で徐々に展開するだろう。各国は進化しつつある子供たちをその思考の中心において、独自の背景や伝統の中から、それぞれアイディアや実験を提供するだろう。……
 教育の意味と目的についての理解の仕方に深遠な変化が生じ、その中で子供たちは進化しつつある魂として個人のユニークさにおいて考慮されるだろう。そしてすべての教育施設および教育技法が、子供の本質的な神性の開花に仕えるように計画されるだろう。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 家庭において、学校において、認識が天与の神聖なるものとして尊重されるだろう。認識は創造の母である。認識を分割することは決してできないし、強いることもできない。教科書でそれを描写することもできない。なぜならそれには、始まりもなく、終わりもないからである。認識は体験するのみである。
(『いのちの法則』)

 すべての家庭で子供たちに真の歴史を教えることのできるテレビ画面を想像してごらんなさい。それは全世界的な歴史です。その歴史は民族主義的、好戦的愛国主義的な歴史ではなく、あらゆる時代を通じての人類の歴史であり、子供たちはそれに自分自身を関連づけることができるのです。覚者方はテレビの画面上に、遠い、遠い昔のアトランティス時代の生活の光景と、そして未来に起こり得る未来像を投影することができます。テレビの画面には、覚者方によって投影される子供たちのための素晴らしいプログラムができるでしょう。
(『光の勢力は集合する』)

 媒体としてのテレビは国と国を、兄弟と兄弟を、そして人類をマイトレーヤと彼の一団につなげるのに非常に大きな可能性を持つ。それは情報伝達のための最良の手段であり、それが正しく扱われるならば、新しい教育における主要なカギである。その重要性は強調しすぎることはない。現在は、大きな前進への飛躍と世界中のコミュニケーションの連結の準備段階を歩んでいる時期である。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 多くの国々で争いがあるのは、異なった信仰の代表者が互いに同意できないからである。これが教育制度の中に危機をつくる。マイトレーヤはすべての母親と父親に向かって言われる。「あなたの庭を見てごらんなさい。美しい花々を賞賛しなさい。庭は多様性があるときにのみ美しいのである。創造(被造物)の中には七つの色がある。一色でも欠けるならば光はない。あなたは、信仰を受け入れるために、または拒絶するために、ここにいるのではない。七つの異なった色をすべて経験するためにいるのである。そのようにして、あなたの知識と智恵は増えるだろう」
(『いのちの法則』)

 将来の教育においては、正規の学校の教室と、職場や地域社会一般との間に、より多くのより強い関係が築かれると思います。そして教育の一環として、子供たちを非常に幼い時から地域社会の活動に活発に参加させる必要があると思います。そうすれば、極めて初期のころから、家庭よりも幅広い、そして学校とも異なった地域社会の部分として自分自身を見るようになります。学校と置き換えるのではなく、学校が人生にもたらすものを増大させるためです。
(『光の勢力は集合する』)

 わたしが人類の前に姿を現すのも間近い。わたしのグループはすでに知られている。わたしの在所に通ずる径はたくさんある。軽く戸を叩きなさい、わたしは答える。わたしの教えの断片は明かされた。まだまだ多くのことが明かされていない。わたしの知恵の宝箱を開いて、神に関するすべてのことをあなたがたに教えることが、わたしの願いである。
(『いのちの水を運ぶ者』第139信より)

 教師と言うとき、私たちはクラスの中の教師を考えます。学校や学校制度の中で、より豊かな教育が子供たちに授けられるという理由が、私には全く理解できません。一人の教師の代わりに、外部にも教育者と言える教師がかなりいるはずです。彼らは、芸術家、科学者、警察官、医者であるかもしれません。彼らは生徒たちに生活体験という恩恵を与えるでしょう。それが生徒にとって必要なことなのです。
 生徒は、現在行われている一つの主題に沿った特定の授業だけを必要としません。もちろんそれも必要ですが。しかし、私たちは子供の意識を拡大することができるのです。大抵の子供は、彼らが受けた最高の教育は、人生における彼らの創造力に感化を与えた両親、おじさん、教師、および他の人々の鼓舞であったことに、後で気がつくのです。
(『光の勢力は集合する』)

 最初に単科大学(カレッジ)が設立され、最も有能な学生たちに、魂の科学を含めた新しい科学の初歩のレベルが教えられるだろう。この新しい科学は、目に見えるもの見えないもの、亜原子レベルのものからコズミック(宇宙)レベルのものまで、自然環境のすべての面を網羅するだろう。
 このようにして、見えざる世界の栄光についての新しいビジョンが人間に与えられるだろう。異なった分野の間に協力の精神が育てられ、新しい、より広い、より包括的な見解が現在の断片的なものに取って代わるだろう。このようにして覚者たちは働くだろう──人間のマインド(識心)を刺激し、強化し、さらに新しい高みの探求と達成へと鼓舞する。
(『覚者は語る 1』─覚者たちは世に在〈ルビ:あ〉る─より)

 教育においてまず最初に必要なことは、子供たちに自分たちを全体の一部として見るように、様々な国家、肌の色、背景、宗教すべてからなる大きな人間種族の一部として見るように教えることです。すべてが同じ神性を持ち、同じ道をたどり本源へと向かっているのです。
(『マイトレーヤの使命 第3巻』)

 我が友よ、あなたがたも生活の中で分かち合いを具現することができる。この聖なる原則が是非とも支配すべきである。あなたがたの子供たちに、幼き者たちに、分かち合うことを教え、善を啓発しなさい。わたしの任務は、すべての人を啓発し、無知を真の知識に変え、目で見えるすべてのものの背後に唯一なる実在があることを教えることである。そのようにして人間を神のもとに連れていく。
(『いのちの水を運ぶ者』第127信より)