今月号の内容概説

 健康や生死の問題、そして世界の注目を奪っている病気への新しい対処方法の模索に関連して、ベンジャミン・クレームの師による二つの記事を提示する。こうした記事は、病気の原因と治療に関わる非常に複雑な問題を取り上げている。クレームの師は世界が大いなる発見の寸前にあると指摘しており、幾つかの記事がこのような発展を示唆している。新しいエネルギー形態に関する先駆的な科学的研究を扱った「空間からエネルギーを捕らえる」や、エーテルの性質についてのアート・ユリアーンスによる詳細な描写に加えて、ベンジャミン・クレームによる回答もこのエーテルの性質について説明している。異なった観点からアプローチをしているものの、これらすべての記事は、世界が受け入れ始めている「新しい」事実を指摘している──つまり、世界は一つであり、分離の終わりは良好な健康状態の始まりだという認識である。
 今月号の選集は、霊的な心が生きる上で中心的なものであることを強調する一方、スワミ・ニリプタナンダは、平和の基盤としての真理や、真我との結びつきを意図的に保持することの重要性、真我についての知識の増大、奉仕の重要性を指摘している。
 それとは際立って対照的に、グラハム・ピーブルズによる「富裕層、貧困層、そして気候変動」は、人々が知っていること、つまり、なぜ世界の3分の2の人々は、気候変動が世界規模の緊急事態であると考えているかを裏づけている。2020年の状況により、民衆や各国政府は、条件を平等にする措置について考えることを強いられている。これまでのところ実験的でしかないにしても、ますます多くの人や国がそれについて考えている。債務救済はそのような措置の一つの可能性である。
 芸術は、アイディアや志向を目に見えるものにする──今月号の場合はカンディンスキーである。彼は不朽の知恵の教えの教義によって影響を受けていた。人類と地球に利益をもたらすために活用することが比較的早く期待できるという意味で、今月号では、目に見えないエネルギーが見えるものになる。そして、私たちを結合させる目に見えない驚嘆すべきエネルギーにより、マイトレーヤはこう語ることができる。「あなたの心のうちに感じられる愛の律動の一つ一つが、わたしの心に記録される。これがわたしとあなたがたとの関係を表す端的な真理である」。さらに、驚くべき簡潔さにより、彼はすべての人を抱きしめ、ご自身に引き寄せる。「あなたがたとわたしとは、同じ目的のために共にここに居る。あなたがたは、心の裡にすべての人を愛し、世のために責任を感じ、人間の要求に反応し、奉仕することを願うからこそ、ここに居るのである」