今月号の内容概説

 世界情勢における最近の恐ろしい展開は大きな試練であることを国際社会は知っている──それは私たちの人間性への挑戦である。宗派主義を乗り越え、すべての者を抱擁し、そうすることで「人類という褒美に目を離さないようにする」能力が試されている。
 事実に向き合い、真実を認識しなければならない。このような悲惨な状況における課題は、事実をはっきりとさせることである。大見出しやうわさが入り乱れ、「ジェノサイド」「民族浄化」「戦争犯罪」「アパルトヘイト」といった言葉が拡散している。未来に目を向け、南アフリカにおけるアパルトヘイトの苦々しい後遺症を克服するのを助けるため、マイトレーヤは「真実和解委員会」の設立を鼓舞された。その委員会においては、どれほど苦痛であっても、真実と過失に向き合わなければならなかった。
 私たちは選択することを求められている。もちろん、どちらに味方するかを選ぶのではなく、正義を、いのちと同胞愛を、許しを、復讐への願望の放棄を選ぶことを求められている。すべての思いや衝動、行動が今や、かつてないほど重きをなす──私たちの集合的な未来は私たちの選択にかかっているからである。プロパガンダによって煽られ、金銭的にもうけたり権力を保持したりしたいと考える人々によって操られているため、分断と憎悪が幅を利かせてきた。政治と金融の両方における国家主義、過激主義、ファシズムが、「われわれ対彼ら」という分離主義の概念を生み出してきた。そのような態度は捨て去られねばならない。私たちが一つの惑星上の一つの人類として自分たち自身を知るような世界において、そうした態度に居場所はないからである。各国の大統領や首相は盲目で無知であるように思える。彼らの領土的な利己主義と政治的なパワーゲーム(駆け引き)は災厄に拍車をかけるだけである──彼らがこの災厄を食い止めることはできないかもしれない。もっと多くの国々がこの非常に危険な状況に巻き込まれるのを防ぐために、あらゆる努力がなされなければならない。
 覚者方の洞察を提供するための努力の一環として、同じくらい説得力のある何十というテキストの中から、ベンジャミン・クレームの師である覚者の三つの記事を選んだ。「マイトレーヤの教え」という選集は今、まさに切実に必要とされている。
 このような切迫した情勢の中にあっても、記事の幅広さに関してはバランスを保とうと努めた。「われわれの惑星を救え(SOP)」の欄に掲載された報告に見られるように、環境と地球の健康に関しては引き続き早急な対応が必要である。ジェフリー・サックス氏は国連に対して、今こそ役割を果たすよう呼びかけるとともに、「民族浄化」に言及している(「国連を通してイスラエルとパレスチナを救う」参照)。一方、シェア・ギルモア氏は「人工知能:良い面、悪い面、危険な面」でAIの最良の点や最悪の点を明らかにしている。今年のノーベル平和賞受賞者であるイラン人の人権擁護者、ナルゲス・モハマディ氏の勇気と決意には称賛と驚嘆の念を禁じ得ない。
 民衆の声はますます大きくなっており、解決策を求め、正義と平和を要求している。イラン・パペ氏のような率直な物言いをする批評家も数名選ばれている。パペ氏は歴史家であり、パレスチナとイスエラルを苦しめる血なまぐさい歴史と不正義について記した多くの本の著者である。ベンジャミン・クレームは読者質問欄において、知恵の覚者との密接な関係によって情報を得ながら、「アンホーリー・ランド(神聖でない土地)」の事情についての見解を提供している。
 私たちは重大な選択に直面している。「人の、国家の、人類種族の歴史の中で、人間は、いのちのリアリティ(実相)に自分自身を向け直して、存在の目的とその目的がよりよく達成されるための手段を理解することを求める時が来るのである。
 ……間もなく、至るところにいる人間が彼らの選択の結果を深く考察することを要求されるだろう。彼らの決断に、この世界の未来がかかっている。
 今や非常に間もなく、マイトレーヤが諸国家に重大な選択を提示するだろう──現在の脅えた自己破壊的な様式を続けて、皆ことごとく消滅するか、あるいはマイトレーヤに従って、より簡素な、より健全な、より安全な生き方をするか、それは地球上のすべての人間のためのより幸せな未来を保証し、そして人を進化しつつある神の子としての運命(さだめ)に再び結び付けるだろう」(「人間の重大な選択」──覚者より、ベンジャミン・クレーム筆記)
 2003年11月、マイトレーヤはアムステルダムにあるシェア・ネザーランド・インフォメーションセンターをファミリアの姿で訪問された。彼はもちろん、自分自身をマイトレーヤとは名乗らなかったが、私たちは彼が誰であるかを知っていた──これは2回目の訪問であり、それより3週間前の最初の訪問の後、ベンジャミン・クレームの師によって、ある役割を演じているマイトレーヤであったと確認されていたからである。「……私たちが困難な時代に差しかかるのは本当です。私たちは奈落の底の淵まで行くでしょうが、落ちません。なんとか切り抜けて、淵から落ちたりはしません。……すべてのことはうまくいくでしょう。すべては良くなります。恐れることは何もありません。私は全く疑っていませんよ! ……いかなる疑いもありません」。情報通である賢い訪問者の役割を引き続き演じながら、彼はこう言った。「マイトレーヤがいかに強力であるかを忘れないように。人々はマイトレーヤがどんなに強力な方かを忘れるのです!」
【ベンジャミン・クレームの師は、その『訪問者』が実際にマイトレーヤであったことを確認した】
シェア・インターナショナル誌2004年1月号

「マイトレーヤの計画は人類を活気づけ、人類の前に差し迫っている大きな危険に目覚めさせ、いかにして自滅を避けるかを人類に示すことです。それは、もし私たちが最初のステップを踏み出すならば、非常に単純である、と言われます。……
 何にもまして、人類は平和を確立する必要があります。平和がなければ、人類の未来はないでしょう。なぜなら私たちはこの世界を、生きとし生けるものすべてを破壊してしまうことができる核能力を持つからです。どのようにして平和を得るか。それが基本です。次々と国々を攻撃する最近のアメリカ政府やイギリス政府のやり方が、世界に平和をもたらすことは絶対ありません。世界のテロを終わらせることさえできないでしょう。世界そのものが変わるまでは、テロ行為は決してなくならないでしょう。
 世界に平和を創造し、テロ行為を終わらせる方法は一つしかありません。それは正しい(公正な)世界を創造することです」
(ベンジャミン・クレーム、『全人類のための世界教師』)