時代の徴

ベンジャミン・クレームの師によって確認されていない「希望の徴」と「時代の徴」をここに掲載する。それらの「奇跡的な」特性を検証することはできないため、判断は読者に委ねたい。

空の徴

 一部の政府は、徐々にではあるが、UFO(未確認飛行物体)や UAP(未確認空中現象)の存在に関するさらなる情報が公の場に「漏洩〈ルビ・ろうえい〉」することを許す準備を進めているのだろうか。おそらく、いくつかの興味深い報告がメディアに届くことを許すことで、一般の人々はさらなる情報公開に備えることになっているのではないだろうか。
 ガーディアン紙の最近の記事は、その可能性は低いと主張しているが、その見出しとそれが提起する疑問は問題の核心を突いている。「たった一つが現実になるだけで、人類は永遠に変わってしまう。もし私たちがUFOについて嘘をつかれていたとしたらどうなるのか」
 シェア・インターナショナル誌の立場は、ベンジャミン・クレームとその覚者から私たちが得た情報によると、UFOは現実に存在するだけでなく、使命を持ってここに存在するというものである。ベンジャミン・クレームによれば、UFOとUFOに乗っている人々は、人類の負担を軽減し、この惑星をさらなる急速な破壊から救うという霊的な使命に携わっている。現在、私たちの中に住んでおられる世界教師マイトレーヤに率いられた私たちの惑星のハイアラキーは、この地球に正気を取り戻すための友愛的な事業において、宇宙の兄弟たちと共に精力的に働いている。

アメリカ――2023年11月28日、メリーランド州リッジの目撃者は、ポトマック川の約0.5マイル(約800メートル)上空に、脈動する光を放つ物体が浮遊しているのを目撃したと報告した。物体は「約5分間、音も立てずに浮遊した後、消えた」と目撃者は語った。
(国立UFO報告センター)
アメリカ――2023年10月4日、テキサス州ミネラルウェルズにある「ウェルカムマウンテン」と呼ばれるランドマークの近くで、空に明るい光が見え、暗くなり、その後再び非常に明るくなったことに数人の目撃者が気づいた。物体のビデオを撮った目撃者の一人は次のように報告した。「飛行物体は何の音も立てずに上空で浮遊し始めました。次に、私が最初に見た大きな物体の周りをいくつかの小さなもの[物体]が散発的に飛び始めました。そのとき、それらは物理的に全く理にかなわない方向に進み始めました。私はその形に気づくことができませんでした。最初の物体は丸い六角形から球へと形状を変えました。回転灯が付いていました。さらに多くの物体が続き、まるで流れ星のように飛んでいきましたが、元の物体に向かって上向きに戻ってきました。それから間もなく、私たちのグループは複数の飛行機を目撃しました。飛行機は、こうした物体があった方向に進もうとしていましたが、追いつくことができませんでした」
(国立UFO報告センター)

編集長への手紙

シェア・インターナショナル誌には、未掲載手紙の保留分が多数あり、それらはベンジャミン・クレームと彼の師によって、覚者方あるいは「代弁者」との本物の出会いであると確認されたものである。その他の掲載された手紙は新しいものであり、覚者が関わっているかどうかを確認すること、もしくは示唆することもできないが、読者の考慮のために、これらの手紙は提供されている。

「私の路線に」
 2023年11月12日(日)の昼頃、フランスのパリにあるフローラル公園でのマルジョレーヌ・エコロジカルフェアの入り口に立って、未解明の現象についての写真展示のチラシを配っていました。一人の年配の男性が私の方へ歩いてくるのが見えました。彼は帽子を被り、白いシャツを覆うほど長く先のとがった白いあごひげを生やしていました。古い金属製の買い物用カートを引っ張っていて、そこに古びた緑色のチェックのバッグを載せていました。私は未解明現象についての写真展示があるという説明をしながら、チラシを彼に渡しました。彼が展示会場はどこか尋ねてきました。私は「ストラスブール・サン・ドニ駅とレピュブリック駅の間で、安物の靴で有名な通りにあります」と答えました。彼は私に「地下鉄の出口に行った方がいいよ。とにかく、展示場は私の利用する地下鉄の路線だから、9番線だね」と言いました。
 話をしていた時、お互いの目を真っ直ぐに見ながら、私はこの人物について不思議に思っていました。その瞬間、まるで私たちの周囲には何も存在していないかのようでした。私は喜びを感じ、その男性への静かな尊敬の念が私を満たし、愛の高まりに圧倒されていました。彼の外見と、彼から発散される純粋な善性との間には食い違いがありました。その後、彼が立ち去る時に「未解明現象と超自然現象、それは良いね。私の路線だよ、9番線だ」と言っていました。すり減った白いスリッパを履いた足を引きずりながら、彼が去っていくのを私は見つめていました。長いグレーのコートの前を開けて着ているハンサムな物乞いのように見える、印象的な存在感の人でした。


イザベル・ゴナンフランス、パリ

読者質問欄

この欄では、インタビューや講演の膨大な記録の中から、ベンジャミン・クレームと彼の師である覚者が40年以上にわたるたゆみない奉仕の一環として提供してきた、幅広い話題に関する質問への回答を紹介する。

Q  戦争行為を終わらせるためにあるいは制限するために、より良い状況を中東に創り出すのに貢献するにはどうすればよいか示唆していただけますか。
A  私の考えでは、まず最初の仕事は中東に存在する多くの問題を扱うための国際会議を組織することです。第一の議案はイスラエル・パレスチナ問題でなければならないと思います。パレスチナ人に故国を与えることが唯一の公正な解決です。そうでなければ持続する平和は不可能です。イスラエルは限りなくずるずると先に延ばすだろうと私は思います。和解を成立させるためにはマイトレーヤの出現を必要とするかもしれません。湾岸戦争でイラクとサダム・フセインの側についたPLOの最近の行為は、それがいかに正しくとも、彼らの大義を促進する助けになりません。PLOの指導層は失敗する機会をつかまないようにするのが不可能なようです! しかしながら、正義は彼らの側にあります。そして今や関連している国々のほとんどが、米国でさえも、ついにその正しさを認めています。
 現在存在するさまざまな独裁的な軍部による専制政治や王侯支配は、民主的な政府と合意による政治に変わらなければなりません。例えば、シリアでは最もひどい軍の独裁主義の圧政が行われており、サダム・フセインと同じように悪い、そして野心的な支配です。彼らが最も大きなライバルであるイラクに対抗する“クラブ”に加わったために、これらのことすべてが見逃されています。クウェートとサウジアラビアの統治者一族の貪欲と独裁的支配は悪名高いです。
 この地域の国民の間に富を再分配することがまず優先されるべき議題でなければなりません。そのような変容が起こるためには長い期間が、おそらく何年もかかるでしょう。しかしひとつだけは直ちに達成することができるはずです。それは複雑な洗練された大量殺戮兵器をこの地域に無責任に供給することをやめることです──私は完全な封鎖を提案します。この“市場のフォース”に基づく冷笑的な貿易は戦争の炎を煽り立てるためだけに働きます。今それはもう誰の目にも明らかであるに違いありません。
(シェア・インターナショナル誌1991年4月号)

Q  見さかいのないいじめっ子(アメリカ)をどうやって止めたらよいでしょうか。
A  国連の他のメンバーがいじめっ子に対抗して立ち上がり、釈明を求めることによってです。可能なあらゆる外交的圧力、とりわけ経済、金融の圧力を利用することです。例えば、アメリカ製品の世界的なボイコット、アメリカへのローン(アメリカ国債の買い入れという形で行われている)の引き上げと大規模なドル備蓄の売り、アメリカとの貿易を他の国々に振り替えることなどによってです。

Q  中東で最も危険な国はどこですか。
A  イスラエルです。

Q  国連の幾つかの側面を再編する必要があるのではないでしょうか。例えば、状況が暴力的に爆発する前に、摩擦と緊張を引き起こしている問題を示し、分析し、解決策を提示する早期警告型の監査制度の永続的な確立のような。より賢明で経験豊かな元国家元首や外交官、経験豊かな交渉者、特定の地域の専門家、司法知識のある人々などが国連でグループをつくり、予防的な問題収束グループを形成できるでしょうか。問題をかき立てる先制攻撃グループではなく。
A  はい。

Q  (あなたが著書の中で述べられたような)私たちの直面する問題解決のための青写真を持ったイニシエートたちはすでに地位を占め、その青写真を展開していると私は希望します。私たちは彼らを今必要としています。
A  世界は彼らを今受け入れる用意があるでしょうか? 私はそうは思いません。

Q  平和のための「ロードマップ」と呼ばれているものについて、あなたのご意見は何ですか。(1)それは実行可能ですか。(2)それは公正なものですか。
A  (1)はい、それに関する限り、実行可能です。しかし、それには双方がかなりの犠牲と妥協を必要とします。とりわけパレスチナ側にとってそうです。(2)いいえ、それがパレスチナの要求と必要を公正に満たしているとは言えず、正しいとか公正と呼ぶことはできないと思います。常に覚えておかねばならないのは、パレスチナの地にイスラエルを建設したことはパレスチナ人の権利の侵害であり、約450万の人々が今もレバノンで難民として暮らしているということです。
(シェア・インターナショナル誌2003年7月号)

Q  マイトレーヤと覚者方が民衆の力を推奨していることはシェア・インターナショナル誌から明らかです。しかし、彼らは、最近英国で見られたような心ない暴力や破壊行為を容赦されるのですか。
A  「心ない暴力や破壊行為」は民衆の力の表現ではなく、破壊的力の表現です。ハイアラキーは暴力や破壊を薦めたり容赦したりすることは決してありません。
(シェア・インターナショナル誌2011年10月号)

2023年12月号

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
“野蛮な時代” の終わり
自由と正義の未来

編集部より

視点
宗教指導者たちへの演説
COP28に先立つ宗教者サミットにて、2023年11月6日、アブダビ
ジェフリー・D・サックス

ジュネーブ条約

デニムクウェゲ医師:
畏敬の念、 感謝、 奉仕の必要性に駆られて
ポーリン・ウェルチ

どのような道徳世界に?

もし私たち全員が知っていたなら-おそらく私たちは知っている

エルダーズから-バイデン大統領へ
イスラエルとパレスチナに関する公開書簡 2023年11月16日

戦争意識という虚無
デニス・クシニッチ

地球外生命体の惑星的使命
ウィラルー・ファイタ

時代の徴
世界中の徴

民衆の声
世界各地に広がるパレスチナ支持のデモ

S.O.P.-われわれの惑星を救え!
デンマークの植物性食品への移行計画 他

ある臨死体験
マーク・ウッド

UFOに関する最初のヨーロッパ会議
アンドレ・ヒピウスによる報告

マイトレーヤと民衆の声-選集

編集長への手紙
平和を支持し人類の味方をするとはどういうことでしょう? 他

読者質問欄
回答 ベンジャミン・クレーム

“野蛮な時代”の終わり

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人類が今のこの時期を振り返って、“野蛮な時代”と見るようになる時が来るだろう。現在のこの死にかけている文明は可能な理想からあまりにもかけ離れているので、未来の人類は、われわれが一体いかにして、しかもこれほど長い間、それを持続することができたのか不思議がるだろう。

 この悲しい状況には多くの原因と要素が含まれている──人間の人間に対する関係の、長い、ゆっくりとした頽廃が、ますます精巧になる武器の開発と並行しており、またそれを反映している。大陸を飛び越して殺戮することのできる現在の武力を、人間は大得意とするが、それは自己破壊への盲進を確実なものにする。戦争は冷徹な非個人的なものになった。もはや戦士は犠牲者(敵)の顔に恐怖の脅えを目撃する必要はない。

 この状況の中で、政治経済の制度が、人間の生活の泉からの疎外感の増大を反映するのは不思議ではない。

 商業至上主義、すなわちあの急速に発展した、しかし陰険な、しばしば隠れた脅威が今や数え切れない何千何百万の人間の生活と運命を支配する。そして人間の天与の個人性を取るに足らないものにしている。今や人間は統計にすぎず、そこには人間の目的も必要も考慮に入らず、人間は市場エネルギーと企業の利潤というチェスゲームのポーン(歩)の駒である。

 われわれが現代世界と呼ぶところの荒涼たる砂漠は、人間を人間らしくするもの、すなわち幸せや、創造的な充足感、お互いの必要に速やかに反応する特質、自由というものを人間から奪う。破壊的な競争は人間の精神を腐食させ、そして今や、人生の“戦い”の審判の座にある。人生、すなわち「偉大なる冒険」は腐敗し、単なる生存のための苦しい不公平な苦闘に置き換えられた。

 これらの悲惨な状態がすべてに同じように存在するわけではないのは確かだが、しかし膨大な数の人間にとって、それは彼らの生活の現実を表している。そして人間が方向を変えない限り、それはますます悪化するだけである。

 マイトレーヤが世界の舞台に公に入って来られるとき、そのような苦痛と苦闘の人生は必然ではないことを、それが人間の唯一の選択ではないことを示すだろう。人間がそれを意志するならば、彼らの生得の権利として他の道があることを示すだろう。

 混乱とますます増大する貪欲の直中にあって、人間はすでに、人生の聖なる絆をそのように弱めるものに抵抗しはじめていることを、マイトレーヤは示すだろう。そして大きな新しい力(エネルギー)が新しい始まりを生じさせており、現在の混迷の中から、時代の挑戦に対処し、困難に打ち勝つために、生まれ備わった人間の能力がより高位に、より本当のすがたで徐々に現されつつあることを示すだろう。

 マイトレーヤは人間に、彼ら自身の高位の出所と運命(ルビ:さだめ)を思い出させるだろう。そして新しい生活方法の創造を、融和のうちに、正しい人間関係の中で、戦争や競争の手段に訴えることなく、完全な協力と相互尊重の中で生きる道を鼓舞するだろう。そのようになるだろう。

(シェア・インターナショナル誌1999年4月号)

自由と正義の未来

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 世界がこれほどまでに様々な問題に悩まされたことはこれまでほとんどなかった。地球全体にわたって、ほとんどすべての国において、あらゆる均衡と安全を妨げるフォース(力)が働いている。無秩序と暴力の規模はますます大きくなり、恐怖は増大する。何百万の人間がもっとも悲惨な苦難に喘ぐかたわら、国全体が変化の激痛の中で痙攣する。

 この激しい動揺の中に、キリストはやって来られた。認知されようとされまいと、キリストの御手が外的な混乱の背後に見られ、フォース(エネルギー)を良い方向に導き固めておられ、最終的な勝利を確実にする。まったくそのようには見えないかもしれないが、新しい秩序がこれらの相争うフォースからつくり出されている。死滅する形態の灰から新しいいのちが生まれる。

 商業至上主義がその癌を世界中に広げて、人間の生命線である商業と政府を毒するにつれて、ますます多くの人々がその危険に目覚め、新しい関係と貿易の様式を探し求める。

 残酷な野心的な人間が自分たちの祖国に破壊をまきちらし、国民の心の中に長い間眠っていた憎悪の火を焚きつける一方、その犠牲者たちを助け、その攻撃に対抗しようとする新しい意図が国々のフォーラム(公開討論の場)の中に頭を持ち上げつつある。

 キリストの手は決して舵から離れることはない。法の成就のみが、キリストの行動範囲を規制する。キリストのフォース(勢力)はいつも目ざとく、あまりにも重過ぎる荷が人類の大義を打ち砕きそうなときには、介入する用意がある。

 であるから、これらの火と恐怖の日々は終わることを知って、勇気を出しなさい。人間の長い間の苦難と苦痛は間もなく終わるだろう。人類は孤立していないことを、人類の兄たちが、この痛々しい変遷の過程を一つ一つ知っており、そして見守っていることを知って、勇気を抱きなさい。

 今、未来を見、そして築く用意をしなさい。それがあなたの最高の志向の中に包まれるのを、心に描きなさい。現在の混沌の直中で、無執着になることを学びなさい。そしてあなたの恐怖を差し迫ってくる闇にさらに加えないようにしなさい。あなたが思うよりもずっと近くに歓びの日がある。憎悪もまた、そのコースを走り終えるだろう。

 もうすぐ、その新しい日に目覚めなさい。各々の明るい志向をまた新たに磨きなさい。新しい光、「世界の光」が今、再びあなたたちの中にある。いま生きとし生けるもの一つ一つの中に入る増大する光を明示しなさい。そして古い不均衡を正しなさい。

 わたしたちは見守り、待ち、あなた方と共にいる。日ごとにわたしたちの存在をあなた方の視界により近づける。あなた方がわたしたちを見るとき、人類種族の護衛のために共に働くときがやって来たことを知るだろう。もはや「市場主義のフォース」が人間の上昇への道に破壊をもたらしてはならない。もはや残酷な野心が国民の生活を左右するようであってはならない。大勢の人間が豊かな世界の直中で飢えることが、再びあってはならない。若者たちの未来が彼らの頭上で売られてはならない。自由と正義の未来が招く。それを受け入れなさい、受け入れなさい。

(シェア・インターナショナル誌1993年5月号)

編集部より

 周知のように、法の支配はどの文明の存続にとっても必要不可欠である。それは国際関係において決定的に重要である。世界が根本的な基準として定めてきたあらゆる国際的な条約や協定、道徳規範の尊重と順守は、万人のための正義を確実にし、信頼と平和を可能にする。

 この枠組みが崩れたり故意に反故にされたりするときに何が起こるかは、知られていないわけではない。歴史には、法の支配と基本的な道徳規範の崩壊の傷痕が散らばっている。すべての人の安全や生存、繁栄を確実なものとするために、私たちはそうした規範を拠り所として生き、行動する。しかし、私たちは比較的最近の歴史でさえも忘れてしまったのだろうか。「二度と繰り返さない」ことに皆が同意し、望んでいたのではないか。

 歴史に関する問題は、もちろん、それが記憶であり、主観的になりやすいということである。そのため、人類全体という集団の利益の代わりに、私たちは他者に対して行われる不正義には目をつぶる一方、自分たちは苦難の歴史を歩んできたからと言って、自らの復讐の権利を要求する。こうして、苦痛を与えたり傷を抱えたり、相互に非難し合ったりして、おぞましい苦しみの連鎖が続き、傍観者たちを残虐性の泥沼に引きずり込んでいくのである。

 私はホロコースト、あなたはナクバというように、犯罪や過ち、苦しみを同一視することに時間を費やすのは正気の沙汰とは思えない。交渉の出発点として、なぜ正義と賠償の平等を求めないのか。いつ、どのように終わるのか。世界は、罪悪感と復讐の間で揺れ動き続け、そうすることで、武器売却や地政学的利益、膨張と拡大を通じて、少数の億万長者にさらなる富をもたらす絶好の機会をつくり出していかなければならないのか。不必要なのだがよく植え付けられた罪悪感が、あまりにも長い間、私たちを人質に取ってきた。そのため、私たちには今日の悲惨な現実が見えなくなっている。

 世界が未来を持つためには、交渉が行われ、正気が優勢とならなければならない。これは、スーダン、イエメン、ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナの紛争など、地球上のあらゆる紛争地域に当てはまる。しかし、戦後賠償においては、これが決して対等な戦いではなかったことが認識されなければならない。現代政治の構造の中には誤った物語が根付いている。何十年もの間、土地を奪われたパレスチナ人にとって正義はなく、その結果、イスラエルには法に基づく安全保障が欠如しているという明白な真実が、世界の指導者たちによっていまだ認識されていない。指導者たちは道徳的な指針を失い、明らかに人間性も失ったように見える。このようなひどく不快で残虐な殺戮に加担せずに傍観することなど、どうしてできようか。私たちが目撃しているのは、明白なジェノサイド(集団殺害犯罪)であり、明らかな民族浄化であり、間違いなく戦争犯罪と人道に対する犯罪である。新しい公正な社会へと指導者たちを導くのは民衆であることを、私たちは知っている。数十万人が国を失い、数万人が命を失おうとしている。もし沈黙していれば、私たちは人間性を失うことになる。

 沈黙していることができるだろうか。一つの民族全体の生命や国だけでなく、私たち全員の人間性が危機に瀕しているときに、私たち民衆は何もしないでいられるだろうか。これは、私たちの本質──つまり人間性──への攻撃である。私たちの精神(マインド)と心(ハート)が危険にさらされている。歴史上のこの時期は、国際社会にとって決定的な転機ではないにせよ、試練の時である。この非人道的な時代に、停戦や正義、虐殺の終結を要求する勇気を見いだすことができないならば、私が考えるに、私たちはさらなる悲劇と、人間性を奪い取るこのフォース(勢力)とのさらに恐ろしい戦いに身を委ねなければならなくなる。中東だけの話ではない。すべての市民が、汚染されていない豊かな自然環境の中で、幸せで、健康的で、快適で、安全で、教養のある、創造的な生活を送っている国は、この地球上にはない。人々と地球を守るためには、より良い統治と政策が必要であることを、私たちは知っている。すべての人のための真の正義、新しい道徳規範、文明社会についてのより明確な定義が必要とされている。

 今月号には、ベンジャミン・クレームの師による多くの記事や、ベンジャミン・クレーム自身による、難しいが今の世の中にふさわしい質問に対する回答が含まれている。また、もし真摯に受け止めれば、私たちの魂を救うことができるような情報を明らかにする記事や統計も掲載されている。こうした情報は、私たちが交渉や、真実と和解、賠償、巨大な集団的努力の過程を開始するのを助けるだろう。それは、正気さと地球の未来に向けて、再構築し、再定義し、人々を方向転換させるための努力である。

 ベンジャミン・クレームの師は「人類の歴史的選択」という記事でこう書いておられる。「人間が歴史的選択をするときは到来した。間もなく人類は極めて重大な決断を、すべての男、女、子供の未来を、まさに地球上の生きものすべての未来を決める決断をしなければならないことに気づくであろう──惑星地球において途切れることなく、限りなく発展する創造性か、あるいは、われわれの住処(ルビ:すみか)であるこの惑星上の人間および人間以下のすべての生命の恐ろしい滅亡かの間の選択である。……

 分かち合いと正義のみが平和をもたらすだろう、とわれわれは言う。すべての人間が、心(ハート)の中で、平和を願う。われわれの勧告は本当に単純である、しかしこれまで、人類にとってそれを把握することは困難であった。人間は神聖なる自由意志を持ち、彼らの運命の支配者である。分かち合いと正義の道を取りなさい、とわれわれは勧告する。それは『同胞団』の衣であり、それなしには、人は十分な人間とは言えない」(シェア・インターナショナル誌2013年3月号)

 私たちはマイトレーヤからのいつもの祝福から、強さと慰めを得ることができる。それは12月25日のクリスマスの日、どの国にいるにせよ、現地時間の午後3時に始まる。マイトレーヤと覚者たちは人類と共に立っておられる。どんなにちっぽけに見えるにせよ、私たちは自分たちの役割を果たさなければならない。

ジュネーブ条約

1864年のジュネーブ条約とそれに続くジュネーブ諸条約は、敵対行為に参加していない民間人や、もはや敵対行為に参加しない人々(捕虜や傷病者など)の保護に焦点を当てている。
 これらの条約の重要性は、ユーゴスラビア(1993年)とルワンダ(1994年)にかかわる戦争犯罪法廷の設立、および、国際刑事裁判所の創設につながったローマ規程(1998年)に反映された。

集団殺害犯罪(ジェノサイド)

国家的、民族的、人種的または宗教的な集団の全部または一部に対し、その集団自体を破壊する意図をもって行う次のいずれかの行為をいう。

(a)当該集団の構成員を殺害すること。

(b)当該集団の構成員の身体または精神に重大な危害を与えること。

(c)当該集団の全部または一部に対し、身体的破壊をもたらすことを意図した生活条件を故意に課すること。

(d)当該集団内での出産を防止することを意図した措置を強制すること。

(e)当該集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。

民族浄化

(a)武力や脅迫を用いて特定の集団に属する人々をその地域から排除することによって、その地域を民族的に均質にすること。

(b)ある民族または宗教集団が、テロを誘発する暴力的な手段によって、他の民族または宗教集団の民間人を特定の地理的地域から排除するために計画した意図的な政策。

人道に対する犯罪

民間人に対する広範または組織的な攻撃の一環として、そのような攻撃であると認識しつつ行う次のいずれかの行為をいう。

(a) 殺人。

(b)  絶滅させる行為。

(c)  奴隷化すること。

(d)  住民の強制追放または強制移動。

(e)  国際法の基本的な規則に違反する拘禁その他の身体的自由の著しい剥奪。

(f)  拷問。

(g)  強姦、性的な奴隷、強制売春、強制妊娠、強制不妊手術、または同等の重大性を有するその他の形態の性的暴力。

(h)  政治的、人種的、国家的、民族的、文化的、宗教的な理由、性別または国際法上許容されないと普遍的に認められている理由に基づく、この項に掲げる行為または裁判所の管轄権内にある犯罪に関連して、特定の集団または共同体に対する迫害。

(i)  人の強制失踪。

(j)  アパルトヘイトの犯罪。

(k)  身体または心身の健康に対して意図的に重い苦痛や重大な傷害を引き起こす類似の性格を有するその他の非人道的行為。

戦争犯罪

国際人道法(条約または慣習法)違反のうち、国際法上の個人刑事責任を負うもの。その結果、集団殺害犯罪や人道に対する犯罪とは対照的に、戦争犯罪は常に、国際的または非国際的な武力紛争の中で行われる。
 関連するジュネーブ条約に基づいて保護される人または財産に対して行われる次のいずれかの行為。

(a)  故意の殺人。

(b)  拷問または非人道的な扱い(生物学的実験を含む)。

(c)  故意に大きな苦痛を与えること、または身体または健康に深刻な損傷を与えること。

(d)  軍事的必要性によって正当化されず、不法かつ恣意的に行う財産の広範な破壊または横領。

(e)  捕虜その他の被保護者を強制して敵対国の軍隊に従軍させること。

(f)  捕虜その他の被保護者の自由および公正な正規の裁判を受ける権利を故意に奪うこと。

(g)  不法な強制送還、移送または不法な拘禁。

(h)  人質をとること。

国際法の確立された枠組みの中で、国際的な武力紛争の際に適用される法規および慣例に対するその他の重大な違反〔これは完全なリストではない〕。

(a)  民間人そのもの、または敵対行為に直接参加していない個々の民間人に対する意図的な攻撃の指示。

(b)  民間の物、すなわち軍事目標でない物への意図的な攻撃の指示。

(c)  武力紛争に関する国際法に基づいて、民間人または民間の物体に与えられる保護を受ける権利がある限り、国連憲章に従わない人道支援または平和維持の任務に関与する人員、施設、物資、部隊または車両に対する攻撃を意図的に指示すること。

(d)  予期される具体的かつ直接的な軍事的利益全体と比較して、攻撃が、巻き添えによる民間人の死亡もしくは傷害、民用物の損傷または自然環境に対する広範、長期的かつ深刻な損害であって、明らかに過度となり得るものを引き起こすことを認識しながら意図的に攻撃を開始すること。

(e)  手段のいかんを問わず、無防備で軍事目標でない町、村、住居または建物を攻撃、または砲撃すること。

(f)  占領国が直接的もしくは間接的に、その占領地域に自国の民間人の一部を移送、またはその占領地域の住民の全部または一部をこの占領地域内外へ追放または移送すること。

(g)  宗教、教育、芸術、科学または慈善を目的とする建造物、歴史的記念物、病院および傷病者の収容所に対する意図的な攻撃。

(h)  襲撃により占領した場合であるか否かを問わず、町や場所を略奪すること。

(i)  強姦、性奴隷、強制売春、強制妊娠、強制不妊手術、その他ジュネーブ諸条約の重大な違反となる性的暴力を行うこと。

(j)  国際法に従って、ジュネーブ諸条約の特徴的な紋章を使用して、建物、資材、医療ユニット、輸送機関、要員に対する攻撃を意図的に指示すること。

(k)  戦闘の方法として、民間人からその生存に不可欠な物品をはく奪すること(ジュネーブ諸条約に規定する救済品の分配を故意に妨げることを含む)によって生ずる飢餓の状態を故意に利用すること。

もし私たち全員が知っていたなら──おそらく私たちは知っている

「もしアメリカ人が知っていたなら(If Americans Knew)」は、2001年2月と3月にヨルダン川西岸地区とガザ地区を単独で旅したアメリカ人のフリージャーナリスト、アリソン・ウィアー氏によって設立された。彼女が見たことや経験したことは、アメリカのメディアで報道されていたものとは全く異なっており、驚くべきものだった。実際、現地の現実と米国の報道が伝えるイメージとのギャップは非常に問題であった。アメリカ人には、世界の他の国々が知っている情報が与えられていなかったのだ。この状況は変わったのだろうか。こうした疑問は、今もウィアー氏を悩ませ続けている。11月16日、フェリシティ・エリオットは、シェア・インターナショナル誌のためにウィアー氏にインタビューを行った。

シェア・インターナショナル(以下SI):あなたとは以前にも話したことがありますし、私の同僚が何年か前(2006年9月、2014年9月)にあなたにインタビューをしたこともあります。10月に再びあなたのウェブサイトを拝見して、統計自体がすべてを語る、事実に基づいた分かりやすい説明に感銘を受けました。何十年もの間、パレスチナ人が生きることを余儀なくされてきた環境、私たち世界が目を背けることを選んできた環境と言うべき日常的な現実が、不公正、不平等、抑圧、疎外、そして単なる狂気であることを、次から次へと示すグラフ以上に明確に示すものがあるでしょうか。しかし、私たちは知らなかった、誰も教えてくれなかった、と言う人が多いでしょう。ですから、あなたは「もしアメリカ人が知っていたなら」でそうした仕事を引き受けたのですね。

 あなたはガザ地区と西岸地区の状況に精通しています。現在の危機は予期しなかったものですか。

アリソン・ウィアー:ご存じのとおり、パレスチナ人は少なくとも16、17年もの間、圧力釜のような巨大な強制収容所で暮らし続けています。私が2001年にそこに行ったとき、すでに封鎖されているような状態でした。多くの人が知っているよりもずっと長く続いているわけです。ほとんどのアメリカ人は知らないと思います。

SI:私は、政治家、指導者、メディアが無知であることに驚いています。この地域の歴史に無知であり、まるで10月7日に突然、噴火が起こったかのようです。1967年や1917年の出来事、そして1948年のナクバについてどう思っているのでしょうか。

ウィアー:それよりもさらに前の1897年の第1回シオニスト会議から始まったと言えますが、今日に話を戻しましょう。アメリカ政府はイスラエルに資金を提供し、国際舞台でイスラエルの後ろ盾となっているので、アメリカ人にとってはかなり厄介な問題です。アメリカ人が最も情報に疎いのはおそらくそのためです。

SI:例えば、大虐殺が行われている中、バイデン大統領がネタニヤフ首相と握手を交わすなど、こういっては何ですが、ほとんどごますりのようなことを急いで行っている理由は何でしょうか。多くのヨーロッパ人は、自国の指導者たちの姿勢に戸惑い、拒絶しています。もちろん私は、軍産複合体があることや戦争が利益をもたらすことは知っています。イスラエルが地中海に位置している──地政学的に有利である──からでしょうか。

ウィアー:これは親イスラエルのロビー活動によるものだ、と私は結論づけました。どこの国の政治家も当選や再選を望んでいるため、選挙運動の資金提供者は大きな影響を与えます。他の問題に関しては、どのような立場であれ支持者がいますが、選挙運動に関しては、寄付をする人は親イスラエルの人が非常に多いのです。そして、文字どおり多くの億万長者が特定の選挙運動を支援しています。米国の政治家は、親イスラエルになるか、目立たないようにするか、すぐに学びます。
 メディアに関しては、その多くが、小規模であれ大規模であれ、イスラエルの支持者によって所有されているか影響を受けています。良い報道がないわけではありませんが、偏った解釈や偏見のある報道が多いのです。

SI:もうずいぶん前のことになりますが、あなたが実態調査旅行に行った2001年当時のガザ地区がどのような状況だったか教えてください。その時でさえ、状況が悪かったことは知っています。

ウィアー:それは、第二次インティファーダが始まった直後でした。小さな町のジャーナリスト兼編集者だった私は、調査することにしました。そのことを知らなかったのです。当時インターネットはまだ目新しいものでしたが、調べ始めると、子供を含む非武装のデモ隊がイスラエル軍に毎日銃撃されているという報道をいくつも読みました。にもかかわらず、米国の報道ではそのことについて耳にしませんでした。隠蔽工作が非常にたくさん行われていて、私はジャーナリストとして関心を持ちました。かなり早い段階で、米国がイスラエルにどれだけの資金を提供しているかを知りました。つまり、何が起こっているのかさえ知らないのに、この件に関して私たちには責任があるのです。国民は自分たちのお金、つまり納税者のお金がイスラエルの資金となっていることを知らないのです。そこで、自分で調べに行くことにしました。
 その段階では、ガザ地区からロケット弾が一発も発射されていなかったことを人々が知っておくことは重要です。しかし、多数の銃弾が撃ち込まれ、家屋は破壊され、何世代にもわたって人々が暮らしてきた屋敷がすべて破壊された地域がいくつもありました。私は甚大な破壊を目の当たりにしました。病院に行くと、ひどく苦しんでいる人や負傷者、そして銃で撃たれた多くの子供たちに会いました。多くの人にインタビューをしましたが、彼らはいつも「私たちのことをみんなに伝えて!」と言ったものです。その時でさえ、兵士たちによって生活が規制されたり指図されたりしていました。兵士たちはガザ地区や西岸地区への人の出入りを許可したり許可しなかったりしました。フェンスや検問所がいくつもありました。

SI:何十年にもわたって抑圧され、屈辱を受け、敬意を払われず、日々尊厳を奪われ、基本的人権は全く無視されていること、そこでは人生のあらゆる側面が別の力によって規制されたり制限されたりしていることを、人々は知りません。彼らには機会がないこと、劣悪な状況の下で育ち、成長しなければならないということを、親としてどのように子供たちに説明するのでしょうか。親自身がいじめや屈辱にさらされるのを目にしている子供たちに、どうやって理解させるのでしょうか。そして今、それは想像を絶するほど悪化しており、完全なる絶滅とも言える状況なのです。

ウィアー:自分の子供たちさえ守れないとき、何の権利も持たないとき、どんな気持ちなのでしょうか。事情を知る人は、ガザ地区が巨大な強制収容所であることを認めていますが、ヨルダン川西岸地区も同様です。西岸地区の町から町へ移動しようとすると、至るところに検問所──軍人が配置された検問所──があります。西岸地区でもガザ地区でも、パレスチナ人は自由に移動できません。パレスチナ人が囚われの民であることを忘れてはいけません。囚人なのです。イスラエルはパレスチナ人の出入りは制限できるかもしれませんが、その人生までコントロールすることはできません。すべては外国の力によって決められるのです。それを自分の国で想像してみてください。

SI:現在のメディアや政治家たちは、「公平」あるいは「公正」であろうとしているようです。その状況を「平等」の一つであると言っています。あなたはどう思いますか。

ウィアー:両者の間には大きな不均衡があります。それは非常に大きなものです。例えば、現在のアメリカのメディアは、ハマスが非常に強力であるか、少なくとも同等であるかのように報道しています。しかし、イスラエル軍は世界で最も強力な軍隊の一つと言われています。世界でもトップ10に入る軍事大国であることは間違いないし、トップ4だと言う人もいます。F-35戦闘機、F-16戦闘機を所有し、最高の戦車を持っています。私たちの資金で買うことができるのです。核兵器も持っていますが、アメリカの政治家はそれを口にすることさえ許されません。刑務所で暮らす人々を狙うために、あらゆる兵器や高度に発達したドローンを使っています。それは樽の中の魚を撃つようなものです!  一方、パレスチナ人は自家製ロケット弾を持っており、ハンググライダーやピックアップトラック、拳銃なども所有しています。つまり、兵器はとんでもなく不釣り合いなのです。アメリカの報道では常に、ガザから発射された数千発のロケット弾について伝えられています。ほとんどの報道が「ガザからのロケット弾」についてのみ伝えています。そこで、これについて調べることにしました。ロケット弾で実際に何人亡くなったのか知りたかったのです。30人でした。

SI:2000年からいつまでということですか。

ウィアー:今年までです。それだけの長い期間における死者数です!  もちろん、今ではそれ以上の人数になっています。現在、ガザからの空爆で死亡したイスラエル人は45人ほどになっています。何人のパレスチナ人が空爆で犠牲になったでしょうか。最初に数えたときは4,000人でしたが、今では2万人になっているはずです。善意ある慎重な人々であれば、「ハマスとイスラエルのどちらも戦争犯罪を行った」と言うでしょう。

SI:今考えるとするなら、イスラエルの意図が何なのかを問わなければなりません。最終的な目標は何なのでしょうか。次の仮説を考えてみましょう。ハマスによるひどい攻撃は、現イスラエル政府と主戦論者たちにとって、懲罰として激しい攻撃を続ける絶好の機会を与えましたが、その後も継続して「大イスラエル」樹立に対する障壁をすべて取り除くための機会を得ているという仮説です。戦時内閣にとって、唯一の「善良なパレスチナ人」とは、死者か、離散ユダヤ人のために先祖伝来の土地から逃れてきた人のように思えます。この説は間違っていますか。

ウィアー:過激派のシオニストがパレスチナ人を排除したがっているのです。

SI:極右、入植者、過激派のことですか。

ウィアー:そうです。しかしそれは賢明ではありません。人々は目覚め始めています。何が起きているか──土地の強奪、暴力、脅迫──分かっているのです。世界中の人々がこの状態を長く受け入れるとは思いません。アメリカ人は目を覚まし始めています。私はサンフランシスコ近郊に住んでいますが、つい先週末、抗議デモのためにゴールデンゲートブリッジが封鎖されました。前回それが起こったのはイラク戦争の時です。
 もし世論がひっくり返れば、過激派ではないシオニストは、パレスチナ人の残存者と彼らのための限られた土地──今よりもさらに少ない土地であっても──を受け入れなければならないかもしれないと分かっています。重要なことは、変化は遅いかもしれませんが、アメリカ人が目覚めつつあるということであり、それこそが変化をもたらすために必要なことなのです。問題は残ったままです。私たちアメリカ人がイスラエルに資金を与え続ければ、イスラエルはしたい放題するだけです。

SI:これは極めて重要なことであり、私たちの文明の汚点であり、私たち人類の瑕疵です。私たちは無法が蔓延る時代に生きています。あらゆる条約、国連憲章、人権宣言、あらゆる一連の原則、ジュネーブ条約、国際法が、単に無視されているのではなく、露骨にかつ明確に無視されています。戦争と騒乱で利益を得ようとする団体や政府の支援があるため、人道や人間性の喪失に対する犯罪は、法の支配と同様に、何のお咎めもなく無視されたままです。

ウィアー:そのとおりです。戦争と騒乱で利益を得ようとする団体や政府は、私の税金を使って人々を買収しており、ヨルダンとエジプトを買収しました。幸いなことに、国民と政府は別物です。政府がこれほど露骨であるなら、国民は自分たちの声を上げなければなりません。ですから、私たちの目標は、アメリカ国民にこれらすべてを知らせることなのです。私たちはそのことと非常に大きな、そしてあまりにも多くの場合、目に見えない個人的なつながりがあります。というのも、私たちの税金がイスラエルに渡ることによって、イスラエル社会の最悪の要素に力を与え、公正で平和で差別のない国家を目指して活動する人々を間接的に攻撃しているからです。
 アリソン・ウィアー『われわれのより良い判断に反して──イスラエル創設のためにアメリカがいかに利用されたかについての隠された歴史(Against Our Better Judgment: The Hidden History of How the US Was Used to Create Israel)』ISBN-13:978-1495910920

詳細についてはIfamericansknew.orgをご参照ください。

マイトレーヤと民衆の声―選集

Maitreya and the voice of the people──a compilation

 世界教師マイトレーヤ、世界における彼の臨在、私たちの人生を鼓舞するような彼の影響力についての引用文の選集を掲載する。この選集は、マイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻、第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 正義(公正)のみが人間が欲する平和をもたらすだろう、そして正義が支配するときにのみ、戦争は褪せた過去の記憶となるだろう。ほとんどすべての国において、マイトレーヤはあらゆる分野にヘルパー(助け人)たちのネットワークをつくっておられる。そのようにして彼は新しい時代の骨組みをつなぎ合わせておられる。
 これらの選ばれた働き人(ワーカー)は彼らの任務を良く知っている。彼らは間もなく表面に出てきて、新しい思考を世界にもたらし、正義を人間の第一の目標にすることがいかに緊急なことかを示すだろう。このことのみが戦争の災いに、恐怖という疫病に、永久に終止符を打つことを示すだろう。そしてわれわれの経済制度の合理的な再構築のみが正義を可能にし、信頼という基盤に基づいて人類を共に歩み寄らせるだろう。そのようになるだろう。かくしてマイトレーヤの智恵と教訓は人間の思考に浸透し、影響するだろう。

(『覚者は語る 第1巻』─前例のない時─より)

 わたしが、現在非常に必要とするのは、わたしのビジョンを分かち合う者たちが、行動する責任を引き受けてくれることである。人間の窮乏を知り、そのビジョンを見ていながら、時の緊迫性を知らない者たちが世界に大勢いる。兄弟たちの窮乏を知り、非常に多くの者たちの苦しみに同情の思いを持ち、そしてそれらすべてを変える意志を持つ者たちに、わたしは頼る。わたしが召集する者たちの仲間に、あなたがたも加わるように。そして共に新しい、より良い世界を招じ入れることができるように。

(『いのちの水を運ぶ者』第46信より)

 マイトレーヤは言われます。「何事もひとりでに起こるものはない。人は行動し、その意志を実行しなければならない」(メッセージ第31信)。私たちはただ座ってほかの誰かがやってくれるのを待っていてはいけません。変化を起こしたければ私たちがそれをしなければなりません。変化を要求し、デモ行進に参加し、連帯し、合法的なあらゆる方法を使って変化を生み出すことのできる人々に変化への欲求を伝えなければなりません。誰もが、道を先導し、変化を要求し、すべての人のための正義と自由を要求する機会を持っています。……マイトレーヤにできるのは、人間を教育し、知らせ、鼓舞し、頼りになる器──世界のすべての国の民衆の声──をつくることです。それに対して世界のどんな国の政府も立ちはだかることはできません。明確な表現能力を持つ民衆を生み出すことです。平和、正義、自由を求める、知らされ、教育された世界的世論がとても必要です。そのようにして変化は起きるでしょう。

(『人類の目覚め』)

 平和と正義と同胞愛を呼びかける者すべてを、わたしは支える。兄弟たちを愛する者たちすべてを、わたしのもとに招く。彼らはあらゆる党派から、あらゆる国家から、わたしの周りに集い来るだろう。わたしは彼らの心〔ルビ:ハート〕を希望と愛で満たす、そして彼らはその数を増し、勢いを増して、世界を征服する。この過程は始まった。すでに人々の声は聞かれ始めている。ますます声を大にして、彼らは正義と平和を求める。

(『いのちの水を運ぶ者』第131信より)

 新しい声が人事の中に聞こえはじめており、国家のリーダーたちの中で敏感な心(マインド)を持つ数人によって明確に表現される。この声はわれわれの時代の最も必要とされることをますます表現していくだろう──平和、寛容、過去の過ちの許し、すべての者の利益のための協力と分かち合いである。その声は、人間同胞を愛する者すべてのハートとマインドから発せられるだろう。そして世界の再建と再生への打ち破られることのない要求が出されるだろう。その声は新しい時代の声である。それはマイトレーヤの声である。

(『覚者は語る 第1巻』─マイトレーヤの声─より)

 人間は非常に病的な状態にあるこの世界を救わなければならない。わたしの覚者たちとわたしは、そうする方法を示すであろう。世界の一般の人々によって、その努力がすでに始められているのを見て、わたしたちの心(ハート)は喜ぶ。わたしはそのような人々に今語りかけている。あなた方の声を大きく上げなさい。あなた方の必要を世界に告げなさい──平和の必要を、正義と自由の必要を、宗教や皮膚の色や人種が何であれ、すべての人間が調和のうちに生きることの必要を告げなさい。すべての人間は本質的にひとつである。彼らはわたしの兄弟であり、わたしは一人ひとりを愛する。

(マイトレーヤ、2008年3月27日、『覚者は語る 第2巻』)

 あなたの声を聞かせなさい。あなたが信じるもののために語りなさい。すべての人のための正義と自由を信じるなら、そう言いなさい。記事を書き、新聞に送りなさい。大昔からのグラマー、イリュージョン、抑圧の束縛から人類を解放するためのあなたの貢献として、このことについてあなたの意見を述べることで貢献しなさい。世界を変えなければならないのは人類自身だということを覚えておきなさい。マイトレーヤは鼓舞し導くためにやって来られますが、私たちが仕事を行わなければなりません。

(『光の勢力は集合する』)

 包括性と愛、正義と人間の精神の自由のために闘う者はすべて、彼の周りに集うであろう。分離主義と搾取、競争と貪欲に味方する者は、同じく明らかになるだろう。そして人類の前にある選択は非常に明瞭になるだろう──愛と憎しみ、分かち合いと貪欲、平和と戦争、生と死との間の選択である。マイトレーヤは(メッセージ第11信の中で)言われた。「わたしの心はあなた方の答えを、選択を知っている。そして喜んでいる」と。彼の愛のエネルギーに応えて、人々はすべての国々において、様々なグループをつくり、正義と平和と正しい関係を要求するだろう。間もなくこれらのグループは世界で最も大きな、最も強力な勢力となり、平和と善意の新しい時代を招じ入れるだろう。

(『マイトレーヤの使命 第1巻』)

 正義(公正さ)が君臨するまでは、真の平和は決してないだろう。一歩一歩、人間はこの論理に気づくようになるだろう。人々は、選択肢がないことを理解するようになるだろう。もし人間が生存し、栄えようとするならば、不正義と戦争を放棄しなければならない。人間はこのチャレンジ(挑戦)に応えることができるのか。人間は地球上での長い逗留のあいだに多くの栄枯盛衰に直面し、克服してきた。今日、マイトレーヤと彼のグループ(覚者たち)に導かれて、人間は自分たち自身のために行動し、正義と分かち合いへの呼びかけに応えるように鼓舞されるだろう。

(『覚者は語る 第2巻』─人々は呼びかけに応えるだろう─より)

 すべてが非常に急速に動いているので事態は政治家の手に負えない。新しい政治の時代が始まった。認識が人々を自らの基本的人権に目覚めさせ、自由とそして自らに対する、またお互いに対する責任に目覚めさせている。

(マイトレーヤの側近、『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 マイトレーヤの任務は、世界世論を活気づけて、それを数個の単純なアイディアに集中させ、人々が至るところで、正義を、自由を、呼びかけるようにすることである。正義を達成し、戦争を終わらせ、平和を創造する唯一の方法として分かち合いを呼びかけるようにすることである。平和とテロリズムの終結は正義の創造にかかっており、それを達成する方法は一つ、世界資源の分かち合いである。

(『多様性の中の和合』)

 やっとのことで、富裕国の政府は正義と平和を求める国民の要請に応えつつある。彼らの将来は、国民の声に、ますます明確に強力に響いてくる国民の意志表明に、耳を傾けるかどうかにかかっていることを、彼らは感知する。諸国の政府に理解させよう、国民の声は智恵の声であることを。それはリアリズム(現実感)と真理への呼びかけであり、健全なより良い世界につながる唯一の行動への呼びかけである。

(『覚者は語る 第2巻』─暗闇の中から─より)

 それでは、一体どこに障害があるのか。これらは人間が造ったものである、我が友よ──法の否定、人を人から分離し、子供を愛しい子供とそうでない子供とに分離する。人がこれに気づくとき、世界は息を吹き返し、新たに輝くだろう。だから、分かち合いと正義と真理の法を教えることをあなたがたの務めとなしなさい。正義と愛の顕現なしには、すべてが無に等しいことを人々に気づかせてあげなさい。人類はこの真理の発見の門口に立っている。あなたがたの中にわたしが存在することが、これを確実にする。

(『いのちの水を運ぶ者』第126信より)

 あなたは一人ではありません。世界中の何百万もの人々の一人です。正しく思考する何百万もの善意の人々の一人です。彼らに加わりなさい。彼らも、あなたと同じように世界の平和を欲しており、世界にある不正義(非公正さ)が平和を妨げていることを知っています。……人類は善に向けての途方もない力(フォース)であり、変化は民衆の上げる声を通して起こるでしょう。すべての国で民衆の声が沸き上がるでしょう。それは、人々が知ろうが知るまいが、マイトレーヤによって鼓舞され、導かれ、活性化されるでしょう。民衆の一致した意志が政府に変化を強いるでしょう。

(『人類の目覚め』)

 今日、変化の必要を認めてはいても、まだそれに抵抗する者が多い。古き使いふるされた過去の世界がくずれていくのに気づいていながら、なお古い形態にしがみついている者が多い。しかし国々に新しい声が聞こえる──希望と約束をはらんだ真理の声が、新しい時代の声が。この声は人々の心に刻みつけられていく、次第に強さを増しながら。なぜならこの声は、人間を通して語る神の声であるから。

(『いのちの水を運ぶ者』第12信より)

 世界中に起こっている強力な出来事──今は毎日のように起こっている──は、死滅しつつある文化の死にぎわを目撃しているのであり、そしてそれは暗に新しい文化の創造を意味するという認識を人々の裡に目覚めさせている。新しい文化がどのような形を取るかは、大体においてまだ漠然として実体のないままであるが、一つの要素はすでに大衆およびメディアの心に刻みついている。つまり民衆の声の増強とその声を聞こえさせようとする決意の増大である。これがわれわれの時代の最も重要な政治的出来事である。世界を通じて、各国の国民が自分たちの運命をコントロールしつつあり、自分たちの権利を要求しつつある。人間の神性に本来備わった特性である自由を求める裡からの呼びかけがあらゆる人種、信条の人々を団結させており、その声はますます高まりながら反響を起こし、また反響を呼んでいくだろう。圧政の最後の砦が崩壊し、人間が生得の権利を受け継ぐまで、それはこだまするだろう。これがすべての人間の待望する未来である。

(『覚者は語る 第1巻』─民衆の声─より)

 人類は平和に共に生きるべきであるという希望を分かち合う者たちはすべて、わたしのために働く者たちである。平和と分かち合いと正義が、わたしの教えの中心である。この真理の光の輝くところに、わたしは目を向ける、そしてその光の管を通してわたしの愛を送る。そのようにして、わたしは働く。そのようにして、わたしはあなたがたを通して世界を変えていく。

(『いのちの水を運ぶ者』第92信より)

シェア・インターナショナル誌は、新しい時代の思考の二つの主な方向――政治的と霊的――を統合する。