ベンジャミン・クレーム美術館

特集記事:ベンジャミン・クレームの芸術(5)

オルガ&スコット・チャンピオン

 

 ベンジャミン・クレーム美術館は、南カリフォルニア地域、および広く全米、そして全世界からの訪問者に、ベンジャミン・クレームの絵画を紹介できることを光栄に思う。固定的な美術館にすることを避けたいというクレーム氏の希望を叶えるべく、訪問者はクレーム氏のオリジナル絵画30点を鑑賞する機会があり、そのうち20〜22の作品が常時展示されている。世界教師の出現を知らせる先駆者としての彼の役割について知らない初めての来館者のために、美術館はその中心に「タンカ–到来するマイトレーヤ仏陀」(1965年)を置いて、クレーム氏のより大きなメッセージが伝えられるように展示している。
 美術館にとって、秘教絵画と到来するアバターである世界教師マイトレーヤの教えを合わせて、大勢の参加者に対して定期的に講義するのは楽しく発展的な時間である。これらの講義は好評を得ており、一般大衆のクレームの絵画とメッセージに対する反応を見ることは、心が温まる。これまで、アメリカ国内から来た大勢の人々の他に、イギリス、フランス、ドイツ、ポルトガル、ルーマニア、インド、中国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、グアテマラ、メキシコなど、世界中からの訪問者が訪れた。
 オープンしてから2年間にベンジャミン・クレーム美術館は、初めてやって来た来訪者の反応について、一つの非常に一致した反応を私たちは経験している:つまり、この新しいジャンルの秘教絵画に対する肯定的で、驚きに満ち、勇気づけられる反応である。来館者は、美術館にやって来ると、突然立ち止まって、「一体これは何だ?」「大きいね!」と声を上げるのが、いつものことである。多くの人は、「われわれはどうしてこの人のことを知らなかったのだろうか」と尋ねる。訪問者たちはクレームの高度に熟達した技巧–力強い色、通常ではないが美しいシンボル、美術館を満たしている容易に感じられるエネルギー –についてコメントする。画家やアーティストたちがやって来ると、彼らは独自の方法で反応する。また他の芸術家を一緒に連れて来て、クレームの革新的な絵を見させ経験させる。
 特に記したいことは、数カ月前に美術館を訪れた二人の芸術関係のプロたちの反応である。美術館に入ると、そのうちの一人、美術館の管理者(キュレーター)、が声を上げて、入り口のホールにかかっている感動的な抽象画、Embedded(1968 年)という作品を見て、「この絵はすごい!」と言った。もう一人は、世界でも大きく有名な商業的なギャラリーの一つで展示部門の主任だったが、この訪問から間もなく、ベンジャミン・クレーム美術館に連絡して来て、間もなく行おうとしているロサンゼルスでの展示会に、幾つかのクレーム氏の絵を貸してもらえないかと尋ねてきた。タンカ(1965 年)は美術館に残さなければならないが、メディテーション(1964 年)、ソーラーエンジェル㈽(1990年)は貸し出せると同意した。これはクレームの作品の優れた展示例となるだろう。この主任は、ソーラーエンジェルⅢについてこうコメントした。「これこそ私が探していたもの–エネルギー、いのち、そして光です」。
 これと同様に、シェア・インターナショナル誌の購読者に興味があるのではないかと思うのは、ベンジャミン・クレームが19歳の時に書いた初期の作品で『シブリーン・フィギュア(Sybilline Figure)』(sybilとは一種の神託者の意)が、スコットランド国立近代美術館に最近展示されている。この作品は現在、フランシス・ベーコンの2作品の他、クレームの初期のころの師であったヤンケル・アドラーと同時に、プルネラ・クロー、ロバート・コルクホーン、ロバート・マクブライド、ウィリアム・ターンブルらの当時の同時代の画家たちの作品と共に展示されている。
 ベンジャミン・クレームは美術界で広く認められるようになると私たちは信じており、またいずれ彼は世界の偉大な画家たちの中で認められた地位を占めることになるとも確信しているが、この美術館の目的は単に彼の絵画を展示する以上に、より広い役割を持っている。それは、クレームが彼の人生を完全に捧げたメッセージ–世界教師と知恵の覚者方の再臨–にも関係し、そしてクレームがこの深遠な経験の準備のために世界に提供した膨大な情報の体系に関係する。この美術館の任務を遂行するために、クレームの秘教絵画は「不朽の知恵の教え」として知られる広範な秘教文献に含まれる情報についての導入口として、また大衆の認識の拡大へ通じる道として用いられている。主にクレーム自身の絵と教えに焦点を当てながら、マダム・ブラヴァツキー、アリス・ベイリー、ヘレナ・レーリッヒの秘教文献にも焦点を当てている。美術館についてのクレームとの最終段階の話し合いの一つで、彼はこう述べた。「それは、本当は、マイトレーヤについて、彼の世界教師としての役割について、そして知恵の覚者方と彼らの人類へのアプローチについて、関係するのです」。

このことは、美術館についての以前の話し合いに続いていて、私たちにはその時ベンジャミン・クレームの師が参加してきて、美術館を現在の進路に導く情報を提供されたように感じた。彼は言った。「美術館は単にベンジャミン・クレームの絵に関わるだけではなく、彼の生涯に関係する:彼の仕事、彼のメッセージ、彼の書物と教え、彼のグループ活動、彼の絵、彼が行ったすべてに関するのである。彼は真理を語っている者である」

 

(より詳しくは、benjamincrememuseum.orgをご参照されたし)