人類の選択──選集

Humanity’s choice – a compilation

「人類の選択」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻と第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

すべての側において古い体制が崩壊しつつある形跡がある。往古の憎悪が人々を分割し、無法がはびこる。しかし、至るところで新しい精神が人間の中に目覚め、あらゆる形態の生命に対する新しい責任感と新たな敬意が目覚めつつある徴が見られる。この新しい美の顕現は無数にある。人類の前に開かれる未来のビジョンは多く、驚くべきものである。人間は未だ新しい始まりの門口に立っているにすぎない。しかし、見る目を持つ者には、すでに進歩の徴が見える。われわれはいま両極化を目撃しており、それが人類に選択を強いる。現在の生活の様式の中にある危険があまりにも恐るべきものであるゆえに、人間の霊性はこれに反抗し、新しいものを探求する。このようにして、人は神の意志を認識するようになる。すべての背後に「大計画」があり、神の「意志」を包含している。人間は、知ろうが知るまいが、今やその大計画を実施する用意ができている。新しいものを顕現するために、すべての分野において、人々はグループを形成している。愛と必要の精神に鼓舞されて、彼らはより簡素な、より健全な世界を心に描く。現在の不均衡と緊張の中から正義と融和が育たなければならないことを知る。自分たちが聖なる存在であり、変化の奇跡を行うことができるのを知っている。彼らは時の危急を知覚し、奉仕のために己を捧げる。彼らはすべての地において「善」を代表する。
(『覚者は語る 1』ー勝利は保証されているーより)

今ではわたしの周りに、わたしをリーダーとして、未来への案内人としてみる兄弟姉妹たちの集団が存在する。わたしは、人間の苦悩について、人間の不完全さについて、変化の必要について、彼らに語る。同時にまた、人間は神であり、神聖なる光の存在であり、いつの日かそのようなものとしてこぞって立つであろうということも語る。選択は人間のみがなすのである。もしわたしの指す道を選べば、人間の霊性はまことに輝き出でるであろう。さもなくば、我が兄弟姉妹たちよ、人間の未来はきわめて致命的である。しかし我が友よ、あなたがたの答えと選択をわたしは前もって知っている。恐れるでない、わたしの愛しき者たちよ。あなたがたの愛を通して──あなたがたの心に宿る兄弟たちへの愛を通して───あなたがたは正しく選択するであろう。
(『いのちの水を運ぶ者』メッセージ第78信より)

金持ちの国と貧乏な国の生活水準の間にある大きな隔たりを許容する余裕を、世界はもう持ちません。その不均衡が今日の政治的、経済的問題の中核です。基本的にそれは精神的霊的な問題です。一方に物質主義と分離、そして他方に霊的な分かち合いと正義と同胞愛、この間の選択です。われわれの選択が人類の運命を決定するでしょう。
(ベンジャミン・クレーム『マイトレーヤの使命 第2巻』)

わたしはあなたがたの友であり、兄である。しかし神ではない。御父が、再びわたしをあなたがたのもとに遣わされたのは事実である。わたしは、兄弟であるあなたがたのところへやってきた。あなたがたが望むならば、祝福された未来に案内し導くために、やってきたのである。わたしの役割は、道が岐れていることを人類に示すことである。道標は置かれた、そしてこの地球の未来はあなたがたの決定にかかっている。正しい道を、神につながる唯一の道を、人類が選ぶのを確実にするために、我々は(あなたがたとわたしとは)ここに集うている。
(『いのちの水を運ぶ者』メッセージ第19信より)

間もなく世界は、人類種族の長老たち、覚者たち、神の子たちが世界に戻るのを知るだろう。予言はわたしたちの再臨を告げ、弟子たちの期待を活気づかせてきたが、彼らの多くは、今のこの時の出来事に気づかずに眠りこけている。わたしたちの到来を熱望して待つ者は多いが、それを遠い未来のことと心に思い描いている。わたしたちの手が今、扉を叩いているのを彼らは知らないのか。目覚めなさい、友よ! 目を覚ましなさい、善意の働き手たちよ! 世界を変容させるために、わたしたちと共に働く者すべてを必要とする。あなた方の希望と信頼をわたしたちは慈しむ。わたしたちを見、あなた方の生活の中にわたしたちを歓迎する用意をしなさい。……今、世界の救済計画が進行中である。これは、世界に奉仕することを願う者すべての協力を必要とする。奉仕することは、今日、むずかしくない。なぜなら、奉仕の方法は手近にあり、地球そのものが救済を求めて叫んでいるのだから。あなたの奉仕の分野を選び、熱意を込めて行いなさい。あなたがそうすると、あなたの魂は、その仕事のために必要なことをあなたに授けることを知りなさい。さらに、わたしたちの手があなたがたの手を強め、重荷を分かち合うことを知りなさい。多くのことが変わらねばならないことは確かだが、その変化の速度はあなた方にかかっている。計画の詳細を実施するために、わたしたちはあなた方の協力に頼っている。奉仕が、新しい文明の先兵に向かって、明日のより良い世界の基礎を築くことを呼びかける。その点呼の列の中にあなたの位置を占め、わたしたちを助けて救済の仕事をしなさい。時刻の合図が鳴るときに、これを逃がさないように。
(『覚者は語る 1』ー奉仕への召集ーより)

過去の長い間には、気候の変化の結果、人類の大部分が生存をかけて動物と戦っていたときがあった。今日とは比較にならない規模で、彼らは飢餓を体験した。テクノロジー(科学技術)と科学と急速なコミュニケーション手段が、今日、大多数の人間にとって、大規模の飢餓の災難を除去した。問題は、それだけの遺産に恵まれた世界に、なぜ、あのような規模の飢えが存在するのか、ということである。すべての人間のために十分過ぎる食糧が存在しながら、なぜいまだに何百万の人間が悲しくも飢えており、人間の神性に恥辱をもたらすのか。人間は、誰が生き、誰が死なねばならないかを決める権利を、どの法によってわがものにするのか。自己満足感のどれほどの深みから、そのような審判が下せるのか。どのようなイニシアチブによって、どのような新しく見いだした恩寵によって、人間はこの不正行為の潮を堰き止めることができるか。間もなく、一連の出来事が人間に自分たちの人生の目的を再考させ、共通の遺産を認知することを強いるだろう。間もなく、新しい平等化が金持ちと貧乏人の両方に、彼らの自然な同胞愛を教えるだろう。程なく、偉大なる教師自らが、あらゆるグループ、あらゆる種類の人間との連帯を実演なさるだろう。そして大師に負けまいとして、今日の分割は癒されるだろう。これらの時をよく銘記しなさい。古き時代の終わりの始まりであり、新しきものの誕生の日である。今日、世界の指導者たちは統御することのできない出来事に苦悶している。彼らがまったく知らないフォースが、彼らを計画していなかったしばしばヒステリックな反応へと押しやる。彼らは自分たちの独断的教義に導かれて、混沌から混沌へと逃げる。その間、わたしたちは忍耐強く待つ。人間の現在のジレンマの結果をわたしたちは知っている。そしてカルマ(因果)の法の許す範囲内で、最大限に援助する。また、わたしたちは、人間が自分たちの自由意志で未来の栄光への道を選ばなければならないことを知っている。それは人類同胞愛と愛と正義と分かち合いの道である。わたしたちは人類の必要にはせ参じる。わたしたちは教え、そして仕えることに励む。人間自身が行動しなければならない。そして体験の厳しい試練の中で、自分の神性を試さなければならない。徴はすべての者に見ることができる──新しい時、もはや飢えがなくなる時の徴である。
(『覚者は語る 1』ー飢餓の終わりーより)

いま転生している私たちは尋常ならざる責任を担っている。私たちがいま世界にいるのはそのためである。すべての世代がその時代の問題を解決する知識と経験を携えた人々(魂)を転生へともたらす。私たちは将来の問題を解決するために、人類が存続し続けるかしないかを──正義、分かち合い、正しい関係、平和への選択をするか、すべての生命を破壊するかを──決定するために転生して来た。マイトレーヤは人類が正しい選択をすることを疑わない。
(ベンジャミン・クレーム『マイトレーヤの使命 第2巻』)

わたしに手伝わせてください。道を示させてください──誰も窮乏することのない、より簡素な生活に至る道を。そこでは、同じ日が二度と繰り返されることなく、同胞愛の喜びがすべての人間を通して顕されるのである。わたしの仕事は、導き、案内することである。しかし、あなたがたは喜んで従いてこなければならない。そうでなければ、わたしは何をすることもできない、わたしの両手は「法」によってしばられている。それを決めるのは人類なのだ。
(『いのちの水を運ぶ者』メッセージ第3信より)

[大宣言の日の]この経験を通して、人類は自分たちの魂としての本来の姿に目覚め、そして新しいより良い正しい線に沿った文明を創造していくためのビジョンを得るでしょう。その体験に対する人類の反応が、この惑星の未来を決定します。マイトレーヤは二つの選択を人類に提供します。一つは、私たちがこれまでと同じように、古い貪欲で利己主義な自己満足感に満ちた過去の生活を続けて、自分たち自身を破壊するか、あるいは分かち合いの原則を受け入れ、人類が一体であることを受け入れて、これまで知られたことのない素晴らしい文明を創造するか。
(ベンジャミン・クレーム『マイトレーヤの使命 第3巻』)

これから、人生は今までとは異なったものになるに違いないし、またそうなるだろうという事実に、多くの人々が目覚めつつある。新しい方向が招いており、過去のあり方に飽き飽きし、新しい道を試みる用意とあいまって、人々は人間の事態の中に一つの頂点を感知している。外的な出来事がこの体験の現実感を確認させてくれる──メディアは日ごとに、最新の発明や医学的洞察や、予期し得なかった妥協や長いあいだ疎遠だった人々の間の歩み寄りなどについて、世界中に一瞬のうちに通信し、報道する。不安や疑いが多くの領域にあるにもかかわらず、新しい希望が勢いを集めている。ひどい欠乏や恐怖だろうが、豊穣だろうが、永遠に続くものは何も存在しないことを人々は知っている。……人々は彼らを抑制する教義やイデオロギーから解放されて、かつては不可能と思われた合意に達することができる。不可能という言葉そのものが、様々な出来事がその逆を証明するにつれて、その意味を急速に失いつつある。これはいずれも偶然に起こるのではない。各々の成果の背後には、多くの働きと長い間練られた計画がある。人類がこの変化の唯一の誘発者であると考えるのは思い違いである。数え切れない長い長い間、人間は、彼らのために設置され、他者によって監督された道をたどってきたのである。「道の管理者」であるわたしたちは、その道を人間がたどるように示し、途上の多くの障害を無事にくぐり抜けられるように導くことを求める。……人類は道案内がいないことを恐れる必要はない。人類種族の兄たちであるわたしたちは、各々の必然性を予見してきており、人間の窮状に対する答えを熟知している。わたしたちの助けがあることを、わたしたちの助言はあなたがたが求めるならばいつでも提供されることを確信しなさい。わたしたちは人類の本当の必要を知っている。しかし人間は自分たちの自由意志で選択し、喜んで受け入れなければならない。もし人間が正しい選択をするならば、つまり資源の公平な分割を選ぶならば、わたしたちの手は解放され、さらに多くの助けを提供することができる。わたしたちの体験と知識はふんだんに与えられ、わたしたちの智恵と愛はすべての人々のために供される。わたしたちは確信をもって人間の嘆願を待つ。そうして、わたしたちは信頼される兄として、友として、あなたがたの生活の中に公に入っていくだろう。わたしたちの教師であり、あなたがたの教師である偉大なる主マイトレーヤが、ご自身の使命を始めるために舞台の袖に立って待っておられる。あなたがたからの呼びかけがわたしたちを前面に連れ出すだろう。
(『覚者は語る 1』ー新しい現実感ーより)