責任に目覚める―選集

Awakening to responsibility ── a compilation

「責任に目覚める」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』第1巻と第2巻)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 あなたが公言する理想に従って行動する時が来た。以前にはなかった機会である。あなたの心(ハート)の中に秘められているビジョンを具現しなさい。あなたが独りではないことを、何百万の人間が同じ理想を抱いていることを知りなさい。奉仕することを願う者たちすべてと手をつなぎ、世界の周りに光の織物を紡ぎなさい。あなたは奉仕するために世にあることを、そして奉仕を通してのみ成長することを心にとどめておきなさい。あなたは兄弟同胞の番兵であり、彼らの窮乏に対するあなたの責任を引き受けなさい。
(『覚者は語る Ⅰ』─重要な機会─より)

 わたしが、現在非常に必要とするのは、わたしのビジョンを分かち合う者たちが、行動する責任を引き受けてくれることである。人間の窮乏を知り、そのビジョンを見ていながら、時の緊迫性を知らない者たちが世界に大勢いる。兄弟たちの窮乏を知り、非常に多くの者たちの苦しみに同情の思いを持ち、そしてそれらすべてを変える意志を持つ者たちに、わたしは頼る。わたしが召集する者たちの仲間に、あなたがたも入るように。そして共に新しい、より良い世界を招じ入れることができるように。
(『いのちの水を運ぶ者』第46信より)

 いま転生している私たちは尋常ならざる責任を担っている。私たちがいま世界にいるのはそのためである。すべての世代がその時代の問題を解決する知識と経験を携えた人々(魂)を転生へともたらす。私たちは将来の問題を解決するために、人類が存続し続けるかしないかを──正義、分かち合い、正しい関係、平和への選択をするか、すべての生命を破壊するかを──決定するために転生して来た。マイトレーヤは人類が正しい選択をすることを疑わない。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)

 いのちの意味と目的について新しい理解が人類に目覚めはじめるだろう。生きることへの新しいアプローチが広まり、あらゆる関係(つながり)について新鮮な見方が起こり、人間の自分自身とその運命(さだめ)についての感覚的理解に完全な変化が起こるだろう。人間が、まず最初の仕事である社会統合を達成するとき、そして資源の分かち合いを通して正義と和合が支配するとき、これは起こるだろう。
 この新しく築かれた融和に伴って、新しい責任感覚が生まれるだろう。兄弟姉妹との一つの偉大なる家族に属するという新しい体験、そして各人がその兄弟姉妹の必要を配慮しなければならないという感覚。進化への新鮮な刺激が与えられ、覚者たちの指導のもとに人間は神に向かって登りはじめるだろう。
(『覚者は語る Ⅰ』─いのちの贈物─より)

 人間は非常に病的な状態にあるこの世界を救わなければならない。世界の一般の人々によって、その努力がすでに始められているのを見て、わたしたちの心(ハート)は喜ぶ。わたしはそのような人々に今語りかけている。あなた方の声を大きく上げなさい。あなた方の必要を世界に告げなさい──平和の必要を、正義と自由の必要を、宗教や皮膚の色や人種が何であれ、すべての人間が調和のうちに生きることの必要を告げなさい。すべての人間は本質的にひとつである。彼らはわたしの兄弟であり、わたしは一人ひとりを愛する。
(マイトレーヤ、2008年3月27日、『覚者は語る Ⅰ』)

 第一の優先は飢えたる何百万の人々を救うことです。何百万の人々が飢え死にするという事実は冒涜である──マイトレーヤはこれを罪悪と呼びます。それは私たちの直中にある癌です。
 私たちは責任を受け入れません。もし私たちが責任を受け入れなければ、私たちの政府は責任を受け入れません。政府は飢餓をなくすという政策は票の獲得につながらないことを知っています。ですから私たちが主張しなければならないのです──「第三世界における飢餓の問題に取り組まなければ、あなたに投票しませんよ。もし私の票が欲しければ、世界に分かち合いの原則を提唱しなさい」と。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)

 人間の落ち着きのない奮闘のすべての底に、今日彼らを襲っている多大な問題の解決にはすべての者が責任を分かち合わなければならないという認識の目覚めがある。問題と同様に、その責任も世界的であり、分割不可能であり、そして協力とエゴ(自我)の否定を通してのみ、それらに適切に対処し克服することができるという認識の目覚めがある。
(『覚者は語る Ⅰ』─法の規定─より)

 国民の声はすでに耳を傾けられ始め、この代表政治の形態がイデオロギーを通して大衆をコントロールするやり方に取って代わるだろう。すべてが非常に急速に動いているので事態は政治家の手に負えない。新しい政治の時代が始まった。認識が人々を自らの基本的人権に目覚めさせ、自由とそして自らに対する、またお互いに対する責任に目覚めさせている。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)

 すべての側において古い体制が崩壊しつつある形跡がある。往古(おうこ)の憎悪が人々を分割し、無法がはびこる。しかし、至るところで新しい精神が人間の中に目覚め、あらゆる形態の生命に対する新しい責任感と新たな敬意が目覚めつつある徴(しるし)が見られる。
 この新しい美の顕現は無数にある。人類の前に開かれる未来のビジョンは多く、驚くべきものである。人間は未だ新しい始まりの門口に立っているにすぎない。しかし、見る目を持つ者には、すでに進歩の徴(しるし)が見える。
(『覚者は語る Ⅰ』─勝利は保証されている─より)

 人間が進化し向上していくためには、自分たちは唯一なる神聖なる本源の下にある一つの兄弟姉妹であることを認識し、その聖なる本源と全く同一の特質を持つ存在であることを認識しなければなりません。通常、家族の中ではどういうことが起こるでしょうか。家族が持っているものは分かち合われます。母親は自分の子供の一人に余計に与え、一人に少なく与えるというようなことはしません。一人の子供に83%を与え、一人の子供に17%しか与えないということはしません。つまり私たちは人類家族の兄弟姉妹であり、資源を、食糧をより公平に分かち合わなければならないのです。マイトレーヤはこのように言われます──「分かち合いは神聖である、分かち合うとき、あなたは兄弟の裡に神を見る」と。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』)

 生活をより簡素にし、この惑星にかける負担を少なくし、より賢いやり方をしなければなりません。世界の生態系の均衡がマイトレーヤの主な関心事の一つでしょう。そして人類が現在のような生き方を続ければ必然的に起こる結果を、彼は最も高いレベルから示してくださるでしょう。それに関しての行動の必要が科学者たちに明らかになり、彼らを通して世界の諸国政府にも明らかになるでしょう。
(『全人類のための世界教師』)

 現在のわれわれの第一の仕事は、環境を管理することである。これがすべての個人の、政治家の、グルや聖者の、科学者の責任になるだろう。われわれのエネルギーは、環境を再び健全にすることに費やされるだろう。それが起こるとき、苦難や病気や貧困は減少するだろう。
(『いのちの法則』)

 世界中で、人々は、自由と正義をその中核においたより良い生活の可能性に目覚めつつある。恐れるでない、民衆の声は高まっており、接触伝染のようにますます多くの人々に影響を及ぼしている。自由、正義、そして人間の和合という真理のために生きる──あるいは死ぬ──人々の背後にマイトレーヤは立っておられる。若者が道を先導する、そしてその将来は彼らのためにある。
(『覚者は語る Ⅱ』─裂開(れっかい)の剣(つるぎ)を創造する─より)

 [投票は]あなたに大きな力を与えるのです。その力をいろいろに使うことができます。機械的にあなたの両親や友人などと同じに投票することもできるし、あなた自身が本当に欲するように投票することもできます。それがこの国の生活に重要な影響を与えます。合衆国の住人すべてが現在の合衆国の行政機関に責任があります。同様に、すべての英国人が現在の英国の行政機関に責任があります。フランスに、西ドイツ、その他の国々にも同じことが言えます。投票権を持つ限り、あなたは責任を持っています。あなたの国の国内と海外での活動に責任があるのです。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

 マイトレーヤは、より簡素な生活を、惑星の状況の現実により見合った生活を提唱するだろう。これが必要であることを十分に多くの人々が確信するとき、簡素化への運動が惑星全体を通じてますます大きく広まるだろう。何千万の人間が変化の必要に鼓舞されて、それは極めて異常な速さで進むだろう。このようにして、地球という惑星が直面する最も深刻な危険は、いくらか押し止められるだろう。これが多くの人々を勇気づけて、彼らはさらなる変化への用意を進めるだろう。
(『覚者は語る Ⅰ』─惑星の救済─より)

 この新しいエネルギーはすでに西洋においても影響を与えはじめている。エネルギーが個人の内に真我の認識を創造するにつれて、人々は環境に気づくようになり、自分たちの義務と責任の感覚に目覚める。そのために、アメリカやイギリスにおいて、人々は街頭に繰り出し、議会で民衆の声が聞かれることを要求しはじめている。……
 政治家が権力の座に留まっていられる唯一の方法は、民衆の願いを代表し、それに声を与えることによってであることを、彼らは自覚しなければならない。「『市場のフォース(力)』を信条としている政治家は、自分たちの時代が終わったことを知るだろう」
(『いのちの法則』)

 私は、キリストが変換の仕事をするために、ここにおられるとは言っていません。それとは逆に、必要な変換を行うのはわれわれ人類の責任であると述べてきました。キリスト自身が言われています。「わたしは大計画の設計者であるにすぎない。我が友よ、兄弟たちよ、あなたがたが輝ける真理の宮殿を喜んで築く建設者たちである」─メッセージ第65信より─
(『マイトレーヤの使命 第Ⅱ巻』)

 何千万人もの人間の中に眠る未開発の可能性を呼び起こすことによって、社会生活の変容は急速に、規則正しく、責任ある方法で行われるだろう。参加することが基調である。なぜならそのような参加を通してのみ、各人が共同体(コミュニティー)の共通の目標との一体性を感じ、それのために心から働くことができるのである。このようにして社会的責任、集団的責任が培われていく。現在の、断絶した不公正な社会から生まれた不健全な反社会的行動は、太陽の光に照らされた霞のように消えていくだろう。
(『覚者は語る Ⅰ』─新しい機構(しくみ)の創造─より)

 人類の問題は現実であるが、解決可能なものである。解決法は、あなたがたの手のうちにある。兄弟の窮乏をあなたの行動の尺度として、世界の問題を解決しなさい。その他の進路(コース)はない。
(『いのちの水を運ぶ者』第52信より)

 国際連合は世界平和を維持する機関としての本領をゆっくりと発揮しつつあります。現在、国連は世界の警察としての役割を引き受けることを嫌っており、至るところの政府は必要とされる犠牲を払うのを躊躇しています。しかし、世界平和が分かち合いと正義の実施を通して保障されるようになるまでは、国連はそのような責任を引き受けなければなりません。国連の将来の役割は、世界政府になることではなく、世界議会になることです。そこで問題は議論され、平和のうちに解決されるでしょう。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅲ巻』)

 間もなく人間は、自分たち自身で、今、日ごとに起こっている変化の理由を知り、それを理解することができるだろう。偶然に起こるものは何もないことを、偉大なる自然の法則が人間の生命を条件づけており、神ではなく、人間の思考と行動が、彼らの経験の質を定めていることを知るだろう。何人(なんびと)も、いかなる階級も、“支配するために生まれる”ことはない。すべての者の必要と権利が公正に満たされるとき、調和が勝利するだろう。
(『覚者は語る Ⅰ』─再生の門口─より)

 世界中至る所にいる何百万もの平凡な小市民が政府に対して、世界の問題の解決法である分かち合いの原則を実施することを強要します。それが今日の大衆の力です。大衆はキリストによって啓発され、キリストによって鼓舞され、その志向はキリストによって焦点を定められ、政府に対して行動を強いるでしょう。エネルギーを与えられ、鼓舞され、焦点化され、啓発された世界の世論に対抗できる政府は地上に存在しません。個人としてのあなたが、いかに重要な存在であるかが分かりますか。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

 世界的相互依存というリアリティ(現実)がわれわれの認識の中で確立された事実となるだろう。そうなる時「すべての人間は兄弟姉妹である」という事実が制度機構や実際的活動計画の中にますます取り入れられて、この実体を反映するものとなるだろう。諸国家も同胞愛、共通の目標、共通の抱負を体験することができ、そうなるだろう。……
 これらは歴史的瞬間であり、日が経つにつれて新しい認識が一層明らかになっていく。人々はますます平和や調和ある生き方について語るようになるだろう。これは人類の歴史における転換点である。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)