私たちのシステムのほとんどが壊れているため、社会を組織する新しい方法を早急に創出する必要があることを、私たちは皆知っている。今月号の記事は、構造内の亀裂を浮き彫りにし、前方への新しい道を指摘しているが、現代の経済や政治、産業、教育、生態系に関わる規範の誤りと内在する弱点を特定することから始めている。シェア・ギルモア氏による『限界とその先』の書評は、過去には耳を傾けられなかったが今は理解されなければならない警告を、実に良いタイミングで思い出させてくれる。視点の記事「ウォール街の責任を追及する」はまさしくそうした警告を発しており、巨額の利益と資本主義体制の極端な例を非難している。
今月号はまた、混沌とした時代に対する人類の生来の霊的・心理的な反応──高位の力に対する私たちの本能的な訴えかけ──を明らかにしている。しかし、私たちの行動は依然として恐怖と不安によって駆り立てられている。ベンジャミン・クレームの師は次のように述べている。「大計画が成就されるのを妨げる最大の要因は、疑いもなく人間の恐怖心である。人間は自分たちの周りに敵意ある世界を見、あらゆる側において貧窮と欠乏に脅かされている。核の脅威は、すべての者の上に重くのしかかっている」。クレームの師はさらに続けて次のように述べ、私たちを安心させている。「マイトレーヤは、人間は彼ら自身の恐れ以外に恐れるものは何もないことを勧告されるだろう」。必要な変化を成し遂げる方法は極めて単純である──自分たちが望むような世界、共通の利益に奉仕するような世界を創造しなければならない。
マイトレーヤ御自身が『モリヤの庭の木の葉 Ⅰ』(アグニ・ヨガ協会刊)で伝えられた言葉の一部が転載されている。マイトレーヤはその中で、御自身の臨在について読者に安心感を与える一方、新しい世界を建設するための行動へと人類を促している。「この重苦しい日々には、君は労役により、無罪放免されるだろう。そして行動により、君は高められるだろう」。自分の環境のせいにして自暴自棄になることも容易であったはずだが、そうはならずに自分自身と近所の人々がより良い生活を築くために働くよう3人の若者たちを動機づけたのは、彼ら自身の労役と社会正義の追求であった。この過程は「民衆の力が生活を変革する」という記事で描写されている。
万人への奉仕のために自分の人生を捧げ、マイトレーヤのアイディアに対して敏感であり、世界規模の途方もない変化の火付け役となったのは、ミハイル・ゴルバチョフ氏であった。その生涯を追悼するために、1990年代にベンジャミン・クレームによって伝えられた情報が掲載されている。次の言葉はゴルバチョフ氏の幅広い包括的なアプローチをよく示している。「平和とは、類似性の中の和合ではなく、多様性の中の和合に、様々な違いを認めて和解することにあります」
意識の特性についての(アート・ユリアーンス氏の)短い論文、教育に関するミニ選集、国連世界人権宣言第26条、和平交渉の必要性の強調は、もしこの惑星が繁栄し危機を乗り越えようとするなら学ばなければならない他の教訓を明らかにしている。「徴」と「手紙」のページは、私たち──人々と惑星──は独りではなく、マイトレーヤや覚者方、スペース・ブラザーズ(宇宙の兄弟たち)からの助力を当てにすることができるということを多くの読者に確信させる。