正義と和合――選集

Justice and Unity ── a compilation

 世界は一つであるのに、いかで二つの世界が存在し得ようか。法はすべての人間に対して同じであるのに、いかで分割があり得ようか。やがて人間は、大勢の人々の苦しみは総体の病であることを理解し、そして正義のみがその治療法であることを理解するだろう。
(『覚者は語る 1』─正義は神聖なり─より)

 これまで愛してきたものすべてを、蓄積し獲得してきたものすべてを失うことを恐れて、わたしの到来を恐怖のうちに待つ者が多い。恐れるでない、我が友よ、失うものは単に分離や分割であり、恐れや妬みや憎しみである。これらを地上から捨て去るために、すべてが創り直されねばならない。これを悟りなさい、我が友よ、そして分かち合う覚悟をし、あなたの兄弟をあなた自身として見、彼と腕を組み、そして友と呼びなさい。このようにして、我が兄弟よ、あなたがたは神の計画を顕すのである。その計画の完成に向けてわたしは働き、あなたがたをわたしの側に招く。わたしと共に働きなさい、我が友よ、一緒にすべてのものを新しくしよう。
(『いのちの水を運ぶ者』第125信より)

 私たちは霊性についての概念を拡大しなければなりません。そして霊的基盤にたつ政治、経済機構をつくらなければなりません。つまりそれは分かち合いと公正です。これらが霊的な様相です。マイトレーヤは言われます。「分かち合いは聖なることである……あなたが分かち合うとき、あなたの兄弟の裡に神を認知する」。これは単なる良いアイディア(観念)ではなく、聖なるアイディアです。神性の特性です。公正ということは聖なることです。自由は聖なることです。マイトレーヤは分かち合いを通して公正と自由を築く方法を私たちに示すためにやって来られます。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 もし人類が平和を知ろうとするならば、人類を一つとして見なければならない。それ以外のものは何も、人類をあの幸いなる状態に導かない。正義が支配し、貧乏人がもはや慈悲を請うことがなくなるとき、平和は確立される。正義なくして和合を考えることは不可能であり、人間は永久にそれをつかみとることはできないだろう。であるから、正義の支配を確立し、この苦悩する世界に和合と平和をもたらしなさい。
(『覚者は語る 1』─和合の必要─より)

 世界的相互依存というリアリティ(現実)がわれわれの認識の中で確立された事実となるだろう。そうなる時「すべての人間は兄弟姉妹である」という事実が制度機構や実際的活動計画の中にますます取り入れられて、この実体を反映するものとなるだろう。諸国家も同胞愛、共通の目標、共通の抱負を体験することができ、そうなるだろう。
(『マイトレーヤの使命 第2巻』)

 ……和合へのこの願いが、グループに参加することが、グループの集合が、そして来るべき新しいアクエリアス(宝瓶宮)の時代におけるグループのこの真剣な努力こそが重要な仕事となるでしょう。重要な仕事で個人ベースで行われるものはないでしょう。グループ(集団)の時代です。その活動を世界全体が共に行い、地球という惑星の基本的和合を表現するようになるまで拡大していくでしょう。
(『協力の術(ルビ=すべ)』)

 次から次へと続く諸国家において、民衆の声はより焦点が絞られて明確になっている。何千万の人々が今や教育があり、彼らの必要──平和、仕事、将来への希望──について確信を持つ。ますます大きくなる和合への感覚もまた彼らの期待と要求を告げ始めている。彼らは自分たちが世界の中で孤立していないことを、至るところに同じ問題と必要を抱える多くの兄弟姉妹たちがいることを知っている。このようにして、マイトレーヤの臨在と教えに気づかなくても、彼らはマイトレーヤのエネルギーと影響に反応しつつあり、将来の枠組みを築きつつある。
(『覚者は語る 2』─和合へ向けた変化─より)

 神は多くの名前で知られている。わたしは神を愛と呼ぶ、また正義とも呼ぶ。愛と正義はどちらも我々の生活の礎である。わたしを探し求め、昔の兄を知りなさい。わたしのメッセージに耳を傾けなさい、我が友よ、そして共に喜びのうちにこの世を変えていこう。
(『いのちの水を運ぶ者』第38信より)

 政治、経済、社会、宗教、教育、文化のすべての制度と構造の根本的な変化を、我々は今まさに目撃しようとしている。これらの変化は、人類がその本質的な一体性を徐々に理解し、それを具現するために必要な手段を取るにつれて起こるだろう。
(『マイトレーヤの使命 第1巻』)

 アクエリアス(宝瓶宮)の本質的特質は統合である、地球上における今日の生活の中には滅多に見られない特質である。しかしながら、統合の特質がますます勢いをつけて、生活のすべての分野で今日の分裂と不調和に取って代わるだろう。人々は和合の意味を理解するようになり、自分たちが発見という航海を共に旅しているひとつの人間家族の兄弟姉妹であることを認知するだろう。
 人間がこの時を振り返って見るとき、それを「神の恩寵」への踏み石として見るだろう。今日の混沌とした騒乱はただの騒乱ではない。この混乱から新しい形態が生まれ、それが新しい文明を飾るだろう。新しいより良い形態が、至るところに住む人々のために寄与し、すべての者のハートを喜ばせるだろう。
 人間自身はそのような刺激の中を通っているので、未来について不安を感じるのも当然である。
 彼らはすでに進行している途方もない変化をほとんど見ることも理解することもなく、無為に過去にしがみつく。間もなく、この恐れと不安は、変容の仕事への決意と勇気に置き換えられるだろう。マイトレーヤと彼のグループの導きの下に、人間は新しいより良い生活、すべての人間が様々な形で夢見る人生の礎石を敷くだろう。
(『覚者は語る 2』─顕現しつつある人間の神性─より)

 平和と正義と同胞愛を呼びかける者すべてを、わたしは支える。兄弟たちを愛する者たちすべてを、わたしのもとに招く。彼らはあらゆる党派から、あらゆる国家から、わたしの周りに集い来るだろう。わたしは彼らの心を希望と愛で満たす、そして彼らはその数を増し、勢いを増して、世界を征服する。この過程は始まった。すでに人々の声は聞かれ始めている。ますます声を大にして、彼らは正義と平和を求める。
(『いのちの水を運ぶ者』第131信より)

 すべての人間が自分たちよりもより大きなものと自分を同一認しようとします。和合という感覚は非常に重要です。なぜなら、すべての人間が、知ろうが知るまいが、それを求めているからです。和合は宇宙の和合についての魂の認識です。それ以下ではありません。あなた方が自分の仕事の中に、グループの中に、国家の中に、諸国家の集合体の中に和合を創造するとき、人類のために益することになるのです。
(『協力の術(ルビ=すべ)』)

 ついに、これらの声は聞かれつつある。ついに、マイトレーヤの慈悲のエネルギーは、いまだ彼の臨在に気づいていない大勢の人間の心(ハート)の中に反応を見いだした。やっとのことで、富裕国の政府は正義と平和を求める国民の要請に応えつつある。彼らの将来は、国民の声に、ますます明確に強力に響いてくる国民の意志表明に、耳を傾けるかどうかにかかっていることを、彼らは感知する。
 諸国の政府に理解させよう、国民の声は智恵の声であることを。それはリアリズム(現実感)と真理への呼びかけであり、健全なより良い世界につながる唯一の行動への呼びかけである。
(『覚者は語る 2』─暗闇の中から─より)

 我が兄弟姉妹よ、わたしの仕事を援けて、正義こそが、わたしたちの生活における至上のものであることを、あなたの知っているすべての人々に知らせなさい。これが欠如するだけで、人を人から分離させ、人類そのものを脅かす。これを悟りなさい、我が友よ兄弟よ、そして光が勝利することを知りなさい。
(『いのちの水を運ぶ者』第126信より)

 私は、今、この政治的影響、すなわち政治的行動を通しての和合の獲得について話をしています。これは、最近発表された覚者の記事「和合」の後半部分に主に語られているものです。すなわち、世界に対する危険とすべての人間による気づきの必要性についてですが、特に教育を受けた人、権力行使の立場にある人、自らの意志を表明できる人が、国家間の垣根を越えたレベルでの和合の必要性を理解し、悟り、知らしめることの重要性です。それゆえ、すべての国が共に働く必要があります。それが起こらなければ何も変わらないでしょう。
(『多様性の中の和合』)

 あなた方がわたしたちを見るとき、人類種族の護衛のために共に働くときがやって来たことを知るだろう。もはや「市場主義のフォース」が人間の上昇への道に破壊をもたらしてはならない。もはや残酷な野心が国民の生活を左右するようであってはならない。大勢の人間が豊かな世界の直中で飢えることが、再びあってはならない。若者たちの未来が彼らの頭上で売られてはならない。自由と正義の未来が招く。それを受け入れなさい、受け入れなさい。
(『覚者は語る 1』─自由と正義の未来─より)

 もうすぐ多くの者がわたしを見るであろう。そして、わたしの容貌を見て驚くかもしれない、わたしが昔の伝道者ではないから。わたしはただ道を指し示す。いのちの本源にかえり、調和と美と正義へ辿りつくために歩まねばならない道を、示すためにやってきたのである。わたしの任務は単純である。あなたがたに道を示すことである。我が友よ、あなたがたは困難な仕事をなさねばならない、新しい世界を、新しい国を、新しい真理を築きあげる仕事を。しかし我らは共に勝利するであろう。
(『いのちの水を運ぶ者』第15信より)

 人間に選択を強いて、こう言うことはできません──「私に投票するなら、自由を与えよう。しかし正義のことは忘れなさい」とか、「私に投票するなら、正義を与えよう、だが自由については忘れることだ」。それはどちらも不可欠なものです。なぜなら両方とも人間の、したがって神の本性の一部だからです。それらは魂から来ます。魂がその人を通して顕現しているならば、その人はすべてのために自由と正義の両方を欲するでしょう。それらは本質的に同じものです。分離することはできません。なぜなら、霊(スピリット)は分離できないからです。神性は完全なもの(whole)であり、それの表現は完全であることを必要とします。それは和合(unity)についてであり、和合は正義と自由の融合からのみ生じます。
(『大いなる接近』)

 現在の混迷と分離の時は徐々に新しい時代に道を譲るだろう。たえず増大しつつあるアクエリアス(宝瓶宮)のフォース(エネルギー)がその魔法を演じて、分裂し、荒れ狂うそれぞれの部分を融合させ、一体にまとめていくだろう。かくして人類は、彼らの長い歴史の中でかつてなかったほどの大いなる、そしてより急速な途方もない変容をなすだろう。
(『覚者は語る 1』─アクエリアス、和合の贈与者─より)

 ……和合が独りでに起こることがないように──つまり栄養と世話と意識的な培いが必要なように──グループや国家を結び付ける絆も同様に、強められ、滋養を与えられ、培われなければなりません。そして世界に法の規制、自由と正義と分かち合いのルールを築かなければなりません。それのみが和合を可能にします。
(『協力の術(ルビ=すべ)』)

 忘れるでない、我が友よ、あなたがたは一つであることを。すべての者の御父が、あなたがたを聖なるイメージに似せて創られたのであることを。あなたがたを通して父の聖なる愛と真の光が輝いていることを。時は近づけり、我が友よ。真理の光があなたがたの周りすべてに輝き、人が兄弟を己の心に迎え入れ、己自身としてお互いを知るようになる時がやってくる。
(『いのちの水を運ぶ者』第51信より)