2025年9月号目次

  

覚者より ベンジャミン・クレーム筆記
協力の術(すべ)

今月号の内容概説

視点
イスラエルのサール外相への公開書簡
ジェフリー・D・サックス

地上で最も重要なテーマ: 世界平和

「もし私の言葉があなたに届いたなら••••••」 ――アナス・アル=シャリフ

あなたが決める 「あなたの党」

イスラエルについて話す時にどうすべきか
サビナ・クレシ

メアリー・ロビンソン氏とヘレン・クラーク氏による声明
2025年8月9日~12日、 エジプトおよびラファ国境検問所訪問後

世界情勢
ICJ 勧告意見書 : 各国は気候変動に対処しなければならない 他

直観的で霊的な知性─魂が私たちにインスピレーションを与えるとき 第一部
クロード・シャボッシュによるヴァレリエ・セギャン氏へのインタビュー

書評
「私たちは孤独ではない」
『隠された真実─禁断の知識』 今こそ知る時(第一部)
スティーブン・グリア博士 (著)

広島への原爆投下から80年─平和はもはや単なる選択肢ではない
エリッサ・グラーフ

塩水で分解可能なプラスチック

量子物理学: 波動と粒子 (第二部)
ドミニク・アブデルヌール

書評と議論 (第一部)
銃の恐るべき怒り :
世界的な武器取引が世界を破滅させている現状と私たちにできること
ポーリン・ウェルチ

間違ってはいたが、正しい点もあり 訂正

認識し、目覚め、心が開いていることの大切さ-選集
The importance of being aware , awake and open – a compilation

読者質問欄

協力の術(すべ)


──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人間は、今日彼らが直面する問題の重大さをますます理解しはじめている。政治、経済、社会のすべての前線において、これらの問題はどんどん増大し、大きな頭痛の種になり、彼らに悲しく頭を振らせる。これらに加えて、自然とその資源に対する人間の軽率な態度が生じさせた環境の問題があり、人類の未来はますます暗澹(あんたん)としている。人類の生命が危機にさらされており、手遅れにならないうちに何か抜本的なことをしなければならないという認識が目覚めつつある。
 事実、人間は災難から自分自身を救うために一体何ができるのか。人間の福利に対する脅威を緩和するためだけにでも、どんなステップを取ることができるのか。
 答えは比較的単純である。しかし人間は、彼ら自身の条件づけられた網の中に捕らえられているので、それを本当に把握することは困難なようである。
 人は競争という毒物から自分たち自身を解き放たなければならない。それがグラマーであることに気づかなければならない。実際そうなのであるから。そしてすべての人間の一体性を悟り、「全体的な善」のために協力を喜んで抱きしめなければならない。協力と正義(公正さ)のみが人間を、彼ら自身がつくり出す大惨事から救うだろう。協力と正義のみが彼らの未来を保証するだろう。これがそうであることを考慮するならば、人間は、救済への鍵として協力を受け入れる以外に選択肢を持たない。
 人々は競争ではなく協力するときに、魔法の一服が彼らの生活の中に入ってくることを発見するだろう。長いあいだ続いていた問題がいとも容易に解決されるのに驚嘆するだろう。不可能だったことがもっとも軽いタッチに道を譲るだろう。そして協力を通してのみ、人間は生きることの本当の術を学ぶだろう。そのようになるだろう。かくして人間は、協力のみが授けることのできる(人間)関係の素晴らしさに感謝することを学ぶだろう。協力を通して、新しい文明が築かれるだろう。新しい科学が明らかにされ、新しい理解が顕れるだろう。かくして、人間は自分たちの神性を発見していくなかで共に成長するだろう。かくして、彼らはそのような一体性の歓びと幸せを知るだろう。
 あなた方の兄たちである覚者たちは協力をよく知っている。わたしたちが行うことすべてにおいて、協力は中心的な役割を果たす。「同胞愛」が示顕されている関係の中では、競争という潰瘍は未知のものである。それ以外ではあり得ない。
 人間が協力の術を学ぶことがわたしたちの真剣な願いである。この目標を目指して、わたしたちはメントール(良き助言者)として働き、模範を通して教えよう。協力は非常に解放的なものなのに、人間がその歓びを学ぶのにかくも遅れたのは本当に驚くべきことではないか。
 競争の時代は急速に終わりに近づきつつある。その消滅に伴って、暴力や戦争、豊かさの直中の飢餓、貪欲や分離が同様に記憶から消え失せていくだろう。これらの悲哀に取って代わるために、喜ばしい協力が出現するだろう。そして人間に彼らの本質的な神性を保証する。そのようになるだろう。かくして人間は、神の様相のもう一つの面を理解するに至るだろう。
(シェア・インターナショナル誌2000年9月号)

今月号の内容概説

 ベンジャミン・クレームの師は、「協力の術(すべ)」という記事でこう問いかけている。「人間は災難から自分自身を救うために一体何ができるのか」。この覚者やマイトレーヤ、ベンジャミン・クレーム、そしてジョン・フィッツジェラルド・ケネディやジェフリー・サックスなど多くの人々が、分離感覚から生じる競争の毒性から人類がいかに解放されるかについて、これまでも助言を提供してきたし、今も提供し続けている。アクエリアス(宝瓶宮)の志向を持つ人々は和合を切望する一方、世界全般は正反対の考えを内面化し、植え付けてきた──つまり、私たちは分離しているだけでなく、私たちの民族、私たちの国民、私たちの宗教、私たちの肌の色だけが重要だという考えである。この「論理」は正気とは思えない。それは、自分たちの民族以外の者はすべて絶滅させなければならないということを意味するからである。私たちは「他者」を抹殺しようとする試みの目撃者である。「絶滅」という言葉には恐ろしい含みと意味合いがある。「論理的には」パレスチナ人の殺戮と全滅で止まるはずはない。次の標的はどこか。米国と世界の人々は、ジェノサイドが続くことを許すのか。ヨーロッパは、政治家と武器製造者が民族浄化から利益を蓄え続けるのを黙認するのか。

 シェア・インターナショナル誌の今月号は、歴史上のこの瞬間の重苦しい性格を反映している。ジョン・フィッツジェラルド・ケネディの霊魂(ゴースト)を呼び起こし、危機の時代に示された偉大なリーダーシップと、平和への道における信頼と善意の重要性について語った賢明な言葉を思い起こしたい。また、政治家たちを操り人形のように操る軍産複合体について考察する。真実をめぐる戦いと、イスラエルによるポグロム(虐殺)の残忍な事実を報道するために命をかけたジャーナリストたちの並外れた勇気を思い起こしたい。このポグロムとは、子供や高齢者、障害者──まさにすべてのパレスチナ人、そして私たち人類──の殺害と飢餓である。

 9月号では、こうした時代の恐怖以上のものが提示されているが、応えることのできるすべての人々の心(ハートとマインド)への悲痛な呼びかけとしてこれを提示したい。私たちは次のことを信じているからである。「協力と正義(公正さ)のみが人間を、彼ら自身がつくり出す大惨事から救うだろう。協力と正義のみが彼らの未来を保証するだろう」。公正で正気な世界を切望する人々と共に、「救済への鍵として協力を受け入れる」ことを要望し懇願する数百万人の声に私たちの小さな声を加えたい。 

活用したいと思う方々のために、マイトレーヤの手の写真を同封した。