今月号の内容概説

 ベンジャミン・クレームの師は、「協力の術(すべ)」という記事でこう問いかけている。「人間は災難から自分自身を救うために一体何ができるのか」。この覚者やマイトレーヤ、ベンジャミン・クレーム、そしてジョン・フィッツジェラルド・ケネディやジェフリー・サックスなど多くの人々が、分離感覚から生じる競争の毒性から人類がいかに解放されるかについて、これまでも助言を提供してきたし、今も提供し続けている。アクエリアス(宝瓶宮)の志向を持つ人々は和合を切望する一方、世界全般は正反対の考えを内面化し、植え付けてきた──つまり、私たちは分離しているだけでなく、私たちの民族、私たちの国民、私たちの宗教、私たちの肌の色だけが重要だという考えである。この「論理」は正気とは思えない。それは、自分たちの民族以外の者はすべて絶滅させなければならないということを意味するからである。私たちは「他者」を抹殺しようとする試みの目撃者である。「絶滅」という言葉には恐ろしい含みと意味合いがある。「論理的には」パレスチナ人の殺戮と全滅で止まるはずはない。次の標的はどこか。米国と世界の人々は、ジェノサイドが続くことを許すのか。ヨーロッパは、政治家と武器製造者が民族浄化から利益を蓄え続けるのを黙認するのか。

 シェア・インターナショナル誌の今月号は、歴史上のこの瞬間の重苦しい性格を反映している。ジョン・フィッツジェラルド・ケネディの霊魂(ゴースト)を呼び起こし、危機の時代に示された偉大なリーダーシップと、平和への道における信頼と善意の重要性について語った賢明な言葉を思い起こしたい。また、政治家たちを操り人形のように操る軍産複合体について考察する。真実をめぐる戦いと、イスラエルによるポグロム(虐殺)の残忍な事実を報道するために命をかけたジャーナリストたちの並外れた勇気を思い起こしたい。このポグロムとは、子供や高齢者、障害者──まさにすべてのパレスチナ人、そして私たち人類──の殺害と飢餓である。

 9月号では、こうした時代の恐怖以上のものが提示されているが、応えることのできるすべての人々の心(ハートとマインド)への悲痛な呼びかけとしてこれを提示したい。私たちは次のことを信じているからである。「協力と正義(公正さ)のみが人間を、彼ら自身がつくり出す大惨事から救うだろう。協力と正義のみが彼らの未来を保証するだろう」。公正で正気な世界を切望する人々と共に、「救済への鍵として協力を受け入れる」ことを要望し懇願する数百万人の声に私たちの小さな声を加えたい。 

活用したいと思う方々のために、マイトレーヤの手の写真を同封した。