今月号の内容概説

 世界は二度と同じままでいることはない、ということを私たちは今や知っている。シェア・インターナショナル誌の読者はいつも、私たちが途方もない時代に生きていることを知っていたが、今はかつてないほど明白である。
 メディアが連日、全世界的な危機について報道しているので、ベンジャミン・クレームの師によるこの記事「未来は招く」が、なぜ4月号用に選ばれたのかは明らかであろう。「世界はひとつであること、人類は有機体であり、その福利はそれぞれの部分すべての健康にかかっていること、危機と病の兆しを無視することはもはや可能でもなく賢明なことでもないこと、これらのことを人間に示す証拠は日ごとに増えている。現在、多くの者がこれに気づき、正義を呼びかけているが、目覚めた人類の叫びのみが、大国を現在の貪欲な姿勢から転じさせるに足るであろう。……この真理をすべての人間にわからせるために、マイトレーヤは一刻も浪費されないだろう」
 こうした考えは、救世主(メシア)はここにおりご自身を明らかにしようとしていると語る超正統派ユダヤ教宗教指導者(ラビ)たちの発表と助言に反映されている(「ユダヤ教宗教指導者が救世主はここにいると語る」を参照)。彼らは人々に対して、祈るように、自分の宗教的行事に従うように、メシアの存在の徴に備え、気をつけるように促している。彼らの助言は、優先事項や価値観を吟味し、自分の立ち位置を知るようにという、すべての人への呼びかけである。
 今月号の本誌は実質的に、同じようなことを「時代の徴」の欄で表明している。一方、「気候問題という試練:人類の倫理基準の足並みをそろえる」のような記事や、真我を探して生きた生涯を明らかにしている魅力的な伝記は、課題と解決策を提示している。抜本的な変化を引き起こすには、平和的な抗議活動に取り組むたった3.5%の人口しか必要とされないことを知ることもまた、励みになるものであり、現在、国際社会の切迫した状況の中から根本的な変化をつくり上げる可能性を現実のものにする。
 新型コロナウイルスに対する世界の反応は、大抵の人々もしくは多くの人々が待望している新たな始まりになる可能性がある。私たちは「自分を隔離させる」ように促され、概して他の人々との接触を避けているが、今回のことは、ひとつであることを実感する共通の体験を受け入れる引き金となるかもしれない。それは簡素さや充足、分かち合い、普遍的な社会正義を受け入れるよう私たちを突き動かしていく可能性がある。
 「あなた方の生活に入りつつあるこの新しいリズムを感じることができないか。人間を行動へと活気づける新しい衝動を、誰が無視できようか。すべてがつくり直されるだろう。そして間もなく暗闇は照らし出す光に道を譲るだろう。……奉仕することを願う者は誰も仕事や目的を欠くことを恐れる必要はない。経験豊かな手による指導が喜んで提供されることを信じなさい。わたしたちは、あなた方がこの世界を復興させるのを助け、あなた方の傍らで兄弟として働き、過去の残骸を取り除く」(「未来は招く」)
 そして、マイトレーヤはメッセージ第13信で次のように言っておられる。「再教育、再建設、そして変革の仕事を、あなたがた自身の任務としなさい。人間一人ひとりが燈台であり、その灯を同胞のために遠くまで照らすのである。あなたのランプの灯を明るくともし、輝かし、道を示しなさい。一人ひとり、すべてが必要である。この世界を救済し、復旧するためのこの偉大な計画に参加するのに、小さすぎる者も、若すぎる者もいない」