世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けました。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したいと思います。そのいずれもこれまでシェア・インターナショナル誌に未掲載のものです。
質疑応答──米国テキサス州ダラスにおけるベンジャミン・クレーム講演会より(日付不明)
Q 今日の米国における主要な霊的問題は何ですか。
A 米国だけでなく、世界中の主要な霊的問題は、マイトレーヤが「悪の根源」と呼んでいるものです。お金のことだと思うかもしれません。関連はありますが、お金ではありません。それは自己満足です。マイトレーヤは、自己満足は大きな罪であると述べています。あなたがたや私の住んでいるような裕福な国が、何百万もの人々が餓死し、何百万もの人々が劣悪な環境で暮らし、病気などに侵されているのを見て次のように言えるのは、その自己満足のせいです。「そのことについて私たちにできることはあまりない。彼らはいまだローンの利息を支払わなければならない」
自己満足は次のような態度を生み出します。「そこで何が起こっていても重要なことではない。黒人やアジア人やヒスパニックは私たちのようではない。彼らにはこれ以上良い人生を送る資格はない。市場の力がすべてを解決してくれるだろう」
これは、市場原理が経済の基本的な基盤であるという、私たち自身の貪欲さ、利己主義の最も異常な合理化です。そうではありません。私たち全員が同じ時点から始めればそうなるでしょうが、そうではありません。巨大な国もあれば小規模な国もあり、莫大な資源を持っている国もあれば、ほとんど資源を持っていない国もあるときに、どのようにして市場原理が合理的であり、ある意味現実的であり、公正であることができるのでしょうか。市場原理はどのようにして本当の意味で公正に作用することができるのでしょうか。それは全く不当であり、自己満足だけがそれを許すのです。
今日人類を悩ませているのは、大きな霊的問題です。それは政治と経済の分野に焦点を当てており、政治と経済の分野でのみ解決できます。私たちは2,000年もの間、宗教こそがすべてであると宗教団体から教えられてきました。神を知りたければ、宗教に参加し、宗教的な人間にならなければならない。キリスト、仏陀、クリシュナ、ムハンマド、あるいは誰かを信じなければならない。ただ信じるだけで何とか救われると信じなければならない、と。それはナンセンスです。救われない限りは、救われません。信じるだけでは救われ得ません。
Q 自己満足と腐敗の間には関連性がありますか。
A この国の主な問題は自己満足です──自己満足とは汚職であり、汚職そのものです。この国を上層部から下層部まで悩ませている経済腐敗と、その結果としての犯罪と麻薬がこの国を崩壊させています。これらに対して何ができるでしょうか。あなたは立ち上がって、私が話しているように話すことができます。現実について話すのです。選挙の時期になると、あなたの代表者が特定の質問に答えます。そうした代表者が、特に発展途上国の搾取されている大衆に対する懸念を示し、現状に満足してはいないと堂々と述べるのであれば、あなたはその人に投票すると言うことができるでしょう。
Q 宗教は自己満足を制限する役割を果たすことができますか。
A 現在[2008年以前]、地球上で最も宗教的なこの国では、約3,300万人が公的な貧困レベル以下で暮らしています[2021年の公式の貧困率は11.6%であり、3,790万人が貧困に陥っている──census.govより]。彼らは路上で生活しています。そうした人々はロンドンにもいます。これらG7の豊かな国々には、家を持たずに暮らす人々がいます。避けられない株式市場の崩壊の後、どの政府も新たな現実に直面しなければならないでしょう。その現実とは、人類のニーズ(必要とするもの)になるでしょう。誰もが食べる必要があります。それはあらゆる生き物の基本的なニーズです。食べ物がなければ生きていくことはできません。何百万もの人々が食糧不足で命を落としており、食糧は先進国の倉庫で腐りつつあります。それは腐敗です。あなたの代表者に発展途上国について何をするつもりなのか尋ねてください。税金を下げるつもりはないのか、増税を支持しているのか、それとも減税を支持しているのか、私はもっと金持ちになるのか、それともそうではないのか。もし私がもっと豊かになるのなら、あなたが何をするにしても、私はあなたに投票します。それは自己満足です。貪欲です。最も極端な形での利己主義であり、社会を腐敗させています。それが、この国が世界で最も犯罪率が高い理由、この国が世界で最大の麻薬問題を抱えている理由です。この国の人口の信じられないほどの割合が薬物[処方薬の服用または違法薬物の使用]に関わっています。
Q この状況はもっと長く続く可能性があると思いますか。
A 崩壊せずにこの状態をどれくらい維持できるでしょうか。分かりません。あなた方次第です。しかし、それについて何かをしなければなりません。あなた自身の生活状態を変えなければなりませんし、もちろん私たち全員がそうしなければなりません。私はただあなたと話しているだけではありません。先進国は成長して現実を受け入れる必要があります。来るべき経済崩壊により、そうせざるを得なくなるでしょう。そのとき、すべての根底にあるのは私たちの相互依存性であることに気づくでしょう。最も大きな国や最も裕福な国でさえ、単独でやっていくことはできません。世界は一つであり、今起こっているこの経済変革は、私たちが一つであり、それぞれがお互いを必要としているということを証明するでしょう。そうすれば政府の優先順位も変わるでしょう。
Q 政府は何を優先すべきですか。
A 最優先事項は、すべての人々に十分な食糧を提供することです。 第二に、すべての人々に適切な住宅や避難所を提供すること。第三に、世界人権宣言が明らかにしているように、すべての人々に適切な医療と教育を提供することです。これらはそれほど革新的とは思えません。十分な食糧、十分な住居、十分な医療と教育など、これほど単純なことはありません。それほど多くを要求しているわけではありません。しかし、これらすべてが普遍的な権利となっている国は世界中にありません。ただの一つの国も、世界で最も裕福な国でさえも、ありません。それを受け入れるとき、人類の生活は変容するでしょう。