正しい関係——選集

「正しい関係」というテーマに関する引用文の選集を掲載する。これはマイトレーヤのメッセージ(『いのちの水を運ぶ者』と『いのちの法則』)、ベンジャミン・クレームの師の言葉(『覚者は語る』と『シェア・インターナショナル』)、およびベンジャミン・クレームの著書から抜粋したものである。

 

次の質問に対するベンジャミン・クレームの回答(2012年8月号)は、毎月ここで提示される選集の価値を説明している。

 

Q 選集のコーナーを愛読する読者もいますが、すでに掲載された記事の繰り返しにすぎないという声も聞きます。編集者としての意見をお聞かせください。

A それはすでに掲載された記事の再掲載ですが、こうした選集は人々に教えを思い出させます。テーマ別の内容は異なった観点と注目を与えます。私の師は、これはこの雑誌の最も重要な部分の一つであり、選集は累積効果を及ぼすと述べておられます。

 

あなたがたがわたしを見るとき、我が友よ、まさに新しい時が始まったことを知るだろう──未来への新しい道標を建てる時が、すべての人の間に正しい関係と信頼を築く時が、従いてくる者たちのために道を照らしながら、調和と分かち合いのうちに共に前進する時が、始まったのである。あなたがたがわたしを見るとき、このことを知るであろう。わたしが絶対なる神として支配するためにやってくるのではなく、兄として、単にあなたがたに道を示すためにやってくることを知るだろう。

(『いのちの水を運ぶ者』第63 信、p.187)

 

マイトレーヤと覚者たちの一団のインスピレーション(鼓舞)と導きのもとで、人間は、正しい決断を行う能力、大計画との関係の中で正しく行動する能力が増大することを知るだろう。これが必然的に同胞愛についての感覚の増大につながり、人間は共に行動することによってのみ前進があるという理解につながるだろう。

妨げとなるものは政治的意志のみである。至るところで、国民は同胞愛の時代を迎え入れるために人生のやり方を調整する用意があり、リーダーシップとマイトレーヤの助言のみを待つ。そうして、人々は自分たち自身のために正しい関係を確立し、世界を管理するにあたって参加者としての役割を受け入れるだろう。

同胞愛の夢が荒唐無稽のものでも無意味な憧れでもなく、ここに今確立されるべき現実であるという新たな希望が人間の心(ハート)の中に沸き上がるのは、そう遠い未来ではない。

(『覚者は語る』─同胞愛の夢─ p.284〜285)

 

世界の大衆は彼らの必要を知らせ始めています。ベルリンの壁を、すべての先進開発国との間にある「ベルリンの壁」を壊しつつあります。そして食べる権利、働く権利、平和で落ち着いた環境で子供たちを育てる権利を要求し始めています。これらの要求は高まるでしょう。マイトレーヤは出現してこれらの人々の要求を刺激し、強力なものとし、地上のどの政府もこの自由と正義と正しい関係への要求に逆らうことはできなくなるでしょう。人類にとって次の運命づけられたステップが正しい人間関係ならば、それは実現されねばなりません。人々がそれを実際に行うときにのみ実現されます。

(『大いなる接近』p.44)

 

人間がマイトレーヤの語る言葉を聞くとき、正しい関係こそが彼らが求める真の現実(リアリティ)であることを認識するだろう。そして励まされ、浄化されて、彼らは分かち合いと正義の過程を始動させるだろう。かくして彼らは、切望しつつ長い間手にすることのできなかった平和を確実にするだろう。

人が心(ハート)から行動するとき、(神の)大計画に沿って行動していることをマイトレーヤは示すだろう。大計画は、彼らが知らないだけであって、それはすべての生命を支配する。人間がこれを知るとき、喜んで以前の愚行と間違った方向への行動をやめるだろう。そしてお互いの間の新しい、より良い関係を始めるだろう──それが来るべき時代を特徴づけるだろう。

(『覚者は語る』─新しい自由─ p. 526)

 

大計画は単に偉大な宇宙的存在者のマインドの中にある何か曖昧な宇宙的概念ではなく、私たちの生活に厳密に関連性を持つものです。それは正しい人間関係に関わりがあり、従って政治、経済、宗教、科学、教育、それから貧しい人たちに食べ物が十分あるかとか、貧困者が多過ぎはしないか、富裕者が多過ぎはしないか、貧富の格差が大き過ぎはしないかに関係するものです。

これらのすべてが神の大計画の一部です。神の計画は従わなければならない一定の規則ではなく、私たちの生活の霊的基盤の中心にあるものなので、それ自体に内的美、つまり内的関連性を持つアイディアなのです。私たちが正しい関係を実施するとき、私たちは自動的に機構──政治、経済、社会──を創造します。それが計画を実施することを可能にするのです。

(『大いなる接近』p. 223〜224)

 

忘れるでない、我が友よ、あなたがたは一つであることを、すべての者の御父が、あなたがたを聖なるイメージに似せて創られたのであることを。あなたがたを通して同じ聖なる愛と真の光が輝いていることを。時は近づけり、我が友よ。真理の光があなたがたの周りすべてに輝き、人が兄弟を己の心に迎え入れ、己自身としてお互いを知るようになる時がやってくる。

(『いのちの水を運ぶ者』第51信、p.155)

 

人類の生活の転換点にあって大きな仕事が彼らを待つ。往古からの間違った思考と生活の習慣をこの世から払拭すること。恐怖心──欠乏や戦争や病気や死の恐怖──からの解放を可能にするように、社会生活の方法を完全に変えること。これらはまさに巨大な仕事だが、あらゆる努力を費やすに値するものである。なぜならそれは、新しい生き生きとした生活、新しいより甘美な人間関係につながり、正義と同胞愛、分かち合いと愛の法則によって支配される世界につながるだろう。そのような世界を創造する仕事よりもすばらしい目標が人類にあり得ようか。

(『覚者は語る』─健康と治療(2)─   p.45)

 

われわれが贅沢と浪費の中で生活しているのに、他方、第三世界の何百万もの兄弟姉妹たちは飢え死にしている。そのような状態の中で、われわれは彼らと正しい関係にあるとは言えない。

解決法は明らかである。この豊かな世界の資源を分かち合うことが正しい関係への欠くべからざる最初のステップである。マイトレーヤはこのことを明らかにされ、この目標に向かって人類が行動することを鼓舞されるであろう。分かち合いと正義を、真の平和への(したがって人類の存続と世界の救済のための)唯一の道として、呼びかけられる。それは、本質的には、正しい人間関係の確立と今日の世界にある明らかに悪い関係を廃棄することへの呼びかけである。個人的、国家的、国際的競争と貪欲、かつてないほど強烈な世界的な憎悪と暴力、分離主義と排他性、自分自身の理想に対する狂信的執着、われわれを自己破壊の淵までもたらしたすべての痛恨と不信を廃棄することである。

マイトレーヤの愛のエネルギー ──「裂開の刀」──の効力が現在の世界にある極化をつくり出したのであり、それは人類に前進への道をはっきりと示すであろう。包括性と愛、正義と人間の精神の自由のために闘う者はすべて、彼の周りに集うであろう。分離主義と搾取、競争と貪欲に味方する者は、同じく明らかになるだろう。そして人類の前にある選択は非常に明瞭になるだろう──愛と憎しみ、分かち合いと貪欲、平和と戦争、生と死との間の選択である。マイトレーヤは(メッセージ第11信の中で)言われた。「わたしの心は、あなたがたの答えを、選択を知っている。そして喜んでいる」と。彼の愛のエネルギーに応えて、人々はすべての国々において、様々なグループをつくり、正義と平和と正しい関係を要求するだろう(それはもう既に始まっている)。間もなくこれらのグループは世界で最も大きな、最も強力な勢力となり、平和と善意の新しい時代を招じ入れるだろう。

(『マイトレーヤの使命 第1巻』p.60〜61)

 

わたしの覚者たちはいのちの規律を、あなたがたに教えるであろう。わたし自身は人類を招くあのより高度な光を、あなたがたに見せるであろう。わたしの教えは二重である。一つは、人間の物質面に関わることであり、人生の必要事項である。もう一つは、われわれが神と呼ぶあの聖なる存在と人間との関係についてである。わたしの言語の中では、これらは同じものである。なぜなら人間同士が正しい関係を築いてこそ、神との正しい関係を築くことができるのであるから。わたしの計画は、これをあなたがたに示し、人が己自身の裡に、分かち合い、愛し、信頼する能力を見いだす時、その瞬間から神へ向かう登り道が始まることを教えることである。

(『いのちの水を運ぶ者』第29信、p.99)

 

あなた方の兄たちであるわたしたちには人間の前方に広がる輝かしい未来の輪郭がますますはっきりと見える。今日の最も創造力に富む洗練されたマインドを持つ人々を驚嘆させるだろう科学の青写真が見える。また人間がいまだかつて見たことのない美と創造的パワーを備える芸術が見える。

とりわけ、規模において人間の歴史に前例のないこの創造力の放出は、人類が通っている大いなる内的変化──「いのちの法則」のうちで生きることを学ぶこと──の必然的結果であることを、わたしたちは認知する。人間がこのことを人生の事実として意識的に知り、理解するとき、彼らは「平和と正義」「自由と正しい関係」に直接つながるステップを喜んでとるだろう。その最初のステップは分かち合いと呼ばれる。

愛の大主マイトレーヤと彼のグループの覚者たちの助けと案内があるとき、人間は分かち合いと正しい関係は同じであることを、同じ衝動であることを見損ないようがない。すなわち現在われわれの分離の底に横たわる和合へ駆りたてる力を人間が示現し、神としての人間の本当の特性を明らかにするのである。

(『シェア・インターナショナル』2008年6月号、

「覚者より」─人間が振り返ってみるとき─)

 

何にも増して、分かち合いの原理と地球資源の再分配が優先されなければならない。世界の福祉に関心を持つ人々すべての心の中に、この中心的な必要が先行されなければならない。分かち合いなしに、達成し得るものはほとんどない。分かち合いなしに、人間は平和を知ることはないだろう。この原理が支配するとき、人間は同胞愛と正しい関係への最も大切な一歩を歩むことになるだろう。

人類が分かち合いの原理を受け入れることは確かである。まだ不確かなのは、如何なる方法によって、そしてどのくらいの速度で、人間がこの基本的な法則を実施するかということである。人間がこの緊急の必要に応えるのを助けるために、マイトレーヤと彼のグループは再び人間の生活と営みの中に戻って来たのである。彼らの勧告は、もしそれが聞かれるならば、人類と正義と平和への最も確実な道を示すだろう。彼らの臨在が何百万の人間の眠っている志向を活気づけ、行動へと駆り立てるだろう。そして彼らを通して、歴史のコースを変えるだろう。

(『覚者は語る』─変化の必要条件─ p.394〜395)

 

自分中心から意識を他へ向けるのに奉仕ほど効果的な方法はない。それほどわれわれに釣り合いの取れた見方をさせ霊的に成長させるものはない。われわれは奉仕するにつれて、われわれが仕える「他の人々」と自分をますます同一認するようになり、徐々にわれわれの注目を小さな分離した自己から転移させる。われわれはより広い包括的な世界のビジョンを得、われわれが部分をなしているところの総体とのより正しい関係に入っていく。

(『マイトレーヤの使命 第1巻』p.307)

 

わたしの計画は、真理の単純な教えを世界に放つことである──人間は一つであり、すべてが兄弟同胞である。神はすべての人間を平等に愛する、自然は、すべての者が分かち合うように、その食物を提供する。わたし自身、人類の体験を経てきた者であるから、人間が窮地を切り抜けていくための答えを知っている。変化し、人間同士が正しく交わり、神の意志を正しく顕していくための単純な方法を教えよう。

(『いのちの水を運ぶ者』第55信、p.164)

 

人類は、私たちが人類という一つのグループであり、宇宙全体の中に分離しているものは何もないことを、すべてが他のすべてに関連していることを完全に理解するようになるでしょう。そして人類を結合させる法則は、宇宙全体を通じて全く何の分離も存在しないということからつくり出された法則です。私たちはアクエリアス(宝瓶宮)から流れ込んでいる統合のエネルギーの影響の下で、融合し、混合し合っているという感覚を発達させていくでしょう。そのエネルギーは集団を通してのみ働き、個人を通しては働きません。個人性は消え、それはグループの奉仕のために提供されるでしょう。

今日、人々は自分の個人性を主張したがります。だから非常に破壊的なのです。なぜならそれは、しばしば権力の地位にあって、そのパワー(権力)を扱うのに十分なだけ進化していない人々の手中にあるからです。彼らは他国に侵入したり、戦争を起こしたり、何千万の人々の生活を地獄のような状況に陥れます。私たちが誇らしく思っている非常に尊ばれてきたこの個人性というものは、グループの奉仕のために提供されなければなりません。

アクエリアス(宝瓶宮)の時代はグループについてです。和合、統合を最大数の部分(個人)にもたらさなければなりません。それは個人性を抹消することではありません。部分、または違いを取り除くことではありません。逆に、異なった個々の部分の最大の数を完全な和合に統合・合成させていくことです。それが多様性の中の和合です。それが将来のすべての仕事のスローガンになるべきです。

(『光の勢力は集合する』p.207〜208)

 

世界はキリストの宣言を待つ。歴史上先例のないこのユニークで偉大な出来事が、新しい時代の始まりを布告するだろう。それは人間の苦悩を終わらせ、新しい勝利の始まりを可能にするだろう。人類がキリストに従うとき、そして人類は必ずそうするであろうが、彼らを待つあの生得の権利を受け継ぎ、キリストから喜びと平安の栄誉を授かるだろう。

そして人間は地上での生活の目的を知り、その目的を遂行することを願うだろう。彼らの魂の意図を知り、いかにしてそれを遂行するかを知るだろう。神との間に、そして彼らの兄弟同胞との間に正しい関係を築く方法を知り、人類同胞愛の概念を現実のものにするだろう。

(『覚者は語る』─光輝く時代が前途に─   p.191)