カテゴリー別アーカイブ: 覚者より

偉大なる母

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 世界は人間が考える以上に、より良い方向に変化しつつある。時折、この惑星全体に漂う不気味な暗雲にもかかわらず、さまざまな出来事の主な傾向は肯定的で希望に満ちている。多様な手段を自在に使えるハイアラキーが突き止めることができることは、人間の目に明らかに映るものよりもずっと大きいので、これはなおさらそうなのである。しかしながら、差し迫った危険にもかかわらず、いまだに人間が無視している重大事がある。その中でももっとも主要なものは環境である。それを人間は日々傷つけていることを知っているに違いない。自然界の略奪は今やすべての者の福利を脅〈おびや〉かすレベルに達しており、かくして人間の生来の免疫力を弱め、かつては永久に克服したと考えられた病気を再び台頭させている。

 人間は自分たちが住むこの惑星に対する責任を自覚せねばならない。人間は、強くはあるがしかし敏感な有機体の世話人なのであり、それを害から守らなければならない。これを行っていると主張できる者は今日ほとんどいない。それどころか、人間は自然界の豊かな寛大さを濫用し、その上を土足で踏み荒らす。多くの者がこの問題に目覚めつつあることは本当だが、それがすべての者の関心事として理解されて、世界的規模で取り組まれるようになるまで、方向を転換させる上での進歩はほとんどないだろう。

 もし人間がこの差し迫った困難を無視すれば、それが人類にとってどれほど危険かを、マイトレーヤが心に留めていることは確かである。マイトレーヤはすべての人間がこの惑星の復興のために働くことを促されるだろう。そしてより簡素な、より幸せな人生への道を指し示されるだろう。

 再びこの惑星が健康を取り戻すとき、それは、気遣いと愛をもって接する者すべてにその恵みを与え続けるだろう。下位王国(動植鉱物界)のエレメンタル(精霊)は彼らの任務を良くわきまえている。人間の無秩序の思考の影響から解放されるとき、これらの勤勉なビルダーたち(建造者)は、調和のうちに、新しい、より良い世界を創造することができる。

 人間が自然界をすべてのものの「偉大なる母」として理解するとき、彼女(自然界)に対して敬愛の念をもって接するだろう。かくして、偉大なる母は人間に彼女の秘密と法則を明かすだろう。この新しい知識を携〈たずさ〉えて、人間は本当に神々として顕現するだろう。

 人間は坩堝〈るつぼ〉であり、その中に新しい「存在(Being)」が創造されつつある。燃えるような体験の熱の中で、人間は徐々に神のなされ方を学んでいる。最初の歩みは遅々とした、苦しいものであるかもしれないが、やがてそのペースは早まるだろう。次々に明かされていく啓示が人間の意識を拡大し、やがて創造性と知識の最高潮につながるだろう。人間は「神の子」として顕れるだろう。

 最初のステップは、現状の危険に目覚めることである。これはすでにかなり進んでおり、多くの者が世界的規模の行動に影響を与えようとしている。その他の非常に多くのことと同様に、その世界的規模の行動は、主要な国々――惑星の汚染に関する最悪の違反者――の心(ハート)の変化を待つ。

 マイトレーヤは来るべき討議に、彼の「声」といにしえからの知恵を添えるだろう。そして声を持たない者たちのために、沈黙のうちに苦しむ者たちのために語るだろう。

(シェア・インターナショナル誌2001年6月号)

裂開の剣

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 多くの人々は、世界にマイトレーヤが臨在されるにもかかわらず、すべてがこれまでより、いっそう険悪で不安定になりつつあると信じる。今日のさらに高まった緊張のために彼らを恐れさせ、対処する用意のない多くの問題や困難を緩和するために、ハイアラキーは何をしているのかと不思議に思う。

 本当のことを言えば、世界は用意されつつあるのである。大いなる緊張と変化の時には、人々は社会の本当の状態について限られた見解──必然的に持つのだが──で問題を見る。

 人類は、これらすべての出来事が将来に対して同じ影響と重要性を持つと思うのだが、本当の見解は、それは覚者たちのみが見ることができ、全く異なるのである。覚者たちは様々な出来事をあたかも平面上(界)で起こっているものとして見、それらを単なる可能性として見るのである。あるものは凝結して〔現実のものとなり=訳注〕世界の変化に影響を及ぼすが、あるものは全く凝結せずに、ただ立ち消えになるということを知っている。人類はその限られたビジョンで、これらの出来事すべてを彼らの将来に関連するものとして見るが、そうではないことは確実である。覚者たちの見解からすると、人類が、これほどまでに、将来がもたらすだろう新しい世界を迎える用意を整えたことはかつてなかった。これほどまでに、共通の福利のためのインスピレーションと用意の整うときに近かったことはかつてなかった。

 キリストが(われわれが想像しないほど早い時期に)戻ると言われたとき、彼は、見せかけの平和という心地良いことばではなく、剣を、「裂開の剣」をもたらしたのである。それは父と子を、兄弟と兄弟を引き裂く剣である。今日われわれが目撃しているのは、まさに「裂開の剣」の働きである。マイトレーヤの愛のエネルギーはすべての者を刺激する

 ──正義と分かち合いを愛し、そのために働く者も、世界に不和と分離を引き起こす者も同様に刺激する。このようにして、「裂開の剣」によって産み出される明確な対比を通して、人々は将来についての本当の選択を──すべての人間、貧しく飢えたる者たち、そしてマネーの男たちや世界の平和の破壊者たち、の未来のための選択を──することができる。われわれ一人ひとりがこの分割のどちらの側に真実を見いだすのかを選択しなければならない。

(シェア・インターナショナル誌2014年10月号)

人類の選択

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 意識しようがしまいが、人類が向上する道は無数にある。わたしたちの観点からみれば、これらの前進への歩みは明らかに見られる。現在の混乱と危機にもかかわらず、多くのところで人間の生活の最悪の状況は速やかに緩和されつつある。非常に深刻な欠乏が存在し放置されている地域が存在することも確かである──何千万の人々がいまだに飢え、そして原因も必然性もなく死んでいる。世界の半分が正義を求めて叫ぶかたわら、他の半分は無関心と無知という陽だまりの中でひなたぼっこをしている。にもかかわらず、本当の広範囲な変化は起こっており、将来への良い前兆である。これが、人類のマイトレーヤに対する反応は熱心で速やかなものだろうという希望をわたしたちに与えてくれる。

 マイトレーヤは、世界の前に公に現れるとき、世界の再生のためのプログラムの輪郭を示すだろう。人類が多くの問題に対処する現在の方法は競争と自己利益に依存しており、非常に欠陥があることを示すだろう。現在の緊張と危険は、無関心と貪欲によってつくり出される不均衡の直接の結果であることを、協力によってのみ世界の問題は解決され、貧困で飢えている人々に食糧が与えられ、惑星の健康が確保され、戦争が忘れられた過去の悪夢となることを、示すだろう。

 人々は耳を傾け、討議し、自らの態度を決めるだろう──同胞愛と分かち合いを受け入れてそれに基づいた新しいより良い生活様式を創造するか、あるいはさらに深く退廃と暴力に落ち込み、そして最終的に自己破壊へと突っ込むか。
 人類は選択をしなければならない。至るところに住む男女は、これがその新しさと壮大さにおいて想像できないほどの人生への選択か、あるいは人類自身の手による屈辱的な死への選択か、そのどちらかの選択をしなければならないことを理解すべきである。破れて、底知れない奈落へと這っていくよりも、大胆に未来に立ち向かい、共に新しい世界を築くほうがより良い。

 では読者の皆さんはどのような選択をするだろうか。あなたの人生(のサイコロ)をどのように投げるだろうか。マイトレーヤと共に立ち、正義と自由への彼の呼びかけに応えるだろうか。分かち合いと愛によってつくり直された世界を選ぶだろうか。あなたの神性を知り、そしてあなたの同胞の神性を知るようになるだろうか。星々につながるあなたの道はあなたの前にある現実だろうか。

 この決断、すなわちあなたの魂の選択は、あなたを歓びで満たすだろうか。そして「愛そのものの本源」へあなたを連れていくだろうか。
 マイトレーヤは、すでに彼が頼りにすることのできる者を知っておられる。マイトレーヤは、人類の心(ハート)は健全で強く、それを頼りにすることができることを知っておられる。彼の軍勢は「共通の善」のために善戦を戦う用意が整っている。至るところにいる善意の男女はマイトレーヤの臨在を感知しており、世界の必要に反応しつつある。
 マイトレーヤは、今日の男女が普遍的善のために彼らの票を投じ選択をするという運命的な機会を見逃しはしないかということに懸念を抱いていない。彼らは、恐れることなく、未来へ向かう準備ができており、奉仕することを願望している。

(シェア・インターナショナル誌2002年4月号)

ばくち的ジェスチャー

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人々が正しい関係に向けて断固たるステップを取るときはいつも、対決に向けて同様の断固たるステップを取る人々が必ずいる。大勢の人間がより大きな自由と正義のために働き、そして死んでさえいる──と同時に、他の勢力は減少する彼らの力(パワー)を強固にするための冷笑的な試みで平和を脅かす。その間、全体としての人類は、放棄され克服されるべき昔の古い憎悪の思考の再発を目撃して、恐れおののきながら見守る。

 あなた方の兄たちであるわたしたちもまた、この危険なやり方を注意深く見守るが、恐れてはいない。良識は、得るものと失うものとを大体、はかりにかけてみるとき、少なくとも不安定な平和を受け入れることを強いることを、わたしたちは知っている。

 これからは、このシナリオが世界中で繰り返されるだろう。“超大国”は彼らの力を維持しようと、あるいは増すことさえ試みるだろう、しかしながら、現状維持を損なわないように慎重にやらなければならないことを知っている。

 一体いつまで、諸国家はこの無益なゲームをすることができるのか。唯一の分別あるコースは、すべての者のための平和と繁栄のために、共に働くことである。この方法によってのみ、諸国は国民に、平和の歓び、正義(公正)の繁栄、そして分かち合いの至福を得るための用意をさせることができるのである。

(シェア・インターナショナル誌2014年6月号)

平和のための分かち合い

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 人は分かち合うとき成長する。今までこの単純なる真理にほとんど注意が払われなかった。多くの者にとっては、分かち合いは自然な当たり前のことである。しかしある者にとっては、その概念は異質なものであり、疑惑と苦痛に満ちている。そのような者たちにとっては、自分のものはすべて、ほとんど神聖にも近い権利によって彼らのものであり、分かち合うことは異質なばかげたことである。それでは、人類はいかで世界平和のための必須条件である分かち合いと再分配の方向に進むことができようか。

 今日どこを見ても、人間は分かち合うことのできない自分たちの無力の結果を見る。地球の至るところで何百万の人間が飢え、そして死んでいる。数え切れない人間が悲惨と絶望的貧困の中に生き、生まれた時から早期に墓に入るまで、苦しみ続ける運命にある。

 人間が地上に存在する理由を理解するようになるとき、変化はやって来るだろう──人間は広大なる進化の実験の一部であり、その目的は二、三を除いたすべてのものに隠されていることに気づくとき、彼ら自身が魂であり、唯一の超魂(オーバーソール)の部分であることを認識し、そして各々がお互いとのアイデンティティーを把握するとき、分かち合いは自然の秩序であり利己主義と貪欲は異常であることを理解するとき、分かち合うことが成長するためのチャンスとして見なされるとき、人は、彼らの悲しみと分離への訣別として、分かち合いを抱擁するだろう。

 その時は今、われわれの頭上にある。内的な力と外的な事象(イベント)の圧力が世界的規模で感じられ、人間の現状と見通しの再評価を引き起こしている。人間の無惨な搾取にさらされて、この惑星は無限に生命を支えることはもはや確かではなくなっている。核による絶滅の脅威が絶えず存在し、他方、経済競争と金融の混乱は数え切れない何千何百万の人間の日常生活をさいなむ問題を提起する。

 国家がこれらの問題を討議するために集うことは現在常識になっているが、それには大切な意味がある。そのような会合は、人間がこの惑星の執事としての責任に気づきはじめ、その状況を改善するための決定を行う用意ができていることの合図である。その決定のうちで一番初めに決められねばならないことは、分かち合う覚悟である。世界の資源がより公平に分かち合われるとき、人間の問題の半分は一夜のうちに消え去るだろう。すでに多くの者がこのことを自覚している徴候が現れており、分かち合いを呼びかける声が至るところでもちあがっている。賢者は分かち合いが永続する平和の唯一の基盤であることを予見し、そして若者たちの英雄も、彼らの人気ある声を添える。

 これは未来のために良い前兆である。なぜなら、それは人間が彼らの前にある選択──分かち合うか死ぬか──にやっと気づき、同胞愛と愛の精神で行動する用意があることを示しているから。人間はもはや彼らの運命を他人の手に──盲目で年老いた男たちの構成する政府に──任せておくことに満足せず、彼らの未来と彼らの世界を守るために直接に参加する必要を感じている。

 多くの者はいまだ恐れている。しかし「新しい時」の光は刻々と輝きを増す。多くの者が新しい時代の夜明けを希望と期待をこめて待ち、奉仕し、そして成長する機会を自覚している。彼らは自分たちが独りではなく、彼らのビジョンを分かち、同胞愛と平和を同じように待ち望む者たちに囲まれていることを知る。

 分かち合いを通してのみ、あのビジョンは実現されるだろう。分かち合いを通してのみ、あの平和は勝ち取られるだろう。それが今のこの時のメッセージである──分かち合って、神の反映となる存在へ成長しなさい。分かち合って、平和と愛の時代の幕開けをしなさい。

(シェア・インターナショナル誌1985年10月号)

人間の役割

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう。今日の方式──森林と土壌の略奪、やせた土地の過度な耕作、多種の動物や魚類の貪欲で無謀な捕獲、これらは永遠に消え去るだろう。

 自然の恩賜に対するこの不浄な戦いに、直ちに停止の号令がかけられねばならない。人はもはや大地と水を毒することを許してはならない。それは人間と動物を同様に脅かすものである。運動および空気と日光に浴する基本的権利を抑制するような飼育の方式に携わることは、もはや適切でない。実験のための数え切れない生物のむごい利用の仕方は、より健全な方法の研究と知識に道を譲らねばならない。

 今日、多くの人々がこれらの問題に関心を寄せ、変えることを呼びかけている。人間の心は正しい方向へ動いており、何ものもこの勢いを止めることはできない。しかしながら、世界の生態均衡を維持するためには、直ちに非常に大きな変化が必要である。

 地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである。

 今日、自然の法則の研究に巨大な額の金が費やされている。同時に、莫大な資源が浪費され、誤用されている。これらの資源が自然の均衡を安定させるために向けられたならば、新しい世界が出現するだろう。人間に長い間、隠されていた秘密を、人間自身が所有することになろう。いままで人間の詮索好きなマインド(識心)に閉ざされていた知識の領域に入ることになろう。自然はその神秘をついに明かし、そして人間は大計画の管理者としての正当な座を占めて、創造主とのパートナーシップ(提携関係)を始めるだろう。

 人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない智恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である。

 人類種族にとって幸いなことに、人間は孤立した存在ではない。人間生活の舞台の背後から、覚者たちの一団が、神の属性のすべてを賦与された者たちが、今、登場しつつある。彼らから長老の智恵が流れ、人間を道に沿って導き案内するだろう。彼らのインスピレーション(鼓舞)を受けて、人は自分の足どりを見直し、もう一度新たに始めるだろう。彼らの賢明な後見のもとに、人は神へと登り始める、潜在するのだが表現されていないあの神性を顕〔ルビ:あらわ〕し示すために。

 このようにして、人間は早晩、覚者となり、同じように神の大目的の奉仕人になるだろう。そうすると、人類から、大計画を進行させるためにすべてのものを共に育む普遍的な智恵の流れが注ぎ出すだろう。

(シェア・インターナショナル誌1985年12月号)

人間の役割

──覚者より
 ベンジャミン・クレーム筆記

 早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう。今日の方式──森林と土壌の略奪、やせた土地の過度な耕作、多種の動物や魚類の貪欲で無謀な捕獲、これらは永遠に消え去るだろう。
 自然の恩賜に対するこの不浄な戦いに、直ちに停止の号令がかけられねばならない。人はもはや大地と水を毒することを許してはならない。それは人間と動物を同様に脅かすものである。運動および空気と日光に浴する基本的権利を抑制するような飼育の方式に携わることは、もはや適切でない。実験のための数え切れない生物のむごい利用の仕方は、より健全な方法の研究と知識に道を譲らねばならない。
 今日、多くの人々がこれらの問題に関心を寄せ、変えることを呼びかけている。人間の心は正しい方向へ動いており、何ものもこの勢いを止めることはできない。しかしながら、世界の生態均衡を維持するためには、直ちに非常に大きな変化が必要である。
 地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである。
 今日、自然の法則の研究に巨大な額の金が費やされている。同時に、莫大な資源が浪費され、誤用されている。これらの資源が自然の均衡を安定させるために向けられたならば、新しい世界が出現するだろう。人間に長い間、隠されていた秘密を、人間自身が所有することになろう。いままで人間の詮索好きなマインド(識心)に閉ざされていた知識の領域に入ることになろう。自然はその神秘をついに明かし、そして人間は大計画の管理者としての正当な座を占めて、創造主とのパートナーシップ(提携関係)を始めるだろう。
 人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない智恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である。
 人類種族にとって幸いなことに、人間は孤立した存在ではない。人間生活の舞台の背後から、覚者たちの一団が、神の属性のすべてを賦与された者たちが、今、登場しつつある。彼らから長老の智恵が流れ、人間を道に沿って導き案内するだろう。彼らのインスピレーション(鼓舞)を受けて、人は自分の足どりを見直し、もう一度新たに始めるだろう。彼らの賢明な後見のもとに、人は神へと登り始める、潜在するのだが表現されていないあの神性を顕し示すために。
 このようにして、人間は早晩、覚者となり、同じように神の大目的の奉仕人になるだろう。そうすると、人類から、大計画を進行させるためにすべてのものを共に育む普遍的な智恵の流れが注ぎ出すだろう。

(シェア・インターナショナル誌1985年12月号)

暗闇の終わり

──覚者より
  ベンジャミン・クレーム筆記

 この地球ほど分割と不調和が蔓延している惑星はどこにもない。われわれの太陽系の中で、これほど競争の中に浸かりきって、協力の恩恵に無知な惑星は他にない。そのような愚行の結果、すなわち不安とあらゆる種類の病気、隣り合わせにある富と貧困、不安定と戦争、が見られるところは他にない。

 なぜそうでなければならないのか。なぜこの最も豊かで肥沃な世界の住民は、その所有権をめぐって争わねばならないのか。

 その答えは、ある程度は地球の資源の非常な豊かさにある。地球は最も密度の高い物質世界であり、長い間、人間はその物質的な富の奴隷になっており、その富をコントロールするために戦い、競争してきたのである。このことが人間王国(およびそれと共に動物王国)を絶滅の瀬戸際にまで追い詰めたのである。核爆弾の開発によって、人間は自分自身の存在そのものを危機に陥れた。

 何にもましてこの事実が、マイトレーヤに彼のグループと共に日常世界に戻る決意を促したのである、少なくとも予定されていた時期よりも千年も早く。彼の目標は人間を説きつけて、瀬戸際から引き戻すことであり、彼らの権力への渇望が、貪欲と競争が、いかに危険で破壊的であるかを示すことである。

 マイトレーヤは人間に、より容易な方法を、協力と正義と信頼の方法を示すだろう。

 この惑星全体に広まる現在の物質主義の不正を、心(ハート)のうちで拒絶する人々が今日たくさんいる。彼らは正義と平和を願い、それらの達成のために行進しデモをする。ますます多くの世界の民衆が一緒になるとき、強力な男たちの行動を変えるだけの力を持つことを認識し始めている。かくして、マイトレーヤは民衆を信頼し、彼らの要求に声を与える。かくして、彼は民衆の行進に参加し、彼の声を彼らの声に加えられる。

 全般的な貪欲のただ中に、幾つかの国々において、政治家や他の人々の中に良心の目覚めがある。極貧の国々の負債が帳消しにされ、そして非常に多くの人々のひどい貧苦に対する新しいアプローチがとられつつある。20年にわたる労苦の成果が実り始めている。マイトレーヤの慈悲心に富むエネルギーがその魔法のような働きをしており、新しい精神が力を強めつつある。

 かくして、数え切れない長い時代の心的態度と習慣は、マイトレーヤと彼のグループによって統御される新しい抑止され得ないエネルギーの前に崩れ始めている。人間は恐れる必要はない。まさに、至るところにいる従順なる者、貧しき者、無力なる者、労苦する者は地球を受け継ぐだろう。人間は協力と奉仕の素晴らしさを学び、そして権力の要塞は一つずつ陥落するだろう。分かち合いと一体性への新しい衝動が人々の心(マインド)を捉えるにつれて、権力と富の帝国は消えていくだろう。そのようになるだろう。かくして、人間は正気を取り戻し、再び(本源に向かって)登り始めるだろう。  

(シェア・インターナショナル誌2005年7、8月号)

未来に備えて

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 一つの時代の終わりと新しい「宇宙の周期」の始まりにかけて、すべてがばらばらになり始める。古い、試みられてきた生活のあり方はもはや機能しないか、あるいは前進しつつある人類の必要を満たさない。確信が不確かに代わり、知られていることはその説得力を失い、人々は当惑し、途方にくれ、恐怖でいっぱいである。かくして、古い双魚宮(パイシス)の時代と新しい宝瓶宮(アクエリアス)の律法の間にあるこの移行の局面にあって、今日われわれは当惑しながら立つ。
 宝瓶宮の時代はおよそ2,350年続くだろう、そしてそのエネルギーが次の数世紀にかけて力を増大させていくにつれて、人々に多くの恩恵をもたらすだろう。しかしながら、現在は双魚宮の、もはや用をなさないのだが、まだ抜け出せない古いやり方が大多数の人間の思想と行動を左右し、支配する。そうであるから、数え切れないほどの大勢の人間が、現在のところ強力で支配的な国々のリーダーたちの行動によって牛耳られている。かくして今は激変とストレス、不調和と葛藤の時である。
 この苦悩の時はもはやあまり長く続かないだろうということは確実である。すでに、変化の兆候は、あなた方の兄であるわたしたちには明らかである。現在のものとは全く異なった状況の輪郭がはっきりと見える。わたしたちには、平和な世界が、正義が支配し、自由が至るところにいる人間の生活を飾る世界が見える。現在の病は過渡的で過ぎ去るものであることを、新しい夜明けの光が人間の生活を照らし、彼らを行動へと駆り立てることを、わたしたちは知っている。また、人々は心(ハート)の中で変化への用意ができており、それを願望していることを、そしてそのチャレンジに熱意と意志をもって立ち向かうだろうということを、わたしたちは知っている。彼らは鼓舞(インスピレーション)と導きを待つのみである。
 マイトレーヤは約束の時刻を待ちながら、その鼓舞(インスピレーション)と導きを、完全に、そしてより多く授けることを切望する。それは、カルマの法則によって、彼が進行するのを可能にする。
 そのとき、偉大なる主は公に人間の分野にお入りになるだろう。そうして、彼は権力と富を持つ人々の思い上がりに挑戦するだろう。マイトレーヤは声なき何千万の人々のために、日々苦悩の中に生きる貧窮し飢えた人々のために、彼らの“上位”の者たちの勅命にあえて挑戦し獄中で衰えている人々のために、語るだろう。マイトレーヤは、正義と自由を愛する者たちのために語り、彼らの大義の声を高らかに上げるだろう。彼は、戦争によって支配する者たちの激怒を和らげるだろう。そして人間の王国を汚す戦争が入り込む扉を永遠に閉ざすだろう。これらのすべてを、マイトレーヤは人間を通して達成し、地球に平和と健全さを復興させるだろう。
 穏やかに、そして目的をもって、彼は人間が受け継ぐべき黄金の未来に備え、そのような未来を形づくっていく男女である“輝ける光”を集合させるだろう。

(シェア・インターナショナル誌2007年12月号)

神の代理者

──覚者より
  ベンジャミン・クレーム筆記

 人間は、前進への道に迷ったとき、問題解決の道を見いだせずに希望を失ったときはいつでも、救いを求める本能的な叫びを、苦悩の中で神に助けを求める訴えを発する。このようにして、20世紀の始めの(世界)大戦中に人類がくぐり抜けてきた労苦がキリストを呼び、彼を再び世界の中に呼び招いたのである。過去のあらゆる変遷を通じて、今ほど多くのことがキリストの到来にかかっていることはなかった。なぜなら、人間がこれほどの破壊力を支配したことはかつてなかったから。
 今日、国家は限りなく分裂している。それぞれが世界の智恵の貯蔵庫であることを主張し、人間に自由と正義のどちらかの選択を提供する。人間がそのような選択を迫られるとは何とばかげたことであろうか。自由と正義は(どちらも)聖なるものであり、神性なるものは不可分である。正義なしに自由はあり得ず、自由を奪われた正義は存在しない。間もなく人間は、真理のこのひどいこじつけを永遠に終わらせ、国家間の不和を癒す機会を与えられるだろう。人間はすべて聖なる存在であり、神の贈り物と計画を分かち合う平等の権利を持つことを認識することのみが必要である。そのような認識なしには、人間は平和を知ることはないだろう。
 人類がキリストを見るとき、自分たちが孤立した存在ではないことを、神の代表者が人類の呼びかけに応えて援助するために戻られたことを知るだろう。キリストは、人間がその本源を神の中に有することを、そして彼らすべてが兄弟であり同族関係であることを思い出させるだろう。キリストは人類の前に、未来の選択を示し、勧告する資格を有する彼の権利を行使するだろう。すべてのためにより良き人生へ向かうステップの輪郭を描かれるだろう。それは人間の霊的本性により適った生活である。キリストは、教え、導き、かくして人間の行動を通して、世界を変えるだろう。
 はじめは、人間が変化の恩恵に慣れるまでは進歩は遅いかもしれないが、やがてその速度は早まり、すべての者が沸き返るような変動の中に誘い込まれる。その過程を止めることのできるものは何もない。なぜなら、それは神の御心の中に源を発しているのだから。神の大計画の磁力に長い間抵抗し得るものは何もない。
 大計画が成就されるのを妨げる最大の要因は、疑いもなく人間の恐怖心である。人間は自分たちの周りに敵意ある世界を見、あらゆる側において貧窮と欠乏に脅かされている。
 核の脅威は、すべての者の上に重くのしかかっている。マイトレーヤは、人間は彼ら自身の恐れ以外に恐れるものは何もないことを勧告されるだろう。人間が自分たち自身にとっての最大の利益のために行動しさえすれば、祝福された未来が待つことを、そして神の意図こそが人間の持つ最良のものであることを示されるだろう。人間は、自分たちの欲する世界を創造するために行動しなければならないことを示され、彼は救うためではなく、道を示すために来ることを、示されるだろう。マイトレーヤは、奉仕の重荷と歓びを自ら担う者すべてに力を与えるだろう。彼の重荷を分かつ者すべてに油をそそいで聖別されるだろう。
 古いあり方を保持する者は危険を感じるが、負け戦を戦い続ける。彼らは城の壁を強めようとして空しい努力をする。正義の潮の流れが変わるにつれて、彼らの塁壁は弱まる。人間が自由に向かって突き進むにつれて、彼らの擁護者は彼らを裏切る。この混乱の中にマイトレーヤはやって来られた、ご自身の聖なる資質を人間のために喜んで供するために。

(シェア・インターナショナル誌1987年7月号)