2025年12月号目次

 

覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記
人間の役割

今月号の内容概説/祝福

視点
幻想から真の平和へ
ガザとウクライナにおけるトランプ氏の試練
ジェフリー・サックス、 シビル・ファレス共著

マムダニ氏のニューヨーク市長選出は新たな方向性を示す
シェア・ギルモア

古い前提を検証し、 新たな方向へ進む
リチャード・ウルフ教授との対談

古代からのつまずきに立ち返る

アイルランド新大統領が平和のための代弁者となることを誓う/ ダムの撤去によりクラマス川が復活 / カワサク・サチャー自然 の権利を認める / 鉄道システムの新たな用途/ロボットが電子廃棄物の処理を学習

時代の徴
願いが叶う庭 他

量子物理学: 理論の統一 (第三部)
ドミニク・アブデルヌール

導き
アート・ユリアーンス

グラマーとイリュージョンを克服する-選集
Overcoming glamour and illusion – a compilation

編集長への手紙
『分かち合い広報自転車』 の白いバラ他

読者質問欄

人間の役割

──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

 早晩、人間は下層王国(動、植、鉱物界)との関係の真のあり方を理解するようになり、彼らの進化のために世話係の役割を喜んで引き受けるだろう。これが飼育業や農業、林業、漁業のすべての面における変容につながるだろう。今日の方式──森林と土壌の略奪、やせた土地の過度な耕作、多種の動物や魚類の貪欲で無謀な捕獲、これらは永遠に消え去るだろう。

 自然の恩賜に対するこの不浄な戦いに、直ちに停止の号令がかけられねばならない。人はもはや大地と水を毒することを許してはならない。それは人間と動物を同様に脅かすものである。運動および空気と日光に浴する基本的権利を抑制するような飼育の方式に携わることは、もはや適切でない。実験のための数え切れない生物のむごい利用の仕方は、より健全な方法の研究と知識に道を譲らねばならない。

 今日、多くの人々がこれらの問題に関心を寄せ、変えることを呼びかけている。人間の心は正しい方向へ動いており、何ものもこの勢いを止めることはできない。しかしながら、世界の生態均衡を維持するためには、直ちに非常に大きな変化が必要である。 
 地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することを前もって定められているのである。
今日、自然の法則の研究に巨大な額の金が費やされている。同時に、莫大な資源が浪費され、誤用されている。これらの資源が自然の均衡を安定させるために向けられたならば、新しい世界が出現するだろう。人間に長い間、隠されていた秘密を、人間自身が所有することになろう。いままで人間の詮索好きなマインド(識心)に閉ざされていた知識の領域に入ることになろう。自然はその神秘をついに明かし、そして人間は大計画の管理者としての正当な座を占めて、創造主とのパートナーシップ(提携関係)を始めるだろう。

 人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない智恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である。
 人類種族にとって幸いなことに、人間は孤立した存在ではない。人間生活の舞台の背後から、覚者たちの一団が、神の属性のすべてを賦与された者たちが、今、登場しつつある。彼らから長老の智恵が流れ、人間を道に沿って導き案内するだろう。彼らのインスピレーション(鼓舞)を受けて、人は自分の足どりを見直し、もう一度新たに始めるだろう。彼らの賢明な後見のもとに、人は神へと登り始める、潜在するのだが表現されていないあの神性を顕し示すために。
このようにして、人間は早晩、覚者となり、同じように神の大目的の奉仕人になるだろう。そうすると、人類から、大計画を進行させるためにすべてのものを共に育む普遍的な智恵の流れが注ぎ出すだろう。

(シェア・インターナショナル誌1985年12月号)

今月号の内容概説

 ベンジャミン・クレームの師による記事「人間の役割」には、人類には使命があると記されている。私たちの使命、責任とは、私たちのいのちとこの惑星上のすべてのいのちを守り、育むことである。私たちは、この地球という故郷を守り、育み、そうすることで包括性と意識において進化していく機会を与えられている。「地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することは前もって定められているのである」

 今月号は、この使命を遂行していく能力を高めるようなアイディアや態度に捧げられている。その能力とは、私たちの前に立ちはだかるものが何であれ、それを排除する能力であり、私たちの進歩を妨げるすべてのものを切り開いていく手助けとなるものである。私たちを惑わせたり、待ち伏せしたりする働きをするかもしれないもの、混乱を生み出すあらゆるもの、真実(リアリティ)・事実・科学・永遠の真理を歪めるあらゆるもの──要するに、転生している魂としての私たち自身の内なる声や目標の感覚、奉仕の可能性から私たちを逸らすすべてのもののことである。そしてもちろん、経験や直観に反するすべてのもののことである。

 世界が人口知能(AI)や仮想知性がどれほど有益かというジレンマに頭を悩ませる中、AIは確かに、気を逸らす可能性のあるもののカテゴリーに位置づけられる。多様なAIとそのさまざまな用途との間の合理的な境界線はどこにあるのか。チャールズ・アイゼンシュタイン氏はその派生問題について考察する一方、リチャード・ウルフ教授は米国という帝国の衰退の兆候を検証する。ヤニス・ヴァルファキス氏は、人生で出会った女性たちに触発された自分の政治的・社会的成長を描き出している。秘教徒のアート・ユリアーンス氏(故人)は「導き(ガイダンス)」という現象を検証している。

 また、人類が繰り返しトラウマ(心的外傷)に陥るのを余儀なくさせている未解決の問題にも立ち返りたい。私たちが自らの性質の中にあるさまざまな傾向や弱点を理解し、折り合いをつけるまで、このトラウマは続くだろう。クレームの師による簡潔だが示唆に富む追加の記事では、国際社会から小規模なグループに至るまで、世界を脅かす可能性のある傾向が指摘されている。覚者はこう警告している。「人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない知恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である」 

 それでも、サックス教授とシビル・ファレス氏はこう主張する。「まだ一筋の希望は残っている。現実(リアリティ)は頑固なものだからである」。現実(リアリティ)とは頑固なものであり、遅かれ早かれ、最も惑わされ迷わされた人々さえも、明瞭さと真実によって支配されるようになるに違いないことに感謝しなければならない。そうすれば、私たちは直観と一体感を取り戻し、現実(ルリアリティ)に立ち返り、進化の大計画に奉仕する方法を見つけることができる。
今年を締めくくるにあたり、読者の皆様にマイトレーヤと覚者方の真の祝福があることをお祈りします。「マイトレーヤは彼の後ろに立つ者、平和と正義、自由と愛を貴重に思う者の究極の勝利を疑わないことを念頭においておきなさい。マイトレーヤは、これらが人間存在の主動因であることをご存じであり、すべてにおいてこれらに最高の価値が付与されるのを見届けるために来られる」

注:1月より、本誌[英文誌]のウェブ版は以下で閲覧可能です。
https://share-international.org/resources/magazine/

[訳注:今月号の英文誌は、記事が非常に多くなっているため、日本語版ではその一部を2026年1月号、2月号に掲載します。なお、英文誌は1月からウェブ版に移行しますが、日本語版については紙媒体での発行を継続します]

読者質問欄

世界中のあらゆる講演において、そして生涯のほぼ毎日、ベンジャミン・クレームは広大な範囲に及ぶ大量の質問を受けてきた。この大量の記録から、過去の年月にベンジャミン・クレームと彼の師である覚者によって提供された回答を掲載したい。

Q なぜ、あなたの師の名前を明かさないのですか。(1984/9)
A 今のところ、明かさないように彼に要請されたからです。その理由を二つだけ知っています。主な理由は、もし私が彼の名前を一般に明かせば、私が共に仕事をしているグループにも明かさなければなりません。そしておそらく彼らは注目を私の師に――テレパシーによって――しょっちゅう注ぐことになり、覚者の注目をそらすことになります。彼がそれを「ふさぐ」にせよ、それに応じるにせよ、覚者のエネルギーと時間の浪費を伴います。覚者方はこの両方とも注意深く守ります。(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

Q アリス・ベイリーは明瞭なチャンネルだったのですか。彼女は全然誤りがなかったということが言えますか。(1984/9)
A いいえ、また彼女自身も全然誤りがないと主張しないだろうと思います。覚者方でさえも全然誤りを犯さないと主張されません。しかし、もし覚者(ジュワル・クール)が30年間もアリス・ベイリーを通して仕事を続けられたのならば、仲介者としての彼女の正確さに十分に満足しておられたのだろうと思います。
(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

Q 私たちは自分で覚者方に接触することはできますか。
A いいえ、覚者に接触することはできません。何らかの理由があれば覚者があなたに接触します。まず最初に、メンタル偏極というものを達成しなければなりません。あなたの意識の偏極は高位のメンタル界になければなりません。なぜなら彼らは魂のレベルで働くからです。しかし、もしあなたが世界への奉仕に適合し、十分に客観的になり、オープンで利他的な方法で働く用意があれば、彼らはあなたに接触するかもしれません。
 接触を受けた人々は時の初めから存在します。すべての偉大な芸術家、思想家、詩人、作家、音楽家、偉大な政治家、科学の発見者たち、彼らは皆、覚者方の弟子です。彼らは覚者方の監督の下で働き、私が行っているように、内的に、主観的に魂のレベルで与えられたものに反応しています。このようにして、彼らは覚者方の仕事をこの世で実行してきました。このようにして、私たちの文明と文化は長年発展してきました。
(シェア・インターナショナル誌2023年1月号)

Q 私は何年間も、内界で覚者とか大師に接触しようと試みていますが、成功しません。これには理由があるのですか。(1984/10)
A 覚者と接触したいという単なる願望で覚者との接触ができるということではありません。志向者や弟子は、彼が覚者の仕事に役立つことができることを、才能と客観性と奉仕への願いによって示さなければなりません。「生徒の準備が整った時、師匠は来られる」という、いにしえの諺があります。
 情緒(アストラル)界における「ガイド」や「指導霊」と接触するのには、もちろん、霊媒的能力以外に特別な才能はいりません。しかし情緒(アストラル)界とのそのような接触は避けるべきであると私は思います。(『マイトレーヤの使命 第Ⅰ巻』)

Q 「スピリット・ガイド」は実在するのでしょうか。私たちの魂のことでしょうか。
A 確かに、七つのアストラル界層や低位メンタル界層のさまざまなレベルで活動する、肉体を持たない非常に多くの存在(エンティティー)がいます。彼らは物質界の霊媒や敏感な者たちを通して「導き(ガイダンス)」を与えています。この導きは、ごくありふれた些細なことから、高い志向を持つ、高揚感を与えるような教えまでさまざまです。彼らは、四つのメンタル界層のうちで最も高いレベルであるコーザル界層に存在する、私たちの魂ではありません。覚者方は、このレベルで弟子たちとコミュニケーションを取ります。
(シェア・インターナショナル誌1984年10月号)

「イリュージョン」というテーマに関する
ベンジャミン・クレームの基調講話(2003年)からの抜粋

ジュワル・クール覚者によると、「イリュージョン(錯覚)は主にメンタル的な特質であり、感情的な者よりも、より知的な者のマインドの姿勢の特徴である。彼らは通常理解されているグラマーのレベルを脱した。彼らの過ちや間違った解釈は、概念(アイデア)あや想念についての誤解である」。
 「今日イリュージョンは非常に強力であり、マインドがいくらかでも発達している数少ない人間は、しかしながらこれらの膨大な錯覚的な想念によってコントロールされている。それらの想念は、低位のパーソナリティーの生活と一般大衆の欲望的特性に根差しており、そこからいのちを引き出す」

[ベンジャミン・クレーム:]私たちはイリュージョンに取り囲まれた世界に住んでいます。世界のすべての国がそれぞれイリュージョンを持ちます。ロシアやアメリカのような大きい国ならば、国民は通常途方もないイリュージョンを持っています。彼らは支配し拡大することを求めます。大きければ大きいほど、より大きくなることを求めます。奇妙なことです。ロシアやアメリカのようなサイズの国は、あまりにも大きいので、大きくあることに疲れてしまうのではないかと思います。扱いにくく、調整が効かないように感じるだろうと思いますが、しかし彼らはもっと大きくなりたいのです。

 アメリカ合衆国と呼ばれるこの広大な土地、東西に3,000マイル(4,800キロ)、南北に2,000マイル(3,200キロ)という大きさに十分に満足できると思うのですが、そうではありません。テキサス州とニューメキシコ州、そしてカリフォルニア州の半分はどこから来たのですか。アメリカはメキシコから奪ったのです。それはすべてメキシコの領土だったのです。最大で最高になりたい、強大になりたい、優越感という想念をつくるためのこの欲望が、アメリカ合衆国の国民の大きなイリュージョンです。今日、共和党政権の下でアメリカの支配する世界的な政治経済制度をつくろうとしているようです。

 ジュワル・クール覚者はまた、すべての弟子はまず真っ先に勇気を持たなければならないと言われます。私たちが勇気を持つまで世界は決してイリュージョンを取り除くことはないでしょう。真の弟子の義務の一つは、世界に存在する権威に対して、それが科学、宗教、政治あるいはいかなるレベルのことであろうとも、自分たちが反対だと思うこと、それらについてより明確に見通せることについては、公に声を上げることである、とジュワル・クール覚者は言います。

 もし彼らが間違っていると思うならば、弟子にとってそれを指摘することは義務であります。もし弟子たちがただごまかして、そのテーマについて見解を持たず、それ以上に良い、より明確な、より真実なものを提示できないのならば、それは名ばかりの弟子であります。真の弟子とは恐怖心を知らない弟子です。それがすべての弟子たちにとって第一に重要なことです。

 ジュワル・クール覚者によれば、グラマー(幻惑)を克服する唯一の方法はメンタル体を通してであり、メンタル体を通して魂によってグラマーが明らかにされます。「グラマーやイリュージョンが存在することを認知することだけでも進歩である。人類の大多数はそれらの存在にすら気づかない」と彼は述べています。ほとんどの人と、ただ話をするだけでこれが本当だということが分かるでしょう。ほとんどの人は、自分がグラマーとイリュージョンの中に生きていることに全く気づいていません。

「今日多くの善良な人間がこれを見ない。彼らは自分たちのグラマーを神聖視する」。神聖視するのですよ。それは素晴らしいものだと思っているのです。「そして彼らはイリュージョンを自分たちが勝ち得た素晴らしい所有物と見なす」
(『グラマー ──世界の問題』より)

 人々は政党や組織に加わります。あるいは組織されていないグループに加わり、自分たちを権力ある地位に置いて、それを組織に変えてしまいます。それが彼らに自分が強力だとか重要だというイリュージョンを与えます。コントロールするための隠れた方法です。それがすべての社会を支配する主要なイリュージョンです。
 すべての政党が、すべてのいわゆる霊的精神的なグループが、至るところのあらゆるグループが、自分たちがコントロールできるような状況に引き付けられます。グループ全体としてはそうではないかもしれませんが、グループの中の個人がそうなのです。そのコントロールが彼らにパワー(権力)の感覚を与えます。彼らが欲しいのはパワーであり、政治的、精神的、宗教的性質の奉仕を提供していると思っているのですが、そうではありません。意識しようがしまいが、彼らはパワーを追いかけます。それが大きなグラマーであり、巨大なイリュージョンです。

 宗教、政治、社会、科学、あるいはアカデミックな世界であろうと、自分の特定のグループの中で地位を獲得しようとし、そしてそれを保持しようとして闘いながら、彼らは何年もの月日を浪費するかもしれません。考え得る限りのあらゆる制度や集団が、今日絶えずつきまとうこの問題を抱えています。

 ジュワル・クール覚者は言われます。「イリュージョンとは、限られた理解と唯物的知識が真理を解釈し、それを想念の曇りの背後に覆い隠す様式である。それらの想念は、それが覆う真理よりもずっとリアル(本当のよう)になり、その結果、人間のリアリティ(実相)をコントロールする」

 世界には多くの問題があります。しかし意識について問題なのは、まさに教育があればあるほど、専門分野でより進んでいればいるほど、その人はより深くイリュージョンの中にはまり込んでいる傾向があるということです。なぜならそのような知識や学問が、コントロールしたいという欲望に対する場を提供するからです。宗教であれ、政治であれ、アカデミックであれ、それらの組織制度が、人に、より一層の権力とコントロールを発揮できる地位に向かって、より高く昇進していく構造を提供します。

 彼らは職業において出世して、その制度の中で権力の地位に就き、物事や金や人間をコントロールする才能に長けていきます。これがペンタゴン(国防総省)から世界の株式取引所まですべてを取り囲む主要なグラマーです。これが同じグラマーであり、同じイリュージョンなのが意味深いです。お金を儲けることが幸せをつくり、もっと儲ければより大きな幸せをつくるという考えは想念です。もしあなたがどうしようもない環境にあり、食べたり、着たり、子供たちを教育することもおぼつかない状況にあるときには、もちろんもっとお金を得ることで、そのストレスは緩和されるでしょう。しかし百万長者になる必要があるという考え、そして百万長者になれば、今度は億万長者になる必要があり、そうなる方法は株式市場に投資することだという考えはイリュージョンです。……

 これらの想念が私たちの人生をいっぱいにし、曇らせています。それは一時の空想ではありません。私がイリュージョンについて語ったことすべてがいま起こっていることであり、大多数の人の人生のほとんどの時間を構成しています。
さらに、おそらくこれはもっと悲惨だと思いますが、「この形のイリュージョンは、弟子たち、そして最初の2段階のイニシエーションを受けた者たちの間にますます広がりつつある。……彼らが達成したことの重要性が彼らの上に浴びせられ、そして彼らの責任と知識についての感覚が増大する。彼らはそれらを過剰評価し、自分の使命および自分自身を人の子たちの間でユニークなものと見なし、認知を求める内的主観的な要求が入り込み、そうでなかったならば実りある奉仕であったものを台無しにする。パーソナリティー(肉体人間)を強調するものはどんなことであれ、魂が低位人間を通して注ぎ込もうとする純粋な光をいとも簡単に歪めることができる。パーソナリティーが請け負った使命や任務に注目を引こうとするいかなる努力もその使命から注意を逸らすことになり、任務を遂行する障害となる。そしてその弟子は彼を通して愛が注ぎ入り、光が輝くことのできる純粋な回路以外の何ものでもなくなるときまで、その任務の成就は延期される。(愛と光が)彼を通して注ぎ入り、そして輝き出るということは自然に起こらなければならず、自己についての言及は一切含まれない」。
(『グラマー ──世界の問題』より)

 私は、特定の個人によって導かれ、1年か2年くらい世に名を馳せたグループのことをしばしば耳にします。アメリカではよくそれを見かけました。1980年以降、私がアメリカに来るたびに、大きなグループを率いた有名な“グル”とか教師について聞かされ、たまに彼らに会ったこともあります。彼らは田舎や山などの美しい、素晴らしい所に別荘を贈られて、そこに住んでいるかもしれません。……6カ月か1年くらい経つと、もうそのグループについて何も耳にしないか、あるいは彼らには何か問題があり、例えば40万ドルも無駄使いして、後援者が建物を取り上げたとかという噂を聞かされます。怪しげなビジネスは、特にお金に関わるものはいつも存在します。……

 おそらくグループを始めた人は奉仕の感覚を持っていたか、あるいは何らかの“体験”があったのかもしれません。アストラル的な感受性を持っていて、おそらくアストラル界の第5か第6レベルの霊存在と接触があって、そのレベルでの極めて素敵なはっきりとした思考やアイディアを受け取っていたかもしれません。そうするとそのレベルに反応できるタイプの人々が引き付けられるでしょう。しかしそれはもっと明瞭さを求め、外的な現実の世界にもっと関連のあることを要求するような人々ではないでしょう。ですからそのグループはひとりでにつぶれてしまい、それについてもはや何の噂も聞くことはなくなります。それが繰り返し繰り返し起こります。……

 もっと劇的なものになると、全員が自殺した、毒を飲んだ、お互いに撃ち合ったとかいうニュースを聞きます。あらゆる恐ろしい物語が異様な“霊的”グループの歴史を飾っています。しかしその“霊的”なるものの99パーセントが、巨大なイリュージョンに基づいているのです――創始者とそして創始者に従って、火の中、山の中、死だろうと、どこへでもついて行った人々のイリュージョンです。
(『生きる術』)

[ジュワル・クール覚者の引用句はすべて、アート・ユリアーンス編纂『ポンダー・オン・ジス(Ponder On This)』の「イリュージョン(錯覚)」の部分より抜粋した]