今月号の内容概説

 エネルギー、エーテル、宇宙エネルギー ──今日の世界はエネルギーという概念に慣れ親しんでいる。「すべてはエネルギーである。宇宙全体にエネルギー以外のものは存在しない」と聞いても、驚く人はいない。現代科学と秘教の知見は、共通の土台を見いだし始めている。ただし今のところ、共通の用語は使われていない。物質から霊のいのちへの復活を象徴するイースター祭が近づくなか、この4月号を通して流れているのは、濃密物質や物質主義とは対極をなすエネルギーや生命または魂というテーマである。

 先見の明のある市民は、間もなく突破口が開かれることを期待している。「過去のものである『古い』核分裂エネルギーの技術よ、さようなら」。そして次の見出しはこうなるだろう。「常温核融合プロセスによって生成される、安全で、無限で、安価な新しい核エネルギーが完成した」。こうしたニュースの見出しを予見して、先駆的な科学サークルで進展する常温核融合の研究についての記事を掲載した。さらに、それと組み合わせて、霊的エネルギー──魂のエネルギー、生命エネルギー、プラーナ、生体エネルギー ──を扱う記事やインタビューも掲載した。

 今月号の選集は、ベンジャミン・クレームの師が「グラマー」に関する記事で示された洞察と呼応している。覚者はその記事で、人類が自らの本質を誤解していることについて述べておられる。「感覚や感情──欲望的性質──との間違った同一認(アイデンティフィケーション)を通して、人間はイリュージョン(錯覚)と非現実の濃い霧で自分自身を取り囲み、その中で迷っている。……分離感を強化するものはすべてグラマー(幻惑)の行為の結果であり、その異説を崩そうとする者はすべてその駆除のために働く」。この記事が現代に関連していることは明らかである。「……国家の誇りという馬鹿げた考えが、国家をその国民の利益に反した行為へ導くのを、われわれはしばしば目撃する。これらのグラマーの行為は欲望──権力への、野心の達成への欲望──の産物である。科学の光が特定の大昔からのグラマーをこの世から取り除いてくれたが、その代わり他のグラマーをつくり出した──所有欲のグラマーが世界の半分をその奴隷にし、他方、あとの半分は飢え、悲惨と窮乏の中で死ぬ」

 1992年のインタビューで、ベンジャミン・クレームが核融合の分野での実験的研究について言及したことは興味深い。クレームとインタビュアーはまた、軍隊が最大の汚染者であることについても話し合った。まさしくこの話題に関する大堤直人の記事をご覧いただきたい。

 多くの前向きな取り組みがあらゆる分野で行われている。例えば、生物種を保護するための環境プロジェクト、他者を助け、光をもたらし、土地の権利を取り戻すための社会的な努力などである。地球とそこに住む人々を健全な状態に戻そうとして、多くのことが行われている。今月号では、実践的な善意の行動に焦点を当てた記事をいくつか掲載している。

 「物質主義に対する魂の勝利」というタイトルの選集も同じ問題に取り組んでおり、個人と人類全体から分離と物質主義のグラマーを取り除くために、パーソナリティーや形態生命に対する魂の勝利が緊急に必要であると主張している。人類が前進するためには、魂の光がやがて、しかし着実かつ迅速に勝利しなければならない。ベンジャミン・クレームはマイトレーヤの言葉を引用し、これを達成する方法についてのさらなる教えと説明を提供している。「『真我と接触する方法は、心(マインド)の正直さ、生気(スピリット)の誠実さ、そして無執着という三つのものを実践することである』。このようにして徐々に、自分が実際に誰であるかを、つまり神であることを認識するようになります。人々はそれを神や、父、主、絶対者と呼びます。これらはすべて、唯一の同じものを表す異なった言葉です。私たちは『それ』なのです」