今月号の内容概説

 ベンジャミン・クレームの師による記事「人間の役割」には、人類には使命があると記されている。私たちの使命、責任とは、私たちのいのちとこの惑星上のすべてのいのちを守り、育むことである。私たちは、この地球という故郷を守り、育み、そうすることで包括性と意識において進化していく機会を与えられている。「地球が、生きている存在として、その全体にとってそれぞれ欠くことのできない各部分をすべて整えた完全な存在として見なされるとき、新しいビジョンと新しい正常さが普及するであろう。人間は自然の秩序の世話人として自分たちを見るようになるだろう。大計画に沿って、人類の上位も下位も、それぞれの王国が関連し合い、和合と美の中に機能することは前もって定められているのである」

 今月号は、この使命を遂行していく能力を高めるようなアイディアや態度に捧げられている。その能力とは、私たちの前に立ちはだかるものが何であれ、それを排除する能力であり、私たちの進歩を妨げるすべてのものを切り開いていく手助けとなるものである。私たちを惑わせたり、待ち伏せしたりする働きをするかもしれないもの、混乱を生み出すあらゆるもの、真実(リアリティ)・事実・科学・永遠の真理を歪めるあらゆるもの──要するに、転生している魂としての私たち自身の内なる声や目標の感覚、奉仕の可能性から私たちを逸らすすべてのもののことである。そしてもちろん、経験や直観に反するすべてのもののことである。

 世界が人口知能(AI)や仮想知性がどれほど有益かというジレンマに頭を悩ませる中、AIは確かに、気を逸らす可能性のあるもののカテゴリーに位置づけられる。多様なAIとそのさまざまな用途との間の合理的な境界線はどこにあるのか。チャールズ・アイゼンシュタイン氏はその派生問題について考察する一方、リチャード・ウルフ教授は米国という帝国の衰退の兆候を検証する。ヤニス・ヴァルファキス氏は、人生で出会った女性たちに触発された自分の政治的・社会的成長を描き出している。秘教徒のアート・ユリアーンス氏(故人)は「導き(ガイダンス)」という現象を検証している。

 また、人類が繰り返しトラウマ(心的外傷)に陥るのを余儀なくさせている未解決の問題にも立ち返りたい。私たちが自らの性質の中にあるさまざまな傾向や弱点を理解し、折り合いをつけるまで、このトラウマは続くだろう。クレームの師による簡潔だが示唆に富む追加の記事では、国際社会から小規模なグループに至るまで、世界を脅かす可能性のある傾向が指摘されている。覚者はこう警告している。「人間はすべてのものを新しくすることも、あるいは世界を破滅させることもできる力を持つ。これまでに、そのような全能が人間の掌中にあったことはなかった。この力の正しい使用を保証するためには、今日めったに見られない知恵の表現が要求される。それを人間は己の裡に見いださなければならない、さもなければ死滅である」 

 それでも、サックス教授とシビル・ファレス氏はこう主張する。「まだ一筋の希望は残っている。現実(リアリティ)は頑固なものだからである」。現実(リアリティ)とは頑固なものであり、遅かれ早かれ、最も惑わされ迷わされた人々さえも、明瞭さと真実によって支配されるようになるに違いないことに感謝しなければならない。そうすれば、私たちは直観と一体感を取り戻し、現実(ルリアリティ)に立ち返り、進化の大計画に奉仕する方法を見つけることができる。
今年を締めくくるにあたり、読者の皆様にマイトレーヤと覚者方の真の祝福があることをお祈りします。「マイトレーヤは彼の後ろに立つ者、平和と正義、自由と愛を貴重に思う者の究極の勝利を疑わないことを念頭においておきなさい。マイトレーヤは、これらが人間存在の主動因であることをご存じであり、すべてにおいてこれらに最高の価値が付与されるのを見届けるために来られる」

注:1月より、本誌[英文誌]のウェブ版は以下で閲覧可能です。
https://share-international.org/resources/magazine/

[訳注:今月号の英文誌は、記事が非常に多くなっているため、日本語版ではその一部を2026年1月号、2月号に掲載します。なお、英文誌は1月からウェブ版に移行しますが、日本語版については紙媒体での発行を継続します]